大学入試の基礎知識

センター試験教科別分析&学習アドバイス

◆英語

◆全体概観
 大問6題からなる構成で、出題形式や配点は18年度と同じでした。第1問、第2問は発音・アクセント・文法・語法を中心とした基礎学力を試す問題で、全体配点の約30%が与えられています。第3問~第6問は文章読解問題で、これらに全体配点の約70%が与えられています。具体的な内容は、第3問がパラグラフの理解、議論の要点整理、第4問が図表を伴う英文(約470語)の読解、案内文からの情報収集、第5問が物語文(約650語)の読解、第6問が説明的文章(約650語)の読解です。設問を含む総語数(約4200語)は過去3年とほぼ同じでした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の「英語」の第1問、第2問は語彙・文法・語法などの英語の基礎力を試す問題、第3問~第6問は会話、図表を含む文、物語文、説明文などのさまざまな文章を読んで解答する問題で、後者の配点が全体の約7割を占めます。高校2年生までに学んだ知識で十分に対応できる範囲で出題されますが、単純に知識が問われるのではなく、コミュニケーション手段としての実用的な英語力の素地がどの程度身についているかを測るために、さまざまな思考や判断が求められます。80分の制限時間ですべての問題をこなすには、語彙や文法を確実に身につけ、読解力を鍛える必要があります。そのためには、できるだけ早く基本的な語彙と文法の学習を一通り済ませ、読解演習を積み重ねることが大切です。センター試験で高得点が取れない要因として、読解速度が遅いために最後まで落ち着いて解答できないことが挙げられます。読解速度の向上には演習量に加えて英文の音読練習も効果的です。また、模試を定期的に受験し、本番まで繰り返しシミュレーションを行うようにしましょう。

◆英語(リスニング)

◆全体概観
 形式面の変化はありませんでした。大問は4題ですが、第3問と第4問はA、Bに分かれているため6種類の問題があります。第1問~第3問は2人の対話、第4問Aはモノローグ、第4問Bは3人による会話を聞いて答える問題です。19年度の読み上げ文の総語数は約1160語でした。やや複雑な計算が必要となる問5、情報が込み入っている問12、選択肢の表現が読み上げ文から言い換えられている問20で誤りが多く見られました。
◆高3生へのアドバイス
 リスニングの力は聞いた英語の量に比例して伸びます。したがって、日頃から習慣的に英語を聞く訓練を積むことが大切です。1日10分程度でも、継続して耳を鍛えることがリスニング力の向上につながります。素材は何でもかまいませんが、聞き取れない部分を文字で確認できるものがよいでしょう。また、耳を慣らすためには、音を聞くだけでなく、その音をまねて自ら発音する練習が効果的です。試験の対策としては、展開を予測しながら耳を傾ける姿勢が大切です。すべてを聞き取ろうとするのではなく、何を聞き取るべきなのかポイントを定めて聞く練習をしましょう。ただし、音が聞き取れても、その英文が理解できるとは限りません。まずは内容を理解するために必要な語彙力、文法力などの基礎力を固めることが必須です。さらに、センター試験の「リスニング」では、計算を要する問題やイラストを見て検討する問題など、聞き取った情報から適切な判断を下す思考力も求められます。過去問で演習したり、模試を定期的に受験したりすることで、センター試験の形式に十分慣れましょう。

