こんにちは。文科三類二年の小山です。

今日も東大本番レベル模試の会場準備をしてきました。いよいよ今週末です。準備の方はいかがでしょうか。

さて、皆さんブログはどのくらい見ているでしょうか。自分は一日一回くらい、なんとなく特進ブログをのぞいたりするんですが、熊谷くんの「Stay Homeの極意」、いいですね。これを見た次の日に朝着替えて散歩に行ってコーヒーを飲んだんですが、上がりましたね。QOL。みなさんも色々取り入れてみると面白いかもしれませんよ。

もう一つ、最近「書を捨てず、家にいよう」シリーズが続いています。「書を捨てよ、町へ出よう」のもじりですね。実に上手いなあと思います。こういう引き出しの広さを持っている人は素直に尊敬しています。というわけで(?)、勝手に続編を書いていきます。文系受験生は、ちょっと読んでみると受験に役立つかな、という本を選びました。

・桜井英治『贈与の歴史学』
著者の桜井英治先生は、東京大学教養学部の教授で、日本中世経済史の第一人者です。前期教養で授業を受けることもできます。山川「詳説日本史」の著者の一人であり、名前をなんとなく見た人もいるのではないでしょうか。
日本は贈与儀礼が多い国です。例えばお中元、お歳暮、出産祝い、入学祝いなどはもちろん、年賀状も一種の贈与といえるでしょう。一方で、有名人Aが募金をしたら「なんで有名人Bは募金をしていないんだ!」となってしまう国でもあります。また、上下関係によってどちらが先に贈るか決まる、逆に言えば「どちらが先に贈るかによって上下関係が決まってしまう」という側面もあります。
これは中世日本でも同じでした。中世日本は「市場経済」と「贈与経済」があったと言われるほど贈与が盛んであり、贈与をめぐって貴族が駆け引きをしたり、困窮期の室町将軍は寺院からの贈与を収入源にすらしていました。中には、教科書の堅い記述からは想像できないような、有名人の「人間らしい」エピソードもあります。
この本は、現代社会と中世社会の共通点を示しつつ、中世人の生き方を活き活きと描いた一冊です。当然この裏には膨大な先行研究があるのですが、非常に読みやすく書かれており全く気負う必要はありません。日本史の勉強の途中、将軍や貴族の意外な面に触れてみるのはいかがでしょうか。

・入不二基義『哲学の誤読ー入試現代文で哲学する!』
入不二基義先生は、青山学院大学の教授で、哲学が専門です。
この本に聞き覚えのある人もいるかもしれませんが、林先生が2002年の第四問を解説するときに紹介されていた本です。
「入試現代文で哲学する!」という題名が示している通り、大学入試に出題された哲学系の文章を哲学者である著者が解説し、予備校の解答にダメ出しをしています。この本の面白いところは、著者である入不二先生の文章が扱われた問題があり、それを自分で解説しているところです。自分は最初参考書の一つとして購入したのですが、読んでいくうちに哲学の世界にハマっていってしまいました。
哲学に興味がある、または2002年の第四問をさらに深く追求したい方はぜひ。

人文科学分野に偏ったチョイスになってしまいましたが、いかがだったでしょうか。受験参考書を読むだけが受験勉強ではありません。特に東大はその側面が強いと思います。もしやることに迷ってしまったら、また受験対策に疲れてしまったら、大学受験の先に関わる本を読むのも面白いかもしれません。

※7/13追記:「著者である入不二先生の文章が扱われた問題」は、『哲学の誤読』には収録されておりませんでした。こちらのサイト
から見ることができます。大変失礼しました。
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こんにちは。理科二類2年の石川です。またこいつです。

感染者が再び連日3桁になってしまい、なんだか暗雲が立ち込めてきたような感じではありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は再び自粛生活に逆戻り......なのですが、もはやこの暮らしぶりを快適にすら思えるようになってしまいました。ニートの素養に恵まれたのだと思います。

さて、今回は、個人的にとても感銘を受けた、スタッフ同期の石原くんの記事をパクり記事からインスピレーションを得て、最近読んだ本の中で面白いと思ったものを紹介します。読む本のジャンルが偏っているせいで、文学的面白さというよりはむしろ学問的面白さに偏っているきらいがありますが、なにとぞご了承ください。

