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2005年10月15日号─2006年3月15日号
 
2006年度からセンター試験(center exam)に導入され、英語を学習する上でもはや必須事項となった「リスニング(listening)」。しかし、「いったいどのように勉強すればいいのだろう」となかなかその勉強法が見出せない人も多いかもしれない。ここでは、楽しくリスニング(listening)力をアップ(up)させる秘密を、東進ハイスクール・東進衛星予備校の人気講師、安河内哲也先生にお伺いしていきます。
From the beginning of the listening
リスニング(listening)をはじめからていねいに

みなさんこんにちは! 安河内哲也です。

今年のセンター試験(center exam)からリスニング(listening)が導入されることになり、慌ててしまっている人、何をやっていいかわからない「リスニング(listening)の迷える子羊」状態の人、さまざまだと思います。この企画では毎回リスニング (listening) を楽しく身につける方法を伝授していきますが、その前に皆さんが理解しておくべきことがあります。まずはそこから、お話しましょう。

リスニング(listening)の勉強法は、大きく分けると二つあります。

一つめは、大量の英語を耳に入れれば自然と聞けるようになるという考え方によるもの。イマージョン(immersion)方式とも言われています。こちらは、幼い頃に海外で暮らしていた方や海外で英語教授法を勉強された方などがよく提唱している方法です。

二つめは、日本で英語を勉強して身につけた人の方法。こちらは、自然に習得するのではなく、アーティフィシャリィ(artificially:人工的)に習得する方法といえます。

「子どもは耳から自然に言葉を覚えるのだから、外国語を学ぶ場合もこれと同じように耳から自然に覚えるのが効果的である、だからとにかく大量に聴くことが一番大事である」と聞くともっともらしく感じられますが、私はあまりこの方法を信じていません。どちらが正しいかということは言い切れませんが、日本で勉強している多くの高校生、受験生は1日中英語に浸れるような環境にないと思います。

このような自然習得が可能なのは、言語を習得する段階の年齢で、1日のほとんどを英語環境で生活する機会が与えられた場合ですから、日本にいながらにしてこのような方法で英語力を身につけるのは遠回りだし、現実的ではありません。

日本にいながらにして英語を習得するということは、非常に不自然なこと。日本語にチューニング(tuning)されている私たちの耳と舌を、徹底的にチューニング(tuning)し直すことがまず必要になります。つまり、意識して回路の組み換えをするわけです。私は20歳のときにこの方法を実践し、耳の回路を改造してTOEICスコア(score)900を突破しました。皆さんも、このやり方なら必ず英語の力をつけることができます。

それでは、日本で英語を勉強する人たちが効率よくリスニング(listening)の力をつけるためには、具体的にどうすればよいのでしょうか。

非常にシンプル(simple)なことなのですが、「知らない言葉は聞こえない」し、「発音できない言葉は聞こえない」。この二つなんです。次回は、これについて詳しく解説していきましょう。

Know the Linguistic Aspects of Listening Comprehension
リスニング(listening)攻略第1のポイント(point)、「言語的側面」とは?

みなさんこんにちは! 安河内哲也です。

さて、前回リスニング(listening)力を向上させるための方法として、「知らない言葉は聞こえない:言語的側面」「発音できない言葉は聞こえない:音声的側面」という非常にシンプル(simple)な二つのポイント(point)があることを説明しました。

いよいよ今回は、そのうちの一つ目の言語的側面についてお話します。これはつまり、リスニング(listening)以前に英語を言語的に理解できる力があるかということです。

皆さんの中には、リスニング(listening)は何か特別な技能であると思い込んでいる人もいるかもしれませんが、リーディング(reading)とリスニング(listening)は同じ作業なんです。単語や文法を身につけずに長文を読む人がいないように、単語や文法を覚えずしてリスニング(listening)力を身につけようとするのは無謀な話です。

次に、「英語を読むこと」=「英語を日本語に訳すこと」だと思っている人がいるかもしれませんが、その発想から脱却してください。英語を読んで「わかる」ということと、「日本語に訳す」こととは全く違う作業なのです。また、リーディング(reading)であれば「戻り読み」ができますが、リスニング(listening)ではそんな暇は全くありません。

例えば、この文を見てください。

Look at the building that stands on the hill.

さて、みなさんならこの文をどのように理解するでしょうか。関係代名詞thatで区切って、その中身から訳し、「丘の上に建っている建物を見なさい」と後ろから訳していませんでしたか?

