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学習アドバイス
  • 東進タイムズ 2019年9月01号

9月の学習アドバイス

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英語 土岐田 健太先生

学生時代より黙々と日々研鑽してきた努力人は、「実用英語」と英語文化の「教養」の橋渡しをする。英語圏の文化背景から英語を捉え直す講義スタイルは、これまでの英語観を大きく変え、将来まで通用する圧倒的な英語力を習得できる。高校生だけでなく、社会人対象の資格講座や教養講座も担当。「知的な面白さ」を追求し続ける講義で、受講者の知的好奇心を満たし、合格のその先の将来と向き合う自信をも与えてくれる。

「出題者の意図」に目を向ける

「入試問題」は受験生への「メッセージ」を伝えています。「こんな学生に入学して欲しい」というメッセージをつかむ。そして、それに応えられる準備をすること。これこそが受験勉強後半の指針になります。9月からは「インプット」から「アウトプット」の学習へ移行する時期です。最重要なのは、「自己分析力」です。過去問を解くと、「自分の弱点」が浮き彫りになります。合格する受験生は「弱点」を「補強」します。東進の「過去問演習講座」の解説授業も大いに活用してください。解説では「出題者の意図」「取るべき問題・捨て問」さらに「具体的な合格のための勉強法」などが満載です。

「戦略」を練るために「過去問研究ノート」を作ってみるのもおススメです。ノートに書くときは「分析時間10分」と短時間に区切って行うことがポイントです。そのうえで、以下の2つの着眼点が重要になります。1つ目は「繰り返し問われているポイント」の研究です。例えば、「筆者の意見が端的にまとめられる“this+名詞”に下線が引かれている」や「指示語の把握」など、「出題者が繰り返し狙ってくるポイント」をまとめておきます。要するに、「問われるポイント」の見える化です。2つ目はシンプルに、「気づきと次回の注意点」を書くことです。例えば「合格最低点」との距離。個別の試験は、独自の「エッジ」が効いているので、工夫次第で活路が見い出せることも多いのです。さらに「解く順番」も意外と自分に「しっくり来る手順」があるものです。「知識問題(文法・発音・アクセントなど)」→「思考問題(長文・自由英作文など)」の解く順序を工夫することで、最適な時間配分を見つけられます。「過去問」は「敵」を知ること。そして、それを徹底すれば、将来の「味方」つまり母校に変える力になっていきますよ。

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さて、「模試」は「軌道修正」に使うのが大切です。9月22日の「難関大記述模試」や「有名大本番レベル模試」などでは、受験勉強の範囲をすべて一通り終わらせておくことを目標にしてください。最も大切なのは、模試前の「メンテナンス」です。「分野別」の課題を浮き彫りにして、これまでやって来た問題集も抜け漏れチェックを余念なくやってください。10月27日の「全国統一高校生テスト」では、一度1週間前くらいから「総復習」を入れてください。プロのアスリートは「練習」から「本番」を意識すると言います。特に、終わった後はできれば「部分的な修復」(その問題限定の復習)にとどまらず、その分野の「総合的な修復」(仮定法なら、仮定法の総復習)を行ってくださいね。

「タイミング」と「やり方」に注目して「単語と文法」の学習を

高2生、高1生が9月中にすべきこと、それは「単語と文法」です。「意外とこれまでと変わらないアドバイスじゃん!」と思った人は、「タイミング」と「やり方」に注目してみてください。大学入学共通テストでは、「リスニング」もリーディングと同じウェイトを占めます。つまり、「ギリギリ滑り込みセーフ」ではなく、これまで以上に「余裕を持った受験勉強」が必要になります。

