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広島県 国立 広島大学附属高等学校 卒
東京大学 文科三類

森本 松太郎さん

■センター試験得点 768点/900点

■センター試験得点選択科目

前期試験得点
(自己採点)
  英語   数学   国語   世界史   日本史  
開示得点 76 52 55 31 44 =258/440点
自己採点 75 50 70 35 40 =270/440点

■受験した感触・・・ 全体的に易化しており割と取れた気がして合格を確信した。自己採点は感覚。

  第1回(6月) 第2回(8月) 第3回(10月) 最終(1月)
東進ハイスクール
東大本番レベル模試
志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定 志望学類 判定
文科三類 A 文科三類 C 文科三類 C 文科三類 C

自分らしい勉強を

■受験全般でうまくいったことや思うようにいかなかったこと、勉強法について教えてください。

 私は高校受験をして片道約2時間半かけて学校に通っていた。高1まで京都大学医学部志望だったが、高2の時に文転を決意すると同時に東京大学志望に変えた。受験期に本は40冊、映画は40から50作品くらいみた。ここまで書くと私が一般的な東大受験生としての像とは大きく違うことがわかると思う。おそらく他の人たちが世間的な東大受験生のイメージと合致する勉強法を書いてくれるだろうから私はそれとは違う自分の受験体験を書き、世間的な東大受験生像と自分の在り方の齟齬に悩み、苦しむ受験生に自分らしくあっていいのだと伝えることにしたい。

高1

 京都大学医学部を強く志し、高校受験後すぐに大学入試の勉強を始めた。平日は8時間・休日は16時間と起きている時間はすべて勉強をし、同級生から引かれていた。勉強内容ではなく勉強時間に執着して、どれだけやる気がなくても歯を食いしばって机に向かい、常に勉強のことを考えていないとだめだという強迫観念からトイレの中でも、ご飯の時でも、歩きながらでも常に参考書を開いて勉強をして、そんな苦痛に耐えられる自分に満足していた。自分の弱点・課題点に向き合う時間、友達と話す時間を無駄と考え、物事を深く考えることなくひたすらに暗記を行っていたため、成績はほとんど伸びなかった。毎日このような生活を続けていたため、冬くらいにメンタルが崩壊し、机に向かうことができなくなった。

高2

  • 平日には学校と家の間の移動手段の接続が悪かったのでその待ち時間に3時間くらい自習をしていた。それに加え、高1の生活で移動時間等は勉強をしていないと気持ち悪い体になっていたのでその時間に自分の勉強をした。だが休日には全く勉強をしなかった。
  • 高1に詰め込んだ知識が熟成されたのか、高2になってグッと成績があがった。
  • 医学部をあきらめ、医学部以外に唯一興味のあった文学部を志すようになった。高1からずっと京都大学対策をしていて、かつ問題と相性も良く、京都大学文系なら合格できる自負があったため志望校を東京大学に変えた。

高3

  • 自分らしく勉強することを心掛けた。具体的には、私は波が大きいタイプだったのでやる気があるときには13時間くらい勉強するものの、やる気の出ないときには1分たりとも勉強せずに1日6,7本映画を見たり、短編小説を読み漁ったりしていた。勉強に復帰できるように長編小説だけは読まないようにしていた。また点数に直結はしないものの、考えるきっかけ・考えの枠組みとなり、さらに考えの深度を深めてくれる本を『荒巻の新世界史の見取り図』に記載があるおすすめの本の中などから見つけて積極的に読んでいた。
  • 秋まではどれだけ時間をかけてもよいので1つの問題を自分の頭で焦らずみっちり考え抜くこと、そしてプライドを捨て何回でも基礎に立ち返ることが大切。秋からは問題演習を繰り返し行い、捨てる問題を瞬時に見極め、取れる問題を確実にとる立ち回りや時間配分を体にしみこませることが大切。はたから見れば当たり前のことだが、いざ受験生になってみるとこういった常識を見失いやすくなった。
  • 東京大学にそこまでの思い入れがなく、東京大学に関する情報を全然知らなかった。そうした情報は時々電話がかかってくる東大生のスタッフから仕入れていた。ありがたい。
  • 中学生のころにスポーツを本気でやっており、全国大会をはじめ様々な大会に何度も参加した経験から、本番であまり緊張をせずに持てる力を発揮することができた。自分の経験が思いもよらないところで生きることはよくあることなので高1高2で勉強以外にも様々な経験を積んでおくべきだと感じた。
  • おそらく高3の勉強時間は一般的な受験生よりだいぶ少なかったがやる気のある時にきちんと集中して勉強したことや、高1高2のある程度の積み重ねのおかげで冠模試では大失敗してもぎりぎり合格できる辺りの席次につくことができていた。
  • 共通テストが大の苦手だった。共通テスト模試ではいつもD判定だったが、新年からみっちり対策して、世界史70点というおおこけがあったものの総合的には何とか悪くない点数を取ることができた。共通テストをなめていると痛い目を見るので苦手な人はちゃんと勉強すべき。
 全体を通して、早い段階から自分の頭の悪さを強く認識していたため、たとえ良い判定が出たとしても調子に乗ることなく、現状の課題点を炙り出して謙虚な姿勢で勉強を続けられたことはよかったと思う。

