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ここでやめたら後悔する

「一度目は自分の受験番号が“ない”ことを確めるため、二度目は“ある”ことを確かめるためでした」
二度体験した東大の合格発表を吉川真希はこう表現する。
中1から中距離選手として、陸上中心の生活だったという吉川。高校にはスポーツ推薦で入学。しかし、諸事情により人生そのものだった陸上を断念。
「自分が空っぽになった気分でした」
学校に行く目的がなくなり不登校になり、家でひとり鬱々とする日が数か月も続いた。心機一転の意味を込めて高校を転校。
そんな時に出会ったのが、東進だった。有名講師の授業を体験できると知り、好奇心で特別招待講習を受講。受験勉強というものを全くやったことがなかったが、そんな自分でも理解できるのがうれしくて夢中になった。
「答えにたどり着くまでのプロセスがおもしろいんだと知りました」
高2の冬、吉川は大学受験を決心。すると陸上で培った集中力や体力を強みに、あっという間に基礎を固めていった。高3の夏には成績の伸びに着目した校舎の先生から「東大受験」を薦められ、志望を変更する。だが、高3の夏から目指して合格できるほど東大は甘くはなかった。二次試験1日目の数学で力不足を痛感。
結果は不合格だった。私大2校からは合格通知を受け取っていたが、元来の負けず嫌いな性格に火がついた吉川に、再挑戦への迷いはなかった。
「ここでやめたら後悔すると思いました」
東京に住む大学生の姉と同居し、東大を目指し新宿校大学受験本科に通うことを決めた。

種類の違う「勉強のおもしろさ」に開眼

吉川は入学説明会での校舎長の言葉を忘れない。
「1年勉強したら受かると思っているかもしれませんが、1年勉強しても受からない人は受かりませんよ」
厳しい言葉だが、根性論が嫌いな吉川はむしろ信頼感が増したという。自分に合った方法を考えて主体的に取り組まなければ成果は上がらないことを陸上でも実感していたからだ。
校舎には厳守しなければならないルールがあった。
〈朝の8時半までに登校しなければ、その日は一切受講できない〉
〈登校したら下校時間まで昼食休憩を除いて外出禁止〉
一瞬ひるんだが、10日もするとリズムに馴染んで心地よくなった。そればかりか、吉川は毎日5時半に起床し、1時間走ってから校舎に向かっていたという。
高3のときと比べて大きく変わったのが予習・受講・復習の比率だ。時間のない高校時代は受講が中心にならざるを得なかったが、本科では1講につき予習に1~2時間、復習は直後に1時間、翌日に1時間、さらに1週間後に1時間と時間を費やした。
単調になりがちな受験生活でメリハリをつけてくれたのが「ライブ授業」の存在だ。
「特に松田先生の数学が楽しみでした。独自の予習シートがあって授業までは答えを知ることができないので、ああでもない、こうでもないとぎりぎりまでさまざまな方法を試しました」
あまり好きではなかった地理や日本史もイメージが一変したという。
「バラバラだった知識がつながっていくのが快感でした。謎解きをしているみたいで」
高校時代も「勉強をおもしろい」と思っていた吉川だが、本科時代のそれとは種類が違った。高校時代が「努力したことが結果になる」喜びなら、本科時代は「知的好奇心が満たされる」「視野が広がる」喜びだ。

怖くて足が震えた秋の模試判定

成績も順調に伸びていった。だが、11月に流れが変わる。きっかけは模試の合否判定が1段階下がったこと。「そういうこともある」と淡々と受け流すこともできただろう。だが、この瞬間に完璧主義で自分を追いつめてしまう弱点が露わになった。
「足が震えるほど怖かった。このままずっと下降していくんじゃないかと、マイナスなことばかり考えてしまったんです」
彼女を踏み留まらせたのは、意外にも陸上を始めた頃の記憶だった。0.1秒でも速く走りたいという純粋な想い。コーチから与えられたメニューを自分用にアレンジして目標タイムを設定し、愚直に実践してきた。その結果、最初は「市の大会でビリから2番目」だったのものの、最終的に「東海地区大会の決勝」まで登りつめることができた。
そんな記憶をたどっているうちに吉川はある境地に至ったという。
「やるだけやってそれでも落ちたなら、自分は東大に縁がなかったということ。別の道を行けばいい」
そんな思いで目の前の勉強に迷わず取り組んでいった。

目標に向かって、再び動き出す

そして年が明けた。センター試験の1週間前に高熱を出すアクシデントに見舞われたものの、結果は900点満点の815点。センター利用で出願していた早稲田大の5つの学部すべてに合格し、心に余裕ができ、二次対策に集中して取り組めた。ただ、いくら勉強しても「これで完璧」という気持ちにはなれなかった。
「勉強すればするほど、課題が見えてきた。本番前日までそれを片づけるのに必死でした」
迎えた東大入試本番。1日目、国語と数学。2日目、地歴と英語。
2日間のスケジュールを終えたその日、結果がわからないにもかかわらず、思わぬ行動をとる。姉を誘い、カラオケで好きな歌を思いっきり、歌い尽くしたというのだ。
「不思議なんですが、合格発表よりそのときが一番うれしかったんですよ」と振り返る吉川。できる限りの対策をしてきたからこそ、どんな結果でも後悔しないという「人事を尽くして天命を待つ」の心境に達していたのだろう。
3月10日の合格発表当日。開示時刻である12時の少し前に、吉川はパソコン前に座っていた。
1年前は一人でいるのが嫌で友人を誘って買い物に出かけ、外出先でついでを装いスマホで確認したという。
だが、今回は違う。深呼吸して大学のホームページへアクセスを試みた。ここでもちょっとしたアクシデントが起きる。自分の受験番号が見つ からない。
「緊張して、 センター試験の受験番号を探していたんです。ケタ数も違うのにおかしいですよね」
あわてて東大の受験票で正しい受験番号を確認した。すると、今度はすぐに見つかった。「ほっとした」というのが正直な気持ち。
「受かったよ」
別の部屋にいる姉に声をかけると、「おめでとう!」と弾んだ声がかえってきた。念願の東大合格。それは、陸上への想いが再び動き出した瞬間でもあった。
「大学生になったら、もう一度、陸上をやるんだ」
新たに始まる日々に思いを馳せながら、両親に報告するために吉川はスマホを手にとった。