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愛知県 私立 滝高等学校 卒
東京大学 文科二類

関 要士悠さん

■センター試験得点 743点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 79 46 72 38 36 =271/440点
自己採点 80 55 65 40 35 =275/440点

■受験した感触・・・ 五分五分。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 E 文科二類 C 文科二類 D 文科二類 C

要領がすべて

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私はそこまで深い理由で東大を目指したわけではなく、せっかくならトップの大学をめざしてみるかといったノリで高1の時に志望校を決定しました。とはいえ、受験勉強を本格的に始めたのは、高3に入ってからでした。高2までは、学校の定期考査に力を注ぎ基本的にのんびり過ごしていました。受験勉強を通して私が意識していたことは、どれだけ頑張らないか、ということでした。皆さんがご存じのように東大は二次で国語(現文・古文・漢文てんこ盛り)・数学・社会(2科目)・英語(リスニングつき)、配分が20%しかないとはいえ、共通テストでも5教科7科目求められます。こうしたボリューミーな東大入試のシステムを知った時、私はこれを本気で仕上げようとしたら現役合格は無理だと悟りました。(もちろんもっと早く受験勉強を始めればよかっただけですが)さて、では私のオリジナル勉強法を紹介します。

共通テストについて

 二次試験に比べて割合と難易度が低かったため、本格的な対策を始めたのは12月に入ってからでした、学校の方で大量の演習があったので英語と国語はそれをこなすのみでした。単語・文法・漢字など知識の最終確認をしておくことをおすすめします。共テ後はそんなことをしている時間はありません。数学は、センター時代から出題形式が大きく変わったので、予想問題をできるだけ解き様々な問題に触れることで、対応力をつけました。社会は東大頻出分野以外も一通り目を通した後、過去問と模試の復習をして史料読解能力をあげました。私は高1、高2とリピートしたにも関わらず理科基礎が苦手であり、一時期は独学地学を本気で検討しましたが先生に止められました。かといって成績が伸びるわけでもなく、対策は12月まで放置していました。直前1か月間は、教科書で基礎を確認し、センターを解き、模試やプレで演習を重ねることで本番では8割をとることができました。理科基礎は本気でやれば1か月で完成させることができます。二次で使わない科目にそこまで時間は割いていられません。

二次試験

  • 現代文

過去問を11年分解いて論理関係の把握の練習をしました。2000年から全部解くのが理想ですが、実際には東大特進で林修先生が使った問題の復習しかできませんでした。傾向が変わった2017年以降の問題は本番前にもう一度解きなおしました。現代文に関しては模試の復習や結果を気にするよりも、過去問の精緻な分析が東大現代文の鍵です。

  • 古文・漢文

基本は過去問中心に演習を重ねました。共テ後には共テを通じて再確認した基本事項をもとに模試や予想問題を解き記述力を戻しました。

  • 数学

確実に半分をとることができるように対策分野をほぼ毎年出ている、微積・図形と方程式・整数・確率のみに絞りました。後の分野はほとんど手をつけていません。この4分野の演習がある程度済んだのちに過去問11年分の解法を丸暗記して東大の問い方の理解に努めました。また、模試などを通して様々な問題の解法を覚えることで、様々な角度からの出題に対応できるようになったと感じています。数学は暗記科目です。模試の成績がジェットコースターだったのは、この考え方のせいかもしれません。東大だけはわかってくれたようです。

  • 世界史

私は論述を書くのがとても苦手かつ遅く、添削を受けるのも面倒だったので、解答例を丸暗記することに努めました。具体的には、「問題文を精読→解答をみる→ノートに写す→音読する→教科書の記載にアンダーライン」というプロセスで答えの丸暗記を過去問25年分しました。こんなやり方で実力が付くのかという声がありそうですが、論述は知識がなければ書くことができません。さらにこのプロセスを繰り返すことで、教科書が東大頻出分野集になります。なによりプロの書いた答案をまねることで上手な言い回しや新しい知識、論述の構成も学ぶことができます。実は、東大は同じ問題を何度も出す上、ほかの年の問題文が答えになっているというケースも見られることから、東大の問題を問題ごと覚えることで圧倒的な自信と知識も身に着けることができ、第三問対策にも役立ちます。シンプルなのに実践している人が少ない世界史論述の裏ワザです。

  • 日本史

世界史と違って、暗記ではなかなか解くのが困難な科目です。これは現代文と同じく、経験値がものをいいます。良質な問題との格闘を通じ解答を論理的に組み立てる能力と知識をいかに活用させるかを練習する必要があります。私は教科書の熟読と過去問11年分、模試の復習ぐらいしかしていません。余談ですが、原始や戦後史は出ないと決めつけて勉強しないのはやめましょう。本番痛い目をみます。(当事者)

  • 英語

模試を通して、戦術を研究することが不可欠です。ご存じの通り、東大英語は時間との勝負です。得意、不得意の把握とコスパを考慮して、点数を最大化できる作戦を立てましょう。ちなみに私は、2B→2A→1A→1B→3→4B→5→4A の順で解きました。分野のごとの対策は、『東大英語総講義』に頼りっきりでした。(後述)

■東進東大特進コースについて

 私は、長岡恭史先生が好きで数学ぐんぐん(基本編・応用編)、東大数学(ⅠA・ⅡB、論理・図形)の5講座を受けきりました。数学を本質から理解できます。
 また、東大特進では、林修先生と宮崎尊先生の講義を受けました。林先生は東大現代文の論理構造と出題者の意図を把握しきった講義を展開するので、これを受けたら、ほかの講師の解説が物足りなくなります。ライブ授業でもらえる論理構造解説プリントはとって置き、受験直前に見直すことで林先生の思考法をトレースしたような気になり、自信をもって試験に臨めます。宮崎先生は英語をネイティブの感覚で分析していくので、点数が上がるのはもちろん、速読力や教養も身に着けることができます。個人的には著書『東大英語総講義』もおすすめです。過去問を中心とした問題の解き方が詳しく説明されており、特に英作文の項には使える表現集があるので、それらを丸ごと覚えることで、英訳・自由英作文ともに言いたいことをスムーズに表現することが可能になります。
 過去問研究は過去問演習講座に頼りっきりでした。添削の質もよく、特に国語に関してはアドバイスを読み込むことで、記述力を上げることができます。また私は、解説授業をじっくりと受けることで解答にたどり着くまでのプロセスを体に覚えこませました。日本史は取っ掛かりにくい東大日本史の問題を丁寧に分析してくださったので、共テボケ回復に何度も受けました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 模試の判定からもわかるように私は東大を余裕で受かったわけではありません。11月の模試では偏差値40をたたき出した上に数学は6点しかありませんでした。それでも合格することができたのは、東大に絶対行くんだという強い意志があったからであるように思います。いろいろと迷走もしましたが、心の中にはいつもこの思いがありました。皆さんの合格を心よりお祈りしています。頑張ってください。