・ダン・アリエリー『予想通りに不合理』
著者のダン・アリエリーは、「行動経済学」とよばれる分野の研究者です。
いわゆる古典派経済学とよばれる学問においては、人間は「究極的に合理的で、かつ失敗からすぐに学べる存在」である、と信じられており、その前提をもとに様々な議論が行われてきました。しかし、多くの実験の結果、どうやら人間は「脳の仕組みゆえに、規則的のある不合理な行動(「予想通りに不合理」な行動)を繰り返してしまう存在」であるらしい、ということが明らかになってきました。「人はどのように行動するのか」という考えを基礎として、人間の経済活動の説明を試みようとする学問が行動経済学であり、本書は、その行動経済学の入門ともいえる本です。
具体例が豊富に提示されながら話が進行し、実感を持ちながら読み進めることができるので、非常に読みやすいと思います。「合コンでもてるためには、どのような同性を同席させるのがよいか?」「レポートを先延ばししないためにはどうすればいいか?」など、知っておくと役に立つかもしれない情報もたくさん。

・沖大幹『水危機 ほんとうの話』
著者の沖先生は東大生産技術研究所の教授であり、私がこの本に手を伸ばしたのは、実は先生の講義を聞いたからです。
この本は「水文学」の入門として書かれた本です。天文学が天についての森羅万象を研究対象としているのと同様、「水文学」は水についての森羅万象を研究対象とする学問です。
水は人間の最も身近にある物質で、子供のころから慣れ親しんできたものであるため、水についてならなんでも知っている、というふうに思い込みがちですが、この本を読んでみると、意外と知らないことも多い、ということに気付かされます。「流域とは何か?」「四大文明が生まれた場所は川のほとりだったのはよく知られているが、実はそれはすべて乾燥地だった。なぜ乾燥地である必要があったのか?」「水不足になると、飲み水に苦労するより先におなかが減る。なぜか?」「都市化が進むと洪水時のピーク流量が増える。なぜか?」などについて、あなたはすぐに答えられるでしょうか?
その他にも、先生の研究者としての生きざまがうかがえる描写があったり、皮肉交じりの冗談が炸裂したり、など、いろいろな意味で「面白い」と感じさせてくれる本です。


いかがでしたでしょうか?上で紹介したものに限らず、世の中には本当に多種多様な研究分野があり、それぞれの分野のスペシャリストである先生方が非常に面白い本を書いています。ぜひ、それらを手に取って、それぞれの「知」に触れてみてくださいね。

今回は私にしては珍しく短編記事でした(この分量で「短編」と言えてしまうからお笑いなのですが......)。またお会いしましょう。
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7月11日(土)・7月12日(日)は、東大本番レベル模試準備・実施のため、御茶ノ水校および渋谷校でのホームクラス自習利用はできません。
よろしくお願い申し上げます。

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以下のライブ授業は定員のため締切ました。

第Ⅲ期講座
◆高2東大現代文 新宿...8月11日・12日 11:00~13:20
※7月6日郵送到着分をもちまして受付終了いたしました。

◆高3東大現代文 大阪...7月31日・8月1日・2日
※7月6日郵送到着分をもちまして受付終了いたしました。

◆高3東大現代文 新宿...8月10日・11日・12日
◆高3東大現代文 御茶ノ水...7月28日・29日・30日

よろしくお願い申し上げます。
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2020年7月 5日 13:03

Stay Homeの極意

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こんにちは、二年生スタッフの熊谷です。

昨日の石原くんのブログはもう読んでいただけましたでしょうか。

天気も悪いし、感染者数も増えてきてるし、気分の上がらない週末となってしまいましたが、今日は本を読んだり、見たかった映画を観たりして息抜きするのもいいなーって思いました!

