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2021年6月アーカイブ

高2地歴理科ライブ(渋谷校)時間割のお知らせです。 ※2021年6月23日時点

高2世界史のみ、開始時間の訂正があります。

7月26日(月)

誤:17:30開始 正:18:30開始

※同時間帯に御茶ノ水校で高2第Ⅲ期「数学の真髄」があるため、開始時間を送らせました。

ご理解ご了承の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

2021高2地歴理科授業日程.pdf

 

 

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東進 東大特進コース

[email protected]

御茶ノ水校 0120-104-215

渋谷校 0120-104-430

大阪校 0120-104-005

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高2地歴理科ライブ(渋谷校)時間割のお知らせです。 ※2021年6月22日時点

9月以降の時間割は、決定し次第順次お知らせいたします!

2021高2地歴理科授業日程.pdf

途中参加も受け付けていますので、

「今どこまでライブ授業が進んでいるか知りたい!」という方は、

お気軽に校舎までお問い合わせください。

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東進 東大特進コース

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御茶ノ水校 0120-104-215

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こんにちは、法学部三年の石原です!じめじめとした日が続きますが皆さん恙なくお過ごしでしょうか。

 

 

スタッフの科目別勉強法紹介シリーズということで、今日は僕の得意科目の日本史について書いてみたいと思います!さっそくいきましょう。

 

 

東大日本史対策をしていく上で大切な事。本当にたくさんあるのですが、特にこの時期から絶対頭に入れておいて頂きたいこととして、「知識の意味を考える」という作業の必要性があります。それ以外は全てテクニックに過ぎないといってもいいかもしれません。

 

 

○知識の持つ意味

 東大日本史対策をする上で必要な事、それは知識の単なるインプットではありません。荘園領主とか、石高制とか、単語をある種等価なものとしてひたすら覚え込む作業は、せいぜい一次試験で通用すれば良い方というものでしょう。東大が欲しいのは物知り博士ではありません。

 大切なことは、その知識が「どのような意味で」取り上げられているのかを考えることです。断言してしまえば、様々な具体的な知識は、それが登場する時代背景(制度、経済、社会などなど...)となんらかの関係をもっているからこそ紹介されています。

 簡単にではありますが、具体例を一つ挙げてみましょう。近世社会を勉強していると「かぶきもの」について学習します。「へー江戸幕府の治世下ではかぶいてるやつがいたんだー」で終わってしまってはいけません。なんでこの知識を、わざわざ大学教授が日本史の教科書に書いているのかを考えてみる必要があります。少し遡ってみてください。中世という時代を象徴する世界観として、「自力救済」の精神がありますね。江戸幕府は、それを一切禁じる(=武力、暴力を国家が独占する、ちょっと近代チックですね)ものとして成立しました。つまり、近世は私的な武力行使を公には禁止した世界なわけです。しかしかぶきものは、それを否定するものとして登場します。乱暴、狼藉を働くアウトサイダーとして、特に過渡期である近世初期に、あえて私的武力行使を全開にして権力にあらがう姿勢をみせたわけですね。近世という時代において、中世的な要素を色濃く残す存在がいたという事例。「時代が変わる」というのは、真赤が真っ白に変わるようにはいかないという意味をここから読み取るのが、教科書の行間を読んで勉強するということなんですね。

 ちょっとマイナーめなかぶきもの一つとってみてもこうですから、他のメジャーな知識はもっと重要な意味を持っているがゆえに紹介されている訳です。正直この辺りの機微が分かっていないなら、一問一答で全問正解できたとしても、東大日本史を受ける準備の3割もできていないと言っていいでしょう。少し冷や汗が出てきましたか?笑

 

 

良質なインプットは、点が取れるアウトプットの必要条件です。もちろんアウトプット特有のテクニックもありますが、8割はどのようにインプットを行うかにかかっていると言っていいでしょうね。一度、自分の方法論を見直してみてください。

 

 

文章を書かせるととにかく長くなる人間なので(6月東大模試の世界史の所感も僕が書きましたので、それをみていただければなるほど、という感じだと思います笑)、かなり簡潔にまとめてみましたがいかがでしょうか。

 

 

とにかくインプットを効率的に、かつ有意義なものとする事。そのためには時代背景から知識を見、逆に知識から時代背景を抽出し、の解釈学的な循環の中で豊饒な知識を蓄えることが必須です。豊饒さとは量的なものではなく、質的なものです。それは今回のお話で理解していただけたのではないかと思います。正直、二次対策で一次対策も全て包含しているとも言えますよね。