リスニング(listening)ではそういった「後ろから訳す」ことは絶対にできません。Look a(t 見なさい)/the building(その建物を)/tha(t それは)/stand(s 建っている)/on the hil(l あの丘の上に)と、前から聞こえた順に理解していかなければならないんです。

その「聞こえた順に理解する」ということは、アタマではわかっていてもなかなかできないもの。その際、ぜひ実行してほしいのが、私が授業で何度も繰り返している「音読」です。CDなどを活用してネイティヴスピーカー(native speaker)の音声を真似しながら、後に続いて読んだり、一緒に読んだりするなどして、同じ英文を何度も繰り返し音読練習して、英語の回路を叩き込むことが大切です。英語はスポーツ(sports)やカラオケ(karaoke)と同じ。このような方法で、英語を英語のまま理解する力、すなわち直読直解力が身につきます。

Tune up your tongue in English!
【1】phonetic symbols
リスニング(listening)の第2のポイント(point)「音声的側面」 【1】発音記号

みなさんこんにちは! 安河内哲也です。

さあ、いよいよ今回はリスニング(listening)における第2のポイント(point)、「発音できない言葉は聞こえない:音声的側面」について解説します。

自分で正しく発音できない言葉は、聞き取れません。逆に言えば、発音が良くなるほどリスニング(listening)力も飛躍的にアップ(up)します。ところが私たちの舌は、日本語を話しやすいようにチューニング(tuning)されているので、発音を良くするためには、徹底的に英語の舌にチューニング(tuning)し直す必要があります。特に、短い時間で効率よくリスニング(listening)力をアップ(up)したい人にとっては、丁寧なリスニング(listening)学習が大切です。

今回解説するリスニング(listening)の「音声的側面」には、大まかに分けて2つのポイント(point)があります。

1つめは「発音記号」。日本にいながら、後天的に英語を身につけなければいけない人たちにとっては、10時間だらだらと英語を聞き流すより、30分間徹底的に発音記号を勉強したほうがよっぽど効果があります。

さて、発音記号というと「たくさんあって大変だな〜」と思う人もいるかもしれません。皆さんは発音の研究家ではないのですから、日本語と極端に違う発音の学習のみに労力をかけたほうが得策です。その覚えるべき発音記号はたった18個しかありません。

日本語と同様、英語にも母音(ア・イ・ウ・エ・オ)と子音(p,k,sなどで表わされる母音以外の音)に分けられます。しかし、「エイ[ei]」「アイ[ai]」といった「二重母音」があることや、「stree(t ストリート)」ではなく[stri:t]と、単語の最後を子音で止める「子音止め」で発音することが、日本語との大きく異なるところです。

また、「th」「r」「l」など、日本語にはない発音が存在するのも、日本語との違いです。

  たとえば「a」なら、日本語では「ア」と1つの発音ですが、英語ではの3種類の発音記号で表わす「a」があります。これらを、1つにつき30回くらい、徹底的に繰り返して聞き、発音してみてください。

Tune up your tongue in English!
【2】pronunciation in sentences
リスニング(listening)の第2のポイント(point)「音声的側面」 【2】文の中での発音

みなさんこんにちは! 安河内哲也です。

さあ、今回もリスニング(listening)における第2のポイント(point)、「発音できない言葉は聞こえない:音声的側面」について解説します。前回解説した「発音記号」に引き続き、「音声的側面」のもう1つのポイント(point)である「文の中での発音」についてお話ししましょう。中でも重要なポイント(point)である「文単位での発音」について考えていきたいと思います。

まず、英語は日本語よりも強弱をはっきりとつける言語であり、特に「大事な部分を強く読み、大事でない部分は弱く、短く読む」という傾向があります。実際の会話では、さらにその傾向が強まります。つまり、リスニング(listening)においては、強く読まれる部分がその話のトピック(topic)に関わる重要な単語であり、強く読まれたところが聞き取れていれば、ほとんど問題ないということです。例えば、ネイティブスピーカー(native speaker)に次の例文を読んでもらいます。読むスピード(speed)をどんどん速くしていくと、toやdidが聞こえなくなっていき、Tomとpartyだけがはっきりと聞こえるようになります。

また、英語には発音するときに音と音がつながってしまう現象が起こります。例えば、an hourという言葉を発音してみましょう。正しい音はカタカナで言うと「アナワー」となります。これはanの[n]と、hourの最初の音[a]がくっついて発音されたため、「n+a=na(ナ)」という音になったというわけです。このように、最後の子音と先頭の母音がつながることを「リエゾン(liaison。仏語)」と言います。リエゾン(liaison)を意識していないと、話される単語をまるで違う単語のように聞き取ってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、日常によく使われる口語的会話ほど、「I am」→「I’m」などに短縮して話されるので、覚えておきましょう。

Train your ears to hear English,
and you will become good at speaking it
一気に実力アップ(up)! ディクテーション(dictation)のススメ(recommendation)

皆さんこんにちは! 安河内哲也です。

さて今回は、リスニング(listening)力を一気に高める勉強法を紹介します!