とはいっても、東大特進生の多くは来週末に東大本番レベル模試を控え、勉強に追われているという人のほうが多いのではないでしょうか

そんな皆さんのために、Stay Homeの極意をこっそり教えたいと思います。

まず一つ目は着替えることです

オンライン授業とかだと、顔しか見えないのでどうしても着替えるということを怠りがちだと思います

けどそれだとやはりエンジンはかかりにくいです

イメージとしては歯を磨くのと一緒って感じですかね

それをやらないとうずうずしちゃう~って感じ

面倒くさいけれど、普段やっていたルーティーン的な行動はできるだけ変えないようにしましょう



次に朝散歩に行くということです

これをやるだけでその日の効率が倍増します

何で朝散歩しなきゃいけないんだって思う人も多いでしょう

別に昼でもいいんじゃないか、と

違うんですよ、朝に散歩するのは目を覚ますためなんですよ

そして道中の自販機とかで缶コーヒーなんか飲めば、もう一日全力で駆け抜けられます

しかも朝っていうのは出歩いている人が少ないので、感染リスクも抑えられますしね

別に10分くらいでもいいです、だまされたと思ってやってみてください

変わります


最後に日記を書くということです

はあ?って感じだと思います。

でもこれまた結構重要なんですよ

普段学校があった時はその日にある授業とかで曜日感覚とかってキープできていたと思います。

でもオンラインになってからはそういう曜日ごとの動きってものがなくなって、だらだら過ごしがちです

そういった意味で日記を書くことは今日が何曜日で何をやったのか、明日は何をやるべきかを決めるのにとても役立ちます

まあ手帳でもいいんですけど、毎日書くことが何よりも大事です


まあこれ以外にも極意はあるんですけど、今日はこの三つだけ限定公開します、、

僕以外の東大特進スタッフもそれぞれ在宅のコツを知っているので、ぜひ電話の時とか、授業の時とかに聞いてみてください

それではまずは夏模試に向けてがんばっていきましょー^^






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2020年7月 4日 13:31

書を捨てず、家にいよう

半年ぶりくらいのブログ投稿になります、文Ⅰ2年の石原です。

 

そろそろ夏休みがやって来る時期ですが、今年はなんだかあまりわくわくしませんね。一学期の間ずっとオンライン授業で家に籠っていた身としては、まあ授業が無い分多めに寝れるなあくらいしか思いません。学校の方針によりけりではあると思いますけど、多くの人は夏休みが短縮されてしまったり、休みだった分のテストが集中的にやってきたりと、僕と同じくあまりはしゃぐ気分になれないのではないかと思います。今後感染者が急増していったら、またほとんど遊びに行けない毎日かと思うとなおさらですよね。

 

「書を捨てよ、町へ出よう」なんて言った作家もいるわけですが、以前に比べて町へ出ることが憚られる現状、逆にこの機会を利用して、読書に没頭してみるなどというのはいかがでしょうか。読書習慣があまりないと言う人は多いと思います。身の回りの東大生を見ていても、色々本を読んでますという人は思っていたより少ないです(僕自身も胸を張れるほど読んでいる訳ではないですが...)。名前を聞いたことがある作家の本だけど読んだことないものとか、なんなら本屋をぶらついていてたまたま目に入ったもの、タイトルが面白そうなものなんかでも全然いいです。家にいる時間が長いことを利用して、本を読む楽しさに目覚めてしまいましょう!!!

 

三冊ほどですが、僕のおすすめの本を紹介したいと思います。もし書店などで見かけたら、一度手に取ってもらえるととても嬉しいです。東大出身の作家三人です。

 

①三島由紀夫『潮騒』...三島由紀夫らしい、均整の取れた美しい描写が読んでいてとても感動的です。高校生にとっては内容が抽象的・難解なことが多い三島文学ですが、この作品は割とスムーズに読み進められるのではと思います。

②大江健三郎『万延元年のフットボール』...三島の作品から一転、結構どろどろねちねちした感じの文体だなあという印象です。ちょっと難易度は上がりますが、(カズオ・イシグロを含めると)日本で三人しかいないノーベル文学賞受賞作家のうちの一人ですから、やはり一冊は読んでおきたいですよね。

③安部公房『砂の女』...ストーリー自体が結構面白いので、読んでるうちにぐいぐい引き込まれると思います。東大医学部出身ということもあり、理系の学問に明るかったのでしょう、ほうぼうに数学とか理科的な描写が登場します。といってもそんなに難しくないです。最近読んだ中でイチオシの一冊です。

 

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2020年7月 3日 19:41

スタイルってなんだ

こんにちは!
スタッフ6年目になりました、工学系研究科修士2年の小野です。久しぶりにブログを書きたいと思います。

なかなか梅雨が明けませんね。毎年この季節は気分もどんよりするのですが、例年以上に窮屈な思いをするのはやはりコロナのせいでしょう。とはいえそれにかこつけて何でもかんでもいい加減になるのは良くないので、無理しない程度に締まった生活を目指していきます。皆さんはもうすでに毎日頑張っているでしょうから、試行錯誤しながら自分だけの東大入試攻略法を見つけてもらえればと思います。

この「自分だけの攻略法」を編み出すために必要なことが僕は二つあると思っていて、その2つとは

① たくさん情報を集めて取捨選択する
② ①の情報をもとに計画を立てる

です。

話は飛びますが、大昔にテレビでイチローと椎名林檎が一問一答を繰り返す5分番組があったのですが(今となっては贅沢すぎるキャスティング)、そこで「スタイルとは?」という天の声からの問いに

