■センター試験得点 835点/900点
■センター試験得点選択科目
前期試験得点 (自己採点) |
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英語 |
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数学 |
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国語 |
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世界史 |
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地理 |
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開示得点 |
80 |
+ |
17 |
+ |
76 |
+ |
49 |
+ |
43 |
=265/440点 |
自己採点 |
70 |
+ |
25 |
+ |
65 |
+ |
45 |
+ |
42 |
=247/440点 |
■受験した感触・・・ 数学も英語も感触は最悪で、国語も緊張して上の空だった。ボーダーギリギリぐらいかな……。
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第1回(6月) |
第2回(8月) |
第3回(10月) |
最終(1月) |
東進ハイスクール 東大本番レベル模試 |
志望学類 |
判定 |
志望学類 |
判定 |
志望学類 |
判定 |
志望学類 |
判定 |
文科二類 |
A |
文科二類 |
A |
文科二類 |
A |
文科二類 |
A |
追われる受験よりも追う受験を
■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。
真面目な性格のおかげで高2末時点での成績は良好でした。それでも本番の合格点には及んでいない以上、自分の中では常に実力不足を感じていました。その一方で周りの大人からは想定以上に褒められることが多く、自分が追われる立場にいることに気づきました。高3初期は所属していた陸上部との両立に悩み、勉強に本腰を入れ始めた同級生の存在もあって特に焦りが大きかったです。すでに一定の勉強時間は確保していたので、この焦りを打開するために即座に変えられるのは受験勉強に対する姿勢であると考え、自分を見つめなおすことから始めました。
自分にとっての理想の受験生像
まず、理想の受験生像を設定しました。心身ともに健康で、勉強を楽しめる受験生です。さらに、100回受けたら100回受かるだけの実力を備えることを目標に据えました。今までの経験から、自分の特徴はなんとなくつかめていました。7時間以上寝たい、長期間それなりに頑張るのは得意だが短期一極集中は苦手、娯楽は欠かせない、などです。モチベーションに関しては以下の二つが主な傾向でした。
- 解説書や作問者の思考回路が読み取れると勉強が楽しくなる
- 奮起するのは自分が劣勢になったとき
以上を踏まえながら、どう行動すれば理想に近づけるかを常に意識して生活していました。
追われる受験よりも追う受験を
いつ追いつかれるかとびくびくする生活は私には合いませんでした。追われたくないなら、私も追ってやろう。そう考えて、視点を変えて自分は劣勢であるというマインドに切り替えました。具体的には、今まではA判定に満足していたところを、校内順位1位、偏差値70超え、全国1位、首席、と、さらに上を目指すことにしたのです。全国一桁順位常連の方々の神格化をやめ、ライバルとして見るように意識を変えました。周囲からはかなりの大口をたたいているように見えていたはずです。しかし、私は本気でした。夏秋の東大模試1位には遠く及ばずでしたが、最終東大本番レベル模試では文系1位をとれました。百発百中で受かるには、成績の上下の振れ幅を小さくすることも必要です。本番では首席どころか合格も危ういほど最悪の手ごたえでしたが、それでも合格できたのはこうした意識で勉強を続け、実力の最低ラインを底上げできていたからだと感じています。
勉強を楽しみつつ成績も伸ばす
