大学入試の基礎知識

センター試験教科別分析&学習アドバイス

ここでは18年度のセンター試験の分析と学習アドバイスを教科別に紹介します。

◆英語

◆全体概観
 6題からなる大問構成は例年通りでしたが、第3問がABCの3パートからABのみに減少し、17年度までのA(対話文の空所補充)は第2問Cに融合され、不要な文を選択するBはAに、意見内容の要約を選択するCはBになりました。第5問の英文は、16年度、17年度の物語文から日誌の抜粋に変わりましたが、その内容は惑星探索隊の架空の日誌で、実質的には物語文の読解と呼べるものでした。設問も含めた全体の総語数は18年度も4000語を超え、解答にかける時間配分が重要になります。難易度は全体的に標準レベルで、平均点は17年度からほとんど変化がありませんでした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の英語の第1問、第2問は語彙・文法・語法などの英語の基礎力を試す問題、第3問~第6問は会話、図表を含む文、物語文、説明文などのさまざまな文章を読んで解答する問題で、後者が全体の約7割を占めます。高校2年生までに学んだ知識で十分に対応できる範囲で出題されますが、それは決して単純な知識を問うものではなく、読んで書き、聞いて話す、コミュニケーションの手段として社会で役に立つ実用的な英語力の素地となる力を、どの程度身につけているかを測るためのものです。80分という短い制限時間でこれだけの問題量をこなすには、語彙や文法を完全な知識として身につけ、読解力を鍛錬することが必要です。しかしこれは一朝一夕に身につくものではなく、早い時期から学習量を多く積むしかありません。センター試験で高得点がとれないことの大きな要因として、英文と問題量が多いため時間切れになり、最後まで解答が続けられないことが挙げられます。センター試験の英文には難解な構文や語彙はほとんど出ませんが、数多くの長文を読みこなし、速読力を高める訓練が必要です。センター試験の過去問などを日頃から音読し、英文を身体にしみ込ませることが肝要です。模試を定期的に受験して、本番まで繰り返し演習を行い、継続して学習を進めていきましょう。

◆英語(リスニング)

◆全体概観
 形式面に変化はありませんでした。大問は4題構成ですが、第3問と第4問はA、Bに分かれているため実質上は6種類の問題があります。第1問~第3問は対話、第4問Aはモノローグ、第4問Bは3人による会話を聞いて答える問題で、リスニングに必要な力が多角的に試されています。18年度の読み上げ文の総語数は例年通り約1140語でしたが、やや複雑な計算が必要となる問題や選択肢が読み上げ文から言い換えられている問題が多く見られたこともあり、平均点は大幅に下がって、2006年度のリスニング導入以来最低となりました。
◆高3生へのアドバイス
 リスニングの力は聞いた英語の量に比例して伸びます。したがって、日頃から習慣的に英語を聞く訓練を積むことが大切です。1日10分程度でも、継続して耳を鍛えることがリスニング力の向上につながります。素材は何でもかまいませんが、聞き取りに慣れていない人は、短い文や会話から始めるとよいでしょう。短文ならある程度聞き取れる人は、長めの会話や文章の聞き取りを行い、英語を英語の語順のまま処理していく力を高めましょう。耳を慣らすためには、漫然と音を聞くのではなく、積極的にその音をまねて自分でも発音してみることが効果的です。また、集中力を養うためには、常に展開を予測しながら耳を傾ける姿勢が大切です。すべてを聞き取ろうとするのではなく、何を聞き取るべきなのか、ポイントを定めて聞く練習をしましょう。ただし、音が聞き取れても、その英文が理解できるとは限りません。リスニングといっても、まずは内容を理解するために必要な語彙力、文法力などの基礎力を固めることが必須であることを忘れないでください。また、センター試験のリスニングでは、計算を要する問題やイラストを見て検討する問題など、聞き取った情報から適切な判断を下す思考力も求められます。過去問を演習したり、模試を定期的に受験したりすることで、センター試験の形式に慣れておきましょう。