イチロー:最初は誰かのマネ
椎名林檎:後付け

と答えたんです。これとても深くないですか?あんなにスポーツ界・音楽界でオリジナリティを発揮している人たちが、「スタイル」というものに対して本質的に同じような考えを持っていることが興味深いなと思いました。

これはあらゆることにおいて言える気がします。一部の天才を除いて、普通の人が努力して何かを得ようとするとき、必ず最初は誰かのマネをして、自分に合う合わないを感じ取って、また何かを取り入れて・・・を繰り返していくと思います。その繰り返しを経て何かを得ることに成功した時、あとから振り返った時に自分の「スタイル」というものを客観視するのです。

まああくまでこれは一つの考え方なので、「いや自分は自分だけのスタイルを創るんだ!誰の真似もしねえ!」て思う方ももちろん正解です。人それぞれですからね。

皆さんが東大入試を突破しようとするとき、必ず「各科目何点を目指し、最低点を上回るにはこのバランスで点数を取って・・・」といった攻略法を考えると思います。その攻略法を最適解とするには、より多くの先輩の体験記を参考にし、色んな教材を調べ、取り入れるのが手っ取り早いでしょう。そしてそこから得た情報を取捨選択し、やるべきことの優先順位とその期限を設けるのが合理的でしょう。全てが計画通りに行くことは稀でしょうから、その都度修正していけば大丈夫です。皆さんが合格して体験記を書くことになった時、自分のスタイルを客観視し、それがまた次の後輩たちに参考にされる日が来ることを願っています。

大変な時期ですが、乗り越えましょう!
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2020年6月30日 17:54

東大生と「モグリ」

お久しぶりです......と言おうとしたら、実は先々週も記事を書いておりました。二週間ぶりでございます。まあどっちにしろお久しぶりか。理科二類2年の石川です。


学校の授業も段階的に再開しているほか、都立高校も全面再開したようですね。かつての日常をすぐに取り戻すことはなかなか難しくても、一歩一歩進んでいけば、いつかは元通りの暮らしができるようになる、と信じてやっていくしかないのでしょう。不安に思うのはあなただけではありません。誰だって同じです。

方、大学はどうなんだ、と申しますと、少なくともSセメスター(4月~7)の間は、全ての授業がZoomを用いたオンライン形式で行われ、成績評価についても一部を除いてオンライン試験、または期末レポートによる評価で行うことがすでに決定しています。なんで高校より再開遅いの、と言う声も聞こえてきそうですし、特に今年入学した1年生はまだ1回しか駒場に行けておらず、友達にも会えていない、ということで非常にかわいそうな状況なのですが、大学が決めたことですのでどうしようもありません(もちろん、大学側としても苦渋の決断だったであろうことは想像に難くありません)。いつかはかつての日常が帰ってくる、と信じて日々を過ごすしかない、というのは、結局大学生にとっても同じことなのです。


て、暗い話はこのへんにして、ここからは明るい話をすることにいたしましょう。先週書いた、2Sセメスターについての記事はお読みいただけましたでしょうか?「東大に入ったら遊びつくすぜ!!」というモチベーションの方にはうってつけの内容かもしれません。小山くんがここからさらに話を広げ、特に文科生について詳細に記事を書いてくれたので、そちらも未読の方はぜひ。

いよいよ本題です(遅筆なクセに前置きが長くなる悪癖は一生治りそうにありません。もうあきらめました)

今回のテーマは、履修登録をしていない講義に出席して授業を受ける、いわゆる「モグリ」とよばれる受講方法についてです。「なんでわざわざそんなめんどくさいことするの、おとなしく履修登録すればいいのに」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ところがどっこい、話はそれほど簡単ではないのです。

東大の教養学部前期課程では、文一~理三の学生向けに、とんでもなく多種多様な授業が開講されています。それゆえ、興味が少しでもあるものを片っ端から受講登録していると、早かれ遅かれ自分のキャパシティーを超え、にっちもさっちもいかなくなってしまいます(もっとも、実際には、そのようなことに陥ることがないよう、週の履修上限が設けられているのですが)。それだけではありません。このブログでも前々から幾度となく取り上げてきましたように、推薦入学以外の東大生は、2年の夏に進学選択(進振り)を受けることになります。この進振りと言うシステムの存在が、モグリについての話をさらに複雑にしています。

 ずいぶんともったいぶった話し方をしてしまいました。では、一部の東大生はなぜ、履修登録をあえて行わず、わざわざ授業にモグるという、一見非効率的な方法をとるのでしょうか?

