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北海道 私立 立命館慶祥高等学校 卒
東京大学 文科一類

小野澤 遥人さん

■センター試験得点 点/900点

■センター試験得点選択科目 世界史 地理 化学基礎 生物基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 104 41 59 36 32 =272/440点
自己採点 90 30 70 40 40 =270/440点

■受験した感触・・・ 地歴に手応えがあったので、受かったと思った。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A

理想は高く、姿勢は低く

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私が現役合格を果たせたのは、学校・東進といった素晴らしい学習環境に恵まれ、そこで十分な対策を積むことができたからです。東大を志望校に決めたのは高1の夏休み前ですが、当初は学習の習慣がほとんど身についておらず、苦戦しました。そこで、高1の夏休みから高2の半ばにかけては苦手教科であった数学の実力向上に集中しながら、東大合格の安全圏内に入るような総合力(国数英)を身につけました。高3の5月に部活を引退した後は本格的に受験勉強を始め、東大特進の各講座からもヒントを得ながら実力を伸ばしました。直前期は過去に学習した教材を丁寧に復習し、知識や解法の定着に努めました。以上が私の受験生活のダイジェストです。ここからは教科別に私の学習方針・態度をご紹介します。

  • 国語

高2までは順調でした。高3になり、東大型現代文の学習を始めると記述力不足という壁にぶち当たりました。題材を「頭でおおまかに理解する」ことと「人に伝えるべく論理的に再構成する」こととの間には大きな差があります。林修先生の講座を通して東大現代文の特質や基本解法を確認した上で、学校の先生にとことん答案を添削していただき、地道に実力をつけました。

  • 数学

私は最後までこの教科に自信を持つことができませんでした。ただ、数学で高得点が安定する文系受験生は一握りではないでしょうか。重要なのは、どのような傾向・レベルで問題が組まれても自分の思考過程を最大限に文字化し、30〜35点を確保する力です。そのために私は、予備校で教わるような高級な解法の理解はほどほどに留め、標準問題の徹底的な理解に集中しました。

  • 英語

私は小学校時代に4年間米国に滞在していました。そのため、中3で英検1級を取得するなど、英語は常に得意科目でした。ただ、大学入試の英語では「1、英語力」「2、日本語力」「3、情報処理能力」がセットで問われます。1の向上には単語の学習や英語の日常的な使用、2と3の向上には国語・数学の学習や日々の読書経験が役立ちました。帰国生の皆さんは、得意だからといって慢心することなく、2と3をきちんと鍛え上げ、さらなる高み(100点台やTLP認定など)を目指すと良いでしょう。

  • 世界史

膨大な知識の暗記が求められる教科です。特に東大受験生となると、教科書の理解に穴がない生徒が多いと感じます。その中で受験生の「だんご」を抜け出すためには、「教科書熟読→過去問の演習」という一見王道にも思えるルートを「逆走」することをお勧めします。つまり、早期から過去問の研究を始め、東大が好むテーマを把握した上で、じっくり知識を補充するということです。そうすると、東大の世界史が出題を繰り返す傾向にあるということがわかってきます(例えば、2020年第1問は1995年第2問の類題、2020年第2問は2000年第2問・2006年第2問の類題と呼べるでしょう)。

  • 地理

地理の学習自体は実生活と結びつく部分が多く楽しいものでした。しかし模試や過去問では40点を超えることがほとんど無く、苦戦しました。それは、問の要求を正しく把握せず関連用語を列挙するに留まってしまうというクセがついていたためです。東大の地理では知識量はもちろんのこと、問いの要求に従い、散在する情報を簡潔に整理する能力が問われます。その性質はどこか現代文に近いと感じます。私は、直近10年の過去問は学校の先生または東進の過去問演習講座で添削してもらい、それ以前の過去問は直前期に自分で学習しました。

■東進東大特進コースについて

  • 現代文(林修先生)

林先生の授業の充実度は言うまでもありません。ただ、私たち受験生が本番で林先生に匹敵する答案を書き上げることは不可能です。「林先生の授業についていきたい」という熱意はもちろん大切ですが、林先生も仰るように「取るべきを取り、捨てるべきを捨てる」姿勢も非常に大切です。実際、私は林先生の本文解説を理解しきれないことが何度かありました。それでも、林先生の授業とその復習を通し、解答のプロセスをある程度までは自分のものにできたと感じています。

  • 数学(長岡恭史先生)

長岡先生の解法を一つ一つ理解することで、数学の問題に対する多様なアプローチを学べました。また、長岡先生がサラサラと書かれる横書きの文字や数字はとても美しく、真似するうちに自分も似たような字が書けるようになりました。共感してくれる受講生はきっと何人かいます。

  • 世界史(荒巻豊志先生)

画面越しにも関わらず、自分の怠惰な学習態度を丸々見透かされているかのような荒巻先生の「説教」はモチベーションの向上に繋がりました。荒巻先生がいつか仰っていた「高い山から見える景色を知っておくと、山をおりた後でも前とは違う景色が見える」という言葉が強く印象に残っています。このことは、良質な教材で勉強をする以上、すべての教科に当てはまるのではないでしょうか。受験生がどれだけ満足の行く答案を書いても、プロの答案例と読み比べるとあまりの差に心が折れてしまうものです。しかし、その経験こそが実力の向上に役立っています。たくさん、プロの答案と競争し、たくさん打ち負かされましょう。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 東大に限らず、大学入試とは大きな試練です。未知との戦いであり、不安との戦いであり、なにより自分との戦いです。最後まで勝てない優秀なライバルや、報われない努力や不運・不可能は確かに存在します。合格体験記を読んでいると、元から賢い受験生ばかりが合格を勝ち取っているように錯覚してしまうかもしれません。しかし実際は、絶えず不安を感じながら地道に実力を伸ばした人がほとんどだと思います。私から見て、「天才」というレッテルを貼って勝負を諦めたくなるような優秀な受験生は確かに存在しました。皆さんも、努力をすればするほど同じ思いにかられるでしょう。しかし、そのような強敵は日本に3000人もいるのでしょうか。
 ポジティブな気持ちを維持することは簡単ではありません。不安に押し潰されそうになる時が何度もあると思います。自らが選んだ志望校にとことんこだわり、学習環境を整えてくれる両親に感謝しながら、地道且つ戦略的に1年間を過ごしてみてください。拙い文章ですが、少しでも皆さんの参考になることができれば幸いです。応援しています。