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兵庫県 私立 灘高等学校 卒
東京大学 理科三類

山本 一翔さん

■センター試験得点 830点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   物理   化学  
開示得点 89 81 45 54 35 =304/440点
自己採点 85 85 35 35 30 =270/440点

■受験した感触・・・ 自分はいつも通りだと思ったが、周りの出来が想像以上に悪いので多分受かった。運が良かった。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
理科三類 B 理科三類 C 理科三類 D 理科三類 D

GO YOUR OWN WAY!!

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

受験は総合力

 大学受験で望み通りの結果を出すのに必要なものは、決して学力だけではないと強く思う。もちろん合格に必要な最低限の学力を持ち合わせていないと合格は望めないが、たとえ合格に必要な学力を持っていたとしても受験で失敗してしまう人は少なくない。それはなぜか。思うに、それは受験が一発勝負だからだと思う。共通テストも東大入試も一年に一回しか受けられない。だからこそ学力以外にも、本番で高得点を取るためには、体調管理やメンタル面のこと、また本番の強さなどが重要となる。体調やメンタルの安定は短期間で得られるものではないので、時間をかけて失敗を重ねて自分の限界を知り、また自分が最もいい状態で入試を迎えられるよう前もって準備しておく必要がある。また、本番の強さについては、勉強以外の活動が大切であるように思う。大会や発表会などの舞台の経験を積むことで、大一番での自分の能力の引き出し方がわかってくるはずだ。実際私はいままでテニスやバンド、漫才や劇をやってきたおかげで本番慣れしていたからこそ本番であまり緊張せずにいい結果を出すことができたのだと思う。
 以下では各教科のことについての見解を述べるが、ここで一つ強調しておきたいことがある。それは、私の書いていることが必ずしも正しいとは限らないし、私と同じことをすれば受かるということも決してないということだ。受験生が100人いれば、合格の仕方は100通りある。そもそも生まれも育ちも環境も違う他人と同じことをして同じ効果が得られることなど有り得ない。大切なのは自分のことを深く理解し、自分に合ったやり方を見つけ実行することだ。実際私自身も、受験生のころは先輩の合格体験記を沢山拝読したが、先輩と全く同じことをしようと思ったことは一度もないし、そもそも私は高3の頃は体調を長期間崩していたので、夏休みから秋模試あたりまで集中して勉強した記憶はない。受験の天王山ともしばしば言われる夏休みを捨てても理科三類に合格できたのは、自分のことを深く理解し、他人よりも少ない限られた時間内で自分に出来る最善を尽くそうと努めたからだと思う。だからこそこの体験記を読んでくださっている方々にも、タイトルにもある通り、自分で考え、自分を信じ、自分の納得がいくような受験生としての生活を送ろうという心構えを持ってほしい。

勉強について

  • 英語

どの科類を受けるにしても大切になってくる科目。点数を伸ばすにはコツコツやり続けるしかないと思う。誰でもしっかりやれば受験で足を引っ張ることにはならないので力を入れて勉強したい。東大受験に特化して言えば、得点源は圧倒的にリスニングと英作文だと思う。両者ともにしっかりと練習を積めば得点は安定するし、実際120点中50点以上を占めていると思われるのでまずはここを強化したい。また、残りの分野については軒並み速読力が求められるので、単語力の強化と演習量、生きた英語の習得(これについては特進の宮崎尊先生の授業がおすすめ)が大切だと思われる。

  • 数学

得意な受験生があまり多くないが故にここが得意だと受験はかなり有利になる。だがどれだけ数学ができる人でも本番で大きく崩れてしまう可能性がある不安定な科目でもあるので、数学に頼る受験はしたくない。早いうちに基礎を固めることが重要で、様々な考え方を習得したうえでそれを組み合わせたりする訓練を多く積まないと東大数学に太刀打ちするのは難しい。

  • 物理

東進生は苑田尚之先生の授業を受けるのが一番いいと思う。はっきり言って苑田先生の授業をしっかり自分のものにすれば受験の物理が苦手だということはなくなる。その分内容は高度で数学力も必要なので覚悟して挑んだ方がいい科目。

  • 化学

あまり最後まで出来るようにならなかったので多くを語ることはできないが、とにかく演習量がものをいうと思う。早く高校範囲を一周したほうがいい。

  • 国語

現代文は林修先生の授業だけでいいとおもう。あと漢字は舐めないほうがいい(私は本番で一つ書けないものがありかなりメンタルに来た)。古典はとにかく単語と文法、句形をマスターすれば失敗をすることはないと思う。

■東進東大特進コースについて

 私が実際に利用したものについて述べようと思う。
  • 東大現代文(林修先生)

正直現代文の対策はこれだけでいい。現代文の問題を解くにあたって必要な心構えから実際の解答の作り方までのすべてを徹底して学ぶことができる。予習復習をしっかりやれば本番でも得点源にすることは十分可能であるように思われる。

  • 東大物理 トップレベル物理(苑田尚之先生)

神。物理学の真髄を享受できる。その分我々初学者にとっては内容がかなり高度であるので、十分に理解するには相当な数学力と論理的思考力を要する。実際私も高校三年生で一番理解に苦しんだのは苑田先生の物理だったように思える。ただ理数系の教科に自信がない人でも一つ一つ落ち着いて理解していけば履修可能なものだと思うので、東大受験で物理を選択する人には是非お勧めしたい。

  • 東大特進英語(宮崎尊先生)

とにかく東大英語の“ノリ”を教えて下さる。これが東大英語の一番大切な部分であるので、英語が得意でも苦手でも受ける価値がある授業だと思う。また、授業では質問に行くとどんな相談でもとても親身に聞いてくださる。

  • 東大化学(大西哲男先生)

テキストの演習量が豊富で、また授業は無駄を省いたスピーディーなものなので、化学に多くの時間は使えないが苦手にはしたくないという人にお勧めである。特に無機分野の授業では「無機はひたすら暗記」という偏見を打ち壊すような論理的な授業を展開され、この分野をマスターするのにかかる時間が想像の半分以下になったのでお勧めだ。

 私は東大化学を除く上記の3講座を大阪で授業を受けていたのだが、どの先生も質問に行くと的確にしっかりと答えて下さるのでとても助かった。出来れば家から多少遠くても授業に足を運ぶ価値のある授業ばかりだと思う。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 繰り返すが、自分の道を突き進んでほしい。もちろん間違った方向に進んでしまうこともあるだろうが、その時は修正してより良い選択肢をその都度探ればいい。初めから上手くできる人などそう多くない。たくさん失敗して、少しずつ自分のことが分かっていくと、自ずと自分に合った勉強法が見つかるようになる。また他人の意見にも積極的に耳を傾けるといい。決して鵜呑みにしてはいけないが、やはり自分にもうまくあてはまる方法論が他人のうちに隠れていることも多いはずだ。最後に、無理だけはしないでほしい。休憩することがかえって合格への近道となることも多い。趣味や娯楽を制限しすぎるとストレスになり最悪の場合心身の健康を損なう恐れがある(私はそれでかなり苦しんだ)。楽しく自分を信じて努めれば、きっと合格発表の日は人生最高の日の一つとなるはずだ。