代表的な理由は、以下のようなものです。

 

・進振りの戦略上、履修登録しない方が有利

上でも述べましたように、前期課程の学生向けの授業は、数がとても多いです。あまりに多いがゆえに、中には、高成績が期待できるにもかかわらずあまり興味をそそられない授業や、逆に、非常に面白いにもかかわらず、テストが難しかったり、課題が重かったりして、得点が期待できない授業も存在します。前者は点数が欲しい人だけ黙って取ればよいので特に問題はないのですが、後者を履修するかどうかは大変な悩みどころです。下手をすれば、面白い授業を楽しく受けたし勉強も頑張ったのに、この科目のせいで進振り点が下がって、行きたい学部に行けなくなった、なんてことにもなりかねないわけですからね。

 「授業は興味があるから受けたいけれど、点数は取れなさそうだから試験は受けたくない......」そのような悩める人にとっての最適解が、他ならぬ「モグリ」なのです。

 ただし、モグリに頼りすぎると必要な単位が足りなくなり、別の方向で苦しみがちなので、履修計画はちゃんと立てておきましょう。時には、「この授業は点数のために取ろう」というような割り切りも必要になってくるかもしれません。

 

・履修の都合上、登録できない授業を受講できる

前期課程の学生向けの授業が非常に多い、というのは再三申し上げている通りですが、そうはいっても、全ての授業が、全ての学生向けに開講されているわけではありません。例を挙げれば、総合科目(必修ではなく、ある程度自由に選択できる授業)の「ベクトル解析」や「有機反応化学」は2年生向けの授業なので、制度上、1年生は履修することができません。また、「法」「ことばと文学」などの文科生向けの授業を理科生が受講することも、現行の制度では認められていません。

 このような授業に興味がある方が、履修登録をせずに(≒できずに)モグリに行くケースもたまに見受けられます。実際、これらの授業のうちほとんどは通常の講義形式であり、なおかつ多くが大教室で行われるため、数人増えたところで迷惑がかかることはほとんどないのでしょう。

 

もう1つ、東大の前期課程には、「同一曜限に複数の授業を登録できない」という規定があります。例えば、自分のクラスの時間割で、月曜1限に必修授業が入っていたとすれば、月曜1限に開講されている、その他の講義を履修登録することは許されていません。2019年度の時間割でいうと、火曜2限や金曜2限などは、特に人気の総合科目がひしめく激戦区だったため、そこに必修がかぶって、狙いの授業を履修登録できず、悔しい思いをした人もいたんだとか。

 そんな中で、必修の授業に出席せず、わざわざ自分の聞きたい授業にモグリにいく猛者もいらっしゃるようです。出席が取られる授業や、少人数でのディスカッションのような授業を欠席するのはさすがに許されないでしょうが、中には、「授業内容をすでに理解しているなら、別に授業の出席は義務ではない、試験だけ受けに来ればよい」というようなスタンスの先生もいらっしゃいます(特に数学や物理系の授業はこの傾向があります。もちろん全員ではありませんが)。そのような場合に、熱意のある学生が興味のある授業にモグリに行く、ということも、無いわけではありません。実際、数学徒であることが知られている、スタッフ同期かつ同じクラスの某T永氏は、2019年のAセメスターに、「まあわかるから大丈夫っしょ」などと供述して微分積分学の授業を全欠席し、その裏で行われている理学部物理学科内定生向けの統計力学の授業に潜っておられました。それでいて微積のテストも満点に近い点数を取っているわけですから、世の中すごい人はいっぱいいるってもんです。

 ただ、必修を切って他の授業にモグリに行くことをお勧めできるか、と言われれば、答えは間違いなくNOでしょう。自分の興味を優先するあまりに必修を落として留年、なんてことになったら元も子もないですし、必修授業の単位を落とした理由が「他の授業にモグってました」だったら、救済を受けられる望みはほとんどないでしょう。よほどの自信が無い限りは、おとなしく必修に出席しておいた方が良いですよ、と一応アドバイスしておきます......というか、「必修授業」というのは本来そういうものであるはずです。

 

さて、なぜ東大生の一部はモグリを行うのか、および、前期課程においてモグリを行うメリットは何なのか、について、お分かりいただけましたでしょうか?

