心持ち

　受験は情報戦という言葉が喧伝されています。この解釈として、情報を多く得るということが一般的ですが、質の良い情報を効率よく得ることが実はより重要だと私は思います。私にとって受験についての情報源は主に3つありました。一つは学校です。授業や先輩の事例からかなりの情報は得ることができました。加えて、友人からも情報を得ることができました。所謂「受験マニア」の友人がいて、彼から参考書や東大についての役立つ知識を教えてもらいました。「よい生活はよい友人から。」そして最も強力だったのがSNSの活用でした。特に身近に東大を目指す仲間がいない地方受験生はSNSを有効に使うべきだと思います。SNS上には自分と同じような境遇の人、或いはトップレベルの人がたくさんいて、刺激を受けることができ、モチベーションを高めることができます。穿った言い方をすれば、井の中の蛙でも大海を覗くことができます。

英語

　私からアドバイスできることは、得意教科の英語についてです。解く順序は1B→4A→4B→下読み（12分）→3と2→1A→5の順序でした。リスニングはほとんど1回聞きで、わからなかった1問ぐらいの部分を聞きつつ英作文を同時進行で進めていました。2Aは問題文を見ながらでなくても解けるのでリスニング中に解くのにおすすめです。ただ、本試験はスピーカーが頭上にあり、慣れない環境なので、英語が得意な人でも普段の8割程度の点数になることを覚悟しておいたほうが良いと思います。
　私は4Aの過去問を研究して分析レポートを作りました。4Aは誤りのパターンがある程度定まっているので、ぜひ分析してみてほしいと思います。実際に私が試験場で解いたときは、一回読んだだけでは文章が難解で文法まで頭が回らなかったので、リスニング後に落ち着いて読み直したところ、どんどん解けました。本試では1Aの字数削りに15分ぐらいかかり、5が終わったときには残り10分でした。小説の問題が簡単でよかったとつくづく思いました。

その他教科

　過去問を解き始めるのは共通テスト後からで十分だと思います。実感としては、この時期に実力が一番伸びました。私は、一日一年のペースで20年分やった後、模試の過去問をさらっていました。ただ、共通テストにも言えることですが、模試と本試では出題の毛色が違うので、模試ばかり解いて慣れてしまうのは危険だと思います。本試は数学と理科が明らかに難化だったので、問題を解きながら、どうせ解けなくても差はつかないと思い楽観視していました。

　東進からは役立つサービスを数多提供してもらいました。枚挙にいとまがないので、ここでは特に役立った一部をあげます。

　毎年夏と秋に開催される全国統一高校生テストでは上位50名（高1・2）、上位100名（高3）に入ると決勝大会に招待されます。東京のホテルに泊まれて、知り合いもできます。この経験が最も役立ったのは本試の時です。本試の休憩時間に全統高で出会った友人と話せたことは試験中の精神安定に大きく寄与しました。

　私は苑田尚之先生の「大学の物理」を取りました。「大学の物理」では高校物理から自然な展開で波動方程式、特殊相対性理論まで学習でき興味深い講座でした。苑田先生のファッションは毎回斬新で大学生活で真似したいと思います。合格者祝勝会で苑田先生にお会いした時、私の質問に丁寧に答えてくださったのがとてもうれしかったです。

　最後に、スタッフのJさんには大変お世話になりました。私が無理を言って色々な注文をつけても、いつも優しく対応してくださったことが受験期の精神的な支えになりました。また、模試の際には毎度的確なアドバイスをいただき、自身の方針決定に大きく役立ちました。予備校として東進を選択して本当に良かったと心から思っています。

　自分がどれだけ演習したかが、そのまま自信につながります。ただ一方で焦る必要はありません。祈って努力していれば、必ず結果はついてきます。余裕をもってそしてなにより楽しんで学んでほしいと思います！

　「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」（マタイによる福音書 7：7-8）