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兵庫県 私立 灘高等学校 卒
東京大学 文科三類

湯川 友太さん

■センター試験得点 812点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   地理  
開示得点 86 30 56 37 41 =250/440点
自己採点 75 45 75 45 35 =275/440点

■受験した感触・・・ まあおそらく受かっただろう

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科一類 B

自分を愛そう

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 自分が東京大学受験を本気で考え始めたのは、高二の終わりごろでした。
 周りの人間が大体東大か京大を志望する学校だったので、以前から東大の噂は聞いていましたし、1、2年は教養学部でいろんな授業がとれる等、魅力的な学校だなとも思っていました。
 「中高6年間の間に自分の将来の『軸』を見つけたい」と思い6年間部活や委員会、課外活動に勤しんでみたものの結局『軸』は見つからず、大学の4年間も使って徹底的に悩もうと決め、そのためには東大が最適だと思ったので受験を決めました。
 東大の情報は、主に東大の学校案内を取り寄せて、そこから得ました。
 当初は3、4年も教養学部でいろんな授業を取ろうと思っており、学校推薦も考えていました。しかし、学部変更が原則出来ない推薦では、1、2年の間に気が変わって、農学部や文学部に進学したくなった際に選択肢を狭めてしまうと思い、一般入試を選びました。
 学科に関しては、単位をあまりとれなくても法学部にとりあえず進学できると先輩に勧められたこともあり、当初文一志望でしたが、自分は法学部に進学する気が全くなく、1、2年の際に語学をより多く選択できるという理由から、文三志望に変更しました。

 学校の部活(サッカー部)が6月に引退だったので、本格的に受験勉強を始めたのは夏休みからです。二学期は体育祭の応援団に全力を注いでいたので、前半の勉強量はあまり多くなかったと思います。
 学校の授業で東大の過去問をよく扱ってくれていたので、基本は学校での勉強、復習に力を入れていました。世界史だけは、荒巻豊志先生の授業の予習、復習に力を入れていましたね(高三からの現代史は学校の授業をよく聞くことをおすすめします)。入試に関しての不安な点も、学校の先生によく相談に乗ってもらいました。

 一般的な東大志望者や同級生と比べても、勉強時間の総量は極めて少なかったと思います。受験一カ月前でも家での勉強時間は平均して2、3時間程度でした。受験への本気度、勉強へのモチベーションが明らかに足りておらず、これで東大に落ちたら、正直結構後悔してたと思います。少なくともYouTubeやアニメはもっと制限すべきだったと反省しています。

 そんなやつがなぜ合格したのかと言われると、中学の時から学校の授業を真面目に受け、テスト勉強はしっかりやっていたから、としか答えられません。学校の授業中に塾の内職をして、学校の授業に追いつけなくなり、学校と塾のダブルプレッシャーに苛まれるのは本当にしんどいので(そんな同級生を何人も見ています)、この体験記を見ている皆さんは決して二の舞を踏まないようにしてほしいです。

■東進東大特進コースについて

 東進の東大特進コースには主に以下の点でお世話になりました。

東進リスニングアプリ

 特に雑音ありの音量を演習できるのがとてもありがたかったです。本番は狭い教室で、しかもスピーカーに近くクリーンな音でしたが、普段から1.5倍速で聞いたり、雑音ありを風呂の中で聞いていた成果は出たのではないかと思っています。

個性豊かな講師の方々との出会い

 すべての先生に共通するのは、問題の解説がわかりやすいのはもちろんのこと、授業中の雑談が非常に興味深く、長時間でも飽きない講義をされていたことです。
 特におすすめの講義は荒巻先生の東大世界史です。この講座はプレ講座を受講してから論述の講義に臨むという形で、プレ講座では主に第二問、第三問を扱いながら、第一問を解くために必要な世界史の基礎、考え方のフォームを学び、論述の講義では第一問の解説を行います。論述の講義の前にプレ講座を受講し、その授業で扱う第一問の予習をしなければならないので、かなりハードではありますが、先生の講義を全て受ければ東大世界史の過去問を先生のわかりやすく、手厚い解説とともに履修できるので、世界史の勉強の中心にしていました。もちろん学校の世界史の授業をしっかり聞く、というのは大前提ですし、先生もそれを推奨しています。
 荒巻先生の講義の魅力としては、ただ東大の問題を解説するだけでなく、なぜ東大はこんな問題を出したのか、というところから分析を始め、ただの世界史用語の羅列とは異なる、正しい答案をいかに作っていくかというプロセスを、丁寧に教えてくれる点にあります。世界史をただの暗記科目だと思っている人、価値観が変わります。私も変わりました。
 荒巻先生の豊富な知識から繰り出される、授業の内容から大幅に派生した雑談も魅力的で、世界史を学ぶ意義を実感するとともに、大学で学ぶとはなんたるか、ということにも深い示唆を与えてくださいます。知的好奇心を大いにくすぐられる先生の授業は、受験期のオアシスであり、大学の授業のイントロダクションでもあったと思います。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 荒巻先生が授業中に頻繁におっしゃるのは「入試問題は基本教科書の文章から出ている」ということです。過去問を解く際にも、様々な会社の教科書や図表、以前の授業で用いた過去問を開きながら、対応する部分を丁寧に示し、教科書や問題文を覚えることの重要性を説いてくださいました。
 皆さんのこれからの学習でも、世界史に限らず、教科書や学校の授業などの基本的な部分を丁寧に復習し、身に着けることが重要だと思います。
 もう一つのアドバイスは、タイトルにもある通り「自分を愛そう」ということです。合格するために一番大切なことは、結局のところ当日のメンタルだと思います。何かトラブルが起きたとしても焦らずに対応できる、周りに流されず自分の合格を疑わないことがカギであると、私はこの受験を経て学びました。
 無理に勉強して「ダメだ、こんなんじゃ東大に受からない」と追い込まれるなら、勉強しないほうがマシだと言い切れます。適度に勉強し、時には外出する等して体を動かし気分転換して、心身共に健やかな状態で、入試本番に臨むのが肝要です。皆さんの幸せを心から願っています。