 東大生はちゃんと東大に授業料を納めていますし、大学側からも「モグリはいけません」とのお達しは今のところは下っていません。別に不正な行為をしているわけではないので安心してください。

 ただし、「モグリでもOK、よくぞ私の話を聞きに来てくれた」というスタンスの方もいれば、教員によっては、「受けるならちゃんと履修登録してほしい」という考えの方もいらっしゃいます(それが良い悪い、という話ではなく、授業の方式や参加人数にもよるので、どちらの考えも理にかなっている、ということを言いたいだけです)ので、そこは必ず気をつけるようにしてください。

 あと、モグリは禁止こそされていませんが、別に褒められた行為ではなく、特に推奨されているわけでもありませんので、モグった授業はきちんと真面目に受けましょう。態度があまりに悪いと、今後のモグリが禁止されたり、出欠確認が徹底されたりして、モグリ業界(?)への風当たりが強くなりかねません。プロのモグリストたるもの、慎みをもってモグるようにしましょう。

 

また、最後に、読者の方がこの記事に従ってモグリを行ったことによって発生した(もしくは発生しうる)、いかなる被害、不利益その他につきまして、こちらでは一切の責任を負いかねる、ということをいちおう申し添えておきます。

 

では、また。

 

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こんにちは。文科三類二年の小山です。「またお前かよ」なんて言わないでくださいね。

ブログを定期的に見ている方はご存知でしょうが、今日からホームクラス(自習室)の利用が再開しました。①マスクの着用、②校舎での検温、アルコール消毒の2点を守って頂く必要はありますが、やっと校舎の方にも日常が戻りつつある、といったところでしょうか。

校舎の方ではその他にも、①ファンの使用、窓やドアの開放による換気、②スタッフの検温、消毒の徹底、③席数制限など対策を講じていますので、安心してご利用ください。自宅での学習が長すぎてもう飽きてしまった・・という方は、気分転換にもなります。

さて今日のブログですが、7月12日に控えた東大本番レベル模試について書いていこうと思います。会場登録期間も終わり、否が応でも意識してしまう時期に来たわけですが、学習の調子はどうでしょうか。また、模試をどのように位置づけているでしょうか。

ほとんどの人にとっては、第一回東大本番レベル模試は(東大同日を除いて)最初の東大模試だと思いますが、良くある疑問としては「こんな時期に東大模試を受けて意味があるのか?」ということです。確かに、「本番レベル」という名前だけあって全範囲から出題されますから、教科書(特に地歴・理科)に未習範囲を残す大多数の受験生は、今受けることに意味を見いだせないかもしれません。

しかし、自分は「はい、意味はあります」と答えます。一つ大きな理由を挙げれば、「模試は模試」だからです。これが「新しい年度の過去問を使ったテストゼミ」などであれば言葉に詰まるところですが(一年前の東大同日ならともかく)、模試は過去問ではないですし、受けなければ問題は手に入らないわけですから、受けただけ得です。他の理由としては以下が挙げられるでしょう。

①「アウトプットは全てを完璧にインプットしてから」という考えが非効率的であるということは広く言われていますし、経験的に分かっていると思います。東大模試もそれと同じで、早い時期から東大形式の問題に触れておくことで、過去問を解くレベルに到達した時にいくらかは楽ができるといえます。

②「東大模試」というのは東大受験生にとっては特別なものですから、刺激になります。8月に控える冠模試に向けて、気を引き締めるいい機会になるでしょう。

③英数国といった既習範囲がほとんどといっていい科目については、戦略検討の機会にしましょう。解答順序を工夫して得点を最大化したり、問題を見て取捨選択をすることができるのは場数を踏んだ受験生のみです。秋模試は本番のつもりで臨みたいですから、実験をする機会は夏しかありません。

以上、「第一回東大本番レベル模試の意味」についてざっと書いていきました。目的や意味が見いだせないと何かをやろうにもやる気が出ない、という自分のような受験生もいると思います。第一回東大本番レベル模試に前向きな気持ちで臨める受験生が一人でも増えたら、このブログの目的は達成されたと言えるでしょう。
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東大特進コースのホームクラス利用再開についてお知らせします。
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1.利用時間は平日13:00~20:45、土日祝10:00~17:45です。
2.マスク着用のうえ来校ください。マスク未着用の場合は利用できません。
3.入室時にアルコール除菌、非接触型体温計による検温をおこないます。37.0以上ある場合は利用できません。
4.開館・閉館に関するお知らせは、東大特進コースブログで行います。

終日換気を徹底し、皆様のご利用をお待ちしております!
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