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2018年1月31日 13:07

理科Ⅱ類からの医学部進学

こんにちは!東京大学理科Ⅱ類1年の後藤優和と申します。受験生は正念場ですね。突然ですが今日は理科Ⅱ類からの医学部進学(通称「医進」)について話したいと思います。

ほんらい東京大学医学部医学科に進学するのは理科Ⅲ類だけと一般的に言われていますが、実は理科Ⅲ類以外からも医学部医学科に進学することは可能です。ただし枠はとても狭いですが...。

現在、理科Ⅲ類からの進学者は97人、理科Ⅱ類からの進学者は10人、全科類枠からの進学者は3人となっており、その選抜基準は大学1、2年次(2年次は前期のみ)の成績に基づいています。

東京大学の1、2年次は教養過程となっているので、英語、数学、第二外国語、情報、体育、基礎実験(物理・化学・生命科学)、物質科学、生命科学、初年次ゼミナール(理系であれば合格か不合格しか付かない)、総合科目(自由に選択できる科目で、点数が付く)、主題科目(自由に選択できる科目で、合格か不合格しか付かない)の全てを履修する必要があり、それぞれに振り分けられている単位数も異なります。初年次ゼミナールと主題科目以外は100点満点で点数が付くので、しっかりと取り組む必要があります。

次に、各科類に属する学生の人数ですが、理科Ⅲ類は100人、理科Ⅱ類は530人となっており、理科Ⅲ類はよほど悪い点数を取らない限り医学部医学科に進学できますが、理科Ⅱ類の場合は狭き門です。もちろん、理科Ⅱ類の学生皆が医学部医学科を目指すわけではないので、ライバルはこのうちの一部に過ぎませんが、例年医進に必要な底点は89~90点。とてもではないですが、生半可な気持ちでは突破できない点数です。

そして、東大の点数に関する悪しき(?)制度として、「優3割規定」というものがあります。それは、「1つの科目について、優の評価(80点以上)を与えて良いのは全体の3割程度とする」という決まりです。つまり、分かりやすい例を挙げますと、テストが簡単すぎて、クラスの3割以上が満点を取ってしまったとき。もし自分がたった1つ、ケアレスミスで1問落としたというだけで79点にされてしまうわけです。もちろんこれは極論で、めったにそういうことはありませんが、自分ができたと思っても周りがもっとできていれば期待していたほど点数が返ってこないということがあり得るわけです。

受験生の皆さんがこれから受験する試験の点数は、あくまで絶対評価で付けられます(多少は相対評価も入りますが)。しかし、大学に入ってからつけられる点数は全て相対評価です。周りの出来と比べて自分がどこに位置するのかというのが大事になってきます。ですがもちろん周りにいるのもあの受験を突破してきた強者たちです。伊達に東大生を名乗っているわけではありません。その中で90点を取るというのがどれほど難しいことか想像していただけたでしょうか。

さらにダメ押しの一手。僕は受験の際に生物・化学を選択していましたが、それに関係なく物理(熱力学、力学、電磁気、原子物理、量子力学)を学ぶ必要があります。力学と電磁気は生物選択者用のクラスが設置されていますが、他は物理選択者と同じ授業を受け、同じテストを受け、得点化されてしまいます。当然不利ですよね。しかし、物理選択者も生命科学で同じことが起こるので、大変です。

このように、理科Ⅱ類から医進することはとても難しいことです。学生生活のかなりの部分を勉強に捧げなければならなくなってしまいます。ですが、そうして得られた結果は必ずのちの人生で役に立ちますし、もし医進出来なくても他の学部でつぶしは効きます。そもそも学生の本分は勉強ですから(笑)、損はないですよ!

合格後の自分はまだまだスタート地点に立ったにすぎません。東大で何をしたいか、ということを考えながら受験勉強するのも、モチベーションアップにつながるかもしれません。あと少し、頑張っていきましょう!!

ではまた!
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