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静岡県 県立 静岡高等学校 卒
東京大学 文科二類

芝原 夏輝さん

■センター試験得点 791点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 70 58 82 35 51 =296/440点
自己採点 75 60 70 45 32 =282/440点

■受験した感触・・・ 模試と思い込もうとして焦る自分に焦った。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 A 文科二類 A 文科二類 A 文科二類 B

目的にかなった「脳」をつくる

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私は公認会計士を目指す一方で、物理・化学などを趣味として学びたい気持ちが強かったので、一年生6月の面談の際、教養科目の選択肢が多い東京大学の経済学部への進学を決断しました。文理問わず学問に励むことが進路選択の幅を広げることにつながります。東大模試ではA判定維持をめざし、自由な学問探求の喜びを噛み締める自分を想像して、三年間を通じて修練しました。私の受験の基本方針は①行動の意味を問う(目的からの逆算)②基本原理の追究 ③現状の俯瞰 です。また、教科特性にあわせて必要な演習メニューを組み立て、それが年間計画で占める位置を省みつづけました。逆転合格という響きはいいですが、受験初期から模試で安定して良い結果を出し続けることは、受験当日の心理的安定に大きく寄与しますので、早期実行を薦めます。体験記というより、私が行き着いた方法論を紹介する。勉強には①基本原理の追究 ②方法論確立(修正)③方法論の内在化 という順序があり、本番の出力を最大化するには③の徹底的が必要で、ゆえに①②の早期完成が合格前提となります。以下、各科目ごと特性と①~③の具体的事例を示す。
  • 数学

(特性)題意が提示する情報を整理し、既存の方法論を連鎖させ、簡単な情報へと同値変形していく。ゆえに既存の方法論の洗練が要となる。

①解法の必然性を探求し、当たり前だと納得する。→初見で発想できなかった理由を考える。

②抽象的な情報操作上の方法論を自分でまとめる(ex. 独立・非独立、個と関係の扱い、決定関係、入力・出力)。→解くうえでの方法論を確立(「どうすれば解けるか」<「何が今分からないのか」、課題・解決策を繰り返し提示する)。

③東大型4問80分の演習で②を繰り返し実行する。

つまり、「解く=必然性に基づく情報操作」ということが自分なりに分かればよいのです。

  • 国語

(特性)方法論確立にもっとも慎重になるべきで、読解力と同時に高度な作問能力を試されている教科。

①②現代文は傍線3つと120字問題を作り、解くことが有効です。また、古典は、誤読を避けるため「仮説→その積極的否定」を必ず行い、解答をできるだけ一意に定めていく。

③過去問がもっとも良質で、公式解答も信用できる。模試の過去問は自己採点が難しいうえ、予備校の解答もごまかしているものが多いので演習で参考にならなかった。

  • 世界史

(特性)知識が基本的である分、演習の比重が大きい。論述字数が感覚でわかるくらい、定期的に演習すべき。

  • 日本史

(特性)歴史事象の定義と意義を複数の観点から学び続けることで、条件文解釈力を向上させる。(教科書の精読は知識補充というよりむしろこの向上のためである)。東大型論述対策にかなり時間を要し、方法論が本番直前までかわり得る。→方法論確立に時間を要する。→その内在化が手遅れになりやすい。

  • 英語

(特性)能力向上と東大への方向付けとが明確にわかれ、計画しやすい。リーディングはSV(M)の三要素を特に意識した精読がよい。リスニングは毎日シャドーウィングしたうえで、模試前や直前期に五択型の点検を繰り返す。

③東大型の演習を繰り返しとけばよく、他傾向の問題集を解く意義はない。

失敗体験

  • 世界史の知識補充が後を引き、小論述の補充に十分な時間が割けなかった。
  • 直前期に日本史の新規の問題を解きすぎたせいで、他科目の最終調整がかなりタイトになった。
  • 帰宅後すぐに勉強に取り組める自宅環境の整備を徹底すべきだった。
 結局、人間の恒常性をうまく使えるものがかなり有利になるということです。

■東進東大特進コースについて

 有効な講座を紹介します。
  • 東大現代文……この講義で吸収し、自分なりに再編成した方法論は、現代文という教科を超えた情報整理のノウハウにつながりました。
  • 数学の真髄……原理追究から丁寧に学ぶことができます。青木純二先生ありがとう。
  • 東大日本史……答案作成にいっさいごまかしがない解説が役に立ちました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 東大合格に必要なのは「万能脳」ではなく「東大脳」です。受験当初、私自身、この手の主張から「戦略的な合格=応用がきかない些末な方法論ばかり蓄積される」というイメージをもっていました。しかし東大の問題は根本的理解を問う良質な問題ばかりで、その解法の探求は必ず大学での学問探究の素地となりますから、安心して東大受験に全てを投じてください。一挙手一投足が東大合格の可能性をかなり(ここ重要)上げるように向かっていくような快感をぜひ味わってください。このような変わった人が東大生と呼べるのかもしれません。努力は事後的にしか現れません。努力を言い訳にして、また、自分を責めて楽になろうとしないでください。結果だけがそれまでの過程を意味付けることができるのです。健闘を祈ります。