◆数学Ⅰ・A

◆全体概観
 18年度と同様、必答問題2題、選択問題3題から2題選択の計4題を解答する形でした。必答問題は易化しましたが、選択問題はやや難化し、総じて18年度とほぼ同様の難易度であるといえます。「データの分析」では、18年度と同様、図の読み取りを中心とした問題が出題されました。「場合の数と確率」では、4年連続で確率からのみの出題で、規則に従って試行を繰り返す問題が出題されました。「整数の性質」では、一次不定方程式の整数解、連続する3つの自然数の積がテーマの問題が出題されました。「図形の性質」では、図形に関する定理・性質と「図形と計量」で学ぶ定理を双方適用して解き進める問題が出題されました。いずれの大問も高校数学の基礎・基本を問うという出題内容であり、18年度までを踏襲しています。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の「数学Ⅰ・A」では、出題の難易度に関わらず高得点の争いとなると考えて準備しておく必要があります。「数学Ⅰ・A」は、高校数学の土台ともいうべき分野なので、センター試験においても基本の理解を問う出題が多いです。大切なのは、基本を早めに確実に理解し、時間を意識しつつ問題演習を繰り返すことです。いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」、「図やグラフを描いて考える」といった基本動作を地道に積み重ねることで、基礎を確固たるものにしましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進むような勉強を心がけましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。理解して先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけましょう。
※センター試験では、「数学A」範囲の「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」については、選択の形での出題となりますが、国公立大二次試験や私大入試を視野に入れて、すべて学習しておくことが望ましいです。

◆数学Ⅱ・B

◆全体概観
 18年度と同様、必答問題2題、選択問題3題から2題選択の計4題を解答する形でした。18年度とほぼ同様の分量で、第3問以外は取り組みやすく、18年度とほぼ同様の難易度であるといえます。第1問は、18年度と同様、「三角関数」と「指数・対数関数」の組合せでした。第2問は、3次関数の極値、放物線と接線、軸で囲まれた図形の面積、放物線と3次関数のグラフの共通接線がテーマの問題でした。第3問は、前半は等比数列の和や階差数列が与えられた数列の一般項、後半は漸化式で与えられた数列の一般項がテーマの問題でした。第4問は、等脚台形を底面にもつ四角錐に関する空間ベクトルの問題でした。18年度は、全体に誘導が丁寧であるため、時間配分に注意しつつ、解きやすい問題から解き進めていければ、高得点が狙いやすい問題のセットでした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験「数学Ⅱ・B」では、「数学Ⅰ・A」よりも発展的な出題がなされるため、そういった問題にも対応できるように準備しておく必要があります。「数学Ⅱ・B」は、「数学Ⅰ・A」を土台としているため、「数学Ⅰ・A」が未完成な状態では高得点は望めません。まずは「数学Ⅰ・A」の基礎を完璧なものにしましょう。その次に、「数学Ⅱ・B」の基礎を固めていくことが、効率よく学力を伸ばす道です。学習の順序として、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題と、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜くこと」や「図やグラフを描いて考えること」などといった基本動作を地道に積み重ねることで、基礎を確固たるものにしましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返しましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。「数学Ⅱ・B」の問題は、「数学Ⅰ・A」以上に抽象的に考えさせる問題が多く、また計算量も多いため、練習を充分に行う必要があります。東進ではセンター試験と同レベルで定期的に実施される「センター試験本番レベル模試」があります。センター試験の傾向や自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にしてセンター試験対策を早めに進めていきましょう。

◆国語

◆全体概観
 19年度の出題は、大問数、マーク数は18年度と同じで設問数が1つ増えました。評論は、翻訳について随想調で論じられた文章で、問5では5人の生徒の会話から本文の趣旨と異なる発言を選択する問題が出題されました。小説は、男性の私小説作家の文章でした。会話文の量は18年度と同程度で客観描写が多く含まれました。設問の形式は例年通りでした。古文は御伽草子『玉水物語』が出題されました。中近世の物語系作品の出題は過去にも多くありますが、御伽草子に分類される作品は珍しい出題です。漢文は18年度は史伝からの文章でしたが、著名な詩人の杜甫の文章が出題されました。
◆高3生へのアドバイス