◆数学Ⅰ・A

◆全体概観
 17年度と同様、必答問題2題、選択問題3題から2題選択の計4題を解答する形でした。必答問題がやや難化しましたが、選択問題は最後の設問以外はいずれも取り組みやすく、総じて17年度年とほぼ同様の難易度であるといえます。「データの分析」では、17年度と同様、図の読み取りを中心とした問題が出題されました。「場合の数と確率」では、積事象の確率や条件付き確率などが出題されました。「整数の性質」では、約数の個数、一次不定方程式の整数解がテーマの問題が出題されました。「図形の性質」では、図形に関する定理や性質を適用して解き進める問題が出題されました。正誤の組合せや数値間の大小関係などを選択肢から選ぶ問題が多く出題されましたが、いずれも高校数学の基礎・基本を問うという出題内容であり、17年度までを踏襲しています。
◆高3生へのアドバイス
 数学Ⅰ・Aは高校数学の土台ともいうべき分野なので、センター試験においても基本の理解を問う出題が多いです。大切なのは、基本を早めに確実に理解し、時間を意識しつつ問題演習を繰り返すことです。いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」、「図やグラフを描いて考える」といった基本動作を地道に積み重ねることで、基礎を確固たるものにしましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進むような勉強を心がけましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。理解して先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけましょう。
※センター試験では、数学A範囲については選択の形での出題となりますが、国公立大二次試験や私立大入試を視野に入れて、すべての分野を学習しておくことが望ましいです。

◆数学Ⅱ・B

◆全体概観
 17年度と同様、必答問題2題、選択問題3題から2題選択の計4題を解答する形でした。問題は17年度とほぼ同様の分量・難易度といえます。第1問は17年度と同様、「三角関数」と「指数・対数関数」の組合せでした。第2問は、テーマが異なる2つの中問に分かれた微積分の問題で、〔2〕の面積から元の関数を求める問題が目新しいものでした。第3問は、前半は等差数列、等比数列の決定と和、後半は新たに定義された数列の一般項がテーマの数列の問題でした。第4問は、三角形における分点の位置ベクトルや大きさなどがテーマの平面ベクトルの問題でした。各大問で選択肢から選ぶ設問が出題されるなどの変化はありましたが、全体的に誘導が丁寧であるため、時間配分に注意しつつ、解きやすい問題から解き進めていければ、高得点が狙いやすい問題でした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験数学Ⅱ・Bでは、数学Ⅰ・Aよりも発展的な出題がなされるため、対応できるように準備しておく必要があります。数学Ⅱ・Bは数学Ⅰ・Aを土台としているため、数学Ⅰ・Aが未完成な状態では高得点は望めません。まずは数学Ⅰ・Aの基礎を完璧なものにしましょう。その次に、数学Ⅱ・Bの基礎を固めていくことが、効率よく学力を伸ばす道です。学習の順序として、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題と、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜くこと」や「図やグラフを描いて考えること」などといった基本動作を地道に積み重ねることで、基礎を確固たるものにしましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返しましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。数学Ⅱ・Bの問題は、数学Ⅰ・A以上に抽象的に考えさせる問題が多く、また計算量も多いため、練習を充分に行う必要があります。模試を定期的に受験することで傾向や自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にしてセンター試験対策を早めに進めていきましょう。

◆国語

◆全体概観
 18年度の出題は、大問数、設問数、マーク数とも17年度と同じでした。第1問の評論は17年度より1割程度多い長文で時間が取られたかもしれません。問3は新傾向で、対話文中の空欄補充問題でした。第2問の小説は17年度同様の長さ、設問形式で、古さのない現代の作品ですが、受験生は共感しにくい内容だったかもしれません。第3問の古文は02年度以来の歌論ですが、17年度より短文で、複雑な内容ではありません。問2は新形式の問い方でしたが、例年通り基礎的な文法知識を問う設問でした。漢文は本試験では99年度以来の史伝でしたが、設問形式は17年度と大差ありませんでした。国語全体としては17年度並みの難しさでした。
◆高3生へのアドバイス

