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2017年8月10日 11:18

死生学・応用倫理

暑いですね、毎日東京は最高気温が30度越えとか...こうも暑いとげんなりですね。
東大文学部4年の宮田です。1ヶ月程ぶりの登場です。
目下私は来月に迫った留学に備え荷物をパッキングし、必要なものを買い足す日々です...
インスタントお味噌汁をたくさん買いました!

さて、留学のことは前回書いてしまったので、何か他に大学に関することを書きますね。
専攻している社会学については、「社会学って何なのかよくわからない」と思ったことも留学を決めた一因なので、帰国してからスッキリと話せるようになっていればいいなあと思います(笑)
ということで、今回は専攻では無いながらも、割といくつかの授業を履修して、私の学部後期課程のいわばサブテーマでもあった死生学・応用倫理について書きたいなと思います。

東大の学部後期課程では、前期教養と違って所属する学部での授業を取り、単位を取得して卒業していくのがスタンダードですが、一つの学部の中におさまらない部局横断型のプログラムも開講しています。その一つが「死生学・応用倫理プログラム」です。いくつかの必要な単位を揃えれば修了証をもらうこともできますし、そうでなくても一部の興味のある講座のみ取ることもできます(私は後者です)。
主に文学部の宗教学の先生方が授業を受け持つことが多いですが、それ以外の学部・学科からの先生も授業を開いており、まさに学際的なプログラムです。

で、「死生学」とはなんぞや、とおそらくここまで読まれた方は思われると思います。
thanatologyの訳語である死生学は、いうなれば自分自身を含めた人間の死とそこへ向かう生を学問する分野ですが、対象分野は主に2つに分かれます。一つは、民族・社会における死生観(やその変遷)を研究するもの。もう一つは、臨床現場(医療・教育などの実際にヒトを相手にする場所)における実践にまつわるもの。特に後者に関しては、近年脳死や臓器移植の問題、また終末期にある患者さんへの緩和治療の問題など、検討の必要性が時代と共に強くなっている分野でしょう。
同じプログラムの中の授業でも、ある授業ではフランクルの『夜と霧』(自身の強制収容所体験について著したものです)などを講読したり、またある授業では末期がんの患者さんに対するケアの問題を考えたり、など、行うことは非常に様々で興味深いものでした。
「死生学」というと「暗そう!」と言われたりしますが(笑)、死や死についての考え方を学ぶことは、生きている人々の在り方を考えることでもあるので、内容はそんなに暗いものでもありませんでした。例えばお墓や葬送の形式は、まさに故人が生前属していた社会でどのようなポジションを占めていたかを現しますし...

とりあえず、東大の学部後期課程に入ってみて、「何か大学ならではのことをしてみたい」と少しでも思われるのであれば、このプログラムの講座を取るのは非常におすすめです。それこそ若者が散々頭を悩ませがちな生きることと死ぬことについて、過去の研究者たちが考えてきたアイディアの一端を窺い知ることができるので。部局横断型プログラムなので文学部でない学部の方でも受けられますよ!特に教育・医学などの臨床分野を考えている方は受けておくととてもタメになるかもしれないです。もし興味があれば勉強の空き時間に少しだけ検索してみてくださいね。




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