 

 

英数に比してそれほど時間を割いてもいられない地歴科目だからこそ、なるべく効率よく試験対策を進めて行くことが大切です。今回のお話を皆さんの受験生活の一助として頂ければと思います。

 

 

他にも様々なアドバイスがあるのですが、それはまたの機会に。校舎で話しかけていただければいつでも相談に乗りますよ。

それでは。

 

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※6月16日更新

▼第Ⅲ期 東大世界史 新宿会場増設▼

第Ⅲ期講座 東大世界史は御茶ノ水会場・渋谷会場が締め切りとなったため、以下の日程で新宿会場を増設致します。お申し込みは、通常通り申込書のご提出をお願い致します。ぜひご参加ください!

第Ⅲ期講座 東大世界史【実践編】 新宿会場(ナガセ西新宿ビル)
4日間(90分×10回)
・8月18日(水) 15:30~20:40
・8月19日(木) 15:30~20:40
・8月20日(金) 15:30~18:50
・8月21日(土) 15:30~18:50


▼ライブ授業締切▼

以下のライブ授業は定員のため締切りました。

第Ⅱ期講座 
■高2現代文(新宿):5/12受付終了
■高3東大特進英語テスト演習(御茶ノ水):5/25受付終了

第Ⅲ期講座
■高3東大現代文(御茶ノ水):5/12受付終了
■高3東大現代文(新宿):5/13受付終了
■高2東大現代文(新宿):5/25受付終了
■高3東大世界史(御茶ノ水):6/16受付終了
■高3東大世界史(渋谷):6/16受付終了

 
t-PODの設置がある授業につきましては、t-PODをご活用ください。
よろしくお願い申し上げます。
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みなさん、こんにちは。2年生スタッフの小西です。

ようやっと必修科目のテストが終わりました!
これで一安心という感じですが、対面授業がこの先おそらく存在しないことに虚無感を抱いております...

さて、今回は「科目別勉強法」シリーズ第3弾、物理についてお話させていただきます。(理系科目ばかり続いてしまい申し訳ありません。文系科目についても連載する予定なので文系の方々も楽しみにしていてください)

どの科目の勉強においてもまずきちんと内容を理解する、次に自力で問題を解けるようにするという二段階が存在すると思いますが、とりわけ物理においては内容の理解が重要になってきます。逆に内容を十分に理解していないと問題集に載っている典型問題は解けても、少し見慣れない条件が付いている問題には手も足も出なくなってしまいます。物理という科目は問題の本質が同じであっても本質を理解していない人には全く別の問題に見えてしまう恐ろしい科目なのです!! ですが本質を理解している人には瞬殺で解けてしまう科目でもあります。(苑田先生の授業を受けている方は分かると思いますが...)

では本質を理解するためにはどうすれば良いのでしょうか?
私が最初に伝えておきたいことは問題集に載っている問題を必ずしも全問解く必要はないということです。その代り一問一問丁寧に解いていくことが大切になっていきます。丁寧に解くとはどういうことかと言いますと、

  • 問題を解くにあたって自分が書いている数式の意味を言葉で説明できるか考える

  • 次元が合っているかどうか確認する

  • 文字で置いてある質量や斜面の角度などの極限を取ってみて妥当かどうかを確かめてみる

などです。

受験生の方はこれから過去問に取り組んでいかれると思いますが、最初のうちは制限時間を気にせずじっくりと考えながら解いてみてください。
そしてこれらのうちでまだあやふやな部分が少しでもあると感じたらもう一度基礎法則に戻って納得するまで考え直しましょう。私自身高3の冬でも教科書を読み返すことがありました。「そんな時間ないよ!」と思われるかもしれませんが、そうすることで着実に理解が深まり、その後の勉強効率が格段に上がるはずです。

なお物理の勉強では自分で手を動かして計算するということが大切です。解答を見るだけでわかった気になっているともったいないので注意してくださいね。


これからじめじめとした天気が続きそうですが、頑張っていきましょう!