 センター試験では限られた時間で多くの文章を読むことが求められます。普段から時間配分を念頭におき、計画的に勉強を進めましょう。
■現代文
 評論は抽象度の高い文章が出題されるので、苦手意識を持つ生徒は早期に漢字・語彙といった知識事項を固めましょう。知識事項は読解力を根本から支えます。小説は客観的に読むことを心がけましょう。主観的に感情移入して読むと得点は安定しません。客観的に事実と心情を捉えて選択肢を吟味しましょう。小説の語句問題は辞書的な意味が問われます。日頃から辞書を引く習慣をつけ、評論の漢字・語彙と同様に覚えていきましょう。
■古文・漢文
 古文・漢文は、知識・基本事項の比重の大きい科目です。古文では、古典文法・古文単語・古典常識・敬語法など、漢文では、返り点・重要句法・漢字・重要語など、読解の土台になる知識の完成度が大きなカギを握ります。これらを直前期の付け焼刃にならないように可能な限り早期に、遅くとも夏休み終了までに習得しましょう。
 夏以降は、時間配分に留意しながら解法の訓練をしましょう。模試は、点数よりも学習計画の進捗度や定着度を測定・認識することが重要です。定期的に模試を受験して着実に実力を伸ばしましょう。

◆世界史B

◆全体概観
 大問は4問、設問数は各9問と例年通りでした。傾向も例年と大きく外れることはなく、正文選択、正誤組合せ問題を中心に、基本事項を多角的に問う問題構成でした。4年連続で、グラフの読み取り問題が1題出題されました。地図を用いた問題は、18年度の1問から2問へと増加し、そのうち1問は王家の支配領域と時期の組合せを判定する問題で、近年見られない傾向でした。また空欄補充問題が18年度の2問から4問へ、文化史の出題も6問から9問へと増加したほか、18年度出題されなかった年代整序問題が1問出題されました。
◆高3生へのアドバイス

 「全体概観」からも分かるとおり、センター試験では奇をてらった問題ではなく、基本事項をいかに整理して定着させているかが問われています。まず基本事項を押さえることが学習の出発点となります。教科書をしっかりと読み、太字の部分を中心に歴史の大きな流れをつかみましょう。同時に資料集を利用して視覚的に捉えるとさらに効果的です。この「通史のインプット」を夏までなど、できるだけ早い時期に完了させましょう。
 次に、語句を暗記するのではなく、歴史のタテ(時間的な前後関係)・ヨコ(同時代の出来事)の関係に注目して学習をすることが大切です。センター試験では同時代(世紀)の出来事について問う問題が複数ありますので、年表などで世界全体の動きについて把握し、さらに自分で年表を作成してみましょう。教科書では簡潔に述べられている周辺地域史や文化史なども出題される可能性があります。苦手意識を作らず、広い分野に関心を向けましょう。
 「アウトプット」も大切です。独特の出題形式に慣れておくためにも、過去問をできるだけ多く解いておくことはもちろん、東進の「センター試験本番レベル模試」を毎回受験することをおすすめします。全回で全範囲がさまざまな設問形式で出題されますので、苦手分野や弱点が多角的に分かります。

◆日本史B

◆全体概観
 大問数6題、小問数36問、そして配点は18年度と同様でした。図版・地図・統計資料を利用した設問はみられませんでした。第3問は、時事要素の強いテーマ(年号)がリード文で扱われました。時代別では、旧石器時代~弥生時代を正面から扱った問題がみられず、他方、戦後史単独の問題は4題出題され、1990年代までを対象とする設問もみられました。分野別では、政治史の比重が高まり、18年度に若干増加した文化史の比重が低くなりました。大問構成は、第1問が18年度と同様に会話形式、第6問が日米関係を題材としたテーマ史のパターンで出題されました。史料問題は4題出題されましたが、読解は難解で思考力と判断力が問われる出題でした。
◆高3生へのアドバイス

