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2006年4月1日号
最終回 書く力をつける!
英語を書く力の重要性について徹底検証していくこの企画。シリーズ最終回の今回は、講師の先生や社会人、大学生の留学体験記を通じて、どうやって書く力をつけていくべきかを探る。
 英文ライティングにまず必要なのは「型」と「発想」

「書く力」をつけるためには何が必要なのだろうか。プロの翻訳家として活躍されながら、東進の英作文講座で絶大な支持を得ている宮崎尊先生に、「書く力」をつけるためのアドバイスをいただいた。

英文ライティングに必要なのは『型』と『発想』です。はじめの第一歩は『型』を覚えること。英語を使う人々は、自分で自由に言葉を操っているように見えるかもしれませんが、同じ型を使い、中身の語句を入れ替えてさまざまなことを表現しているに過ぎません。そのため、まずは基本構文を覚えて、もっとも使用頻度の高いパターンを自由に操れるようになりましょう」

英文を書くために必要な構文は300とも500とも言われるが、宮崎先生によると「作文に必要な基本構文を10覚えてしまえばかなり書けるようになる」という。

 易しい単語でいろいろなことが言えるようになろう

構文と同様に、重要なのが単語だ。「『単語が大事』は、もう聞き飽きたよ〜」という高校生も少なくないかもしれないが、ここでのポイントは単語の“量”ではない。

「大事なのは、易しい単語でいろいろな表現をすることです。getやcomeなどの簡単な単語で何でも表現できるということに気づくと、目の前がパッと開けたようになります。そもそも日本語と英語は1対1に対応しません。単語を覚えていくことも大切ですが、『書く』という点においては、一つの単語がいろいろな意味や機能を持つことを知ってほしい。簡単でシンプルに書けるのが一番いいんです」

 発想を英語モードに切り替える

その次に大きなテーマとなるのが、日本語から英語の「発想」に切り替えること。宮崎先生は次のように続ける。

「英語は日本語と比べて非常にストレートに表現します。例えば、手洗い用の水道に『この水は飲めません』という張り紙がしてあったとしたら、英語ではDon,t drink this water(この水を飲むな)となる。この水が飲めるかどうかということではなく、『飲んではいけない』ということが大切だからです。つまり英語を書く際には、このように『発想』を英語モードに切り替える技術が必要となります」

 バックグラウンドが違うからこそ、“言葉”が必要になる

次に、実際に仕事で英語を使っている社会人の声を聞いてみよう。

株式会社ナガセ情報システム部で「学力POS」のシステム開発を行っている新城健一氏と石丸利明氏は、インドのソフトウエア会社とのやりとりのためメールやチャットで日常的に英語を使う。

理系学部出身で英語は不得意だったという石丸氏は、苦労しながらもインドのスタッフと英語でコミュニケーションをとっている。「現地に日本語がわかるスタッフがいるので、日本語でメールを書くこともできるんですが、詳細がわからないスタッフに翻訳されるより、多少英語が下手でも自分で書いたほうが正しく伝わるんです」。

新城氏は、現地スタッフとのやり取りで最も苦労する点を次のように語る。「言葉の問題よりもむしろ国民性や仕事観での違いを痛感しますね。違いが大きいぶん、言葉で説明することが必要になってきます。それは相手が日本人であっても同じことなんですが、バックグラウンドの違いが大きいことと言葉の問題、二重の壁が立ちふさがるんです」。

IT業界の専門用語は世界共通なので、向こうの技術者と専門的な話をしているときのほうがむしろ話が通じるのだそうだ。石丸氏は「英語で仕事をする中で最も難しいと思うのは、学力POSがいったい何のためにあるのか、日本の高校生がどのように勉強しているのかなどの概念や文化について向こうのスタッフに説明するときです。英語力のなさを痛感しますよ。学生の頃にもっと勉強していれば良かった(苦笑)。これからの社会人は理系文系問わず、そういう高いレベルの英語力が求められると思います」。

英語を書く力を身につけるためには、もちろん英語を書くための基本的なトレーニングが必要だが、さらにそれが文化的な背景が異なる人との「コミュニケーション」であると認識することが大切なのだ。

東進OBに聞く!
留学体験記
緒方 雄大くん
東進ハイスクール吉祥寺校OB 東京都立 駒場高校卒 法政大学経済学部在学中に担任助手として活躍。4月からは旅行会社に勤務が決まっている。
私は留学中、こうして「書く力」を身につけました!

大学3年生のときに5カ月間、イギリスのシェフィールド大学に語学留学をしました。目的は英語力を高めること。といっても、英語だけではなく、経済を学びながら英語力も高めたいと思い、経済学がメインのコースを選びました。

留学先で苦労したのは、自分の「書く能力」がとても低かったこと。そもそも、日本語でさえ「書く」ことに慣れていなかったんです。授業で論文を書く練習をするときも、「英語は結論から述べなければいけない」と頭では理解しているつもりなんですが、初めはまったく文章になっていませんでした。ボキャブラリーが少なくて同じ単語や表現の繰り返しになり、本当に散々なものでしたよ。

そこで気づいたのは、日本語を単純に英語に置き換えても、結局は日本語なんだということでした。英語的な発想に変えていかなければ、書けるようにはならないんだと。

留学中の想い出の1枚。通っていた大学を見下ろせる丘の上から撮影。

そんな僕が「書く力」を身につけるために行ったことが三つあります。まず、ネイティブスピーカーが書いた文章と、自分が書いた文章とで何が違うかを比較し修正するということです。

次に、英文を声に出して読むということ。音読することで、正しい文章の流れや波のようなものをつかむことができます。そのうえで自分が書いた文章を音読してみると、リズムや文の切れ方がおかしいことに「感覚的」に気づくことができます。

そして最後は、ネイティブスピーカーの先生に文章をチェックしてもらうこと。留学中、よく先生に添削してもらいましたが、最初はまったく話になりませんでした(笑)。どこが違うかを指摘してもらうことで、自分が日本語的な発想から抜け出せていないことがわかります。書く力をつけたい人は、積極的にネイティブスピーカーの方に添削してもらうことをお薦めします。