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東京都 私立 女子学院高等学校 卒
東京大学 文科三類

藤田 佐和子さん

■センター試験得点 801点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 90 8 82 37 28 =245/440点

■受験した感触・・・ 数学0点でも受かるかなあ、思い出したくもないな。受かる可能性4割くらいかなあ。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科三類 C 文科三類 B 文科三類 B 文科三類 E

受験の先にあるもの

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

東大を目指したきっかけ

 小学生のころからギリシア神話やファンタジーが好きでした。さらに中学受験でキリスト教系の学校に入り、日常的に宗教に触れるようになったことで、科学が発達した現代における宗教の役割に興味が湧き、高校に入学するころには宗教学を将来学びたいと思うようになりました。その時点ではまだ他の大学や海外大学への進学も考えていたのですが、東大の教授の書いた哲学の本を読んで、この人に学びたい! と思ったことが決定打になり、学校の先生にも相談して高2の1月くらいに宗教学研究室があり幅広い学びのできる東大文科三類を第一志望にしました。他の選択肢にも未練はありましたが、東大の問題形式が大好きだったのでこれで良かったんだと思います。

学校生活

 高1から高2にかけて吹奏楽で部長を務めていました。発表の機会は年2回の校内での演奏会だけだったのですが、コロナ禍で管楽器の活動が制限されたことで精神的に追い詰められてしまい、なかなかその時期は勉強にも手がつきませんでした。あのころにもう少し勉強できていたら本番の数学で頭が真っ白になるなんてことは無かったのでは、と受かった今でも思います。
 学校の授業で内職は一切しませんでした。とにかく授業を寝ずに集中して受けることを優先していたので、最終的に世界史と日本史はほとんど学校の授業だけで知識を入れられました。もちろん演習は自分でやる必要がありますが、元々歴史は好きだったので楽しくできました。

どんな勉強をしていたか

 高2の終わりまでに英語と国語は学校の授業を通してそれなりに基礎力がついていたと思います。高3になってからは、数学と社会の対策に集中しました。英語に触れるのは学校の授業以外はほとんどラジオ講座と、趣味の洋書を読む時間くらいでした。東大の英語も過去問、模試共に安定して得点できていたのは安心につながりました。数学は東進の講座で勉強していました。
 高3の夏休みは古文と漢文の問題集を一冊ずつ買って基礎を確認しました。過去問・模試と学校の授業以外で古典をやったのはここが最後でした。二次試験対策を本格的に始めたのも夏休みです。最初は特に社会は範囲によっては手も足も出ない、ということがありましたが、諦めて教科書を読みながら書いていました。知識が自分の中で整理されていくうちに自然と何も見ずに書けるようになりました。東大の教授が私のために問題を作ってくれるんだと思うとわくわくして、過去問は解くのが楽しくて仕方なかったです。
 夏休み以降も二次試験の過去問対策をずっとやっていました。秋は模試が多くて大変でした。共テ対策は十二月の共通テスト本番レベル模試の直前と、年明けになってからやりました。東大特進で共テ目標9割と言われて絶対無理だと思いましたが、意外とどうにかなりました。
 共テ後は私大対策をやりつつ、過去問の数学だけ2周しました。直前の最終東大本番レベル模試で初めてE判定を取ったのがあまりにもショックで、沈んだ気持ちのまま本番を迎えました。直前の一週間にできたことは、世界史の資料集を一度全部読み直したことくらいです。それ以外は本当に何もしませんでした。

試験当日

 数学以外は問題用紙をめくるのが待ち切れないくらい、わくわくしていました。数学はとにかく解答用紙に何かしら書こう、白紙で提出だけはするまい、と思って解きました。パプアニューギニアの言語についての本を読んだことがあったので、英語のリスニングの選択肢を見た時はとても嬉しかったです。リスニングは部屋や座席にもよると思いますが、スピーカーのすぐ下の席だったからか速いけれど聞きやすかったです。

将来の目標

 私が合格できたのは努力したからだ、と言い切ることはできません。むしろ人と時の運に恵まれた部分が大きいと思います。宗教学を学びたい、という当初の気持ちは変わっていませんが、それを通してたった一人でも誰かの人生を豊かにする助けになりたいです。

■東進東大特進コースについて

 東進に入ったのは高1の4月です。中高一貫だったので周囲には中1から大学受験の塾に入るような人もいました。中3にもなると半分くらいは通塾していたので、さすがにそろそろ塾に行かないと、と焦って、最寄駅にあった東進ハイスクールに行きました。先に書いた通り、高2のときは部活であまり勉強できなかったので、早めに入って貯金を作っておいて良かったです。東進で数1A2Bを一通り学習して、学校の数学で2周目をやる、という形になったので数学が苦手な私でも定期テストの成績はそんなに悪くありませんでした。
 高1の終わりから高2の前半にかけては先述したように学校の授業以外での勉強がほとんどできず、東進の担任助手の先生からはたびたびお電話をいただきました。本当は東進もやめたいと思っていたのですが、担任助手の方々が根気強く励ましてくださったおかげで、高2の10月に部活を引退したあとはまた東進に通えるようになりました。あのとき東進をやめていたら今の自分はなかったと思います。
 高2の終わりに受けた共通テスト同日体験受験で取った点数が、高3になってからもなかなか共通テスト本番レベル模試で越えられなかったのは辛かったです。ずっと高2のときの自分の方が頭が良かったんじゃないかと思っていました。高2の2月に受けた東大入試同日体験受験で早めに東大の形式を知れたのは、その後の学習において指針を作るのに役立ちました。東大特進コースに通い始めたのは高3になってからです。学校の友達が林修先生の雑談が面白いと言うのを聞き、最初は好奇心から通い始めましたが、それまで感覚で解いていた現代文を論理的に解く方法を知ることができたのは国語への自信につながりました。
 高3の夏休みは過去問演習講座大学入学共通テスト対策をやって、集中的に対策したことで共通テスト本番レベル模試の自己ベストがようやく共通テスト同日体験受験から更新できたのは自信になりました。結局その夏休みの模試の得点を12月の最終共通テスト本番レベル模試でも越えられなかったのは、自分に負けたようで悔しかったです。同じく過去問演習講座で本格的に東大の過去問も始めました。
 夏休みが明けてからはかなり模試が多かった気がします。この時期だけではありませんが、過去問の復習に手いっぱいで、あまり模試の復習に手が回らなかったのは痛かったです。東大特別演習も取りましたが、そちらもなかなか活用しきれませんでした。ただ、過去問演習講座の特に数学と社会は復習をこれでもかというくらい丁寧にやりました。添削がされて、個別にコメントがもらえるのはとても役に立ちました。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 せっかく東大を目指せる環境にいるのだからその先まで見据えた豊かな学びを、受験勉強という限られた範囲の中でもしてほしいと思います。私が今自分に言い聞かせていることでもありますが、あくまでも大学は通過点でしかないし、人によっては最終学歴でもありません。つい受験、合格に向けて視野が狭くなりがちですが、どうか今世界で何が起きているのか、また隣にいる友人や家族が何を思い、考えているのか、そういうことを少しでも考えて、今自分が勉強している意味を見失わないでほしいし、私自身もそうありたいです。