 日本史は暗記的要素が強い教科ですが、単純な暗記だけでは、知識は定着しません。センター試験では、限られた時間で正確に解答する力が求められます。「考える」日本史学習の基礎力をつけるため、教科書の「精読」を習慣にしましょう。文化史を例にとれば、仏像彫刻が登場した際に、(1)他の時代の仏像と比較する、(2)資料集を見て特徴を考える、(3)当時の仏教の性格を把握する、(4)他分野(政治・外交・社会史)との関連を整理するなど、多面的・重層的な読み方を試してください。精読中に考えたことをノートにまとめれば、自分専用のサブノートができます。
 そして、通史=インプットと演習=アウトプットを組み合わせて学習を進めてください。第1問(テーマ史)は、通史を終えないと難しいかもしれませんが、第2問以降は時代順の大問構成です。さまざまな形式の良問を解く中で、通史学習の際に意識すべきポイントがわかります。センター試験の過去問は、自分の学力のレベルを判定するための貴重なツールです。過去問演習に加えて模試の受験を勧めます。東進の「センター試験本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めて年6回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者により作られています。学習のペースメーカーとするためにも、定期的に受験しましょう。

◆地理B

◆全体概観
 分量については、大問6題構成が連続しており、設問数とマーク数は18年と同じ35でした。例年同様に統計資料や図版が多用されており、地理的な考え方や理解を問う問題が中心となっています。出題内容については、第1問から第6問の出題分野に大きな変化はありませんでしたが、16年度から比較地誌が出題されている第5問では、「ウクライナとウズベキスタン」の2カ国が選ばれ、旧ソ連地域が本誌の地誌の大問で初めて出題されました。難易度については、形式的には手間のかかる設問が減ったものの、内容的には、特に第4問・第5問において、受験生にとっては手薄になりやすい国や地域が扱われた上に、やや細かい知識を必要とする問題が並んでいるため、難易度は上がったといえます。
◆高3生へのアドバイス

 地理は暗記科目と考えられがちですが、センター試験の「地理B」においては、むしろ思考力が大切といえるでしょう。したがって、地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、基本的な知識をコツコツと積み上げていくことが何より重要です。毎年多くの地図、図、写真や統計表が用いられます。自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認する学習を徹底するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計についても、順位や数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的事象を読み取る意識で、最新の統計データをこまめにチェックするようにしましょう。近年は、地歴連携の重視から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。独特な出題形式への慣れも欠かせません。問題の質や量と試験時間を見比べると、決して時間的な余裕はありません。10年分程度の過去問演習はもちろんですが、東進の「センター試験本番レベル模試」を定期的に受験して、頻出項目のマスターと最新傾向の把握、出題形式への順応、時間配分のトレーニング、といった点を強化することをおすすめします。

◆現代社会

◆全体概観
 構成は大問6問、小問36問と、過去5年と同様の形式です。第1問と第4問の小問が8問、他が5問という点のみ18年度と異なっています。論理的な思考力を問う、共通テストの傾向を先取りする設問は明確には見当たらず、過去2年連続で出題された各選択肢に写真が付く形態の出題もありませんでした。
 政治・経済、および現代社会の諸問題に関する事項が融合した出題傾向が進んでいるものの、出題形式・内容自体は極めてオーソドックスであり、学習の達成度が点数に反映しやすい内容です。出題形式でとまどわない分、正確な知識が問われる出題が増えているため、用語の理解と把握が必要となります。
◆高3生へのアドバイス

 センター試験の「現代社会」は、よく一般常識で対応できるという印象を持たれています。以前は確かに、新聞を漠然と読んでいるだけで得られる常識レベルで判断できる設問も存在しましたが、ここ数年は常識で解ける設問や時事的知識のみで解ける設問がほぼなくなり、着実な学習成果を試される科目となっています。つまりセンター試験の現代社会は、さまざまな観点・分野から法律や制度の内容や確立の背景・流れを問う問題や経済分野の理論を問う典型的な問題が出題されていて、その難度も上がっています。その傾向は今後も続くものと考えられます。
 今後の1年でただ暗記をするのではなく、正確な理解をしていく学習をしなければ、試験本番で対応することは困難となります。そのためにも、「教科書やテキストの学習」「センター試験の過去問を解く」「時事への対応」の3本柱が必要となってきます。現代社会を得意科目にすることで幅広い常識が養われ、他の科目はもちろん、推薦、AO入試を含めた、小論文などにも通用する学力を育成することができます。東進の「センター試験本番レベル模試」は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰りかえします。積極的に受験して、自らの学習進度を測る物差しとしてください。