■東進東大特進コースについて

  • 林修先生、荒巻豊志先生、青木純二先生の授業は本当に素晴らしい。いずれも根本的なもののとらえ方、考えの展開や発展のさせ方、そうした考えの表現の仕方をビシバシ鍛えてくれる。東京大学の入試で問われる力は科目の違いを超えて通底したもの(論理)があるので先生方の授業を受け、何度も復習し、授業で必要とされる頭の働かせ方を苦労して身に着けることにより頭がよくなり、結果として全科目の点数の底上げにつながる。ただ受講する前に最低限の学力を身に着ける必要があるのが注意。
  • 東大本番レベル模試は返却のスピードが速く、解説が良いため効率的な復習が行える。
  • たまに電話をかけてくださる東大生のスタッフが大きな力になった。あまりコミュニケーションを取らない人が多いらしいが、特に地方勢はちゃんとコミュニケーションをとるべきである。これまであったこともない東大生という存在が身近に感じられ、試験本番のことが聞けて当日のイメージトレーニングをすることもでき、試験や東京大学での生活の話・率直なアドバイスももらえるためこの電話を有効に活用しない手はない。さらに担当がすごく話しやすい方で、電話が結果的に息抜き・モチベーションの維持につながった。遠距離通学をしている人は、直前期に学校がなくなると学校との心理的距離がますます遠くなり、友達と会う機会も減ることがプレッシャー・不安を増幅させ辛くなることが多いのでよりいっそうこの電話は大きな支えになると思う。受験は個人戦ではあるがその戦いは多くの人に支えられて初めて勝つことができるものであるのでコミュニケーションを大切にしてほしい。

■後輩への一言アドバイス、入試を終えて思うこと。

 私は偏狭な生活を送ったことで学生生活でしか得ることができないもの・青春を自ら逃したことを今でも後悔している。高1の間は勉強はほどほどにしてよく遊び、信頼できる友達をつくることが何より大切。高校生活の充実に重きを置くべき。
 高2も遊ぶのがよいと思うが、私のように地頭が悪い人はちゃんと勉強して、東大特進の授業を受けることのできる水準まで学力を上げるのが得策。東大受験生の後半の追い上げは私たち凡人の想像を超えるものであるので、高3の初めの時点でいいラインに立っていないとかなり1年間辛いことになると思う。ある程度余裕を持ちながら自分らしく勉強するためにも少しづつ勉強を積み重ねていくのがよい。高3はもう勉強をするしかないが、辛い中でも自分を見失わず、本当に危ない精神状態になる前に積極的休養を取りつつ地道に頑張ってほしい。ただこの勉強法は私個人のものであるので、他人の勉強法を消化・吸収しつつ、自分にあった独自のものを作り上げてほしい。またどれだけ判定が悪かろうと勉強でも試験本番でも粘り強くあってほしい。私は各科目でこんな問題が出ればいいなと思っていた問題が1問ずつ位出たため、数学の解答欄を間違え修正に10分弱かけるという大失敗をしたものの、何とか合格することができた。