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東京都 私立 本郷高等学校 卒
東京大学 文科三類

井上 春杜さん

■共通テスト得点 880点/1000点

■共通テスト得点選択科目 世界史 地理 化学基礎 地学基礎

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 0 0 0 0 0 =0/440点
自己採点 82 21 59 43 35 =240/440点

■受験した感触・・・ 数学全問一見簡単そうなのに0完で激鬱

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科三類 B 文科三類 B 文科三類 B 文科三類 B

東大受験

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

志望動機

 私は、人文科学と社会科学について幅広く興味を持っており、東大の「進学選択」制度が自分に向いているのでは、と思った。加えて、東京大学は名実ともに日本一の大学であるから、素晴らしい教授陣や優秀な学友との邂逅もあるだろうと期待した節もある。何よりも、幼少期から大きな目標を達成したという自負が無い私にとって、東大合格というのはひとつの大きな成功体験として私の自己肯定感に大きく寄与してくれるに違いないという野望があった。

二次試験の各科目の勉強方法と戦略

 私は数学が苦手だった。「東大入試同日体験受験」の数学は9点だった。過去問演習を積んでも10点台はざらだった。従って、数学で他の受験生も得点できるであろう小問を完璧に書き上げ、部分点をかき集めることで失点を抑え、国語では古文、漢文でアドバンテージを作りつつ、現代文のブレを補うことで失点を抑え、得意の英語と地歴で合格者平均ラインを超える高得点をとることで合格しようと企図した。この結果としてどの模試でもB判定を取れたし、本番でも上々の出来だった。
  • 英語

解く順番は4B,1B,2A,(リスニング),2B,1A,5,4Aである。個人的に1Aの要約は序盤にやってはいけないと思う。いくらでも校正できてしまうのでtime consumingである。私はリスニングと英作文で50点近く得点するのを死守することを心がけ、長文の速読と精読を講座の受講や「過去問演習講座」を通じて行うことで、点数を盛っていき、80点以上取ることを目指した。東大英語は90点以上とることがかなり難しいので85点が関の山であるから、純ジャパ受験生はここに目標を設定することが現実的だろうと考えていた。

  • 数学

一番苦労した科目である。高1高2で網羅系参考書を周回する学習を行っていたが、東大数学がどうもできない。しかし、どんなにできなくても15点を下回るのはまずかろうということで、「過去問演習講座」の東大数学25年分に着手した。数弱の読者の皆さんに推奨したいのは、問題のレベル感の見極めを過去問を大量に見る中で反復する練習と、基本的な計算を間違えないための注意の徹底である。また、丁寧な字で、相手に絶対に伝わるだろうという言葉遣いで論理的な答案を作成する意識も必須である。青木純二先生の「論理的数学答案演習」にこれらの注意事項が盛り込まれているのでオススメ。「自明」の乱用や同値性を度外視した答案はご法度である。数弱は丁寧な答案づくりで勝負しよう。東大数学は、確率や図形といった頻出テーマがあるので、そこを重点的に強化することで一完できる年もあるかもしれない。点数の上振れを期すために、このような過去問研究もアリである。

  • 国語

大半の受験生が60点付近で固まっており、差はつきにくいが、40点前半を取るといった大失敗を回避すべき科目だ。現代文はみんな大好き林修先生を私も受講した。2025年の第一問はかなり易化したので先生の答案作成方針が活かしやすかった。今年は第四問が随筆でなく小説だった。しかし、本質はエッセーと変わらないと思うので過去問は十分有効である。古文、漢文は強靭な単語力と文法力を高2のうちから作り上げておくと楽である。私は古文単語の定着が遅れ、高3の秋冬に単語帳を周回する羽目になった。現代文は10年分、古文漢文は20年分演習しておくと安心。

  • 世界史

学校のプリントや「スタンダード世界史」のテキストは大方覚えたのちに、教科書の読み込みと過去問研究に入る。教科書は2、3冊用意する。各社で表現や扱う内容が若干違い、相互に検討することで記述に活きるからだ。荒巻豊志先生を信じよう。

  • 地理

村瀬哲史先生を信じよう。

■東進東大特進コースについて

  • 「過去問演習講座」

25年セットを受講しました。豊富な解説授業と迅速な添削で効率的に実力を伸ばすことができました。特に、数学と地理の解説授業は重宝しました。

自分で採点したり、答案を管理するのが苦手な私にとって救世主ともいえましょう。

  • 宮崎尊先生の授業

東進ハイスクールでは「東大対策英語」を受講しました。過去問をふんだんに使った、小手先に頼らない本質的な授業でした。とはいえ、先生の溢れる教養や、快活さを堪能できるので辛い受験勉強のなかで一つの灯火にもなりました。東大特進では、英作文の授業を受けました。東大英作文の採点基準も含め、ざっくばらんに東大英作文を語りつくしていて、目から鱗の連続で必須です。

  • 荒巻豊志先生の授業

東進ハイスクールでは、「スタンダード世界史」を受講し、先生なりの世界史の概観を学べました。教科書に載っていない視点からの説明も多く、新鮮なものでした。今年の第一問でも、民族自決の話がでましたが、荒巻先生の説明を思いだしながら答案作成ができました。そのほかにも、この講座では「主権国家体制」についても幾度も熱弁を振るわれています。世界史で出てくる政治経済的で複雑な概念も荒巻先生はわかりやすく(しかし生徒に媚びることなく真摯に)説明してくれます。東大特進の授業は、ふんだんに過去問を扱うので、過去問研究を自分でする手間がかなり省け、教科書の精読の時間を増やせます。授業は適度な緊張感があり、第1問の答案作成の極意が学べます。質問対応もかなり丁寧です。

  • 青木純二先生の授業

論理や写像を丁寧に教えてくれます。先生の「1つの問題に1つの解答をぶらさげるな」という教えには耳が痛くなります。「数学の真髄」を受講することで、公式や定理の運用に終始していた数学の学習を反省する契機となりました。

  • 東大本番レベル模試

返却が早いので復習に最適です。「1カ月前の実力だから」と言い訳する隙を与えません。実施回数も多い上、文系の場合、英語、国語、数学の解説授業を受講することができます。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 受験は辛いことも多いですが、得るものも多いです。東大文系の合否にかかわらず、その過程で流した血と汗が必ずや今後の人生を支えるものと確信しています。私は自らの夢を実現するために問題を小さな課題に分割し、その個々を適切な順番で処理する力と、気が乗らなくても一定量の努力を継続する力を養いました。また、東大の大量の記述に悪戦苦闘するなかで、文章力も磨かれていくでしょう。