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 2年生スタッフの酒井です。最近ようやく自動車教習所に通い始めたのですが、進路、速度操作が精一杯で周りの状況にあまり気を配れず、所内はともかく路上教習をまともにパスできる気がしません。とはいってもたいていの人が免許を無事取得できていることを考えると、結局慣れなのでしょうか。

 

 さて、今回は「科目別勉強法」第2弾として、化学の勉強法についてです。ご存知のように、大学受験の化学は大きく3つの分野、すなわち有機化学、無機化学、理論化学にわかれます。以降ではそれぞれの分野についての勉強法の一例を挙げます。

 

1.      有機化学

有機化学がからむ問題、特に有機化合物の構造決定、逆合成解析などを解くうえで最も重要となるのは定型的反応に関する知識と理解です。用いる試薬、反応に必要な条件、主生成物と副生成物、反応の結果(色、沈殿の有無など)、そして反応機構など、おさえておくべきことは無数にあります。しかし、その根底にある原理(と考えられていること)は案外シンプルなこともありますから、学習の際には調べてみると良いでしょう。

2.      無機化学・理論化学

無機化学と理論化学はたいてい融合問題の形で出題されます。典型的なテーマとしては滴定や結晶構造、平衡定数などが挙げられます。いずれも必要な知識量自体は有機化学に比べて少なく、どちらかというと正確な処理能力が求められる傾向にあり、計算問題と呼ばれるゆえんです。ただし必要な前提知識が少ない分、これが抜け落ちていると歯が立たないですから、教科書や参考書に記載されている重要な情報を全て確実におさえた上で、計算速度を磨くなど演習を積みましょう。

 

 東大理科は2科目150分と制限時間が短く、完答することは困難です。そのため、できるだけ演習を積んで処理速度をあげておくことが必要となるのですが、基礎知識がインプットされていることが大前提です。化学は他教科と比べて演習量に対する点数の伸びの応答が速い、言いかえれば直前に演習を積んでも良い科目ですから、あせらず教科書内容をかためましょう。



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皆さんお久しぶりです、東大特進スタッフ理科二類2年の兵藤です。

 

大学の必修科目の試験が終わってやっと一息つくことができました。

 

さて、今日はまた生物のお話をしたいと思います。前回は東大の生物の勉強法について書きましたが、今回は入試に向けた生物の勉強法のお話です。

 

大学入試の生物の勉強で最も大切なのは教科書のしっかりした理解です。教科書の内容をわかっていれば、未知の生命現象が扱われる入試問題にも対応することができます。逆にいうと、演習問題をたくさん解いていても教科書をわかっていなければ、1問解いて1つの生命現象を知るだけでなかなか点数を伸ばすのは難しいでしょう。

 

教科書の内容を理解するというのはどういうことでしょうか。それは、教科書で扱われる生命現象について、適応進化や生理機構の方面から説明できるようにするということだと思います。適応進化の観点とは、この形質ことでどうして生存や生殖が有利になったのかと考える視点のことで、生理機構の観点とは、どのようなしくみで形質が現れているのか考える視点のことです。

この2つの視点を常に意識しながら生物の教科書を読み進めて行けば、教科書に出てくる生命現象を理解し、入試で何が題材になっても対応できるだけの生物の力がつくと思います。

 

生物を勉強するうえで教科書を読むことが最も大切だということは強調したいですが、もちろん教科書を読むだけでは時間内に東大の問題を解き切ることは難しいでしょう。

そこで、時間配分と処理の高速化のための手段として演習問題や過去問を使って欲しいです。つまり、教科書を読んで基礎を完璧にしてから問題を解くという順番が良いということです。高3になってもまだ習っていない部分があると焦って過去問に手を出したくなるかもしれませんが、基礎がなっていない状態で過去問を解くのはもったいないので、教科書を固めるまで我慢しましょう。

 

最後に、東大生物の特色はなんといっても記述が多いということです。頭では分かっているのに解答の文章は支離滅裂だという受験生は多いです。自分では上手く書けたつもりになっているのに点数は来ないという残念な状況を避けるためにも添削を活用すると良いです。東大特進コースの「東大生物」では、講師の先生直々の添削を受けることができるので、受講している皆さんはしっかりこの機会を活かしましょう。

 

高得点が取りにくいと言われる生物ですが、力をつければ得点源として安定させることができます。焦らずじっくりと頑張ってください。

 

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東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。

今回は【地歴】です。

受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。


■世界史

・総評 やや易

 やや易というのは、あくまで本番レベルから見た時の評価です。まだ学習が追いついていない分野がある人がほとんどでしょう。知らないものは書けません。そこにクヨクヨしなくても、この時期はまだ全然大丈夫です。むしろ今インプットが完璧でも、やらなければ忘れます。肩の力を抜いていきましょう。

