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2020年11月19日 16:24

サボりと欲望

こんにちは!先週に引き続いての登場になります、文科一類2年の石原です。
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ここ最近ちょっと暑いですね。せっかく買った冬服の出番が早く来ないかと、うずうずしている毎日です。

さて、今回もちょっと精神面に関わるお話をしたいと思います。模試についてどう向き合うかなど、実用的なアドバイスは他のスタッフがとてもいいものを書いてくれていますので、そちらを是非参考にしてください。

皆さんは、サボらずに勉強頑張っていますか?本番が段々迫ってきたとはいえ、全くサボらず集中できているという人も珍しいのではないかと思います。今日はこれだけやるぞ!と決めたはずなのに、ほか事に気が向いてしまって、時間が無くなって、やっと焦ってやりだしたものの目標は達成できず、明日多めにやればいいかと自分を慰めて結局次の日も同じことの繰り返し...。結構喪失感大きいのに、ついついやっちゃいますよね。サボりってどうすればなくせるんでしょうか。

サボらないようにするために大事な事。それは「サボっちゃいけない」と意志しようとすることをやめることです。

似ていますが、意志することと考えることをここでは区別したいと思います。つまり、サボっちゃったときに「次こそは気持ちを強く持とう」などと意志によって片付けようとすることに意味はない、でもそれは、サボらないようにどうすればいいか具体的な解決法を考えるのをやめればいいということではない、ということです。

言葉遊びのように聞こえるかもしれませんが、ぜひ両者を混同しないようにしてもらいたいです。意志することで考えた気になるのが一番危険だからです。

経験ありませんか。ああサボっちゃった、今度からはスマホに手を伸ばさないようにしよう。あれ、またやっちゃった、ダメだなあ自分、今度こそ意志を強く持って...という流れ。意志したことにして解決するのって、楽なんですよね単純に。

もちろん、物理的に隔離して触れないようにするとか、親に預けとく、というのは意志を持続させるために有効な手です。それでうまくいくならそれでも全然いいと思います(僕自身そういう対策もしてました)。でも根本的な解決になっているのかというと、微妙な気がするわけです。近くにあればやっちゃうわけですから、大学に入ってワンルームの一人暮らしなんか始めた日にはもろくも崩れ去りそうなのは、なんとなく予感できるのではないでしょうか。でも、自分で自分をコントロールする方法を身に付けておければ、これほど心強いことってないですよね。

そもそも、欲望を意志で抑え込もうという思考の枠組み自体に問題があります。ちょっと難しい言葉を使うと、自由意思の存在を前提にするのをやめよう、という話です。大事なのは、ある欲望を操縦する術を身につけることなのです。欲望を別の欲望でカバーしたり、うまくいけば形成すること。

例えば僕の友人には、数学が苦手でモチベーションが上がらないので、好きな音楽を聴きながら数学をしていたというやつがいます。これは立派なコントロールの方法ですよね。数学やりたくない、別のことをしてたいという欲望を、好きな音楽を聴きたいという欲望でねじ伏せているわけです。音楽を聴くために数学をしていたんですね。やるべきことと欲望をうまく重ね合わせて、打ち勝っているいい例だと思います。もちろん数学そのものに向き合う姿勢としてほめられたものかどうかは分かりませんが、今回考えてほしいのがそこではないことはお分かり頂けますよね。

数学をやる、他のことには見向きもしないようにする!と決意することと比べていかがでしょう。あるいは物理的な隔離策を取ることと比べて、自分で他の物事にも応用できる余地の広さといったらどうでしょう。もちろん音楽を聴きながらではできないことも多々あるので、そこは彼自身別のカバーの仕方を見つけなければいけないでしょうが、ともかく一度はその構図で自分の欲望を操縦したわけです。意志の弱さという言葉でごまかすより、よっぽどよくないですか?

じゃあその欲望ってどう見つけるんだよという問いには、残念ながらケースバイケースとしか答えられません。その発見も一科目なのかもしれないです。自分はどういう欲望性向をもっている人間なのか分析して、やらなければならないことにうまく自分の気持ちが向くように仕向ける技術の獲得。もちろん、結局は欲望なので失敗することもあります。でもそもそもが一秒もサボりをしないなんて考えられないわけだし、そんな情熱があれば理屈をこねまわす必要もありません。肝心なのはやるべきことをやる時間を、自分のポテンシャルにとって最大化することです。

聞いてみればごく当たり前のことです。それもそのはず、皆さんも無意識のうちに日常でやっていることだと思います。それを、意識化できるかどうかなのです。そこが受験だけにとどまらないものを得られるか否か、ひいては「東大で終わり」の人にならないかどうかの重要な一要素になるのではないかと思います。

以上、サボりについての私見を述べてみました。最後に、もし意志するのをやめようとして「意志しない!」と意志するなら本末転倒です。自分に合った欲望との偶然の出会いを逃さないように、アンテナを張っておくための参考になればと願っています。
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