自宅から近く、自分のペースで学習を進められるのがよかった
僕が東進ハイスクールに入学したのは高校3年生の5月です。その年の1月にセンター試験同日体験受験をしていたのですが、はっきり言ってお粗末な成績であって、しかもそこから5月までは学校行事の準備に明け暮れほとんど勉強していなかったので他人に大幅な遅れを取った状態で受験勉強を始めることになりました。東進ハイスクールを選んだのは自宅から近く、自分のペースで学習を進められるからです。出遅れていた僕にとっては何よりもありがたい条件でした。
入学するとまず固まっていない基礎部分の学習から始めました。数学2Bと世界史は通してやり直し、英語は単語から学習しました。遅すぎるスタートでしたが意味は大きかったと思います。特に英語はそれまで単語がわからないことが原因で文章が読めないことが多かったので、すぐに得点が伸び始めました。
京都大学教育学部の特色入試を受験しようと思ったのは入学より少し前になります。京都大学は高1の時オープンキャンパスに参加していてそのアカデミックで自由な雰囲気には憧れていましたが、いかんせん学力が不足していたので進学は半ば諦めていました。しかしながら特色入試の存在を知り、中高の活動が評価されること、センター試験に加えて小論文や口頭試問形式での試験が課されること、そして何より大学のアドミッションポリシーに応えられるのではないかと思ったことがきっかけで受験を決意しました。
夏休みは一般の受験勉強と平行して特色入試の資料の作成に取り掛かりました。僕は中高で弁論部に所属し、競技ディベートに取り組んでいたのでその経験を中心に、運動会やNPOでの活動なども加え、大学やそれ以降での学びと成果の還元をまとめました。はじめから字数制限にあわせたものを作ろうとするよりは論理的に瑕疵のない文章を組み立て、後から枝葉末節を取り除くというやり方をとったのは効果的だったと思います。また、文章を自分の中だけで留めおかず両親や先生に添削してもらったことは文章の不足を補う上で重要でした。
8月のセンター試験本番レベル模試では世界史と英語において進歩が見られたものの、数学が致命的に不出来なことを痛感したので、勉強時間を多く割り振るようにしました。原因は明らかな演習不足で、1Aのほうはすぐに取れるようになりました。しかしながら2Bは予想通りではありましたが、なかなか伸びず、そこからセンター試験本番まで一番時間をかけることになりました。
特色入試の書類審査を通過したことが判明した後は、小論文や一部出題される英文の要約練習に時間を多く割り振りました。教材としては特色入試の過去問に加え他大学の小論文試験の問題を使いました。特色入試の2次審査では、小論文試験のほうは過去に本で読んで考えたことのあるテーマだったこともあり、時間はぎりぎりでしたが書き上げることができました。ただ、対策として付け焼刃的な知識を身につけるよりは身の回りのさまざまなことに興味を持ち、5W1Hを意識して徹底的に考える姿勢を持ったほうがいいとは思います。
口頭試問では作成した資料について質問されたほか、用意された問いにその場で答えることも要求されました。自分の文章は完璧に理解し、教育分野について多少の知識がある前提で、やはり広い視野から問いを見つけ考えることに取り組んでいれば対応しきれない試験ではないと思います。
特色入試の二次試験が終わった後は過去問演習講座 センター対策を軸に徹底して演習を重ねました。途中12月に2次選考を突破したことがわかり、あとセンターで8割取れれば合格ということにはなりましたが、少しも気を抜ける状況ではなかったので、前日まで徹底して対策しました。
肝心のセンター試験では2日目の数学1Aでマークミスをし、大問丸々1つ落としたことが答案回収直後に発覚しました。しばらくその場を動けなくなり、心が折れそうになりましたが落ち着いて2Bに取り組めれば8割は十分取れることがわかっていたので、気持ちを切り替えて取り組みました。
結果として合格することができましたが、最後の最後まで順風満帆とはいきませんでした。しかしながら特色入試で合格できたのは興味を持ったことに疑問を持って考え続けることができたからだと思います。