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愛知県 私立 海陽中等教育学校 卒
東京大学 文科二類

馬渡 陽介くん

■共通テスト得点 847点/900点

■共通テスト得点選択科目 世界史 日本史 物理基礎 化学基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 72 70 60 42 41 =285/440点
自己採点 65 65 50 40 35 =255/440点

■受験した感触・・・ 人事は尽くした。後は天命を待つのみ。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
B B B

戦略と集中力

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私は全寮制の学校に在籍しており、これを読んでいる皆さんとはかなり違った環境で受験勉強をこなしてきました。寮生活の主なメリットは、規則正しい生活により勉強を習慣化しやすいことで、主なデメリットは、世間一般から若干疎外されるため井の中の蛙になりやすいということです。なので、もし似たような環境にいる方々がいれば、その方々には井の中の蛙にならないように東大受験に関する情報収集をしっかりと行って欲しいと思います。この体験記がその一助になれば幸いです。

教科毎勉強法

  • 英語

高2のうちに英文法の問題集を1周し、英検準1級を取得しました。冬から英文解釈の勉強を始めたのですが、もっと早くからやっておけば良かったと思います。高3春に単語帳を一気に2冊終わらせ、それ以降は長文ばかり読んでいました。夏の模試ではそこそこ結果が出たのですが、秋頃に模試での偏差値が50を切ってしまうというスランプに陥りました。原因は、演習に取り組みすぎたあまり基礎的な知識が抜け落ちていたことに尽きました。やはり単語くらいはコツコツやって、忘れないようにすべきです。ここから私は戦略を練り直し、記号問題(主に1B)を確実に得点し、難しい記述(主に5)や並べ替えは捨てに行く(もしくは部分点狙い)という戦略を立てました。こうすると、試験時に自分のやるべきことがはっきりして得点の最低ラインを死守できるようになったと感じています。過去問演習ですが、通しで1年ごとにこなすのではなく、大問ごとにまとめて行うのが良いでしょう。通し演習は直近数年分にとどめて、大問ごとの設問研究に取り組む方が効果的だと感じました。

  • 数学

苦手だったのですが、高3の1年を通して若干得意になりました。何よりも大切なのは、試行錯誤を繰り返すことです。問題集で基礎を固めた後(高2のうちに終わらせてください)は、問題1問1問に対しじっくりと時間をかけて取り組んでください。ああでもないこうでもないと考えたその経験がのちに生きると思います。秋頃から本番を意識した100分4問のセット演習に取り組みました。私はこれを毎朝継続していたので、結果的にかなりの分量をこなせました。

  • 国語

現代文は学校や林修先生の授業にお任せするとして、肝心なのは古文漢文です。これらは伸ばしやすい科目なので、さっさとはじめましょう。私は高2までは助動詞なんて1つも知らない状態から高3になってようやく学習を開始しましたが(だいぶ遅いです)、春に古文単語や文法、基本句形を固めて以降大量の問題演習に取り組み、夏頃にはもう得点源になっていました。文系ならここで差をつけられては合格可能性が随分と下がるので、歯を食いしばって暗記と演習に励んでください。読めるようになると、大分楽しくなってくると思います。

  • 世界史

歴史好きなので、学校の授業を聞いていただけでそこそこ点が取れました。教科書は分厚い上に紙面がツルツルしていて書き込みに不便だったので使わず、市販の薄い参考書を周回して完璧にしました。論述は、自分の記述を客観視するためにも学校の先生による添削を受けてください。何度も書いてポイントを叩き込めば点数はいずれ付いてきます。得点源は第3問と第2問なので、ここをしっかり取りましょう。

  • 日本史

東大特進と過去問演習を中心に学習しました。問題形式がやや特殊なので、過去問演習でしか学べないことが多々あります。もちろん、基本的な知識は必須なので暗記(教科書レベルで良いと思います。)を怠らないようにしましょう。世界史と同じく、添削を何度も受けてください。

  • 共通テスト対策

模試で9割が安定して取れていたため、年が明けてから予想問題を2つやった以外は対策しませんでした。やはり9割は必須だと思うので、苦手な人は早め早めの対策をしてください。

■東進東大特進コースについて

  • 東大現代文

林修先生の、解答に必要な要素の取捨選択や日本語のまとめ方には説得力があり、何度も唸らされました。ただし、林先生の解答に納得するばかりでなく、自分自身の力でそのような答案をどう再現していくかを常に考えましょう。理解と実践は別物です。

  • 数学の真髄

本当にお世話になりました。答えを出すばかりでなく、答えまでの過程や方針を重視する青木純二先生のスタンスは受験数学の基本中の基本であると痛感させられました。文系の方々で、網羅系問題集を闇雲にこなすあまり単なる解法暗記に陥ってしまいがち、という方々には是非お勧めしたいです。

  • 東大古文

栗原隆先生の歯切れの良い講義は記憶に強く定着し、暗記の支えとなってくれました。付属の資料はまさに一級品で、模試の前など、暇があればすぐに見直していました。

  • 東大日本史

日本史選択者に本当に勧めたい授業です。条件文の内容と基本的な知識を解答に織り交ぜるその織り交ぜ方が絶妙で、東大日本史は単なる条件文要約ではないとつくづく思わされました。

  • 東大本番レベル模試

返却の早さと質の高い解説授業が何より素晴らしく、復習に最も適した模試だと言えるでしょう。判定は若干厳しく出るのかなという印象で、私自身もB判定が連続してしまいました。点数や判定を気にするよりも、復習にフォーカスして欲しい模試です。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 東大受験は根性論でなんとかなるものではありません。現時点での自分の実力と、最終的な目標点数との乖離がどれほどかを冷静に分析し、そこを埋める自分なりの戦略を立ててください。戦略を立てたら、集中力を持ってそれを実行に移してください。だらだらと勉強して勉強時間だけ稼ぎ、勉強した気になっているようでは合格は不可能です。おそらく、あなたよりも成績の良い人達はあなたよりも努力し続けるでしょう。逆転が起こりづらいのはそのためです。あなたよりも成績の良い人達との差を埋めて、いずれ追い抜いていくためには得意を磨くよりも苦手を潰すことが先決です。受験生は勉強ばかりで辛いと思うかもしれませんが、適度に息抜きをして成績も上がっていけば結構楽しめます。頑張ってください。