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広島県 県立 広島高等学校 卒
東京大学 文科二類

穴迫 春海さん

■センター試験得点 752点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 72 31 38 38 50 =229/440点
自己採点 73 16 60 45 50 =244/440点

■受験した感触・・・ 地理で東大の地形図が出て試験場で爆笑。多分、古文は5点!!

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科二類 D 文科二類 C 文科二類 C 文科二類 D

推薦に半分、一般に半分

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 東京大学を志望したきっかけは非常に消極的なものです。それは学校の先生に説得されたから。身の程に合わない目標なのでは?などと2週間悩み続けて東京大学に志望を変えました。周りに文系の志望者が一人もいないという孤独や学校推薦型選抜との両立に苦しみながらも、なんとか東京大学という目標を貫くことができました。
 私は東京大学の学校推薦型選抜(以下、推薦)と一般選抜の両方を受験した特異な人間です。(もちろんここに載っているということは推薦が不合格だったということです)これからもこれら両方を受験する人は多く出てくると思います。そういった人にも、そして普通に東京大学を受験する人にも参考になるであろうことを書いておきたいと思います。

学校推薦型選抜について

 私は(今年は合格者数が少なかった)経済学部の学校推薦型選抜を受験しました。提出した書類で主なものは①地理オリンピック国内予選銀メダル、②Stanford e-Japanの修了証とレポート、③学校で書いた酒蔵での人材育成についての論文、の三つです。①は特に準備はしていません。②は大変でした。3,4,6月のほぼ全ての学習時間を捧げ、英語漬けの日々を送りました。ただ、英語の4技能全てが飛躍的に向上し、帰国子女が強いと言われる東大の英語の試験に対応する基礎力を涵養することができました。③には6,7,10月の学習時間を捧げています。急ピッチで学校の先生と協力しながら執筆し、日によっては睡眠時間が2時間となる日もありました。そして、面接の練習に11月の終わりから12月の本番までの時間を全振りしました。
 以上のように入試までの12ヶ月のうち半分を推薦に捧げています。②のように結果的には推薦の準備が一般選抜の準備となっていた場合もありますが、実際に過ごしていると一般選抜の勉強ができないことへの焦りが生じていました。そのため、推薦の準備が無意味に感じられて捗らず、余計無駄な時間を消費していました。ですから逆説的ですが、一般選抜の勉強に充てる時間を増やしたければ推薦に本気で意欲的に取り組みましょう。推薦で合格が取れたら“儲けもん”ですし、中途半端に取り組んで本当に時間の浪費にしかならなかった、ということだけは避けてほしいと思います。

一般選抜について

 私は、一般選抜は一見複雑そうに見えるが、点数を取れば勝ちという単純なものだと考えています。(反面推薦は明確な得点化が難しいので最後までどっちに転ぶかわからないものだと思います)そのため、限られた時間しか行うことのできない受験勉強をどう効率よく得点に変換していくことができるかということが大切になります。これは人によってそれぞれであるかと思いますが、あくまでも一例として私の方法を簡単に書いておきたいと思います。それは、塾で学んだ問題を解くメソッドを学校の授業の中で実践し、学校の授業内容をいわば演習教材とするというものです。家では東進の授業を受け、メソッドを磨き、1日の大半の時間を過ごす学校で演習をすることで、限られた時間の中でも演習量はカバーできたと思います。この学習方法が私にはハマりました。
 私は他の人の半分の勉強しかせずに合格を手にすることができました。これは偶然私のとった道が学習内容を得点に変換する方法として自分自身に適しているものだったからだと思います。一般的な受験生には私の約2倍の時間があります。時間はありますから自分自身に合った受験勉強の仕方を見つけてみてください。これを見つけることもまた重要な勉強だと思います。

■東進東大特進コースについて

東大現代文

 学校の近くの東進衛星予備校で高2のときから林修先生の授業を受け、高3の夏から東大特進の授業を受けていました。テレビで見たことがあるからというのが林先生の授業を受け始めた理由ですが、まあどんな理由であれ受けるべきです。私は推薦で不合格が決まった直後から、私を推薦で不合格にした東大への怒りが入り混じった悔しさが原動力となり、2,3日はかなり集中して学習できました。が、直前の土曜日、学習量の少なさに心が折れ、到底東大合格など不可能であるという思いが込み上げ、一日中勉強に手がつかなくなってしまいました。そんな時、林先生の講義を受け直し、高2の頃から林先生の授業で使い続けていた蛍光ペン5本セットを手にすると自信を取り戻すことができ、次の日からはまた集中して勉強に取り組むことができました。学習面ではもちろんのこと、精神面でも支えてくれたのが林先生です。

東大特進数学

 推薦でなかなか数学に時間を回せなかったため秋から第1〜6回のテストゼミをまとめて受けました。復習まできちんと行えば東大の過去問が簡単に思えます。ですが、私は共通テストボケが激しく、この講義で身につけた力が全く戻ってこなかったので、共通テスト前も継続して授業を受けたり問題を解いたりすることをおススメします。

東大世界史

 高3になって世界史の学習を始め、夏休みまでの間で通史を叩き込んだ形だったので、短期間で世界史を仕上げる必要がありました。荒巻豊志先生の授業は歴史を学ぶとは如何なることかを教わる機会が多く、一見廻り道を通っているように見えますが、これが東大の求める力に直結していたような気がします。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 東大受験は案外すぐに終わります。東大を目指すことの一つの特徴は、受験勉強という形で学問の世界に接するという貴重な体験をできるということです。これが東大受験に中毒性があると言われる一つの所以かもしれません。東大受験生でいられる人生のほんの一瞬の貴重な時間を大切に生きてください。本当に楽しいですから。最後に、試験当日のことを。本当に最後の東大受験生として生きる時間ですから、問題に対し捨て身のタックルを。全てをぶつけてください。そして、英語が終わる16:00の解放感と爽快感、そして帰りの新幹線での異常なほどの脱力感を是非経験してみてください。時間はありますから、焦らず、気負わず、懸命に過ごしてください。