ならば、夏休み明けでたるみがちなこの期間に「終わらせるべき課題」をやってしまおうということです。「文法」から話しましょう。「文型」と「句と節」を一番の相棒にしておきたいです。その際に「ルールの理解(インプット)」→「演習(アウトプット)」の流れを大切にしてください。さらに、これまで以上に例文の「音声学習」を取り入れてください。一文レベルでいいので、テキストについている例文の音読やリピーティングをするのです。その際にIt is important to have enough sleep .「あることが重要だ(何が?)」「充分な睡眠をとることが」と「カタマリ」を意識しながら音読するようにしてください。「仮主語」や「真主語」の考え方を理解したうえで、「前からカタマリでつかむ練習」を重ねる。これはリスニングで「前から英文を処理する力」をつけてくれます。

次に「英単語」。こちらも「イメージ学習」と「音声学習」が大事です。リスニングで問われることを見越して、単語は普段から「イメージ化」「音声」を使って勉強するようにしてください。具体的な対策で言うと、「0.1秒で頭の中でヴィジュアル化」できる力が「リスニング」では重要になります。今後は、「リスニング」を見据えて、文法や単語の勉強から「音声学習」を組み込むことがますます重要になるでしょう。今すぐ「単語と文法」の音声学習を始めてみませんか?

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単語学習について補足します。companyを例に「イメージ学習と音声化」を考えてみましょう。companyは「会社」という意味は誰もが知っています。しかし、「一緒にいること」という意味は知らない人が多いです。companyは元々「com(一緒に)pany(パンを食べる人たち)」という語源です。欧米の習慣で、一部の地域や儀式では「パンを一緒にちぎって食べる。葡萄酒を飲む」というものがあります。これが今ではあまり意識されなくなり、companyは単に「一緒にいること」という意味で使うことがあります。会話でもI enjoyed your company.「一緒に過ごせて楽しかったです」という英語はメチャメチャよく使います。これは何気に、早慶レベルでも問われる知識です。これを「ビジュアル化」して覚えてください。「友達と遊んだ時」「恋人とデートしている2人」のように、絵が一瞬で浮かぶようなトレーニングをしておきます。さらに、「電子辞書」や「付属CD」の有効活用で差が付きます。僕自身、実は「発音記号」と「電子辞書の発音ボタン」の利用をしてから、単語が覚えやすくなりました。電車に乗っているとき、間違って発音ボタンを押してしまったのですが、その時のことは今でも覚えています。しかも、周囲にいたのが「英語圏の方」だったようで、その後しばらく例文をたくさん紹介してくれました・・・。60歳になっても、90歳になっても言える自信がありますね。「音声化」と「感情」は単語の記憶力をググっと高めてくれるのです。

「将来」の目標を考える時、「原体験」を思い出すことも大切です。僕の場合、幼い頃読んだ絵本を思い出して、その本が『ジャイアント・ジャムサンド』という本でした。言語の持つ特有のリズムや言い回し、さらには「外国」の香りを「翻訳」から感じ取り、「英文科」で外国の文学の思想・文化背景などを掘り下げたいと思ったのです。あまり、「役に立つか」「役に立たないか」という観点から学部を選ぶのはもったいないです。「自分の原体験」をもとにして、「興味・関心」から「学問分野」を選ぶことで、受験勉強の起爆剤となります。自分の関心ある分野の第一線の研究者の本を読むのもおススメです。高校生の時、斎藤兆史先生の『英語達人塾』という本を読んで、英語の達人の勉強法を一通りやってみました。第一線の研究者の高い水準の勉強法は、僕の大きな支えとなりました。その体験は、受験勉強が決して「ゴール」ではなく、その先に進むための「通過点」と考えられるきっかけとなりました。

また、「直感」も大切にしてください。高校生の時、アルピニスト野口健さんが高校に講演にいらっしゃいました。その時の「話術」と「多くの人に伝える努力」「言葉通り実現する姿勢」が大変印象的だったのです。僕は「将来は人前で話す仕事をしたい」「本を書きたい」「言ったことを実現したい」と思えるようになり、この体験がなければ僕は英語講師という仕事を選択することはなかったかもしれません。ちなみに、熊本に授業に行った時、たまたまフライトが一緒で当時のお礼を言うことができました。このように「原体験」や「カッコいい大人」を見つけることが「志」を探る手掛かりになるのでは?