「聞く」というリスニング(listening)の力をさらに高めるための最適なトレーニング(training)は、英文を「書き取る」という方法です。英語の音声を流し、聞こえてくる英語をノート(notebook)に書き取ります。この訓練を、ディクテーション(dictation)といいます。

リスニング(listening)には、多聴と精聴という二つの練習法があります。多聴は英語を長時間シャワー(shower)のように浴びて耳を慣らす方法で、上級者向け。精聴は一つひとつの音をじっくりと理解できるまで聞く方法で、初心者向けです。リスニング(listening)初心者の新高3生・新高2生は、この精聴から始めましょう。そしてこの精聴を行うために、英語の音を細かく聞き取る最も良い方法が、ディクテーション(dictation)です。

精聴を行うにあたり、重要なことが二つ。一つめは、使われている単語を知らなければ、理解できないということ。これは日本語でも同じですよね。つまり、ある程度の語彙力が必要不可欠ということです。そして二つめは、正確に単語の発音を知っておかなければいけないということ。例えばpatientという単語は、(カタカナで書くとすればペイシェント)をいつも「パティエント」と発音して「=患者」と覚えている人に、どれだけという音を投げかけても、どんな単語を表わしているのか聞き取って理解することは不可能なんです。

そのために、効果が高いトレーニング(training)がディクテーション(dictation)というわけです。右にやり方を示しましたので、ぜひトライ(try)してみてください。

たくさんの英文を聞くよりも、どの音がどの単語なのかを耳にしみ込ませ、理解できるようになるまで何度も聞き込みましょう。さらに英語の音声を真似て、同じ音で発音できるようになるまで、繰り返し音読してください。なかなか根気のいる勉強法ですが、この方法はリスニング(listening)の基礎固めに非常に効果があるので、ぜひ続けてほしいと思います。

This is the English life to be an English expert!
これであなたも英語の達人! 英語生活で英語人になろう!

皆さんこんにちは! 安河内哲也です。

さて最終回の今回は、リスニング(listening)力を普段の生活から高められる、“極楽英語生活”をご紹介します。

私の仕事は予備校の講師ですが、そのかたわらに本の執筆や講演を行っています。そのためか「そんなに忙しいのに、英語の勉強なんてできるの?」なんて聞かれることがあります。そこで、私が普段どのようにリスニング(listening)の勉強をしているのかを、ご紹介しましょう。

まず、朝の目覚ましはAFN[American Forces Network:米軍放送網。在日米兵向けの最新アメリカ(US)情報番組]。朝食の間は、テレビ(television)でアメリカ(US)のテレビドラマ(teleplay)や映画を観ます。移動中は、洋楽や映画の台詞を録音したもの(もちろん英語で!)など疲れない、かつ身になる英語を聴きます。

家に帰ったら、英語の映画をできるだけたくさん観ます。機会があればネイティブスピーカー(native speaker)の友達に電話をかけるなど、少しでも英語を話すようにしています。そして寝る前は、テレビドラマ(teleplay)や映画を観ながら1日を終えます。私のおすすめは、20年近く前にアメリカ(US)で放映されたコメディ(home -comedy)の『フルハウス(FULL HOUSE)』。ストーリー( s t o r y ) 展開や台詞のテンポ(tempo)が速すぎないので、初心者向けです。現在、DVDになっています。

こうしていると、おそらく1日に5〜6時間は英語に触れていることになりますね。ただ、皆さんは私のような外国語マニア(maniac)ではなく、他教科も勉強しなければならない「受験生」ですから、私の1/10くらいやれば十分。単に生活の一部を英語で楽しむだけでいいんです。

その際のコツ(knack)をいくつか。映画は、最初は吹き替え版や日本語字幕版で構いませんが、2度目からは英語字幕で! 止めたり、巻き戻したりしながら、どの音がどの単語なのかを確認しながら楽しみましょう。何度も観て、最後は英語字幕もなしで理解できたら、完璧です。

音楽は、CDで音を聴くだけでなく、添付の歌詞カード(card)を見ながら聴くとさらに効果が高いですよ。英文の歌詞を見て何と言っているのか確認したり、和訳の歌詞で単語の意味を見たり。

また、音楽はプロモーションビデオ(video clip)で楽しむのもおすすめ。顔のアップ(up)なら、口の動きがよくわかりますよ。さらに、英語字幕で歌詞が表示できるDVDなら最高です。

忙しい時間の合間に“勉強”ではない形で、娯楽として英語に触れてみてはいかがでしょう? 生活の中で、少しでも英語に触れていくのが“英語の達人”になる近道だと思います。