 センター試験は安易な考えでは点数は取れないと肝に銘じ、普段から時間配分を念頭におき、計画的に勉強を進めましょう。
■現代文
 評論は抽象的な内容が多いので、苦手意識のある生徒は早期に漢字・語彙といった知識事項を固めましょう。知識事項は読解力を根本から支えます。小説は客観的に読むことを心がけましょう。感情移入して読むと得点は安定しません。客観的に事実と心情を捉えて選択肢を吟味する読解法を身につけましょう。小説の語句問題は辞書的な意味が問われます。辞書を引く習慣をつけ、評論の漢字・語彙と同様に覚えていきましょう。
■古文・漢文
 古文・漢文は、知識・基本事項の比重の大きい科目です。古文なら、古典文法・古文単語・古典常識・敬語法など、漢文なら、返り点・重要句法・漢字・重要語など、読解の土台になる知識の完成度が大きなカギを握ります。これらを直前期の付け焼刃にならないように、遅くとも夏休み終了までに習得しましょう。夏以降は、時間配分に留意しながら解法の訓練をしましょう。模試は、点数よりも進捗度・定着度を測定・認識することが重要です。定期的に受験し、着実に実力を伸ばしましょう。

◆世界史B

◆全体概観
 大問は4題、設問数は各9問と例年通りであり、グラフの読み取り問題が3年連続で出題されました。正文または誤文の文章選択問題の総数は17年度の20問から28問となり、特に正文選択は17年度の18問から25問へと大幅に増加したことが一番の特徴です。出題される時代は前近代・近現代ともに17年度とほぼ同じ割合で、地域についてもバランス良く出題されており、日本に関する選択肢を含む設問も3問見られました。学習が手薄になりがちな文化史の問題も増加しましたが、全体としては、例年どおり、地域・時代ともに幅広い基礎力が問われる標準的な問題でした。
◆高3生へのアドバイス

 「全体概観」からも分かるとおり、センター試験では奇をてらった問題ではなく、基本事項をいかに整理して定着させているかが問われています。まず基本事項を押さえることが学習の出発点となります。教科書をしっかりと読み、太字の部分を中心に歴史の大きな流れをつかみましょう。同時に資料集を利用して視覚的に捉えるとさらに効果的です。この「通史のインプット」を夏までなど、できるだけ早い時期に完了させましょう。
 次に、語句を暗記するのではなく、歴史のタテ(時間的な前後関係)・ヨコ(同時代の出来事)の関係に注目して学習をすることが大切です。センター試験では同時代(世紀)の出来事について問う問題が複数ありますので、年表などで世界全体の動きについて把握し、さらに自分で年表を作成してみましょう。教科書では簡潔に述べられている周辺地域史や文化史なども出題される可能性があります。苦手意識を作らず、広い分野に関心を向けましょう。
 「アウトプット」も大切です。独特の出題形式に慣れておくためにも、過去問をできるだけ多く解いておくことはもちろん、東進の「センター試験本番レベル模試」および「全国統一高校生テスト」を毎回受験することをおすすめします。全回で全範囲がさまざまな設問形式で出題されますので、苦手分野や弱点が多角的に分かります。

◆日本史B

◆全体概観
 大問数6題、小問数36問、そして配点は17年度と同じでした。地図と写真を組み合わせた問題や視覚資料を4つ用いた問題など、近年にはみられなかった形式の設問もみられました。時代別では、戦後史単独の問題が2題出題され、1970年代までを対象とする設問がみられました。分野別では、17年度減少した文化史からの割合が若干増加しました。大問構成としては、第1問で会話形式、第6問で人物をとりあげた問題という15年度までのパターンが復活しました。17年度増加した年代整序問題は1問減少し、史料を読みとる力を重んじる問題が多くみられました。
◆高3生へのアドバイス

