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神奈川県 私立 栄光学園高等学校 卒
東京大学 理科一類

中島 史翔さん

■センター試験得点 点/900点

■センター試験得点選択科目 物理 化学 倫理,政治経済

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 104 63 58 38 46 =309/440点
自己採点 90 40 40 20 40 =230/440点

■受験した感触・・・ 数学が終了して落ちたかと思ったけど、2日目はまあまあ。難化したしいけるんじゃない?

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点 志望学類 総合点
理科一類 165 理科一類 191 理科一類 193 理科一類 255

自己分析と精神力・体力のトレーニング

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 大学受験の本質的な目標はもちろん学問の習得ですが、同時に、精神力と体力の鍛錬であるとも僕は思っていました。自分や周りを見ていて、大切だったと思うことを書き並べるので、参考にしてみて下さい。

客観的な自己分析・目標設定

 一番大事なことだと思います。「東大に受かろう」と決意してから受験当日まで、受験生は自己を分析して、目標を立て、計画を立て、実行しなくてはなりません。助けてくれる人はいるでしょうが、結局は自分自身で何をやるかを決めるのです。この決断を誤ると、いくら努力しても報われません。「悩むよりもその時間努力した方が良い」と言われることがありますが、受験において僕はこれには大反対です。人生の中での学びはそれでよいのかもしれませんが、受験にはタイムリミットがあります。そのため、僕は分析・目標決定の過程を特に重視し、時間と労力をかけました。必死に情報を集め、助言をもらい、「今自分が進んでいる道は本当に最短距離なのか」を常に考えていました。また、気になった参考書は一通り見てから最適だと思ったものを選択しました(そのため買っても手をつけなかったものもいくつかあります。後輩にあげました笑)。こう振り返ってみると、「これをやるのがベストな選択だ、あとはひたすらやりこむだけだ!」という状態になってからは比較的楽だったように思えますし、そのお陰で、高3の序盤で芳しくない成績であっても落ち着いて実力をつけられたように思います。みなさんも、予備校に踊らされたりしてずれた方向に突き進むことがないように注意してください。

“確実に”受かる

 1回勝負の受験で確実に合格を掴み取るのに必要なのは、10回に1回飛び抜けた点数が取れることではありません。むしろ10回受けたら10回とも、1点でも合格点を超えられる安定した力が必要です。特に理一・理二に関して言えば、必要な点数はさほど高くはありません。ならばどのような点の取り方が最も確実なのかを考えることが非常に大切になってきます。例えば僕の場合は英語で実力が発揮できないことはまず無く、ついで国語、化学が安定していました。このことは、これらの科目の実力を上げておけば、必ずそれが点数に反映されるということを意味します。つまりコスパが良いのです。それに対して数学・物理には面白さは感じていたものの、確実に点数を取るという面では、1つの勘違いが芋づる式に大量失点を生んだり、計算ミスのリスクが消えなかったりすることから自分的にはコスパが悪いと判断しました。そこでこの二科目には最低ラインを設定し、それを下回らないだけの力をつけて、本番でもある程度を超えたら高望みせず見直しに専念しようと決めていました(ちなみに最低ラインは数学30、物理20。英語が絶対に崩れないという自信があったのでこのくらいでしたが、さすがに普通ならもう少し取れないといけないと思います笑)。このスタイルで後半の模試では確実にA判を取り、本番でも面白いくらいにその想定通りのシナリオで合格しました。自分流の点数の稼ぎ方を見つけるのは意外と楽しいので皆さんも是非。

冷静に! そしてやりすぎは禁物

 体力の限界まで必死にやれば必ず受かる? そんなものは嘘です。合格ラインに到達した者が受かる、ただそれだけです。“出来る範囲で”全力で取り組んでください。根詰めすぎて直前に体調を崩したり、途中でモチベーションを失ったりしたら元も子もありません。また、世間に溢れた格言じみたものに振り回されないように気をつけて下さい。「こういう子は受かる」「これをやれば受かる」などという言葉はいい加減ですし、何らかの意味があったとしてもそれは相関関係であって因果関係ではありません。Decision fatigue という言葉があるように、些細なことに気を取られて自分自身の決断や選択が惑わされることがないように気をつけることは、おそらく皆さんが思っている以上に大切です。迷いが生じたら、自分の頭でよく考えてみてください。自分が本当は何をすべきなのか、紙に書いてみるとすっきりするかもしれません。

友達との関係

 現役生の強みは間違いなく学校の友達の存在です。沢山の刺激を受けますし、有用な情報が常に入ってきます。特に僕は学年唯一の文理混合クラスだったので、文系の友達からも文系科目の話を良く聞かされていて、新鮮でためになったように思います。直前期に不安になったときも友達とぶらぶらして気分転換していました。友達には本当に感謝しています。

■東進東大特進コースについて

 高3で通った予備校はほぼ東進だけでした。t-POD受講には本当にお世話になりました。いつでも何回でも授業が受けられるのは本当にありがたかったです。
  • 英語(宮崎尊先生) 直訳やテクニックに終始する受験英語にうんざりしていた僕にとって、英語のセンスを養える宮崎先生の授業はうってつけでした。英語だけでなく、宮崎先生の教養の深さにもいつも胸を打たれました。特に自分が苦心して要約や和訳を書き上げてから先生の解答を見ると、「こんなに上手く書けるのか……こんな風に書けるようになりたい」と思わされます。宮崎先生が高校の大先輩ということもあり、すべて受講しました(祝勝会でお話しした際には母校ネタで盛り上がりました笑)。
  • 物理(苑田尚之先生) もはや言うまでもないでしょう。全ての人が苑田先生に物理を教わってほしい、そう思えるほどの授業です。大学以降の話もよくしてくださり、数理科学の勉強の姿勢そのものを学ぶことができました。実はとても優しくユーモアに富んだ先生で、祝勝会で一緒に写真を撮らせて頂いた際に、僕がサングラスを掛けてもいいですか?と言ったら、笑顔で「ファッションは自由です」とお答えになり、一緒にサングラスショットを撮らせて頂きました。
  • 化学(大西哲男先生) テキストの量と質が最高で、少ないコマ数とは思えないほどに広い範囲(というか全範囲)がカバーされています。説明も丁寧でとても分かりやすいです。最低限の知識があれば、化学は東大特進に加えて必要に応じて問題演習、という感じで良いと思います。体系的に本当によくまとまっているので、是非受講してみて下さい。全てt-PODで受講できるので是非!

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 以上を読んでもらえば、受験がどれだけ精神的・肉体的にタフな戦いになるかが分かると思います。時にはブルーになってふさぎ込みたくなるかもしれません。実際僕も不安でどうしようもなくなって何も手に付かなくなることがありました。でもそんなときは「みんな同じだ」ということを思い出してみてください。受験勉強中も、そして試験本番でも、つらいのは皆同じです。あなただけではありません。きっと大丈夫。
 最後に本番でのアドバイスを1つだけ。これは僕が部活の試合でも実践していたことなのですが、緊張しているときほど、ゆっくり、おっとりと行動してみて下さい。筆箱を取り出す、飲み物を飲む、ページをめくる――それぞれの動作を、意識してゆっくりやるのです。緊張していると、無意識のうちに慌ててしまうので、これだけでも落ち着くはずです。
 東大を受験できるというチャンスを楽しんで。皆さんが受験を通して1つでも多くのことを得られるよう願いつつ、僕も精進したいと思います。