大学入試の基礎知識

◆約58万人が出願する国内最大の大学入学試験
国公立大はもちろん、私立大でも8割以上が利用!

 センター試験は、毎年1月に全国で一斉に行われるマーク式の共通テストで、大学入試としては国内最大規模の試験です。
 2017年度の志願者数は57万5967人で、前年度より12199人(2.2%)増となりました。
 2017年度の受験人口は全体でおよそ67万人と推計されますので、センター試験は全受験生の約86%が志願している計算になり、その重要性がうかがえます。

 では、センター試験はどのように利用されているのでしょうか? 大きくは

① 国公立大の一次試験として利用 ② 私立大の募集方式の一部に利用

の2点が挙げられます。
 一部の大学(学部)を除き、国公立大を目指す受験生は、一次試験としてセンター試験を受ける必要があります。
 さらに、「私立大志望だからセンター試験は関係ない」と思っていたら大間違い! センター試験に参加する私立大はどんどん増加しており、その数は私立大全体の9割近くにのぼります。
 つまり、国公立・私立志望に関わらず今や受験生にとって、センター試験は避けて通れないものとなっているのです。実際、難関大受験者のほぼ全員がセンター試験を受験していると言っても過言ではありません。ですから、受験生はセンター試験受験を前提とした学習が不可欠です。

◆センター試験スケジュール

 左表はセンター試験に関する主なスケジュールです。このように、受験から入学までにはさまざまな手順を踏む必要があります。これらも受験勉強の一環であると考え、緊張感を持って確実に取り組みましょう。

① 「大学入試センター試験受験案内」の配布
 9月上旬から「大学入試センター試験受験案内」が配布されます。この受験案内には出願期間、出願方法、試験日程、試験科目、リスニングテストの概要、受験にあたっての注意などが記載されているので、早めに入手して目を通しておきましょう。
 受験案内は、センター試験を実施する大学の窓口で配布されています。また、現役生は在籍高校で入手しているはずなので、担任の先生や進路指導の先生に相談してみましょう(大学入試センターのホームページにも掲載)。

② 出願
 センター試験の出願期間は10月上旬から中旬まで(2017年度入試は9月27日から10月7日まで)。現役生は学校で一括で出願できますが、高卒生は各自で出願しなければなりません。出願書類を入手し、金融機関や郵便局で検定料を納付し、志願票を記入しなければならないので、出願準備は余裕を持って行いましょう。

③ 確認はがき、受験票
 出願すると10月下旬に「確認はがき」が送られてきます。これで、氏名などの登録内容が間違っていないかどうかを必ず確認してください。
 12月上旬から中旬に送られてくる受験票と写真票に写真を貼るのを忘れないようにしましょう。また、試験会場までの交通ルートも事前に必ず確認し、できれば下見に行くようにしましょう。

④ 私立大事前出願
 ほとんどの私立大が、センター試験利用入試の出願をセンター試験本試験実施より前に締め切る事前出願を採用しています(ただし早稲田大や中央大学法学部のように事後出願型もあり)。センター試験直前に慌てないように、早めに出願書類を手配しておきましょう。

⑤ 本試験・追試験
 センター試験本試験は例年、1月第3週の土日に実施されます(実施期日については、「1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日」とすることが文部科学省から各国公立大学長に対して通知されています)。
 体調不良などで本試験を受験できなかった場合は追試験を受験できますが、医師の診断書が必要となります。追試験は本試験よりも難しい問題が出題されることが多いので、本試験受験に照準を定めるようにしましょう。なお追試験は、本試験の1週間後に全国2カ所(東日本と西日本1か所ずつ)の会場で実施されます。