 日本史は暗記的要素が強い教科ですが、単純な暗記だけでは、知識は定着しません。センター試験では、限られた時間で正確に解答する力が求められます。「考える」日本史学習の基礎力をつけるため、教科書の「精読」を習慣にしましょう。文化史を例にとれば、仏像彫刻が登場した際に、(1)他の時代の仏像と比較する(2)資料集を見て特徴を考える(3)当時の仏教の性格を把握する(4)他分野(政治・外交・社会史)との関連を整理する、など、多面的・重層的な読み方を試してください。精読中に考えたことをノートにまとめれば、自分専用のサブノートができます。
 そして、通史=インプットと演習=アウトプットを組み合わせて学習を進めてください。第1問(テーマ史)は、通史を終えないと難しいかもしれませんが、第2問以降は時代順の大問構成です。さまざまな形式の良問を解く中で、通史学習の際に意識すべきポイントが分かります。センター試験の過去問は、自分の学力のレベルを判定するための貴重なツールです。過去問演習に加えて模試の受験を勧めます。東進の「センター試験本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めて年6回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者により作られています。学習のペースメーカーとするためにも、定期的に受験しましょう。

◆地理B

◆全体概観
 分量については、大問6題構成が連続しており、設問数とマーク数は17年度と同じ35でした。例年同様に統計資料や図版が多用されており、地理的な考え方や理解を問う出題が中心となっています。出題内容については、「生活文化と都市」の設問数が増え、そのぶん「地域調査」の設問数が減り、16年度の形式に戻りました。また、16年度から比較地誌が出題されている第5問は、これまでの2カ国の比較から、3カ国の比較に変更されました。難易度については、判断に苦しむ難問が減少した一方で、平易な問題が増加し、17年度に比べてやや易しくなったといえます。
◆高3生へのアドバイス

 地理は暗記科目と考えられがちですが、センター試験の地理Bにおいては、むしろ思考力が大切といえるでしょう。したがって、地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、基本的な知識をコツコツと積み上げていくことが何より重要です。毎年多くの地図、図版、写真や統計表が用いられます。自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認する学習を徹底するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計表についても、順位や数値の暗記ではなく、統計表の背後にある地理的事象を読み取る意識で、最新の統計データをこまめにチェックするようにしましょう。近年では、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっていますので注意してください。独特な出題形式への慣れも欠かせません。問題の質や量と試験時間を見比べると、決して時間的な余裕はありません。10年分程度の過去問演習はもちろんですが、東進の模試を定期的に受験して、頻出項目のマスターと最新傾向の把握、出題形式への順応、時間配分のトレーニングといった点を強化することをおすすめします。

◆現代社会

◆全体概観
 出題形式は大問6題、小問36問と、過去5年と同様でした。17年度と同様、第1問と第3問の小問が8問、その他が5問という形式でした。第3問問2のように、条件を基に論理的な思考力を問うものもあり、共通テストの傾向を先取りする出題といえます。また、第3問問4で、17年度に引き続いて世界遺産関連の設問で選択肢ごとに写真が付く形態の出題がありましたが、写真は解答には影響を与えないものでした。倫理分野は、17年度に出題されなかった「青年期」が出題されるなど、17年度をやや上回るウエイトでした。
◆高3生へのアドバイス

  センター試験の現代社会は、よく一般常識で対応できるという印象を持たれています。以前は確かに、新聞を漠然と読んでいるだけで得られる常識レベルで判断できる設問も存在しましたが、ここ数年は常識で解ける設問や時事的知識のみで解ける設問がほぼなくなり、着実な学習成果を試される科目となっています。
 そのためにも、「教科書やテキストの学習」「センター試験の過去問を解く」「時事への対応」の3本柱が必要となってきます。現代社会を得意科目にすることで幅広い常識が養われ、他の科目はもちろん、推薦、AO入試を含めた、小論文などにも通用する学力を育成することができます。
 理解を深めていくためには、今後試験本番までに、1日1項目でもまず教科書・テキストにあたるしかありません。単にセンター試験への対策をするのではなく、常識力養成のための基礎力増強トレーニング、というぐらいの気持ちで勉強を開始してみてください。情報インプットとして『現社ハンドブック』(東進ブックス)を徹底して学習し、制度・しくみの定義はもちろん、その存在理由、問題点、対策をしっかり読み取ることが有効です。その上で、アウトプットとして『センター現社一問一答』(東進ブックス)でトレーニングを行い、実戦問題集として『現代社会問題集』(東進ブックス)で実戦感覚を養うとよいでしょう。

