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東京都 私立 開成高等学校 卒
東京大学 文科一類

中島 幸祐さん

■センター試験得点 794点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 73 43 58 42 52 =268/440点
自己採点 75 40 50 40 40 =245/440点

■受験した感触・・・ 数学1完2半、社会も好感触で合格を確信したが英語4A0点で分からなくなった。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A

特定科目に頼らない安定した得点パターン

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

はじめに

 この合格体験記では東大合格までの過程について各科目ごとの勉強法を中心に述べていきますが、そのまま真似することはお勧めできません。
 一つの参考としてご活用いただければ幸いです。

全体戦略

 捨て科目を作らずどの科目も一定程度の成績が見込めるように科目間のバランスを意識して勉強しました。入試本番において下振れは全科目で起こりえますが、上振れはある程度勉強して基礎が固まっている科目にしか起こりません。リスクを最小化するためにも、苦手科目を放置せずある程度の点数が見込めるようにすることが重要だと思います。その上で得意科目を1~2科目作っておけば安心ですが、まずは苦手克服です。苦手科目から目を背けて得意科目ばかりやっているという自覚がある場合は、危険な兆候かもしれません。こうしたことを防ぐための具体策としては、模試ごとに各科目の目標点数を定めてそこへ到達するためにやるべきことを書き出し、模試当日までの勉強計画を立てることが有効だと思います。日単位や週単位でない大雑把なものでも大丈夫です。

各科目ごとの勉強

  • 英語(目標:95点) 得意科目のはずでした。問題を解く順番は1A→1B→4B→5→3→2B→2A→4Aで、得意な要約とリスニング、和訳で点を稼ぎ、他を6割5分程度とる計画でした。要約に関しては中学時代から英語のニュース記事を毎日読んでいたことが功を奏したと思います。要約は英文に触れた量がものをいうので、地道な努力で伸びます。リスニングも同様に英語をどれほど聞いたかで点数が決まります。私は長期休みや直前期にNHKBS1で放送されているワールドニュースを原語で視聴しました。世界各国のニュースが放送されますが、特に平日午後0:25~の放送回はアメリカとオーストラリアのニュース番組を共に聞くことができ、アクセントの違いも意識できるためおすすめです。学校のある時にはスマートフォンでTEDやBBC6minutesを聞いて勘を鈍らせないようにしました。和訳は専用の参考書を利用して文の構造把握を練習し、あとは単語をひたすら習得しました。単語集はあまり多くの種類に手を出さず、1~2種類を3年かけて10周以上したほうが力がつくと思います。本番ではパニックになり1Bと4Aがほぼ0点という失態を犯しましたが、無事合格できたのは要約とリスニング、和訳が安定していたからだと思います。
  • 数学(目標:40点) 苦手科目でした。高2のころから苦手意識は持っており多くの問題数をこなすことを意識しましたが東大入試同日体験受験では80点満点中7点という悲惨な結果に終わり、受験生になってから取り組み方を見直しました。問題数よりも解法選択のプロセスに重点を置き、適切な解法を見つける練習を行ったことで20点は確保できるようになりました。個人的に最も独学が難しい科目だと思うので、外部の授業をうまく活用することが得点アップにつながると思います。
  • 国語(目標:70点) 世界史(目標:45点) 地理(目標:50点)これらの科目は東大特進コースを中心に勉強していたので、後述します。

■東進東大特進コースについて

東大世界史(荒巻豊志先生)

 論述対策は荒巻先生の授業を中心に行いました。毎回の授業内容を自分なりに復習して大論述を作成し、次回の授業で先生に見ていただきアドバイスをいただくというサイクルを地道に続けていけば確実に力がつくはずです。ただし、先生が授業内でもおっしゃっていましたが教科書の熟読や一問一答といった基礎固めは自力で行うべきです。正確かつ大量の知識を身に着けて初めて論述問題の土俵に立てるのだと思います。オンライン授業はこうした知識を確認し、より深めて論述へつなげていくために活用しました。

東大現代文(林修先生)

 高1からずっと受講していました。多くの演習を通じて林先生のメソッドが体に染みついたことで現代文が得意科目になりました。

東大古文(栗原隆先生)

 高2から受講していました。古文は単語を覚えることがまず重要ですが、単語だけで東大古文に太刀打ちすることはできません。古文常識や和歌の理解、助詞を通じた節と節の関係の理解などが必要になってきますが、こうした部分は古文の専門家である栗原先生に学んだからこそ会得できたものだと感じました。本番でも好感触を得ることができ、先生の指導の効果を感じることができました。

東大漢文(寺師貴憲先生)

 第Ⅲ期と第Ⅴ期のみの講座ですが数少ない講義のなかに多くのエッセンスが詰まっています。特に第Ⅲ期のテキストは後半に句法や多義語などがまとめられており非常に重宝しました。学校で漢文をあまり扱わないという人はもちろんのことながら、学校でやっているから自分は大丈夫だと思っている人も一度は受けてみることをお勧めしたい、イチ推しの講座です。

東大地理特講(村瀬哲史先生)

 高3から地理選択に変えた私にとっての救いとなる講座でした。各テーマを深堀した講義を展開してくださり、その内容をまとめた復習ノートが受験期を通じての私の地理のバイブルとなりました。息抜きにテレビを見ていた時に先生の授業で扱った事柄が出てくることも多くあり、自分がしている勉強と実社会のつながりを感じてモチベーションが上がりました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 当然のことながら受験期には勉強時間が長くなります。その時に陥りがちなのが自分が勉強をしているという事実に満足して勉強の質の改善をやめてしまい、成績が伸びなくなるという悪循環です。常に自分の現状を冷徹な目で見つめましょう。そして自分が何をすべきなのかを明確にして正しい方法で勉強をすれば、自ずと東大合格への道は開けてくるのではないでしょうか。この体験記が、少しでも皆さんの勉強の参考になっていれば幸いです。