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東京都 私立 早稲田高等学校 卒
東京大学 文科二類

佐久間 啓さん

■センター試験得点 797点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 0 0 0 0 0 =0/440点
自己採点 75 40 75 40 45 =275/440点

■受験した感触・・・ 失敗もあったが試験時間中にリカバリーできたので、手応えはあった。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 D 文科二類 C

私の勉強理論

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私は9歳の時に塾に入ってから今に至るまで、勉強に取り組んできた。この間に中学と大学の二度の受験を経験し、幸いにも、ともに第一志望校に入学することができた。ここでは、この期間に私の勉強を支えた理論とその理論を実践した東大受験の過程を述べていく。受験生の皆さんにはぜひ参考にしていただきたい。
 努力しても成績が上がらないという人は多い。その原因は勉強の努力が成績という結果に結びつく過程に存在する実力という変数を見落としてることだろう。努力(勉強)が実力になり、実力が結果(成績)につながるのだ。ここで前者を第一転換、後者を第二転換と呼ぶこととする。第一転換とは普段の勉強である。ここでは暗記や問題演習を通じて、その科目への理解度を深めて実力へとつなげなければならない。理解はただ机に座って参考書を開いていれば深まるのではない。意識的に集中して初めて得られるものなのだ。だから普段の勉強で意識すべきなのは勉強時間ではなく、自分がその勉強を通じて理解したことなのだ。また、科目数が多く一科目だけ取れても受からない国立大学を志望するならば、全科目で一定の実力をつけることも大事だ。このためには、各科目にバランスよく時間を割く必要があるが、なにも意識していないと苦手科目を避け、得意科目に時間を多くかけがちである。苦手科目に意識的に取り組んで初めてバランスのよい勉強ができるだろう。さらに言えば苦手科目は伸びしろでもある。なぜなら得意科目で応用事項を学んで80点を90点にするよりも、苦手科目で基礎事項を固めて40点を60点にする方がはるかに簡単だからだ。なにが起こるかわからない本番で一科目に全てをかけるよりも、全科目で戦えた方が合格しやすいのは間違いないだろう。次に、第二転換とは本番に向けた勉強のことだ。ここでは自分の実力を本番の答案へ十分に投射できるように勉強しなければならない。上位の国立大学が、私立大学と異なるのは、問題への理解度に加えて自分の言葉で表現することを求める点だ。第二転換で表現力を十分に養えるかどうかが合否を左右するだろう。表現力を向上させるためには、記述問題(過去問や模試など)に取り組み、その答案を先生に添削してもらうことが必要だ。添削で指摘された点を素直に受け止め表現の改善につなげていきたい。また過去問演習は昔の問題を1度春ぐらいに解いて、ある程度傾向や問題を把握してから普段の勉強で実力をつけ、直前期(冬から)につめることが望ましい。直前期に繰り返し過去問をやることで、試験のコツをつかめ、本番でうまくいかないことがあっても十分に修正できるようになるだろう。過去問は一科目ごとに本番と同じ時間でやることで、コツをつかみやすくなるだろう。ここからはより細かいアドバイスだ。まず暗記は毎日やる量を決めて、こまめにやるのがよい。暗記の際には覚えられなかったところに印を付けておいて、翌日以降に何度も繰り返し覚えよう。ルーズリーフなどに科目にかかわらず、自分が覚えていなかったことを書いて自分だけの暗記帳をつくると効率よく自分の知識を補充できる。次に計画は大まかにたてよう。一週間や一カ月にやることを前もってきめても、絶対に想定通りにはいかないので、何月までにあの科目の基礎を固めたいや記述をかけるようになろうというおおまな計画をたてれば十分だ。一方で自分の勉強時間の記録は強く勧めたい。記録をつけることで自分の努力を可視化できるとともに、勉強にメリハリがつき勉強の質をあげることができる。最後に睡眠時間は十分に確保するべきだ。眠いと勉強に全く集中できないので昼間に眠くならないくらい夜は寝よう。それでも疲れていて眠い場合は勉強の前に10分ほどの仮眠をとるとよいだろう。逆に、夜中眠れないときには神経を落ち着かせて眠りやすくさせる牛乳を飲むとよい。
 私が東大受験を意識し始めたのは共通テスト同日体験受験で予想外に良い成績をとった去年の1月からだが、決意したのは夏の東大模試の結果を見てからだった。夏休みまでは塾の宿題や授業の復習、社会や古文、漢文の基礎固めに集中しており、過去問は全くやっていなかった(模試を受けてどのような問題が出るのかは把握していた)。秋からは地歴の過去問に取り組み、ここ数年の分は残しつつかなりの数の過去問にふれた。冬になって学校がなくなっても秋の模試の復習や塾の課題が忙しく過去問は社会以外ほとんどやっていなかった。共通テストの過去問は大晦日から始めたが、1日三科目取り組んで過去2年分の4回と共通テスト形式の問題集6回分を一通り演習することができ、本番では800点弱という申し分ない点数をとることができた。共通テストから国立大学の前期試験までは夏休みと同じくらい長く、約40日間あり非常に長かった。この期間に今までためておいた過去問を一気に詰めて、英語と国語を7年分、地歴と数学を3年分演習した。この時期に十分な演習を積めたことが合格につながったと思う。実際に本番でもミスはあったが、修正してうまく乗り切ることができた。7月以降の私の勉強時間は約1400時間で、一日の勉強時間はだいたい7時間弱だった。決して多くはないが、それでも合格できたのは勉強の質を高めようと努力してきたおかげだと思う。最後になるが、勉強の質は小さな工夫の積み重ねで上がっていく。受験生の皆さんもいろいろな勉強法を実践して自分に一番あったものを選び、自分なりの勉強理論を作り上げていってほしい。本稿がその一助となれば幸いである。

■東進東大特進コースについて

 地元の東進ハイスクールに入ったのは高校二年生の十二月くらいで、夏からは東大特進の地歴の授業を受けていました。東進の模試は採点が速くて役立っていました。また、定期的に実施されるため、こまめに自分の力や東大受験者の中での自分の位置、問題や単元の得意不得意がわかるという点も良かったとおもいます。地元の東進ハイスクールでは、担任には受験までのスケジュールを作ってもらいました。年齢の近い担任助手の話は受験をするうえで大きく参考になりました。またチームミーティングでは受験に関する情報を仕入れるだけでなく、同じ大学を受験する人と定期的に会うことで、勉強のモチベーションの維持に役立ちました。地元の東進ハイスクールにはこの一年間の勉強のサポートをしてもらい、いろいろとお世話になりました。本当にありがとうございました。また東大特進の授業も良かったと思います。東京大学の問題中心の授業であるため、勉強の力をつけながら、本番に向けた対策にもなりました。特に地理の村瀬哲史先生の授業は良かったです。本当にありがとうございました。あと過去問演習も印刷できるので本番と同じように小冊子を作れるところも良かったです。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 共通テストは絶対になめてはいけません。これには2つの理由があります。心理面の理由は共通テストで思ったほど点数が取れなかったときに不安になり、二次試験までの勉強に集中しづらくなってしまうからです。得点面の理由は実際の合否に影響することです。センター試験より共通テストは明らかに難しく、上位層でもかなり差が開くようになりました。こうなると東大の合否に使用される共通テスト分の110点でもかなり差がついてしまいます。また私大でも共テ利用で早い時期に合格できればかなり安心できます。共通テストは形式が独特なので、定期的にマーク模試を受けて直前期には過去問を詰めて、万全の状態で本番に臨み、800点を目指してください。