◆倫理

◆全体概観
 大問4題は例年通りですが、小問が1つ減少して36問となりました。形式面では、17年度に10問もあった8択問題が4問へと減り、オーソドックスな短文4択問題が増えました。また3つの短文からなる6択の正誤組合せ問題が復活したほか、新形式としてサブリード文の空欄3箇所に6つの短文から選択させる8択組合せ問題が登場しました。内容面では、セン、三宅雪嶺、ウィトゲンシュタインについて比較的詳しい理解が求められた設問があったほかは、特に目新しいものはありませんでした。17年度は平均点が久しぶりに上昇しましたが、18年度は形式面での易化もあるため、さらに大幅に回復しました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の倫理は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会分野からの問題、図表の読解問題など、出題形式もバラエティに富んでいます。また、難解な現代思想分野からの出題も多いので、きちんと対策をしないと高得点は難しいでしょう。ただし、奇をてらった悪問が出題される訳ではありません。ほとんどが教科書の範囲内から出題されますから、基本を押さえてきちんと学習すれば、確実に点をとることができるでしょう。倫理は「努力」が報われる科目なのです。「努力」が得点に直結します。1年間、それを信じて勉強に励んでください。
 センター試験倫理の特徴として、「読解力の重視」ということが挙げられます。まず、選択肢が地歴・公民の他科目と比べてはるかに長く、人名や用語についての単純な知識だけでは正誤判定のできない設問が多くなっています。したがって、単なる断片的知識ではなく、内容理解を深めていくことが求められているのです。そこで、「文章を読んで理解する」ということを、つねに心がけて下さい。文章で理解していればこそ、選択肢の正誤も的確に判定できるのです。第一に、学校の教科書を腰をすえてじっくり読みましょう。第二に、用語集をこまめに引きながら、一つひとつの言葉の意味を確実に押さえてください。

◆政治・経済

◆全体概観
 大問4題、小問34問での構成は17年度と全く同じ。図表・グラフは計6問で17年度と同様でした。基礎的な問題が中心ですが、一部に細かい出題がみられます。特に、第2問問3は戦後復興期の狭い範囲での順整序を求めており、難しい設問でした。図表は第1問問7で需給曲線が相変わらず出されましたが、ごく基本的な問題です。第1問問8のローレンツ曲線は基本的理解がなされていれば正答できます。第3問問4のエネルギー表も各国の基本的特徴を理解していれば難しくはありません。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の内容は、教科書の範囲内の基礎知識が中心で、図表・グラフ読み取りなどの応用力と思考力を試す問題も出されます。「政治・経済」は、専門用語を理解していないと解答できない問題もあり、単なる丸暗記は通用しないことも多く、完全な理解と把握が要求されるものです。その知識を定着させるためには問題演習を行うなど、知識を生かす学習が必要になります。
 「政治・経済」は歴史科目ではありませんが、歴史、しかも主に戦後史がよく出題されます。しかし、歴史的な内容や前後関係という大きな社会の動きを問うものが中心です。年号まで問われることはごく稀で、大づかみな歴史理解を心がければ正答できる問題が大部分です。現在の政治・経済の社会現象は、過去の歴史的事実に密接につながっており、その延長線上に現在があることを理解して学習しましょう。
 年間の大まかな学習計画をたて、継続的に着実な学習を実行することが重要です。教科書の全体系を把握し、脚注項目までも読みこなすこと。さらに用語が決め手になることが多いので、たえず用語集などで語彙を増やすことに心がけましょう。情報インプットとして『政経ハンドブック』(東進ブックス)を徹底して学習し、制度・仕組みの定義はもちろん、その存在理由、問題点、対策をしっかり押さえることが有効です。その上で、アウトプットとして『政治・経済 一問一答』(東進ブックス)でトレーニングを行うとよいでしょう。