さっき、電車に乗っていました。受験生だけではなく、大人の9割が「スマホ」をいじっています。スマホで情報検索したり、仕事に活用したりすることはもちろん大事です。しかし、「勉強」に集中する10分と明確に設定することで、「ダラダラ時間」を「できる人の時間」に変えることができます。この10分を「勉強」に当てる習慣をつければ、ライバルに大きな差がつきます。なぜならば、1年で3650分得ることになり、それって丸2日以上の時間を手に入れたに等しいのです。それはみなさんが受験本番までに喉から手が出るほど欲しい時間となるのです。今すぐ変えられる10分の習慣。スマホを見ずに、「単語集」を見ることに時間を使ってみませんか?

数学 澤村 光弘先生

パターンやテクニックの丸暗記とは正反対の、体系的に解法を掘り下げていく授業を展開する。先生の熱くパワフルな語りの波に乗れば、論理を的確に踏まえて自分自身で考える力がつき、数学の世界で自由自在に振る舞えること間違いナシ! 数学を楽しみたい君にピッタリ。

志望校までの差は演習でなくなる!

教科書の章末問題・センター試験の問題を時間制限なしで解けますか?解けない分野は至急克服しなければなりません。新しい問題に手を出すことは厳禁で、今までに解いた問題を復習することで基礎固めをしてください。

基礎が固まっていても、過去問を解いてみて、要求されているレベルと自分の実力の差を痛感するはずです。志望校を変更しようなどという消極的な判断はやめましょう。学習を積めばその差は必ずなくなります。

学習方法としては、まず直近の過去問3年分において、同じ分野の問題をまとめてもう一度じっくり解く。解答を熟読し、「どこで詰まったのか」を明確にし、詰まった原因・理由を解析する。さらに、同じ分野について、テキストを復習する。この復習により、「詰まった箇所」を克服できるはずです。そして、分野ごとに繰り返し解いてください。大切なことは過去問とテキストをリンクさせることです。

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模試を受ける際、最も重要なことは「すべての問題に時間を配分する」ことです。9/22「難関大本番レベル記述模試」や「有名大本番レベル記述模試」は重要事項・重要問題が多く出題され、テキストの習熟度を知ることが出来ます。復習は、本紙で述べたように進めていきましょう。

また10/27「全国統一高校生テスト」はセンター試験を想定し、「点を取る」ことに集中してください。「戸惑う設問は躊躇なくパスし、次の設問に進む」ことができるか、確認してください。

成り立ちを理解し思考力を鍛えよう!

数学では、公式・定理を丸暗記して数値を代入することは厳禁です。公式・定理の理屈・成り立ちを納得するまで考える。納得できなければ、友人、先生、先輩に聞きましょう。どんな問題にも太刀打ちできる思考力の土台を養うことができます。

高2生の皆さん、この夏に苦手分野の克服はできましたか? 残された苦手分野のうち「少し苦手な分野」から取り組んでください。そこで「できた」という成功体験を得ることで、「すごく苦手な分野」も臆することなく挑戦できます。「高等学校対応数学」を上手く活用し、来年の3月末に「数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・Bで教科書レベルでは苦手分野はない」という状態になれば、最難関大も射程圏内です。高1生は得意分野を一つ作ってください。どの分野でも構いません。「できた」という成功体験が、得意分野を次々と作ってくれます。教科書レベルの完全マスターを目指しましょう。

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「勉強を毎日する」習慣をつけましょう。自宅で、友人の家で、東進で、通学の電車の中で…途切れ途切れでも構わないが、集中すること。たとえば、通学の電車の中で、周りのスマホが気にならなくなるぐらいの集中力。「今日は部活で疲れたし、明日に2日分をやろう」はアカン。ただし、息抜きも必要。