⑥ 自己採点、国公立大出願
 センター試験の正解・配点は、試験当日の夜ないし、翌日の朝に東進のホームページ(大学入試センター試験解答速報)や新聞などで公表されます。これをもとに自己採点し、出願大学決定の目安にしましょう。また、実施直後の週の半ばに平均点の中間発表があり、国公立大出願締切直後に平均点の最終発表があります。国公立大の出願は例年追試験終了翌日から10日間なので、平均点の中間発表や東進の「センター分析」等を参考にして、出願校を決定することになります。

⑦ 成績通知書
 出願時に希望した受験者には4月中旬以降にセンター試験の成績通知書が送付されますので、結果を把握するためにも申し込むようにしましょう(成績開示には手数料800円が必要)。

◆出題教科・科目出題方法等

◆数学・理科のグループ分け
  2016年度より全教科が現行課程対応となりましたが、2015年度の数学・理科と比べ、他の教科はそれほど大きな変化はありません。
 選択方法については、数学は各グループから1科目を選択して解答する従来同様のパターンです。理科については、4つの選択方法から1つを選び、出願時に申請した上で解答するので、注意が必要です。なお、理科グループ②の「物理」「化学」「生物」「地学」には、一部に選択問題が出題されます。

◆国公立大学の数学・理科のセンター試験科目設定状況

①数学
 センター数学の必要科目数はほぼ従来どおりの指定です。多くの大学が「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」での受験を求めています。

②理科
 国公立大学の理系学部では、Dパターン(理科②から2科目)が大勢を占めています。理科①や理科②1科目で受験できるところは少数なので、国公立大の理系学部を志望する場合は、理科②2科目の準備が必要となります。
 文系学部では、Aパターン(理科①2科目)またはBパターン(理科②1科目)が主流となります。ただし東京大など一部の大学では、理科②を選択した場合、2科目が必要です。とはいえ、理科②2科目の受験は、文系にとって負担が大きく現実的ではありません。理科①の受験が基本パターンといえるでしょう。
※Bパターンの場合でも、4単位科目は2単位科目の内容を理解しておくことが前提となるため、実質6単位相当の学習が必要になります。

 まとめると、国公立大では
・理系…「専門科目」(4単位)2科目 ・文系…「基礎科目」(2単位)2科目
を受けていれば、ほとんどの大学に対応することができるといえます。
 ただし、医療保健系や生活科学系については大学による指定科目が複雑になっていますので、センター試験出願の際は注意が必要です。
※看護学科では、従来からセンター試験において理科が2科目必要な大学と1科目で受験可能な大学がありましたが、これまでの理科2科目大学は現行課程移行の際に「専門科目」(4単位科目)2科目としたところがほとんどです。一方、旧課程で理科1科目であった大学は、「専門科目」(4単位科目)に限定する大学と「基礎科目」(2単位科目)も認める大学に分かれました。


◆2018年度センター試験出題教科・科目の出題方法等

備考
1.『 』内記載のものは、2つの科目を総合したもの又は2つ以上の科目に共通する内容を盛り込んだ出題科目とする。
2.「平成30年度大学入学者選抜に係る大学入試センター試験実施大綱」の別紙様式の「記入上の注意5」にいう『国語』の特定の分野は、「出題方法等」欄中の「近代以降の文章(2問100点)、古典(古文1問50点)、漢文(1問50点)」とする。
3.地理歴史及び公民の「科目選択の方法等」欄中の「同一名称を含む科目の組合せ」とは、「世界史A」と「世界史B」、「日本史A」と「日本史B」、「地理A」と「地理B」、「倫理」と『倫理、政治・経済』及び「政治・経済」と『倫理、政治・経済』の組合せをいう。
4.地理歴史及び公民並びに理科②の試験時間において2科目を選択する場合は、解答順に第1解答科目及び第2解答科目に区分し各60分間で解答を行うが、第1解答科目及び第2解答科目の間に答案回収等を行うために必要な時間を加えた時間を試験時間とする。
5.理科①については、1科目のみの受験は認めない。
6.外国語において『英語』を選択する受験者は、原則として、筆記とリスニングの双方を解答する。
7.リスニングは、音声問題を用い30分間で解答を行うが、解答開始前に受験者に配布したICプレーヤーの作動確認・音量調整を受験者本人が行うために必要な時間を加えた時間を試験時間とする。

