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群馬県 市立 四ツ葉学園中等教育学校 卒
東京大学 文科一類

菊池 悠真さん

■センター試験得点 750点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 71 13 54 36 39 =213/440点
自己採点 65 25 65 50 45 =250/440点

■受験した感触・・・ 周りの殆どが数学の答案白紙だし、普通に受かったわ。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A 文科一類 A

地方の怪物

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 群馬県の辺鄙な市の外れ、最寄り駅から徒歩20分の田んぼの中に佇む中高一貫校に通いました。入学当初は東大合格者を輩出しておらず、当時の学年主任から「君が東大第一号にならないか」と誘われ、中1の時に東大受験を決意しました。中2で高校数学を始め、中3までに数学ⅡBの学習を終えました。この私が、中等後期課程(高校相当)にどのような勉強をしたか、時期区分して以下に詳述します。

高1

 粋がって数学Ⅲの受講をした他は、英語につぎ込んだ一年でした。夏休み中に単語帳を終わらせ、それ以降2冊目の難しめの単語帳をこつこつ固めていきました。それと並行して構文把握の訓練を徹底し、大阪大学レベルの英文なら難なく読めるようになりました。この時期に英語に没頭できたのは、中学時代に数学がそこそこ進んでいたからです。

高2

 コロナ禍で休校が続く中、勉強しない生活を覚えてしまいました。人と接触しなければよかろうと、自転車で各地の遺跡・博物館を巡り、群馬県の古墳研究の論文を作成したところ、全国規模のフォーラムで2度賞をいただきました。また、部活動にも精を出し、英語ディベートで全国大会に出ることもありました。高2は長い間受験勉強から離れてしまいましたが、アカデミズムの片鱗を覗くことができたため、非常に有意義でした。

高3夏休みまで

 高2で部活を引退し、渋々受験勉強を始めました。古墳を愛でていた時期と違って画一的な受験勉強は非常につまらなかったのですが、Twitterで全国の受験生と交流することで自分を奮い立たせました。また、世界史の荒巻豊志先生に出会ったのもこの時期で、受験を遥かに凌駕した世界に魅せられ、ひたすら世界史に打ち込んでいました。同時に、得意だった日本史も固める作業に入りました。

高32学期

 ここまで地歴熱中症に罹った私は、英数国で苦労することになります。ただし、東大特進の受講が大変面白かったため、それほど苦にもなりませんでした。ドラマ『ドラゴン桜』では2学期のシーンが一瞬で飛んで共通テストに突入しますが、現実も同じで「2学期ってあったっけ?」と感じるほど短いです。

共通テスト直前

 退け続けた共通テストと向き合い始めたのはクリスマスの時期あたりです。社会の知識を固めると年も明け、理科基礎の詰め込みに移行しました。そこそこの対策をしたつもりでしたが、本番の感触は最悪で学校の先生に「来年も頑張ります!」と告げて帰宅しました。ここで2日ぶりにTwitterを開く訳ですが、難化がトレンド入りしていて精神安定に役立ちました。

共通テストから二次試験まで

 目立った共通テストボケもなく、共通テストの翌週にある東大本番レベル模試の感触が良かったため、暫くだらけて勉強をしない生活が続きました。2月に入ってから流石に間に合わないと悟り、最後の過去問演習を進めました。私立大学への進学意志はなかったので、後期京大法学部を除けば東大一本に絞っており、直前期に演習を確保できたのは良かったです。直前期も別段緊張せず、本番も模試のようで気が付いたら終わっていました。荒巻先生が応援に来てくださり、少し話せたことだけは記憶が鮮明です。感覚的に「どうせ受かったやろ」くらいの気持ちでいられました。

二次試験後

 今まである程度自制をかけていた諸々から解放され、後期試験の対策をしたり、Twitterに入り浸ったり、東大世界史の模試を作成したり、友達と旅行したり、好きな本を読んだりと青春を謳歌しました。これは今まで頑張ったご褒美だと実感し、素直に楽しむことができました。合格発表も緊張こそしたものの、合格を確信していたため「そりゃそうか」の気持ちが強く、淡々と合格報告や入学手続きを進めました。

 受験勉強に人生をかけることにも一興がありますが、それだけだとつまらないかもしれません。先述の通り、私は受験範囲を超えて古墳研究や英語ディベート、世界史探求に勤しみました。だからこそ、余裕をもって受験勉強に取り組めたのかもしれません。というより、都会の受験生に受験勉強だけで勝つのは至難の業ですから、やはりその他の分野で対抗せざるを得ないでしょう。地方出身で受験勉強に不利な皆さんが、進学校の生徒に総合力で勝ったとき、「地方の怪物」なのかもしれません。

■東進東大特進コースについて

  • 現代文……林修先生は別格です。多くの方が書いているでしょうから詳細は割愛しますが、受講しないなんて想像できません。
  • 古文……同じ群馬県出身の栗原隆先生の授業はテンポがよく、受講中にゲラゲラ笑っていました(笑)。直前期の激励メッセージも必見です!!
  • 数学……青木純二先生の「数学の真髄」は素晴らしい講座です。感覚で数学を解いていた自分を反省し、論理に則った記述ができるようになりました。一年の受講を終えて、一年前の演習ノートを見返すと嘘ばかり書いてあることに気付き、赤面しました。
  • 英語……宮崎尊先生のいい意味で「適当な」授業は、英文に対する感性が深まるので、処理速度が命の東大英語に関しては有用な場合が多いです。
  • 日本史……荘園公領制など、教科書が煩雑で理解しにくい箇所も、山中裕典先生の図解板書によって簡明に理解できました。
  • 世界史……荒巻豊志先生の影響を受けて世界史に陶酔し、一年の勉強の半分を世界史に費やしました。四月、受講中に世界史のスケールの大きさに絶望し、日本史・地理選択に変更したくて泣きじゃくっていました。しかし、群馬県から電車で2時間かけて渋谷校に通って授業に参加し、最前列に座って授業にしがみつく内に楽しくなり、荒巻先生と同じ様な答案を書けた時は歓喜しました。
  • 過去問演習講座……添削は勿論、参考書に書き込む際の躊躇いもなく、悠々と過去問演習ができました。夏ごろに開始し、全科目を2周はしました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 地方出身者は東大特進の場を使って都会の生徒を見ておくと、客観的で相対的な自己評価ができるのでお勧めです。兎も角も、皆さんの3月10日に桜が咲き、合格ツイートで万バズされることを願ってやみません。