私が勉強の喜びを最も強く感じる瞬間は、先述の通り「相手の思考回路を理解できたとき」です。受験勉強においてもこの喜びをたくさん感じられるように勉強方法を工夫しました。全教科で、自力で先生と同じ発想をするにはどのような思考回路をたどればよいかを考えながら復習を行い、いつでも見返せるように思考過程をすべて言葉にして書き留めました。この勉強方法は多少時間がかかりますが、感覚で解くことが減って自分の実力に自信がつき、応用力も身に付きます。そして何より、勉強を楽しめるようになります。しかし質を重視しすぎたあまり、量がものをいう類の勉強、例えば単語暗記、数学の典型問題、英語の速読が疎かになっていたことに夏頃気づきました。そこからは、勉強の種類に応じて量と質のバランスを調整するようにしていました。
心身の健康のために
心身の健康維持は最重要です。不合格の可能性を考えると不安で眠れなくなるので、やる気が低下した時にも「このままじゃ落ちるよ!」ではなく、「ここで頑張ったら絶対に受かる!」と言い聞かせていました。将来の目標をもって東大入学の先を見据えていたことも、モチベーション向上に大きく貢献しました。どうしても憂鬱になる夜の勉強は極力避け、9時半に寝て5時に起きていました。また、寝る前の8分間だけ好きな芸人さんのラジオを聞いて幸せな気持ちで眠りについていました。昼休みは勉強せずに友人と遊び、体育は全力で参加してリフレッシュする一方で、不安を感じているであろう直前期の自分に客観的な安心材料を与えるために、周りの友人よりも長い勉強時間を確保するようにしていました。一年間、やる気の上下はあれど休日の勉強時間を最低でも10時間は確保しつづけられたのは、こうした心身ケアのおかげです。
■東進東大特進コースについて
数学の真髄(青木純二先生)
数学が苦手なだけでなく嫌いでもあった高1の私は、青木先生の授業を通して初めて数学の面白さを知りました。数学の解説書に、一度でも「こんなの思いつけるわけないじゃん!!」と悪態をついたことがある方はぜひ一度受講してみてほしいです。自分が行っている式変形の意味を慎重に考えながら答案を書く癖が身に付き、自分のできることとできないことがより明確になって普段の勉強の効率も上がりました。
東大世界史(論述)(荒巻豊志先生)
東大世界史の第一問をどのように書くかは人によって大きく分かれるところではありますが、私にとっては荒巻先生の説明が最もしっくりくるもので、これが東大の求めているものであってほしい、と強く思っています。高2のスタンダード世界史(渋谷校)からお世話になっており、科目としての世界史への向き合い方や世界史の楽しみ方を一から教わりました。文章構成は真似しがたく感じますが、授業ノートを参照しながら可能な限りのパターン化を試み、自分なりのマニュアルを作成したところ、直前期には問題から構成方法を自力で考え出せるようになりました。
東大現代文(林修先生)
現代文は中学受験期から漠然と感覚で解いており、文章や問題との相性によって点数が大きくぶれる厄介な科目でした。林先生の解説は「なぜその解答になるのか」の説明が論理的かつ明瞭で、初受講後には現代文への向き合い方が一変しました。復習時には、自分がどこに着目していればその要素を落とさずに済んだのか、何を意識すればそこに着目できたのかを考えながら、問題と解答との一対一対応に終わらせずに現代文の力自体を向上させられるよう努力しました。
東大特進英語(宮崎尊先生)
読むスピードが課題で、英語もぶれの多い科目でした。春の講座で手を動かしながら長文を読む方法(pattern recognitionの説明で言及されていました)を教わり、実践してみました。秋ごろにスピードの上昇を実感しはじめ、共通テスト明けには手を動かさずとも脳内で処理できるようになり、英語の点数も安定しました。
■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。
勉強の方針を立てるにあたって、何が自分に合うのか、何をしたらよいのか、見当もつかないときは取り敢えずマジョリティに従うことにしていました。東大入試は一部の光る天才を拾うものでは決してなく、受験者の3分の1、志望科類の中で300位前後に入りさえすればよいからです。突飛な方法に走ってオンリーワンを目指すよりも、受験生の大半が取れる問題を確実に取ることの方が重要だと考えました。加えて、「自分に合う・合わない」を、辛いことから逃げる言い訳として利用しないように気をつけました。自分を見つめ続けた受験生生活を通して自己理解を深め、勉強の範囲を超えて様々な発見を得ることができました。
これをやれば必ず受かる!または、やらない人は必ず落ちる!という勉強法は存在しません。ここまでの内容が皆さんの参考になれば幸いですが、いち合格者の個人的な体験にすぎません。かえって呪いになってしまうなら「くだらない!」と一蹴してください。試行錯誤しながら自分に合った勉強方法を見つけてほしいと思います。