◆倫理、政治・経済

◆全体概観
 出題形式としては、倫理分野、政治・経済分野から大問が各3題ずつ計6題、小設問はすべて「倫理」「政治・経済」それぞれの出題内容と同一でした。「倫理、政治・経済」オリジナルのリード文は18年度もなく、すべて「倫理」「政治・経済」からの流用でした。また、倫理分野が17年度と比べて1問減少したため、小設問は36問となりました。 18年度も「倫理」と「政治・経済」の全分野から網羅されるように設問が選択されています。したがって、倫理分野、政治・経済分野ともに十分な準備をしておかないと高得点は望めません。全体としてはオーソドックスな出題が多く、難易度は17年度より易化しました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験対策で基本となるのは教科書の内容です。「倫理、政治・経済」では「倫理」と「政治・経済」の2科目を学ぶ必要があるので大変ですが、両方合わせても世界史や日本史の教科書1冊程度ですから、格別に負担が重いということはありません。とはいえ、高校の授業では「倫理」と「政治・経済」が十分に学習できないケースもあるので、できるだけ早くから教科書の内容をしっかりマスターし、実践的なトレーニングを進めることが求められます。
 「倫理」と「政治・経済」では、知識よりも一つひとつの内容の理解が大切です。社会科は暗記だと思っている受験生は考えを改めてください。倫理分野でも政治・経済分野でも、常に「なぜそうなるのか」という問題意識を持って学習を進める必要があります。まずは手垢で汚れるくらい何度も教科書や参考書を読み、用語の意味が分からなければ用語集を参照して、最終的には教科書の巻末の索引にある用語を見たらその内容を容易にイメージできるくらいにまで到達しましょう。
 もちろん、過去問(「倫理、政治・経済」だけでなく「倫理」や「政治・経済」も)を解き、知識を定着させるとともに、センター試験の問い方の形式にも慣れてください。

◆物理基礎

◆全体概観
 第1問の小問集合、第2問の波動・電気、第3問の力学と、各分野から偏りなく、おもに教科書の基本事項から出題されました。組合せ選択肢の問題は17年度年と同じく5問出題されています。毎年のように出題されていた発電方式は、18年度は出題がありませんでした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の物理基礎では、複数の答えの組合せを答える問題やグラフの選択問題など独特の出題が見られ、物理現象を理解、説明する能力がさまざまな側面から問われます。普段から問題の答えだけでなくそれに関係した考察をする習慣を身につけておきましょう。また、物理基礎の解答時間は他の基礎科目と合わせて60分なので、時間配分に慣れていないとあっという間に過ぎてしまいます。コツをつかみ弱点を洗い出すために、本番形式での模擬試験を通じて経験を積んでおくことが有利にはたらきます。公式の丸暗記に頼らず、問題で設定された現象面の理解を少しずつ増やし、物理基礎の実力を上げていきましょう。

◆化学基礎

◆全体概観
 17年度同様、大問数は2題、また、小問数は14問、マーク数は16で、変化はありませんでした。pHや化学電池に関する知識といったように、身近な物質や現象を題材とした問題が出題されました。教科書に記載されている図や表なども含め、偏りなく学習しているかどうかが問われました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の化学基礎の範囲は決して広くありません。そのため、化学基礎の学習は主要科目に比べて後回しになりがちですが、単に知識を問うだけの問題ではなく、よく考えないと正解が導き出せないような問題も出題されています。過去に出題された問題と類似した問題も多く出題されるため、過去問演習は欠かせません。旧課程の問題も含め、該当分野の演習を積んでおきましょう。また、身近な物質や現象に関しては、教科書の表や図にしか記載されていない部分からの出題も見られます。普段から身のまわりの物質や現象と関連付けながら教科書をよく読み、十分な対策を行って、万全の状態で本番を迎えられるようにしましょう。

◆生物基礎

◆全体概観
 大問数3題、設問数16問で17年度より1問増加しましたが、マーク数は17年度と同様でした。
 17年度まで毎年出題されていた計算問題の出題がなくなりましたが、細かい知識を問う問題や考察問題が出題されたことにより、17 年度に比べて難化しました。
◆高3生へのアドバイス
 表面的な知識を覚えるのではなく、理解することが重要です。教科書に載っているグラフや表を自分で描き、流れを説明できるようにしましょう。また、アウトプットする練習も重要です。センター試験で求められているのは、「どれだけ多くの知識をインプットしているか」ではなく、「インプットした知識をいかに早くアウトプットできるか」です。「センター試験本番レベル模試」を定期的に受験し、インプットした知識を制限時間内で素早くアウトプットする練習を重ねましょう。