その上で、せっかく長い時間頑張って模試を解いたんですから、がっかりするだけでなくて何か収穫も得たいわけです。細かい問題解説は解答に譲るとして、この所感ではそれぞれの出題に付随して、今後どういうふうにインプットを進めていけば良いかのアドバイスをふんだんに盛り込みました。最後に要点も箇条書きでまとめておきましたので、よければ参考にしてください。

 

・第一問 やや易

第一問を解く時最も意識すべきこと。それは解答の枠組みです。絶対にこれは練習の時から意識してください。時間をかけてもいい、しっかり解答の骨組みを設定して、その中に知識を詰めていくと言う作業を怠らないことです。

今回の問題がとても良心的なのは、問題文の前半三分の二が答えの枠組み・流れを提供してくれていることです。模範解答を見ていただければお分かりの通り、その枠組みに依拠して政治史・文化史の知識を詰めていけば、ある程度似た解答が書けそうですよね。本番でもこういう問題って結構多いです。

 高得点を取れる完璧な解答を書くことは、第一問での主眼ではありません。軸の定まった、とりあえず書いたぞと言う安心感を得られる解答を書き殴ってくること。他の問題にメンタル的・時間的に悪い影響を与えず乗り切って、得点はそれなりに稼げればラッキー。そういう問題です。

 そして、それなりに一貫した軸に沿って600字も書くこと自体、容易ではありません。だからこそ、練習の時はそこを意識することが大事なのです。その上で、利用できるものは利用しましょう。問題文が軸の設定=枠組み構築の作業を省略させてくれているのなら、こんなお得なことはありません。これに気づかず、指定語句から浮かぶワードを無理やり繋いだような解答を書いて差をつけられるのは、やっぱりちょっと愚かしいですよね。

 骨組み肉詰めと言う流れを徹底しましょう。練習あるのみです。

・第二問 やや易

(1)

(a) やや易

A,Bを答えるのはそれほど難しくなかったと思います。問(1)だけで考えようとして問(3)をみず、時間をロスした人がいたかもしれませんね。問題文から最大限論述の方向性のヒントを拾ってくるのは東大世界史の必須の作業です。問題全体を見渡して、考える材料は集めた上で問題に向かう癖はつけておきましょう。

そして、この問題を解くため必要な「比較の視点」は超重要です。今後のインプットの際、常に意識しておきましょう。通時的・共時的な制度の比較は、特に第一問では頻出の問いの形式です。

 

(b) やや易

 これも簡単な定義説明の問題ですね。Cの絞り込みに関しては、学習が追いついていれば困難はなかったはずです。あとはどれほど精緻な説明ができるかどうか。デヴシルメくらいメジャーな知識は解答レベルの説明ができて欲しいところですが、もちろん全ての知識について完璧な説明をすることは不可能です。ある知識のどこが核でどこは枝葉末節なのか、ということを明確に意識してインプットすることが大切です。教科書に書いてあることを漏れなく説明できるようにしておければ十分すぎるくらいでしょう。これが問(3)(b)でも述べる、知識の濃淡を意識すると言うことにつながってきます。

 

(2)

(a) やや易

(1)(a)で述べたことですが、東大世界史に向けたインプットでは比較の視点を持つことが大事です。スンナ派とシーア派の主張の相違点は教科書にも書いてあるレベルの知識なので、しっかり説明できるようにしておきましょう。どういう点で区別されていたかという一つの争点を記憶しておくことで(今回の場合は「カリフの正統性をどう考えるか」ということですね)二つの知識を網羅できるわけですから、結局力技で覚えるよりこちらの方が効率もいいわけです。集約的に知識を蓄え、演繹的に論述しましょう。

 

(b) 標準

 イスファハーンの名前は答えられて欲しいところです。「イスファハーンは世界の半分」なんて記憶に残りやすい格言もあるお得な知識ですからね(あえて「一番」とか言わず、「半分」なんて微妙にインパクトのない言い方をしているの、印象的じゃないですか?笑)。

 この問題でおそらく多くの受験生の反省ポイントになるのは、その位置です。日頃資料集や教科書でちゃんと確認していますか?言葉で覚えているだけだと、頭の中で歴史の流れのイメージが浮かびにくいです。面倒でも、教科書に書かれている出来事の展開を空間的・可視的に把握する努力は結果的に一番効率的です。小説なんかも、細かい展開は忘れても、頭にふと思い描いた情景だけ印象に残っていることってありませんか?物語を視覚的なイメージに描き起こすのって記憶の保持にすごく効果的なんです。知識量が膨大なら尚更です。

