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愛知県 県立 岡崎高等学校 卒
東京大学 理科一類

木原 悠月さん

■センター試験得点 833点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 81 56 37 44 35 =253/440点
自己採点 80 60 30 20 40 =230/440点

■受験した感触・・・ 物理で点を落としたのがショックだった。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A

受かればいいなと思いながら

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 東大に行くことになる、と1年前の自分に言ってもとても信じないでしょう。もともと東大に行くという強い意志もそれに伴う勉強もしてこなかったわけですから。
 愛知県の高校にいたので名大あたりに行ければ御の字だと3年のはじめまで思っていました。そのため東進の先生に模試の結果などから東大を目指すことを勧められたときは、とんでもないと断っていました。たとえ豊富な資金や実験環境、充実した教育が得られるとしても、日本最高峰を目指すことのリスクは大きすぎると思ったからです。合格する瞬間まで、ある種東大は雲の上の場所であり、それを目指す覚悟と才能が必要な厳しい場所だと感じていました。それでも先生から模試の度、「君には東大を目指す資格がある。」「それは誰でも得られるものではない。」「挑戦してみる価値は大いにある。」と熱い言葉を投げかけられ、高校3年の夏にかけて「行けるわけがない」という気持ちが「行けたらいいけども」という、傍から見れば大して変わっていないように見えますが、自分としては大きな変化をすることになりました。それは「行く気もないし、受からない」から「行く気はあるが、受からないだろう」という変化であり、これ以降「確実に名大に受かればよい」という気持ちと「リスクを承知で東大を目指したい」という気持ちの間でひどく苦しめられることになりました。
 結局3年の夏、東大を第一志望とすることが紙面上で決まったわけですが、それ自体も半ばやっつけのものであり、心から意志が定まったわけではありませんでした。「どうせ共テの結果で諦めるだろう」「そもそもその前に模試の結果から不可能なことが明らかになるはずだ」と大変後ろ向きな考えがほとんどでしたが、「東大を目指す勉強なら名大を目指すことになっても問題ない。」と東進の先生から後押しされ、しぶしぶ過去問を解き始めるといった状況でした。
 目的も展望も気力もない、そんな受験勉強でしたが途中でさじを投げることはしませんでした。その理由は決まったからには手は抜かない、という自身の性格、矜持にもありますが、それ以上に東進の授業が「面白い」と思える瞬間があったからだと思います。特に青木純二先生の「数学の真髄」では、論理や集合の概念から始まり、必要と十分、allとexistの違いなど今まで漠然と、なんとなくやってきたことをきちんとした説明になるような体系として学ぶことができました。
 結果として大きな失敗もなく、東大に合格してしまいました。不思議なものです。

■東進東大特進コースについて

 青木純二先生の「数学の真髄」が最も役に立ったと思う講座です。「連立方程式はとりあえずいらない文字を消していけばよい」「n=1の場合の確認をする」「困ったら両辺を2乗したり割ったりすればよい」となんとなくやっていると「あなたは0点です」と言われてしまいます。論理と集合は数学の考え方の基礎であり根本、真髄であるにも関わらずどう使うものなのかよくわからないという印象でした。「ならば」という言葉を数学的に使うとどのような意味をもつのか、真理集合が変わらないような変形、変わる変形とは何なのか、という同値変形の基本から学んでいきます。その後必要と十分、allとexistの扱い方を学び、集合における包含関係や今までやってきた「不要な文字を消す」という行為が許される場合と許されない場合について、メガネや北海道という身近な例を用いて理解することができます。ここまでくると軌跡や描く面積に関して、順像法と逆像法という二つのアプローチが取れるようになります。「自販機のボタンを全部押してみる」のか「ほしいジュースは自販機の中に入っているか調べる」のかという直感的にわかりやすい例によって説明されるので、すんなりと内容を受け入れることができます。「数学の真髄」は二次試験で点を取るための勉強として素晴らしい講座ですが、それ以上に数学の面白い部分をごまかすことなく触れることができる講座だと思います。志望校の合格という目的のみでの勉強は常に精神力を削るものですが、純粋に面白いと思える学問を学ぶことが受験勉強の一環となれば気力を保っていけると思います。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 「自分には無理だろう」と思うような場所でもとりあえず勉強を始めてみることをお勧めします。後から志望を変えることはできますが、そこで急激に実力を上げるようなことはできません。やってみてダメそうならそれでいい、あわよくばいけそうならもっといい。そういう気持ちで頑張っていくといいと思います。