◆地学基礎

◆全体概観
 大問数が17年度の4題から16年度以前の3題に戻りましたが、設問数やマーク数に変化はありませんでした。また、地学基礎の全範囲からまんべんなく出題されることについても変わりはありませんでした。全体を通して17年度とほぼ同じ難易度でした。
◆高3生へのアドバイス
 まずは教科書を繰り返し読み、内容を理解しましょう。教科書の実験・考察にもじっくり目を通しましょう。基本的な知識を頭の中で「モデル化」した後は、過去問を解いてみましょう。教科書の傍用問題集はセンター試験の過去問を中心とした問題集ですから、ある程度学習が進んでいる人は積極的に問題演習に取り組んでみましょう。まだ学習が不足している人、教科書や過去問を見てもあまりイメージがつかみにくい人は、基本に戻って、教科書などを読み直しましょう。

◆物理

◆全体概観
 17年度と形式は変わらず大問数は6題でしたが、分野は第1問が小問集合、第2問が電磁気、第3問が波動、第4問が力学と熱力学、第5問が力学、第6問が原子物理と17年度に続きさらに変更して出題されました。例年通り分野の偏りなく多くのテーマから広く出題されています。力学の必答問題は第4問Aのみではありましたが、第2問B電磁気や第4問B熱力学のように、力学の知識も使って考える問題が出題されています。よく見かける設定も多く、日ごろの演習量で差がつく出題であり、全体としては難易度は標準的といえるでしょう。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の物理では高等学校における基本的な内容がきちんと理解できているかどうかが問われます。各分野は満遍なく出題されますから、学習分野が偏ったり、苦手分野を残したりすることは避けなくてはいけません。したがって受験を来年に控えた高3生の皆さんは、まず教科書の内容を習得することを目標にしてください。また、形式はマークシート方式ですが、数式や数値の計算だけでなく、短文の正誤を選ぶもの、正しい図やグラフを選ぶものなど、物理現象を理解、説明する能力がさまざまな側面から問われ、限られた時間内に正確に回答していくことが求められています。さまざまな形式の問題を解くためには、普段から問題の答えだけでなくそれに関係した考察をする習慣を身につけておきましょう。具体的には変数を変えて結果を吟味する、グラフを作ってみる、用語の約束を教科書で確認する、などです。センター試験は題材が教科書に載るような有名な現象が扱われることが多いので、こういった対策は非常に有効です。さらには本番形式での模擬試験を通じて経験を積むことです。時間配分のコツをつかみ弱点を洗い出すには最適です。東進で実施する「センター試験本番レベル模試」および「全国統一高校生テスト」を定期的に受験し、合格に向けて活用するとよいでしょう。

◆化学

◆全体概観
 大問構成は17年度から変更はなく、第1~5問が必答、第6問7問から1問選択です。設問数は2問減り25問、マーク数は7減り28となりました。選択問題では、17年度同様教科書の後半で取り扱う高分子化合物が出題されました。出題分野に大きな変更はありませんが、第2問の問3で電気伝導度から中和点を求める実験が題材となるなど、最近のセンター試験では見慣れない問題もありました。設問数は減少しましたが、一読してすぐに解答できないような問題も多く、時間内に全てを解き切るには相応のスピードが求められる内容でした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の化学は、教科書の内容を題材につくられる、基礎~標準レベルの問題で構成されています。しかし、単に知識を問う問題だけではなく、その場でよく考えないと正解が導き出せないような問題も多く出題されます。普段から丸暗記中心のような表面的な学習だけでなく、各分野の根本的な部分を理解しながら学習を進めるようにしましょう。また、過去に出題された問題と類似した問題が出題されることも、センター試験の化学の特徴です。本番に挑む前には、十分な過去問演習を積んでおきましょう。
 化学の学習を進めていく上で、理論化学の分野をしっかりと理解することがとても大切です。なぜなら、その後に学習する無機化学や有機化学の学習は、理論化学で学んだことが土台となるからです。理論化学がしっかりと理解できていれば、無機化学や有機化学の学習もスムーズに進めることができます。
 皆さんにぜひ目標にしてもらいたいのが、早期に教科書レベルの内容を一通り学習し終えるということです。先ほども述べたように、センター試験の化学では、“いかに早期に一通りの分野を学習し終えるか”がカギとなります。高3夏を目安に一通りの学習を終え、過去問や模試受験で演習を積むことで、センター試験での高得点が十分に狙えます。計画的に学習を進めていきましょう。