「大学入学共通テスト」が気になり、心配している高校生が多いと思う。心配をしても仕方ないし、時間の無駄。今は「土台作り」に専念してください。

君たちの今の夢、今後に持つであろう夢は世の中と無関係ではなく、その世の中は猛スピードで変化しています。したがって、その変化をほんの少しでも感じ取ることは、夢を現実のものにする上で、非常に重要です。では、どうすれば、その変化を感じ取れるのでしょうか? それは身近にあります。そう「新聞を毎日読むこと」です。政治面・経済面・社会面のいずれでも構いません。“見出しだけを読む”はアカンよ。記事全体を読み、分からない言葉はちゃんと調べ、内容の核心をつかみ、時間の許す限り、その核心を筆記する。“社説を毎日読む”もよいでしょう。そして、興味が湧いた事柄を掘り下げた本を読む…これらの行為によって、実は、共通テストの重要テーマの一つ“読解力”が知らず知らずのうちに身に付くはずです。 

勉強のことばかりを話してきました。では「何のために勉強するんやろうね」。ええ大学入って、ええ会社に就職して、ええ給料もうて、ええ生活するためなのだろうか? これ、悲しいよなあ。“わいは生きてるやん”の実感、感じんなあ。夢を現実のものにするとき、やりたい気持ち(感情)だけでは前に進まんよなあ。論理的に物事を考える力を土台にして、自分も努力し、周りの人をも説得し協力してもらう。そのときに備えて、勉強する。すべての教科を通じて、論理的に物事を考える力を付けてや。

現代文 西原 剛先生

「文章の現実から逃げない」ことを信条に、明快な構造板書と豊富な具体例を用いて難解な入試問題を「誰でも分かる」レベルに解きほぐす。卒業論文では『文章論的文章読解指導法の研究』を執筆。文章の「客観性」だけでなく、時に「多義性」「曖昧さ」まで見遣りながら、文章読解に正面から向き合う正統派の現代文講義。

自分のやるべき勉強に没頭しよう

2カ月も経つといよいよ受験シーズンが目前に迫り、志望校対策に特化していきますので、「基礎固め」ができていない人にとって、9月は最後のチャンスだと言えるでしょう。並行して過去問演習を進める場合、「解いて丸つけ」で終わるのではなく、今解いた問題と以前解いた問題の共通点(例えば、「テーマが同じ」「対比構造が同じ」「記述設問の字数が同じ」等)がないかを考える時間を作ってください。10分程度で構いません。その経験が、入試当日、あなたを支える武器になります。

長年受験生を見ていて思うのは、最終的に合格するのは「自分のやるべき勉強に没頭できる人」です。些細なことで他人と自分を比べたり、自分が置かれた環境について批判を繰り返したりするのではなく、やるべきことを淡々と、ひたむきにこなしていく。そういった、良い意味での「地味な」態度が合格をもたらします。

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9月になると学校や予備校が一段と「受験モード」になってきます。1学期や夏期に思うように学習を進めてこられなかった人が「焦り」を強くする時期です。「焦り」が高じて、(手元の問題集が終わっていないのに)色々な問題集に手を出してしまったり、「焦り」はあっても現実に向き合いたくはないので、受験情報誌や大学のパンフレットをダラダラ眺めてしまったり…などと、大切な時間を無駄にしてしまう危険が高まる時期だとも言えます。

とにかく動く

「やりたいこと」「自分の夢」を持つことは、義務ではありませんが、「何か持っていた方が楽しい」というのも事実です。そして、「やりたいこと」は腕を組んで考えていても思い浮かぶものではありませんので、とにかく何でも良いので行動しましょう。「美術館に行ってみる」というような「勉強的な」行動でも構いませんし、「日帰りで1人旅に行ってみる」といった、一見勉強とは関係のない行動でも構いません。「自分がやりたいこと」というのは、「効率的に」「最短距離で」決められるようなものではありません。とにかく豊かな経験を積んでください。