◆センター試験時間割(2017年度例)

※2018年度の試験期日・試験時間割については,必ず大学入試センターホームページで確認のこと

※1 試験室への入室時刻については、受験票とともに送付する「受験上の注意」において指示します。
※2 試験開始時刻に遅刻した場合は、試験開始時刻後20分以内の遅刻に限り、受験を認めます。ただし、リスニングは、試験開始時刻(17:10)までに入室していない場合は受験することができません。
※3 「地理歴史、公民」および「理科②」については、登録した科目数(1または2科目)によって試験開始時刻が異なります。「2科目受験する」と登録した場合は、遅刻者の試験室への入室限度(「地理歴史、公民」は9:50、「理科②」は15:50)までに入室しないと、後半の第2解答科目を含めて、その試験時間は一切受験することができません。また、第2解答科目の時間のみ受験することもできません。第1解答科目と第2解答科目の間の10分間は、トイレ等で一時退室はできません。
※4 「理科①」は試験時間60分で必ず2科目を選択解答してください。1科目のみの受験はできません。

◆出題形式 全問マークシートを塗りつぶして解答する客観方式

 センター試験は、選択肢から正解を選び、マークシートの解答欄を鉛筆で塗りつぶしていく方式で実施されます。マークが薄かったり、枠内からはみ出ていたり、小さかったりした場合は、読み取り機で読み取れないことがあるので注意が必要です。また、自分が解答した科目にマークをし忘れると0点になってしまいます。
 さらに、センター試験では自己採点が必要ということを忘れてはいけません。センター試験では問題冊子は持ち帰ることが可能なので、自分の解答を問題冊子にも記録して、試験後、東進のホームページや新聞などで発表される解答と照らして自己採点しましょう。この得点を基準に、出願する大学を決めていくことになります。
 しかし自己採点と実際の得点が異なっていては正しく受験校を選ぶことはできません。マークミスは絶対にしないように細心の注意を払いましょう。

◆出題範囲・難易度 
教科書の範囲から出題されるが、応用力を問う問題も増加

「教科書レベルだから」と侮るなかれ!
 センター試験の問題は、平均点が6割くらいになるように作成されています。難問・奇問はなく、教科書の範囲から出題されます。きちんと対策を立てておけば十分に高得点を狙えます。そのため、難関大学では8~9割の高得点が必要です。ですから、「センター試験は教科書レベルだから」と侮らないことが大切です。

◆要チェック!
センター試験の「過去問」演習は最低10年分を!

 大学入試センターでは、良質な問題を作成するため、過去のセンター試験(共通一次試験を含む)や個々の大学入試で使用された素材文の再利用を2010年度から開始しました。また、過去問だけでなく、教科書掲載の題材も出題対象となり、英語や国語などでの出題も予想されます。そのため、入試対策として、過去問演習は一層欠かせないものとなりました。 この3年間で、物理基礎、物理、化学基礎、化学、日本史B、世界史B、地理B、政治・経済などで、近年出題された問題が再利用されています。したがって過去問と同一形式ではなくとも、出題分野や問題コンセプト、設定などの狙いが明確であれば、過去問演習にしっかりと取り組んでいるかどうかが得点の差につながります。

 2015年度からの現行課程入試においては過去問は3年分しかありませんが、特に理系志望者は現行課程の学習内容が含まれる過去問にもきちんと取り組むことで、対策を立てるようにしましょう。
 下表は2017年度大学入試センター試験で出題された、過去の出題に類似した設問がどの年度のセンター試験(追試を含む)から何問出題されたのかを集計したデータです。2017年度は理科、地理歴史、公民で計21問あり、それらの配点の合計は76 点に至る結果となりました。