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愛知県 私立 海陽中等教育学校 卒
東京大学 文科一類

中島 大雅くん

■共通テスト得点 813点/900点

■共通テスト得点選択科目 世界史 地理 物理基礎 化学基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 0 0 0 0 0 =0/440点

■受験した感触・・・

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 B 文科二類 C 文科二類 B 文科一類 B

戦略(的撤退)

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私はもともと地理が好きで、社会科学の様々な分野を横断しながら地理を学びたいと考えていたため、様々な学問をそれぞれハイレベルに学べる国外の大学と東大の文科(教養学部に進みたかったため、一類か二類かはあまり気にしませんでした)を併願しました。出願スケジュールについては、高3の夏前まで部活をしつつアメリカの大学用の志望理由書の素材を貯めておき、高3の夏に東大の過去問演習、国内のAO入試の書類作成、国外の大学用の書類作成を並行して行い、高3の11月から共通テストに向けた勉強を行いつつアメリカの大学用のエッセイを書いていました。冬休みは共通テストに時間を全て割き、共通テスト後に2次の勉強に注力しました。

 受験については、戦略が大きな要因となると思います(そして、その戦略がうまくいくかどうかの部分でいわゆる「運」が作用してくるはずです)。広い意味で言えば、そもそもなぜその大学に行きたいのか、受験で得たものを後の人生の何に活かすのかといった部分を考えることは重要ですし、視点を1年単位にフォーカスすると、共通テスト対策にどれだけの時間を割くか、過去問演習はどの時期に始めるか、模試はどのように活用するかといったところが重要なポイントになります。そして、ミクロな視点でテスト単体に注目すると、現代文の記述で解答欄に解答を収めるためには何を削るべきか、数学はどの問題にどれだけ時間をかけてどこまで部分点を取りに行くか、英語はどの順番で解いてリスニング下読みにどれだけ時間をかけるか、といった部分で戦略を考える必要があります。私の体験談が少しでもこれを読んでいる方々の戦略を立てる一助になれば幸いです。

 科目ごとについては以下の通りです。

英語

 中学入学時には、アルファベットすらわからなかった私ですが、同年終わりには学校の帰国生クラスに入れるまでに英語力を伸ばすことができました。これを読んでいる中学生・高1生あたりがいらっしゃれば、「日常の思考を英語に切り替える」ことをおすすめします。一人でいるときであっても、英語を使う機会を増やせば増やすほど、英語と日本語の切り替えがスムーズにできるようになり、いわゆる「受験英語」(細かい部分で言えば東大の大問2の英作文や大問4Bの和訳が早くなりますし、広い部分で言えば高3時の英語に割く時間自体を削ることができます)に強くなります。また、リスニング単体について言えば、共通テストにしろ2次にしろ「一単語ずつを切り離して聴きとることができるか」が大きなポイントとなるので(ありきたりなアドバイスにはなりますが)シャドーイングが効果的です。高3生であっても英作文を早くすることは訓練次第で可能になるので、是非日本語を英語に切り替えたり、最初から英語で文章を書いてみたりという練習は他の勉強の息抜き程度にでもしてみることをお勧めします。

数学

 網羅系の問題集はほとんどやっていませんでした。場合の数・確率の分野はもとから得意だったので、それを得点源としてしっかりと確保しつつ他の分野の問題でも部分点を狙いにいくという戦略をとりました。

現代文

 林修先生の授業を受講し、共通テスト後には学校で東大過去問演習の授業を受講していたので、そこで文章の論理構造の分析と解答の組み立てのプロセスを学ぶことができました。

古文・漢文

 古文は学校の授業内での過去問演習をメインに取り組みました。そこで助動詞の知識や古文単語の穴を埋めました。漢文は学校の先生が「白文で色々な文章を(趣味レベルで)多読する」という講座を開講してくださって、そこで漢文の重要語や句法の穴を埋めることができました。どちらにしろ、私自身は文章を実際に読む中で穴を埋めていくという手法が向いているタイプだったので、この方式が合っていました。

世界史

 世界史については、高2まではあまりやっていませんでした。地理が好きだったので、隣接分野としての世界史の断片的な知識はあったものの、全体像はあまり把握していませんでした。高3に入ってから、学校で配られていた実教の教科書を読み始めましたが、たまたま寮で拾った別の教科書のほうが読みやすかったため、そちらを読むことにしました。参考書だけでなく教科書についても、自分に合ったものを探してみることは重要だと思います。

地理

 地理はもともと好き(かつ得意)で、特に素材の詰め込みをする必要がありませんでした。訊かれていることがわかれば後は条件反射のようにパターン化された解答を構成するだけなので、とにかく問題(社会的現象や地形、統計データなど)の本質となっている要因は何か、ということを見極める練習を積めば良いと思います。2次試験の1週間前に東大と試験形式が類似している地理オリンピック2次試験を受けられたこともラッキーでした。

■東進東大特進コースについて

 東大特進は、現代文と世界史の授業を受けました。どちらも過去問をモデルとして論述の論理構成プロセスをトレースするという授業だったので、論理の組み立てのコツをつかむことができました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 部活の試合などで、普段の練習でできたことが思い通りにできなかったという経験はありませんか?受験も同じく、模試や過去問演習で解けていた問題が本番になると解けなくなる、という現象が起こります。私自身、共通テスト演習では英語のリスニングで満点が続いていたのに、本番ではプレッシャーで情報が入ってこず、2問落としてしまいました。その一方で数学では模試以上の点数を出すことができたので、プレッシャーは一概に害であるとは言い切れませんが、適度にリラックスすることは重要です。本番で勝手が違い、思うように行かなくても、決してペースを崩さないでください。また、練習段階では、多少のトラブルにも対応できる訓練を積むようにしてください。そうすれば、本番でもほぼ実力通りの結果を出すことができるはずです。(人によっては6年近いレベルの)長い期間、受験に向けて実力をつけてきても、それを発揮する機会は本当に一瞬です。チャンスを逃さないでください。