大学選びも同様です。なんとなくのイメージで決めるのではなく、実際に大学に足を運んでみてください。ネットや受験情報誌の情報だけではない「実体験」があると、大学生活がイメージしやすくなり、受験勉強のモチベーションアップにつながります。

化学 立脇 香奈先生

自ら鉱山を巡り発掘しに行くほど「石」をこよなく愛する講師が展開する講義は、様々な切り口から化学の面白さと奥深さを感じさせてくれる。覚えることも多い化学だからこそ、常に「なぜ」「どうして」を優しく丁寧に追求する。「規則性のない学問はない」を信念に、化学の世界における規則性や法則性を見出しながら、学ぶ楽しさを与えてくれる。

知識の運用力を磨こう

今後の志望校対策を効果的にするために、志望大学が要求する力と、自分の今ある力の差を簡単に分析しましょう。

無機・有機・高分子など知識の多い分野においては、単純な知識を正確に定着させること。理論分野では、どの知識・解法をどの問題で使うのか、明確に判別できるように。電離平衡、溶解度積、気体の法則、希薄溶液の性質などは頻出です。不安が残る分野があるならば重点的に演習しましょう。

この時期から新たな問題集に手を出す必要はありません。それよりも、東進のテキストや学校の問題集などを繰り返し演習して、問題慣れすることが重要です。近年の化学の入試の傾向としては、一見すると目新しい出題でも、受験化学の知識を組み合わせて思考すれば正答できる問題がほとんどです。基礎力、それに伴う知識の運用力が求められています。やるべきことを確実にこなせることが大切です。

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過去問演習は、時間制限を設けて本番さながらの負荷をかけながら解くやり方と、時間を気にせずに理解を深め知識を関連付けながら解くやり方とあります。問題の難易度によってもどちらのやり方が効果的かは異なりますから一概には言えませんが、前者の演習を怠ってしまうと本番で十分に力が発揮できないことが多いです。本番の心理状態を予測しながら、色々な事態に備えられるよう意識を向けて過去問演習をしましょう。

有機の構造決定や、混合気体の問題、電離平衡の問題などは、2周以上繰り返すことで1周目とは違う気付きや味わいが出てきます。深く掘り下げて過去問を解くことで、化学全般の知識がつきます。必ずやり遂げましょう。

説明できるレベルを目指そう

英語や数学など主要科目を固めることはもちろんのことですが、それにプラスして化学に時間を使えるのならば、モル計算、酸塩基(中和)反応、酸化還元反応を重点的に固めましょう。この二つの反応は、化学反応の9割を占める極めて重要な理論です。東進のテキストや学校の問題集を用いて、繰り返し演習を行いましょう。また、受験生が混同しがちな分野でもあるので、ランダムで出題されても正答できるようにしましょう。人に説明できるまで理解を深めることが、「できる」のレベルと考えてください。

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継続は力なり。何かを続けるには,少しの成功体験と自信が必要と思われます。周りの人よりも,ここは少し努力した,勝てそうだと思える分野をつくってください。模試などが分かりやすいですが,毎日でも成功体験は作ることができます。一度解いた問題を何日かおいて,また同じ問題を解く。一回目よりも二回目,三回目に解いた時,昨日よりも今日の自分が確実に成長していることを実感できます。こうなると楽しくなる。楽しくなると続けられる。楽しんで毎日を過ごすために,意識を向けていきましょう。

日本史 井之上 勇先生

語りかける口調はとても穏やかだが、緊張感のある厳しい指導で定評がある。しかし、その厳しさは生徒の成長を思ってこそであり、講義は人気を博している。つねに生徒と同じ目線に立ち、入試問題に対する的確な思考法を教えてくれる。気がついたときには、ダイナミックな歴史の流れが一本の糸につむがれ、連綿と輝いているはずである。

