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千葉県 私立 市川高等学校 卒
東京大学 理科一類

小山 幸輝さん

■センター試験得点 827点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 82 44 45 35 23 =229/440点
自己採点 85 50 40 35 20 =230/440点

■受験した感触・・・ にじ掛かる春 近くやあるらむ

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科一類 A 理科一類 A 理科一類 A 理科一類 C

計画を立てて習慣化

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私が東大を志したのは中学三年の頃です。もともと競技数学で数学の学習が進んでいたため、その延長として東大受験を意識するようになりました。いわゆる「先行逃げ切り」というタイプです。自分も「先行逃げ切り」だという自覚がある方の参考になれば幸いです。
 実際に受験した体感としては、数学の実力が発揮できず、物理化学の難化の波の中もがき、英語で合格を掴んだという感じです。ここ数年で理科の難化が並一通りでないので、150分をどう使うかはよく検討した方がよいでしょう。そのために模試や過去問で試行錯誤する必要性を感じました。

うまくいったこと

0)全般

 私が受験を通して身に着いた勉強方法、そしてそれは生活にも応用していることなのですが、それは目標とそれに付随するタスクを三か月、一か月、一週間のスパンで決めることです。これによって一日の価値を認識しながら勉強することができました。また、受験生活の中でつらくなった時は、学校の教室の後ろでキャップ野球をして気分転換していました。いずれにせよ、習慣化の力をうまく利用したのが功を奏したと思いました。

1)数学

 高校一年生までには高校範囲の基礎レベルの定型問題を解けるレベルに仕上げました。しかし、解けるだけで論理の理解ができているとはいいがたい状況であったと、青木純二先生の授業を受けて痛感しました。そこで、青木先生の講座を受講し、論理を基盤とした思考を身に着けるとともに、それを答案に書き起こす訓練をしました。そのかいもあって、本番では完答できなかった問いの記述に論理性が認められた結果、合格を手にできたと思います。

2)物理

 当初は高校の教科書で学習を進めていたのですが、体系的な理解が難しかったため、苑田尚之先生の講座を受講しました。力学のモデルを設定するところから始まり、諸法則を演繹し常識化していく過程が、大学以降も活きる体験だと感じました。また、苑田先生が常々おっしゃることですが、実際私にとっても、友人と共通の題材を議論することは非常に効果的だったのでお勧めしたいです。

3)英語

 東大の英作文については、文法的誤りによる減点にばかり目が行ってしまっていましたが、論の展開も同じくらい重要だということを武藤一也先生の授業から学び取りました。このことを念頭に、英作文をするごとに、論理展開を抽象化してパターン化してみるのも良いでしょう。例えば、「提案&抽象的な理由→裏付け→具体的理由」という展開は英作文の解答パターンとして頻出です。

うまくいかなかったこと

0)全般

 休日はずっと家にいたのですが、くつろいでしまい、かえって机に向かう時間が短かったです。その時間を物理や化学に回していればなあと思います。受験生は休日に休んだら後悔する珍しい生き物なのですね。この事例は人によると思いますが、勉強できる環境を自分で整える力も学力と同じくらい大事だと思います。

 また、過去問に関しては2017年度以前は今と傾向がやや異なるので、もったいぶらずに夏前に手を付けても良かったと感じました。やや多くの過去問を残したまま秋に入ってしまい、復習が追い付かなくなりむしろ学習効果が低下してしまったように感じます。

1)化学

 計算がはなはだしく多いです。例えば6.02や8.31を用いた掛け算が常態化しています。計算力を身につけましょう。

■東進東大特進コースについて

 東進のリスニングアプリは、問題量も多く、スクリプトを用いた音読もできるので、毎日問題を解き復習するのに丁度良かったです。私は毎日寝る前に一題ずつやろうと決めていました。また、雑音入りや、イギリス英語やインド英語の音源もあったので、実際に本番インド系の発音だったのですが、そこまで忌避感はありませんでした。
 東大特進の授業については、授業内で完結させず、疑問は家に持ち帰って自分で考えたり友達と議論しました。物理や数学は一つの解法を毎度使うのではなく、何通りかの手札を持てるように意識していました。それを人に説明すると曖昧な部分が鮮明になり、どんどん研ぎ澄まされていきます。東大の試験はいずれも時間的な制約が厳しいですから、ひとつひとつ洗練していくのがよいと思います。
 東大本番レベル模試は学習のリズムを整える標石として利用していました。模試に合わせて学習の計画を立てていたということです。形式は本番と全く同じですが、あくまで模試なので程よい緊張感で、課題を見つけられればラッキーという思いで臨んでいました。そういう意味で、模試の復習の重要性は強調したいです。本番の採点基準はブラックボックスなので、点数や判定に一喜一憂せず、自分のできたこと、できなかったことに焦点を合わせたほうが、精神衛生上よいと思います。東進は共通テストの一週間後にも東大本番レベル模試を用意してくださっていたので、すぐに二次試験に切り替えることができました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 各々この体験記をよんだときから本番の二次試験まで鍛錬に励むときにぜひ意識してほしいことが二つあります。それは、本番の試験に万全のコンディションで臨めるとは限らないということです。また、万全であったとしても実力が十分発揮できなかったと感じるかもしれません。ですから、一科目失敗しても合格できる程度、すなわち合格最低点+30点を目標にするのがよいでしょう。これに加えて、最後まで最善を尽くす精神を持ってほしいです。私は数学のミスを発見したときおしまいだと思いましたが、浪人するにしても東大の採点を受けられるのは一年に一回だからできる限りをぶつけようと開き直って二日目に臨みました。その結果合格することができたわけですから、やはり英語の試験が終わるまで未来志向でいなければいけないと感じました。