◆倫理

◆全体概観
 大問4、小問36は18年度と同じでした。形式面では大きな変化はなかったものの、17年度に10題、18年度に4題あった8択形式の問題が19年度は1題もありませんでした。その代わり、18年度は3題あった6択形式の問題が4題となっています。4択形式が増えた分、形式的には易しくなったと言えます。ただ、内容面では、生殖技術や家族形態についてのやや難しい知識が問われたほか、日本思想分野で小林秀雄・丸山眞男・坂口安吾といった細かい知識が問われました。また、これまでに出題例のない会沢正志斎が吉田松陰と合わせて問われ、西田幾多郎についても無の場所という難しい論点が問われました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の「倫理」は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会の知識が問われる問題、図表や文章の読解問題など、出題形式もバラエティに富んでいます。難解な現代思想分野からの出題も多いですので、きちんと対策をしないと高得点は難しいでしょう。ただし、重箱の隅をつつくような悪問は出題されません。ほとんどが教科書の範囲内から出題されますから、基本を押さえてきちんと学習すれば、確実に点をとることができるでしょう。倫理は努力が報われる科目なのです。努力が得点に直結します。1年間、それを信じて勉強に励んでください。
 センター試験「倫理」では、選択肢の文章をきちんと読んで解答することが求められているだけに、実戦演習が欠かせません。また、限られた時間内で正確に解答する力を求められます。「全国統一高校生テスト」を含めて年間6回実施される東進の「センター試験本番レベル模試」は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。

◆政治・経済

◆全体概観
 大問構成は4問、設問数は34問、マーク数は34となっており、いずれも18年度の形式と同じです。図表を使用した問題は7問で18年より1問増加しています。出題形式としては、基礎的な設問も多いですが、選択肢形式が複雑化し語群の組合せや、さらに二重の設問を組み合わせた問題が出題されています。第2問の問6などは、正規労働者、非正規労働者、失業者の表を、選択肢文内容から推測させる問題で表の深い読みが必要です。第2問の問7なども国家体制と政治体制を同時に問うています。普段から似た形式の類題に慣れて時間をとり過ぎない訓練が必要となります。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験対策で基本となるのは教科書の基礎知識が中心ですが、図表・グラフの読み取りなどの応用力と思考力を試す問題が出題されます。専門用語を理解していないと解答できない問題もあり、完全な用語の理解と把握が要求されることがあります。さらに、周辺の知識との連関と位置づけを摑まないと判断できない時もあります。政治分野では、制度・仕組みと諸法規を理解し、特に日本国憲法に関する判例は頻出項目なため十分な理解が必要です。絶えず条文を参照し熟読するように心がけましょう。グローバル社会が進展し、離れた世界での出来事を理解するには、政治制度・経済組織・文化・宗教などを総合的に把握する必要があります。
 「政治・経済」は歴史科目ではありませんが、時間の流れに沿った問題が多く出題されます。主に戦後史を中心に政治的な動き、経済状況の変化など、大づかみな時間的前後や相互関係を問う形式で出題されており、年号を問う設問はほとんど見られません。現在の政治・経済現象は、過去(直近)の歴史的事実に密接につながっており、その延長線上に現在があることを意識しながら学習しましょう。
 また、「政治・経済」は、時事ニュースと直結した科目です。未知の語句に遭遇したら、すぐに教科書・用語集さらにインターネットで調べる習慣をつけましょ う。