◆生物

◆全体概観
 17年度と同様に、大問数は6題であり、第6問と第7問が選択問題でした。設問数は第6問、第7問どちらを選択しても29問であり、17年度の29~30問と同程度でした。マーク数は第6問、第7問どちらを選択しても34で、17年度(34~35)と同程度でした。第6問は分野をまたいだ融合問題ではなく、遺伝子の分野から出題されました。知識問題は、生物の教科書の内容を押さえておけば解けますが、文章選択の問題がやや難しめでした。また、実験考察問題の分量が多く、時間が十分ではなかったと考えられるため、全体として17年度よりも難化したと思われます。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験生物では、大問6題を試験時間60分という限られた時間で解答することになります。この6題の大問は、教科書の「生命現象と物質」・「生殖と発生」・「生物の環境応答」・「生態と環境」・「生物の進化と系統」の5つの単元からまんべんなく出題されます。つまり、センター試験は、教科書全体から幅広く出題されます。問題の内容ですが、約半分程度は基本的な知識問題です。これは、教科書で学習する用語をしっかりと覚え、教科書に載っている実験内容と結論をきちんと整理していれば容易に解ける問題です。ただし、かなり詳細な知識が要求されることもあるので、細かいところまでしっかりと覚えておく必要があります。残りは、実験考察問題や計算問題です。よく「生物は暗記科目」と思われがちですが、センター試験は教科書の基本的な知識を土台にした実験考察問題が出題されます。これらはまず、問題文を読みこなし、データを解析して、正しい解答を導き出す能力が必要になりますが、一朝一夕で身につくものではなく、周到な準備が必要です。また、計算問題は、数学と同様に、たくさんの演習を行うことで処理速度が上がっていきます。計算問題に時間をとられなければ、他の実験考察問題に時間をつかうことができるので、高得点が狙えます。

◆地学

◆全体概観
 出題分野、大問数と大問の分野は16年度・17年度と同様でした。第1問の小問数が7問から8問に、第2問の小問数が6問から5問に、第3問の小問数が5問から8問に、第4問の小問数が8問から5問になり、気象分野の出題が増え、天文分野の出題が減少し、16年度と同様になりました。
 基本的な事項の知識問題が大半で、グラフや図も分かりやすいものでした。選択問題の第5問は地質時代の気候と地質構造についての基本的な理解を問う出題でした。もう1問の選択問題である第6問は宇宙の構成要素と各種の天体の姿についての基本的な理解を問う出題でした。
 全体として17年度よりやや易化しました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の出題範囲は教科書に限られています。高得点を得るためには、「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習で、教科書を徹底理解することが大切です。そのために、教科書の通読から始めましょう。すでに授業を受けている場合も、改めて教科書を通読しましょう。はじめは理解しよう暗記しようとせず、地学の内容を概観することが大切です。
 教科書を通読したら、今度はできるだけ丁寧に教科書を読んでいきます。この時に大事なことは各分野の論理展開を把握することです。どのような観測や観察、実験がされ、そこからどのような考察がされているのかを理解しましょう。そのためには、図・表・グラフを自分でノートに書き、正確に読みとる力を付けてください。書いてみると、見ているだけでは分からなかった重要なポイントが判ります。また、教科書を読むときは用語を暗記するのでなく、その用語がどのように使われているのか、その論理の道筋を理解しましょう。
 学習の進め方と不足点を判定する機会として定期的に模試を受験することも重要です。まだ早いと思わず、定期的に「センター試験本番レベル模試」を活用してください。