2011大学入試 センター試験過去問演習数学Ⅱ・B
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河合 正人 【著】
【出版社】東進ブックス
【ISBN】9784890854936
【定価】1,050円(本体1,000+消費税5%)
【頁数】本冊230+別冊240
【版型】B5判
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2011年1月16日(日曜日)、大学入試センターの数学の試験が行われます。
私は長年にわたって予備校の教壇に立ち、その受験指導をしてきました。そして毎年、
過去問研究こそがセンター対策の極意と考える受験生を見てきました。
ある年、出版関係の方から、「センター過去問集を古くまでさかのぼって出版したいのだが、現場の意見としてどう思うか」ときかれたことがありました。その時の返事は「やめるべきです」と言ったのを覚えています。
新課程の試験を受ける皆さんが、2006年度以降の過去問演習をすることはとても大切なことですが、逆に
2005年度以前の問題を現行課程とさほど変化のないものとして演習することがどれほど危険なことか!
過去問の実戦演習によって、マークシートという極めて特殊な試験形式に慣れ、待ったなしの60分という試験時間を体で覚えようという目的が、あろうことか、見ないほうが良かったであろう絶対に出題されないパターンが頭に刷り込まれ、それに翻弄され狂った時間感覚が体に浸みついていく結果になるのです!
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旧課程と現行課程の違い
まず、センター数学Ⅱ・Bの歴史を振り返ってみよう。ここでは、新課程入試が始まった2006年度以降(現行課程)と1997~2005年度(旧課程)の問題を比較してその違いを明らかにする。
【指数関数・対数関数】
現行課程の第1問の〔1〕は指数関数・対数関数で始まることが多い。旧課程では第1問の〔2〕に置かれていた。配点にあまり変化はないが、指数関数より対数関数に重きが置かれている。特に、新課程に入ってからは指数関数としての導入は追試験では出題されたものの、本試験では出題されていない。
高校課程のすべての分野から出題するのがセンター試験のタテマエである。指数関数は追試験に出しているからと言い訳ができるのかも知れないが、今後、指数関数と対数関数の両方を扱った問題が本試験に出ないとバランスを欠く。
【三角関数】
旧課程と同様に、新課程でも指数関数・対数関数と合わせて第1問を形成し、30点が割り当てられている。〔1〕と〔2〕はおおむね均等に配点されていたが、2010年度は三角関数のウエイトが高くなった。
もちろんsin、cosが出てくるのであるが、数Ⅰ・Aの図形と計量ではなく、関数としてのsin、cosであるから、数Ⅰ・ Aで最も出題率の高い正弦定理や余弦定理はほとんど出ない。(ベクトルでは出る。)
t=sinθやt=cosθの置き換えと2次関数への誘導、三角関数の合成と最大・最小、三角関数の周期、半角・倍角公式などが出題されてきた。和積・積和の公式、加法定理、3倍角の公式は新旧課程を通して長い間出ていないので。2次試験レベルとされているようだ。
【微分・積分】
高校課程におけるひとつの到達点であり、大学数学へつながる最も重要な分野として、旧課程からずっと第2問の位置を占め、必答問題で30点が与えられてきた。
指導要領に定められている上限次数により、微分は3次関数まで、積分は2次関数までしか出題されない。したがって、センター数学では3次関数に関わる面積を求める問題は出題できない。そのため作問者は、早めに2次関数での求積問題を出して、その結果現れた3次関数を微分して最大・最小を問う問題、3次関数同士で囲まれる面積(結果、被積分関数は2次)を問う問題、という組み立てをせざるを得ない。
後は、2次・3次関数の接線や法線を求めさせて、その直線と関数とで囲まれる領域の面積を求める問題というように、指導要領の範囲を逸脱しないように苦労して作問している。
新課程の第2問が旧課程の第2問と違うのは、「図形と方程式」が絡んでいることである。点の軌跡や円の方程式との融合問題、三角形と曲線で囲まれる図形の面積を求めるものなど、新しい形の問題が作られて行く傾向にある。
【数列】
旧課程では数学Aであったが、新課程では数学Bに移った。しかし、同じく選択問題扱いで配点も20点のまま。見かけ何も変わったふうがないので、旧課程の問題を一生懸命解いていると、大きな落とし穴が待っている。
旧課程の数列は高校1年で履修していたものであったため、センターの数列も素朴なものが多かった。ところが、数Bに移った後の数列は、難度がまるっきり変わったので注意を要する。
現行課程では特に、隣接2項間漸化式や部分和の出題が目立つ。等差数列と等比数列の3項間漸化式や連立漸化式も出題された。2010年度は久しぶりに群数列も出題され、数列全体を広範囲に学んでおくことが要求されている。ただし、数学的帰納法はセンターでは範囲外となっている。
【ベクトル】
新旧課程を通してずっと数学Bであり、センターでの配点も20点のまま変わらない。数列同様、旧課程の問題がそのまま使えるように見えるが、ひとつだけ大きな変化が起きている。
かつては平面ベクトルの方が空間ベクトルよりより多く出題されていた。ところが、2007年度以降、本試験ではすべて空間ベクトルが出題されている。センター試験は普段の高校での授業の目標となるように、万遍なく出題されるのがタテマエである。したがって、追試験に平面ベクトルを出すことで帳尻を合わせている。
空間ベクトルの設問の中に平面ベクトルは包含されるという考え方もあり、本試験では空間ベクトルが出題される確率は今後も高い。ただ、問題をよく検討すると、幾何の問題というよりは計算問題でしかない年度もある。ベクトルの典型的な操作手順に慣れておけば問題ない。
【複素数】
かつて数Ⅰ・Aの定番だった整式の除法、因数定理は姿を消した。複素数も複素数平面が高校課程から削除されたため大問を形成できなくなり、現行課程では出題されなくなった。
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『2011大学入試 センター試験過去問演習数学Ⅰ・A』