◆倫理、政治・経済

◆全体概観
 出題形式としては、倫理分野、政治・経済分野から大問が各3問ずつ計6問、小設問はすべて「倫理」「政治・経済」単独科目と共通の36問で、変化はありませんでした。19年度も「倫理」と「政治・経済」の全分野から網羅されるように設問が選択されています。したがって、倫理分野、政治・経済分野ともに十分な準備をしておかないと高得点は望めないでしょう。時事問題としては、「コンパクトシティ」と「ふるさと納税」が出題されました。全体としてはオーソドックスな問題が多く出題されましたが、18年度は極めて平均点が高かったので、それと比較すると難化しました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験対策で基本となるのは教科書の内容です。「倫理、政治・経済」では「倫理」と「政治・経済」の2科目を学ぶ必要があるので大変ですが、両方合わせても世界史や日本史の教科書1冊程度ですから、格別に負担が重いということはありません。とはいえ、高校の授業では「倫理」と「政治・経済」が十分に学習できないケースもあるので、できるだけ早くから教科書の内容をしっかりマスターし、実践的なトレーニングを進めることが求められます。
 情報インプットとして『政経ハンドブック』(東進ブックス)を徹底して学習し、制度・しくみの定義はもちろん、その存在理由、問題点、対策をしっかり読み取ることが有効です。その上で、アウトプットとして『倫理、政経 一問一答』(東進ブックス)でトレーニングを行うとよいでしょう。もちろん、過去問(「倫理、政治・経済」だけでなく「倫理」や「政治・経済」も)を解き、知識を定着させるとともに、センター試験の問い方の形式にも慣れてください。「全国統一高校生テスト」を含めて年間6回実施される東進の「センター試験本番レベル模試」は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。積極的に受験して、自らの学習進度を測る物差しとして利用してください。

◆物理基礎

◆全体概観
 第1問の小問集合、第2問の波動・電気、第3問の力学と、各分野から偏りなく出題されました。力学では、Aでは機関車の模型、Bでは傾斜角の異なるすべり台を用いた出題となり、実験を意識した問題に見えますが、基本事項を徹底していれば問題なく解答できる内容でした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の「物理基礎」では、複数の答えの組合せを答える問題やグラフの選択問題など独特の出題が見られ、物理現象を理解、説明する能力がさまざまな側面から問われます。普段から問題の答えだけでなくそれに関係した考察をする習慣を身につけておきましょう。また、物理基礎の解答時間は他の基礎科目と合わせて60分なので、時間配分に慣れておく必要があります。時間配分のコツをつかみ弱点を洗い出すために、本番形式での模擬試験を通じて経験を積みましょう。

◆化学基礎

◆全体概観
 特に目新しい問題はなく、これまでのセンター試験と同系統の出題が多く見られました。一方で、第1問の問4や第2問の問5など、教科書の巻末などで扱われている実験操作に関する出題も見られ、受験者にとっては盲点であったと思われます。
◆高3生へのアドバイス
 高校で「化学基礎」の学習を一通り終えている人も多いと思いますが、教科書のはじめの方の内容は忘れてしまっている部分もあるのではないでしょうか。過去問や模試を活用し、実践的な問題で演習を積むことも大切ですが、その一方で、教科書の内容に立ち返りもう一度一通り復習しなおすことも重要です。まずは教科書の内容を復習し、基礎的な問題演習も行いながら学習を進めてください。そして、高3の1学期のうちに教科書の復習を終え、夏からは積極的に過去問を解いていきましょう。

◆生物基礎

◆全体概観
 大問は3題、設問数16問で18年度と変わらず、マーク数は18年度より1増加し18でした。当てはまる選択肢を過不足なく含むものを選ばせる知識問題や、18年度には出題されなかった計算問題に加え、実験考察問題が増加したため、18年度に比べて難化しました。
◆高3生へのアドバイス
 表面的な知識を覚えるのではなく、理解することが重要です。教科書に載っているグラフや表を自分で描き、流れを説明できるようにしましょう。また、アウトプットする練習も重要です。センター試験で求められているのは、「どれだけ多くの知識をインプットしているか」ではなく、「インプットした知識をいかに早くアウトプットできるか」です。「センター試験本番レベル模試」を定期的に受験し、制限時間内で素早くアウトプットする練習を重ねましょう。