 

(c) やや易

 アウラングゼーブ非ムスリム弾圧、という一対一対応的な知識は多くの人が持っていたのではないかと思います。そしてその影響として諸反乱を思い起こすのも、知っていれば容易でしょう。

 ここでもインプット論を述べるとすれば、「理由」と「影響」というのも大事な視点です。言い方を変えると、インプットは文章形式で行いましょうということ。単語を一対一対応的にインプットするのは非効率です。「Aがあって、Bと絡んでCの原因となって、Dを伴ってEが起こった」みたいに、知識を連鎖させて覚えていけば、第三問・第二問はもちろん第一問も怖くありません。

 本問で言えば「アウラングゼーブの非ムスリム弾圧が諸反乱を惹起した」というのを一単位としてインプットしておこうということです。単語詰め込み型の学習をしていた自覚がある人は、まだ全然遅くないですから、文章単位のインプットを心がける方針に切り替えることをお勧めします。点だけの知識でなく、それらを辿る線まで含めて覚えると言うことです。

 そしてこの連鎖を辿ることが、ひいては前述したような通時的・共時的「比較」を容易にしてくれるわけです。

 

(3)

(a) 標準

2(b)と同様、空間的なイメージを大切にしましょう。文面だけで記憶するのはちょっときついですよね。地図を見て、当時の清の版図を確認して、教科書で併置されている事項がどこで成されたことなのかを確認する。それぞれざっくり南北東西に対応していることがわかると思います。そうすれば単語をうっかり忘れても、「東の方でやってたの何だっけ...」みたいに空間的な想起のフックができるわけです。

そして問2(c)で述べたような知識の連鎖もできていれば、それぞれの方面の事項についてどういう経緯で起こったかを想起するという時間的なフックもできます。空間的(視覚的)・時間的(物語的)な知識の獲得に努めましょう。

 

(b) やや易

 オスマン帝国とヨーロッパの関係を把握する上で、第二次ウィーン包囲の失敗は前者の影響力の後退・ヨーロッパの覇権への邁進を象徴する、メジャーな出来事です。当然押さえておきたいですね。

 これは第一問対策に接続する注意事項ですが、今まで述べてきたようなインプットのノウハウに加えて、もう一つ意識するといいのは「その知識が持っている意味合い、位置付け」です。ちょっと応用フェーズの話ですけど。

 つまり、空間的・時間的に頭の中に知識の流れが構築された上で、さらにそれらの濃淡、強弱とでもいうべきものを意識するということです。マクロな流れの中である知識が象徴すること、本問であればウィーン包囲の失敗がマクロな流れの中でどういう意味合いを持つのか。逆にそういう意味合いを持つ出来事があることから、マクロな流れとして17世紀後半からオスマンの衰退が始まったと言えるのを知る。ミクロ(諸知識)とマクロ(全体の流れ)を行き来して、知識を精緻化していく作業がとても大切です。

 

・第三問 やや易

近現代については学習が追いついていない人もいたかと思いますが、本番レベルとしては難しい問題はなかったかと思います。(6)でイギリス産業革命期の繊維関係の開発者・開発したもののペアを混同してしまうというミスはありうるかもしれませんが、それでも9割をしっかり確保したいところですね。

模試の第三問は、正答が書けることはもちろん必要として、問われている単語から問題文のような説明をアウトプットすることができるかの確認の機会にするのがいいと思います。逆向きに利用するわけです。それが前述のような知識の連鎖を構築する最良の方法となります。

 

      インプット要点まとめ

ⅰ 時間的な知識の獲得...単語だけでなく、その繋がりも含めインプットする

ⅱ 空間的な知識の獲得...地図などを活用し、なるべくの知識を可視化する

ⅲ 比較の視点...ⅰ,ⅱで獲得した知識を通時的・共時的に比較する

ⅳ 知識の濃淡...ⅰ,ⅱで獲得した知識がマクロな歴史の流れの中で持つ意味合い・立ち位置を把握し、第一問でも活用できるより大きな知識に統合する

 

