模試の結果を見れば一目瞭然ですが、私は決してトップ層ではありません。運が味方して何とか滑りこんだに過ぎないのです。ですから、合格体験記を書くなど大変おこがましいのですが、ほんの少しでも皆さんの参考になれればと思います。もちろん、合格したからと言って私の勉強法が正しいとは限りません。勉強法なんて人の数だけあるものですから、皆さんなりの勉強法を模索し、極めていって欲しいと思います。
英語
東大英語は、大問単体はそれほど難しくはないですが、いかんせん制限時間が厳しいので、どれだけ問題演習を積んでスピードと正確さを両立できるようになるかが肝要だと思います。言い換えれば、いかに形式に慣れるか、です。私は、まず時間無制限で解いてほぼ完璧に解けるようになることを目指し、その後に時間制限を設けて速く解く練習をしておりました。時間無制限でやる場合は、2000年代の和訳・要約問題を主に用いたり、場合によっては大阪大学や京都大学の和訳問題も用いたりしていました。難しい英文をじっくり読み解く練習は、速読へ移行しても大変役に立ちました。
また、自分なりのルーティンとして、問題を解く順番と割く時間をあらかじめ演習の段階から決めておく事をお勧めします。参考までに私は、4B→2→1A→3→1B→5→4Aの順で解いていました。繰り返しにはなりますが、東大英語は形式に慣れる事が重要です(そろそろ形式・傾向が変わってもおかしくないのでそこは注意)。過去問のみならず、模試の過去問も用いて120分通して演習する機会を可能な限り確保する事をおすすめします。
数学
鬼門でした。どうか他の方を参考にしてください。微積や各大問の⑴をもぎ取ることに特化して勉強するという、数学好きの方には叱られそうな方法をとっていました。
国語
現代文は学校で定期的に国語が得意な人同士で集まり、交換採点しつつ完璧な答案を目指して深く考察していました。東大現代文は量より質だと思います。また、古典は主に単語・文法などの基本事項を盤石にすることと、数をこなすことで物語のパターンにたくさん触れておくことを意識しました。
地歴
日本史と世界史を選択しました。その両方をやる上で私が注意していたのは「視点」です。物事は、それを眺める視点に応じて見え方が変わってきますし、その視点が多角的であればあるほど、物事がより立体的でビビッドに見えてきます。ですから、歴史上の出来事を意識的に様々な視点から眺めてみる事や、出来事に関する記述がどういう視点から為されているのか考える事、自分で論述する際にどういう視点から記述するかしっかり定める事は、とても重要でした(この点から私は複数の教科書や本を読み比べる事をお勧めします)。
東大日本史において、最も重要なのは、与えられた資料と真剣に向き合い、可能な限り多くの情報を読み取って、自分の持つ知識を設問要求と資料に合う形に再構成し、自然な文章にして答える事だと思います。資料読み取りは練習しないと出来るようになりませんし、良質な問題も必要なので、ひとつひとつの過去問をじっくり丁寧に解くことが大事だと思います。また、自分で採点するのは難しい科目なので、身近な先生に添削をお願いすることをお勧めします。
過去問が基本になると思います。というのも、東大世界史は似たような内容が繰り返し視点を変えて出題されたり、中論述が数年後に大論述に発展させられたりする事が多々あるからです。私は、大論述を除き過去問は3周し、その後は模試の過去問や自分なりのまとめ(地域史、国の歴史、分類など)を通じて知識をタテヨコに繋げていきました。
私は東大特進所属ではなく、東進衛星予備校所属でした。数学と地歴の講座をとり、過去問演習講座と志望校別単元ジャンル演習講座・第一志望校対策演習講座を利用しました。
数学
志田晶先生の東大対策文系数学など、多くの講座を利用しました。まず簡単な例を用いて原理を説明してくださるため、私のような数弱でも発展的な内容を素直に理解することができました。私の数学が首の皮一枚でも繋がっているのは、志田先生のおかげに他なりません。
日本史
東大日本史を受講しました。東大日本史に必要な思考法は、この講座で身につけました。
志望校別単元ジャンル演習講座・第一志望校対策演習講座
これは、苦手分野を埋めることと得意分野を伸ばすことの両面で大変役に立ちました。とりわけ、東大対策の参考資料は科目を問わずとても有益な情報が掲載されており、自分の勉強の指針となりました。
題名にもしましたが、「勉強を楽しむこと」がとても重要です。強制されてやる勉強ほど面白くないものはありません。まずは、自分がなぜ東大を志望したのか、入学後何をしたいのか、しっかり見定めて、自分の意志で受験勉強に邁進してください。そして、「成果」ばかりに注意していては虚しさが伴いがちです。「成長」を楽しんでください。応援しています。