◆地学基礎

◆全体概観
 第1問Aは、固体地球全体についての問題でした。目新しい問題はありませんでしたが、日ごろからじっくり考えるくせをつけていないと難しく感じたかもしれません。第2問は、天気図を通して日本列島付近の冬型の気圧配置を問う問題でした。第3問は宇宙の誕生と恒星の進化についての問題でした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験「地学基礎」は、教科書からまんべんなく出題されます。センター試験では、試験時間が30分という限られた時間で15問前後を解答することになります。「地学基礎」とはいえ、単純な知識問題は少なく、さまざまな分野の知識や考察力が必要です。また、基本的な計算力も必要です。まずは教科書を繰り返し読み、内容を理解しましょう。基本的な知識を頭の中で「モデル化」した後に、過去問を解いてみましょう。「地学基礎」の過去問は今年度を含めて5年分しかありません。「全国統一高校生テスト」を含め、年間6回実施される東進の「センター試験本番レベル模試」を活用しましょう。

◆物理

◆全体概観
 18年度までと形式は変わらず大問数は6題でしたが、分野は第1問が小問集合、第2問が電磁気、第3問が波動、第4問が力学、第5問が熱力学、第6問が原子物理と16年度以前の出題分野の構成に戻りました。例年通り分野の偏りなく多くのテーマから広く出題されています。波動からの出題である第3問の中で1問、力学分野である単振動の理解が問われる問題が出題されました。文章量がやや多くなり、設定を把握するのに時間がかかる設問もありましたが、基本事項を徹底していればすべて解答できる問題でした。よく見かける設定が多かった18年度と比べると、全体として難易度は高くなったといえるでしょう。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の「物理」では高等学校における基本的な内容がきちんと理解できているかどうかが問われます。各分野は満遍なく出題されますから、学習分野が偏ったり、苦手分野を残したりすることは避けなくてはいけません。したがって受験を来年に控えた高3生の皆さんは、まず教科書の内容を習得することを目標にしてください。また、形式はマークシート方式ですが、数式や数値の計算だけでなく、短文の正誤を選ぶもの、正しい図やグラフを選ぶものなど、物理現象を理解、説明する能力がさまざまな側面から問われ、限られた時間内に正確に解答していくことが求められています。さまざまな形式の問題を解くためには、普段から問題の答えだけでなくそれに関係した考察をする習慣を身につけておきましょう。具体的には変数を変えて結果を吟味する、グラフを作ってみる、用語の約束を教科書で確認する、などです。センター試験は題材が教科書に載るような有名な現象が扱われることが多いので、こういった対策は非常に有効です。さらには本番形式の模擬試験を通じて経験を積むことも重要です。時間配分のコツをつかみ弱点を洗い出すには最適です。東進で実施する「センター試験本番レベル模試」を定期的に受験し、合格に向けて活用するとよいでしょう。

◆化学

◆全体概観
 大問数は18年度と変わらず6題で、第6問・第7問のうち、いずれか1問を選択する形式も18年度と同様でした。また、18年度と比べて小問数は25で変化はありませんでしたが、マーク数は29で増加しました。第2問の問3、第3問の問5、第5問の問1、第7問の問2など、グラフや分布図が表す内容を読み取って解答する必要がある問題が多く出題されました。また、計算問題が12題と18年度よりも増加し、解答を導くまでの過程が長いものも含まれていたため、時間内に解き終えるのは相当なスピードが必要でした。18年度と比べると、全体的にやや難化しました。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験では、単に知識を問う問題だけではなく、その場で考えて答えを導き出すような出題も多くみられます。普段から丸暗記でなく、各分野の本質的な部分を理解しながら学習を進めるようにしましょう。特に化学の学習を進めていく上では、理論化学の分野をしっかりと理解することがとても大切です。なぜなら、その後に学習する無機化学や有機化学の学習は、理論化学で学んだことが土台となるからです。理論化学がしっかりと理解できていれば、無機化学や有機化学の学習もスムーズに進めることができます。皆さんに、ぜひ目標にしてもらいたいのが、「高3の夏までに一通り学習し終える」ということです。基礎~標準レベルの問題で構成されているとはいえ、広範囲の問題を解き慣れるには時間が必要です。そのため、“いかに早期に一通りの分野を学習し終えるか”がカギとなります。教科書レベルの内容は、なるべく早期に学習し終えるために、今から計画的に学習を進めましょう。
 「化学」は計算問題も多く、60分ですべての問題を解き終えるには、各設問を素早く解くための十分な訓練が必要です。模試を活用することで、問題の傾向を把握し、現状で自分に足りていない部分を把握することができます。上手に模試を活用し、来年の本番に向けて十分な学力を身につけていきましょう。

