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東京都 国立 筑波大学附属駒場高等学校 卒
東京大学 理科三類

大庭 嵩弘さん

■共通テスト得点 984点/1000点

■共通テスト得点選択科目 物理 化学 日本史

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 95 68 66 50 37 =316/440点
自己採点 84 72 47 53 35 =291/440点

■受験した感触・・・ 致命的なミスが無かったので安心した。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科三類 A 理科三類 A 理科三類 A

合格感想文

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 ここでは、私が受験を通して感じたことをいくつか書いてみます。お役に立てれば幸いです。

語学力は、読んだ量に比例する

 私は、英語や古典は文章を読めば読むほど伸びると考えています。しかし、一般に「多読」と言われているものを勧めているわけではありません。知識のない状態で雰囲気だけをつかんで速読しても、誤読を招きかねないからです。逆に、文法や単語などの基礎知識をしっかりと持ったうえで文章を読んでいくと、知識の使い方の確認や記憶の強化もできて一石二鳥です。
  • 英語においては、どこからどこまでが副詞句なのかといったことを押さえながら読む訓練を中学のころからしていました。結果的に、正確に速く読む力がついたと思います。わかりにくい文に出会ったときには構造を分析するということを、多くの文章を読みながら習慣づけることができました。さらに、多くの文章に触れることで、知らなかった熟語や表現のインプットにもつながりました。
  • 古文の栗原隆先生がおっしゃっている「構造分析」(鎖型構文など)を意識しながら文章を読み、実際にそれが使える場面を自分で見つけることで、理解が深まりました。
  • 現代文も、移動中や待ち時間に書籍を読むことで伸びたように感じます。

語呂合わせを使おう

 語呂合わせを「本質的でない」として嫌う人もいるかもしれませんが、それはもったいないと思います。人間の限られた記憶力の中で大学入試に必要な膨大な知識を身に着けるには、語呂合わせが不可欠です。そもそも、沈殿や炎色反応の色を、「なぜその色になるのか」という原理から理解することはほぼ不可能でしょう。もちろん、原理から理解できるに越したことはありませんが、それでも知識を素早く正確に取り出すには語呂合わせの力が必要です。以下、私の使っていた語呂合わせの中で、あまり知られていないが役に立つと思ったものをいくつか紹介します。
  • 「バス降りれん」

高級脂肪酸の覚え方です。「バ」がパルミチン酸、「ス」がステアリン酸、「降」がオレイン酸、「り」がリノール酸、「れん」がリノレン酸に対応しています。「バ」がパルミチン酸になっているのは、少し無理があるでしょうか。

  • 「筆の速さが空前絶後」

私は共通テストで日本史を選択しましたが、三筆・三蹟の名前がどうしても覚えられなかったので語呂合わせを調べ、そこで出てきたのがこれです。「速」が橘逸勢、「さが」が嵯峨天皇、「空前絶後」が空海に対応しています。語呂がよく、意味も通じているので気に入っていました。一方、三蹟は「咳で東風去りゆき」(「咳」:三蹟、「東風」:小野道風、「去り」:藤原佐理、「ゆき」:藤原行成)で覚えていました。

直前期のメンタル

 東大入試の二週間前あたりから、数学と理科が不調に陥りました。たくさん解けたと思ったらケアレスミスを連発していたり、慎重に解いたら今度は間に合わなかったりして、演習において思うような結果が残せないことが続きました。自信を失ったままではいけないと思い、「自分はこれまで6年間勉強にしっかり取り組んできたのだから、きっと大丈夫だ」というマインドセットで試験に臨むことに決めました。決めたように動かないのが心というものだ、そんな簡単にはいかないだろうと感じる人も多いと思います。ですが私は、自分を落ち込ませるようなことを一瞬たりとも思い浮かべないようにしました。その結果、過度の緊張や考え過ぎを回避し、心にゆとりをもって受験することができました。ここまで徹底できたのは、「合格したい」という強い思いのなせる業だったのかもしれません。

■東進東大特進コースについて

受講講座

 私は現代文・古文・漢文を主に受講していました。東大特進コースで、なるべく対面、どうしても行けなければオンラインで視聴していました。東進の先生方の授業は、引き込まれるような話しぶりで内容が頭に入りやすく、あまり得意ではなかった国語を伸ばすことができたと思います。

現代文(林 修 先生)

  • なぜその答案になるのか、なぜこの答案ではいけないのかということが論理的に説明されるため、わかりやすかったです。
  • 解答の作り方を忘れないよう、予習をする前に見て思い出すようにしていました。
  • 接続詞等の使い方や知らなかった語彙などは別途まとめておくとあとで見やすいです。
  • 「禁忌」を犯してしまうこともありました。先生は「ありえない」という風におっしゃっていますが、よくあることなので落ち込む必要はありません。どうしてその答案ではダメなのか、どうしてその答案を作ってしまったのか(重要な部分の読み落としや軽視が多いです)ということを分析すれば、禁忌は減らせるはずです。

古文(栗原 隆 先生)

  • 要復習です。「鎖型構文」など、繰り返し登場するものも多いので、復習していると授業の理解度、解像度がかなり増していきます。私は高3秋あたりに復習を進めたのですが、直前期にその成果が出始めたように感じました。
  • 大事なことをサラッと言っていることも多いので、聞き逃さないように気を付けていました。

漢文

  • 「熟語で考える」、「対句を整理する」、「対比を捉える」といった解法が非常に役に立ちました。
  • 100問スピードチェックは、知識の確認ができてとてもありがたかったです。ただ、実は東大入試の前日にしてしまい、半分もできていないぐらいで、もっと早くやっておくべきだったと後悔しました。せめて一週間前には終わらせて、そこから知らなかったところを埋めていくのがおすすめです。

東大本番レベル模試

 1週間程度で結果が返ってくるため、復習がしやすいです。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

演習との向き合い方

 まず、演習で点が取れなくても落ち込む必要はありません。本番でなくてよかった、と前向きにとらえましょう。実を言うと、私自身も演習で失敗して落ち込むことが何度もありました。しかし、そのたびに気持ちを切り替え、次に間違えないよう復習を重ねました。
 次に、本番を想定した訓練を行いましょう。私は試験当日の開始時刻に時計をセットし、タイマーを見ずに時間を管理する練習をしていました。その結果、本番でも残り時間を素早く把握できました。
 最後に、演習を楽しんでください。特に東大の過去問には良問が多く、解き応えがあります。こうした問題が解ける喜びを、ぜひ味わってほしいと思います。