目的に合わせた学習をしよう

「日本史の勉強」といっても9月以降はいくつかの学習目的があり、その目的に応じた学習法・ツールが必要となります。それは、①未習部分を撲滅する、②既習部分の定着を図る、③既習部分を得点につなげる、です。

①については教科書がバイブルであることは、言うまでもありません。②については、「忘れない」ために「一問一答」形式の問題集を活用することをおススメします。③については過去問と正面から向き合う必要が生じます。過去問演習では、「○○年度に出題されたからもう出題されないだろう」とか、「○○の分野は頻度が高いから、今後も出題されるだろう」といった「予想」や「希望的観測」を排除しましょう。合格を確実なものにするためには、どの時代・分野が出題されてもボーダーを超える実力を養う必要があります。そして、過去問演習で発見できた課題を、着実に克服していきましょう。

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過去問を解く特にまず習得すべきは、問題のレベルや形式です。たとえば、①論述問題の有無、②時間配分は(足りるか不足するか)、③記述かマークか、④史料問題の有無、⑤視覚資料を用いた問題の有無、などです。

次に問題のレベルです。①教科書本文のレベルで対応できるか、②脚注やグラフ・表のキャプションまでみておく必要があるか、を確認しましょう。

復習するときにはミスの分析をしましょう。たとえば、①全くきいたこともない知識が問われたのか、②既習だったけれども得点に結びつけることができなかったのか、③完全に理解していた事項であり、単なるケアレスミスだったのか、など分析する必要があります。①であれば、(a)知っておくべき情報なのか、(b)知らなくてもよい(一般的な受験生がみな正解できない問題なのか)、を区別しておく必要があります。ですが、(a)なのか(b)なのかは、受験生にとって判断しにくいですよね。だからこそ、過去問演習が必要なのです。10年に1度しか出題されないような設問が、「たまたま」出題されたのか、教科書にはあまりみられない記述でも、比較的常識的な知識なのか…それを受験生が判断するのは困難です。

日本史学習の中心は「教科書」が基本

近年の入試のシーンや、教養的側面から考えても、近現代史からスタートさせることをおススメします。近現代史では、入試で出題される、されないに関わらず学習で得た知識が将来的に、ビジネスシーンをはじめ、さまざまな場面で役立つでしょう。

学習の中心は、もちろん教科書です。教科書ほど簡潔に、そして、今日までの研究成果を的確に反映した教材はありません。まずは教科書に対する認識を変えていきましょう。

歴史は、自らの人生を豊かなものにするために学んでいるといってよいでしょう。教科書は、おもしろおかしく、極端にいえば史実を脚色したような「読み物」ではありませんが、最新の研究を反映した「教科書」を読みこなせるようになることが、大学でさまざまな分野の研究に従事するみなさんにとって、最低限の素養を身につけるためのスタートになるといえるでしょう。

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時代は常に変化していきます。ある分野で専門性を高めてエキスパートになったとしても、その専門性は不要になる時代がくるかもしれません。でも恐れる必要はないと思います。ある分野で専門性を高め、エキスパートになった人は、尋常ではない努力をした人です。その努力はすぐに別の分野でも活かされて、あらたな道を切り開けるでしょう。

つまり、大学受験を、自らに負荷を与え、努力する自分を養う機会にしてほしいのです。もしかすると、努力が実らないことがあるかもしれません。でも、大事なのはそこに至るプロセスです。その努力は自分の将来を想像もできないくらい、明るいものにしています。

大学受験の経験を、「人生でこれ以上努力したことがない」と思えるようにしてみましょう。本番を終えたとき、結果にかかわらず、きっと「ここまで努力できたのだから、可能性は無限大だろう」と思えるはずです。本番までの努力は自らの可能性を無限大にする…このことを忘れずに地道な努力を続けてください。

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