◆生物

◆全体概観
 18年度と同様に、大問数は6題であり、第6問と第7問が選択問題でした。設問数は第6問、第7問どちらを選択しても26問であり、18年度の29問よりも減少しました。マーク数は第6問、第7問どちらを選択しても32で、18年度(34)よりも減少しました。知識問題は、生物の教科書の内容を押さえておけば解け、易しめでした。しかし、実験考察問題の分量が多く、図・表などデータの量が増え、処理に時間がかかったと思われます。
◆高3生へのアドバイス
 「生物」は、大問6題を試験時間60分で解答することになります。この6題の大問は、教科書の「生命現象と物質」「生殖と発生」「生物の環境応答」「生態と環境」「生物の進化と系統」の5つの単元からまんべんなく出題されます。問題の内容ですが、約半分程度は基本的な知識問題です。これは、教科書で学習する用語をしっかりと覚え、教科書に載っている実験内容と結論をきちんと整理していれば容易に解ける問題です。残りは、実験考察問題や計算問題です。よく「生物は暗記科目」と思われがちですが、センター試験は教科書の基本的な知識を土台にした実験考察問題が出題されます。これらはまず、問題文を読みこなし、データを解析して、正しい解答を導き出す力が必要になります。また、計算問題は、数学と同様に、たくさんの演習を行うことで処理速度が上がっていきます。まずは、教科書の基本的な内容をしっかり学習し、「全国統一高校生テスト」を含めて年間6回実施する東進の「センター試験本番レベル模試」を積極的に受けてセンター試験の形式や時間配分にも慣れ、学習の成果を確認していきましょう。

◆地学

◆全体概観
 出題分野、大問数と大問の分野は17年度・18年度と同様でしたが、中問数が少なくなりました。第1問地球物理分野の中問数が4から2に、小問数が8から5に減少しました。第2問地質岩石分野と第4問宇宙分野が5から8に増加しました。第3問の気象分野の中問数が3から2に、小問数が8から5に減少し、天文分野の小問数は5から8に増加しました。選択問題の第5問は重力とケイ酸塩鉱物の結晶構造、第6問は水の循環と海洋の構造に関する問題で、どちらも標準的出題でした。
 基本的な事項の知識問題が大半で、グラフや図も分かりやすいものでした。教科書の基本事項を丹念に学習することが高得点につながる出題でした。全体として難易度は18年並みでした。
◆高3生へのアドバイス
 センター試験の出題範囲は教科書に限られています。高得点を得るためには、「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習で、教科書を徹底理解することが大切です。そのために、教科書の通読から始めましょう。すでに授業を受けている場合も、改めて教科書を通読しましょう。はじめは理解しよう暗記しようとせず、地学の内容を概観することが大切です。
 教科書を通読したら、今度はできるだけ丁寧に教科書を読んでいきます。この時に大事なことは各分野の論理展開を把握することです。どのような観測や観察、実験がされ、そこからどのような考察がされているのかを理解しましょう。そのためには、図・表・グラフを自分でノートに書き、正確に読みとる力を付けてください。書いてみると、見ているだけでは分からなかった重要なポイントが判ります。また、教科書を読むときは用語を暗記するのでなく、その用語がどのように使われているのか、その論理の道筋を理解しましょう。
 学習の進め方と不足点を判定する機会として定期的に模試を受験することも重要です。まだ早いと思わず、定期的に「センター試験本番レベル模試」を活用してください。