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千葉県 私立 渋谷教育学園幕張高等学校 卒
東京大学 文科二類

一ノ瀬 徹さん

■センター試験得点 854点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 93 70 68 42 43 =316/440点
自己採点 91 70 75 50 38 =324/440点

■受験した感触・・・ さすがに落ちてることはない、はず。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 A 文科二類 A 文科二類 A 文科二類 A

体系的で網羅的な学習方法

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 高3生諸君、こんなものを読んでも一点も上がらない!高2以下の諸君、勉強方法で悩んでることがあるなら、読んで見るともしかしたら役に立つかもしれない。
 私のモットーは体系的で網羅的な学習だ。すごく得意な科目があるわけでもなく、写真記憶みたいな能力もない。それでも着実に点を取る力をつけることができたのは、このモットーがはまったからだと思う。わりとくせのある勉強方法をしているので、二つにわけて紹介したい。どちらも時間と労力がかかるが、点にはつながると思う。高三の春の引退までばりばりのテニス部員だったので、部活との両立も可能だ。ただしあくまで一例にすぎず、合う合わないがあることは理解しておいてほしい。

暗記

 英語や古文・漢文の文法・句形・単語については、単語帳等々を使って地道にやっていくしかない。この基礎固めが英語や古典のすべてだ。しかも共テのできや二次の合否に直結する。がんばろう……。
 社会は単純な用語暗記ではなく、論述で使えるようにしていく必要がある。そのためには文脈の中での位置づけを構造的に把握しなければならない。用語暗記としては青のチェックペンと赤シートを使うのがおすすめだ。確実にすべての用語を覚えていくことができる。(これがエスカレートした結果ついたあだ名が「教科書青」である)。しかしそれではやはり不十分だ。そこで次のような暗記法を発明した。ちなみにこれは生物基礎にも応用した。
 1 まず一読する(青ペンで用語チェックしながら)。そのとき、文の意味を理解する。次に文と文のつながりを意識する。さらに全体の中での位置づけを意識する。いつの時代の、どのような流れを受けた、どの地域の話なのか、など。当然章立てを強く意識することになる。このミクロからマクロへの全体を把握することで、記憶に残しやすくなる。
 2 赤シートで隠しながら用語を覚える。
 3 その文章全体の内容を覚える。つまり、その内容全体をそらでしゃべれるようにする。
 4 文章を見て確認。できるまでこれをくりかえす。
 5 翌日の朝、もういちどそらでしゃべってみる。
 6 文章を見て確認。できなかった箇所にチェックをつける。
 7 チェックか所を翌日そらでしゃべる。全てできるまで隔日で繰り返す。
 (1~7のセットを、初習・定期テスト・復習のときに繰り返す)。
 これを2年続けた結果、二次試験前には世界史の教科書の全ページをそらでしゃべれるようになった。そうすれば世界史第二問第三問は全く怖くない。マクロの把握もしているので、第一問にも強くなった。ちなみに体系的に暗記するためには、一冊に集中した方がいい(というか複数冊は不可能)。

論理

 数学の勉強法だ。文理や年による難易度を問わず、数学は大きな武器にも弱点にもなり得る。東大入試の肝だ。
 解法がどうこうという以前に、そもそも問題を正しく理解する必要がある。「このとき」や「このような」といった文言によって必要条件なのか十分条件なのか変わってくる。必要十分性を常に強く強く意識した学習(ある程度自分で頑張るしかない)をしていくことでこれは初めて見えてくる(ちなみに私は1年かかった)。これがクリアになれば、頻出の軌跡領域の問題なんて楽勝(なはず)だ。
 もちろんこれだけだと数学の本質を理解しただけで一点もとれないから、解法をおさえていく必要がある。しかし原理の深い理解があればすべての公式や解法は必然に見えて、覚える必要がない(さすがに共通テスト本番レベル模試でtan加法定理がでてきて知らないなぁとなったのは焦った)。ということでさらさらと解法を体系的におさえていって(ある程度のパターン化が必要)、その運用能力も身に着ける(計算ができなかったらお話にならない)。このとき、大学入試数学、特に東大にはくせがあるということに注意する必要がある(たとえばmodや相加相乗、存在条件、二項係数などは相当な演習がいる)。

 この二つをこなせたことが私の強みだったと思う。これに加えて、本番での得点には論述力が必要となる。たとえば「変化」や「特徴」をはっきりと明示しながら記述すること、あるいは三者比較を系統だてて説明すること。古典では最後の小問でそれまでの小問を参考にしつつ全体の文章構造を捉えきって解答をつくることで高得点が狙える(本番ではできなかったが)。これは問題集や模試では対応できないから、常に東大が本当に求める解答を自分なりに考え抜くことを大事にしていた。

■東進東大特進コースについて

 東大特進コースに高1から在籍しており、多くの講座を受講した。他にない東大に特化したハイレベルな授業を受講できる。また、東大本番レベル模試も高3の一年間は全て受験した。東大の出題形式をふまえた分量の問題を一定の緊張感をもって解くのは、本番で実力を出すのに役に立った。特に、解答用紙が本番にそっくりな点と、返却が早く復習しやすい点がいいところ。以下東大特進のうちでおすすめの授業を挙げる。
  • 松田聡平先生

体系的に数学を学ぶ。問題に対する引き出しを整理しながら充実させることができる。テーマごとの要点がまとまったOne Point Lectureや数学解法下敷きも魅力。直前期の数学の見直しにも利用した。解法整理に時間を使うので、個々の問題を細かく解説することはなく、勉強の効率がすごくいい。3年間受講して復習用例題もきちんとこなせば莫大な演習量を確保でき、相当な強みになる。テストゼミでは先生に直接採点してもらえ、励みになった。小問を集めた短時間のテストextractは、得点の底上げとして非常に重要で、自分の立ち位置を知るのに有用である。

  • 荒巻豊志先生

世界史の論述を学ぶ。プレ講座は本当に受講をすすめたい。第一期以降の論述の講座では第一問対策をする。知識はついている前提で、いかに600字のまとまった文章を書くかを学ぶ。世界史で稼ぎたい、あるいは世界史的な語らいを楽しみたい人にはおすすめだ。ちなみに今年度は三者比較が出題されたため、論述の練習をしていたことが大いに役立った。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 長々と勉強方法について書いたけれど、受験は学力と健康の二本立てと思った方がいい。共通テストの一か月前に体調を崩したし、二次のときは5日前まで寝込んでいるような状態だった。体調が悪いと勉強ができないだけでなく、思うようにいかないことがストレスにもなる。本番直前は緊張して体調を崩しやすい。最高の準備をして最高のパフォーマンスをするために体調に本当に気を付けることを教訓としてほしい。それから、高三は過酷だなどと言われるけれど、意外とそうでもない。高校最後の年として部活も行事も全力で楽しめるし、勉強に全力をそそげるのも楽しみの一つだ。仲間と一緒だとより楽しい。楽しんだものは強くなる。どうか主役になれるときを楽しんでほしい。