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2014年6月 1日 12:50

合格体験記を読み破る

みなさん、こんにちは。東大生スタッフの平山です。ブログには久々の登場になります。

はじめましての方が多いので、まずは軽く自己紹介を。私は文科一類の二年生で、法学部への進学を予定しています。他の二年生と同じくこの時期は授業が少ないので、真面目に出席しているとはいえ暇です。そこでゼミとかサークルに精を出す毎日を過ごしています。どちらの活動も読書量がものを言いますので、現在本が恋人状態です(実際にはそれほど読んでないですがね......)。

さて今回のブログですが、まだ六月という事で東大での楽しい学生生活について滔々と語ろうかとも思ったのですが、残念ながらそれに適した人間ではあまりないので(多分、"先週は......という本を読みました!とかいう話題で埋め尽くされると思います)、合格体験記について少々書きたいと思います。

みなさん、合格体験記はもう読みましたか? まさか机の片隅で眠ってたりはしませんよね? 合格体験記は受験生にとって最良の参考書です(少し言い過ぎたかな)。是非是非自分の志望科類に合格した先輩方の記事だけでも読んでみて下さい。

"歴史は現在と過去との対話である。現在に生きる私たちは、過去を主体的にとらえることなしに未来への展望をたてることはできない。"
これはE・H・カーの言葉です。まさにそのとおり、君たちには同じ道を歩んできた先輩方が沢山いるわけですから、彼らの成功失敗を見習って自分の受験勉強に生かすことは誠に大事であります。

そうはいってもただ漫然と読んでいるだけでは意味がありません。しっかりと目的意識を持って読みましょう。私自身は次のようなことを意識して読んでいました。
まずは自分と同じタイプの人間を探すことです。これは模試の点数が似ている人ですね。まだ第一回東大本番レベル模試も終わっていないので難しいですが、現段階でも自分の立ち位置ぐらいは把握できていることでしょう。科目ごとの得手不得手も大事な要素です。自分と同類型の人間がどのように合格までたどり着いたかを確認することは、これからのプランニングに役立つはずです。
次に、自分が対策を立てたい科目に着目することです。たとえば英語のリスニングをやりたいがどのような教材を使えばよいか分からないと言ったときに、"お薦めの参考書・問題集"の欄をざっと見ていくことは有益です。多くの人が使うものが良いとは限らないのは事実ですが、無難といえば無難ですから。あとは本文に書いてある勉強法から自分に似合いそうなものをピックアップしてみれば良いのではないでしょうか。

というわけで合格体験記は君たちにとって武器になりうるものなのです。ですが、もちろん合格体験記の記述を鵜呑みにしていいはずがありません。いいですか、先輩方の執筆時期を考えてみて下さい。合格が分かってすぐです。一番調子に乗っている時です。絶対鼻持ちならないことを書くに決まっています。去年には"東大入試は普通にやっていれば普通に受かる"という痛い言葉を残した先輩もいらっしゃいます。そういった部分は軽く読み飛ばすのが大事です。また、一般に合格した人間というのは自分がいかに努力をせず通ったかを主張しようとします。例えば、部活を頑張っていたので秋までは勉強一切できませんでした、とかそういう感じです。それは真実かもしれませんが、それを信じて秋から頑張ればいいんだと妙に納得してしまっては絶対にダメです。そういった人だって二ページの中には書かれていないかもしれませんが、大変な努力をしてきたわけですから。つまり、少々穿った見方をする必要もあるという事です。

とはいえ、以上のことに気を付けておけば合格体験記が非常に有益なものであることに間違いありません。しかし、ここであえてアーネスト・メイの言葉を引用しておきたいと思います。
"過去を繰り返すことをもって非難されるのは過去を記憶できる人である場合が、あまりにも多い"
どういう事かわかりますか? つまり歴史を生半可に知ってしまっている人の方がそれを誤用して失敗してしまうことが多いという事です。合格体験記を通じて知った先輩方の姿を上手く利用できるかは、それを読む君たちの姿勢にかかっています。私が挙げたようなことに気をつけながら合格体験記を読み破って、自分の受験に役立てて下さい。
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