■日本史 

総評:標準

全体的には、東大日本史にも頻出の部分が出題されていて、標準的な問題となっているようです。支配体制や土地制度などの構造はまだ理解しきるのは難しいかもしれませんが、模試などの復習や教科書を通して入試本番までに習得し、しっかり知識を備えることをおすすめします。また、条件文を利用してどこまで書くかという判断がまだ難しく、あいまいな解答が多く見られそうですが、これも演習の積み重ねで後々できるようになればよいかと思います。

 

1  標準

やや難

問題文から何を書けばよいのかがやや読み取りにくかったかもしれませんが、問題文をよく精査し、条件の部分と主題の部分を見つけることができれば何について書けば良いかの方針が定まりそうです。また、提示されている文章をいくつ利用して解答を記述するかはなかなか難しいと思います。大問の設問全体を見て各設問がどこに対応しそうかの目安をつけることもヒントになってくると思います。

B   標準

「どのように異なっていたのか」と聞かれているので、違いが明確になるように解答を書く必要があります。そのためにはまず、提示されている文章を利用して、どういった構造になっているかを把握する力が求められます。

 

2問 やや難

A 標準

解答に求められることが複数ある一方で、字数制限が厳しめの問題となっています。どれだけ簡潔に、過不足なく情報を入れるかが難しいところです。ある程度特徴的な言葉を入れて具体性を出しましょう。

B 標準

本所一円地を含め、当時の土地制度についての知識を復習しておきましょう。

C やや難

条件文から読み取るのがなかなか難しい問題でした。悪党と荘園領主、幕府との関係が対立しているのか、協力関係にあるのかなど、人物同士がどう絡んでいるのかを考えるのがポイントです。

 

第三問 標準

A やや易

基本的な知識問題です。東大日本史では稀な出題ですが、しっかり復習しておきましょう。現段階では知らない知識でも、解答解説で詳しく説明されているので、今のうちに覚えておくとよいです。

B 標準

提示されている条件文はかなり具体的な歴史的事実を記載しているので、そのまま書くのではなく、ある程度の一般化が必要です。時期が指定されているので、その時期に特徴的な言葉を解答に盛り込むことが大事です。

 

第四問 やや難

A 標準

(1)で説明されている人物がわかっている前提で、その人物の名前だけを書くのではなく、その人がどういう立場の人かという情報を載せると、より解答がわかりやすくなると思います。

B やや難

近現代史は知識の側面が色濃く出るかと思います。今回の問題のように、憲法における天皇に関わる権限の在り方や、軍と政党の関係は難解ではありますが、頻出かつ重要な部分なので、教科書を用いてしっかり頭に入れましょう。教科書で使われている言葉、特に動詞は、短くても内容を十二分に伝える言葉が使われているので、普段使わない言葉が多いかもしれないですが、自分の解答にも使えるようになると良いですね。

 

■地理 

総評:標準

細かすぎる知識や突飛な発想はあまり必要とせず、基本的な知識と与えられた図やデータをいかに結びつけて考えられるかが問われた、標準的な難易度の典型的なセットでした。ただ、まだ地理の勉強まで手が回っていない受験生にとっては高得点を目指すのは難しかったかもしれません。今は点数を気にするよりも、焦らずに基本的な知識をその背景やメカニズムまで含めて少しずつ理解していくことに注力してほしいと思います。


第1問

設問A:やや易

(1)オーストラリア東岸地域沖を暖流の東オーストラレア海流が、ペルーと地理北部の西岸地域沖を寒流のペリー海流が流れていることは必須の知識です。あわせてベンゲラ海流の影響を受けるナミブ砂漠なども確認しておきましょう。

(2)その地域でさかんな農業を一対一で暗記するよりも、この問題のように地形や気候などの自然環境と関連づけて覚えた方が知識も定着しやすいはずです。覚えてもすぐ忘れてしまう人はインプットの仕方を少し模索してみてはいかがでしょうか。

(3)アメリカの農業はどの地域について聞かれても答えられるようにしておくと良いでしょう。その際、地形、気候、土壌、植生なども関連させて理解できると良いですね。

(4)「落葉広葉樹」まで解答に入れるのは少し難しかったかもしれません。

設問B:標準

(1)アラル海の問題は頻出です。アラル海が「内陸海」であることをしっかり押さえて過不足のない解答を作りましょう。

(2)都市型水害についてなんとなく理解していても解答を作るとなると戸惑った人も多いのではないでしょうか。指定語句もヒントにしながら一つ一つ論理立てて解答を組み立てることが求められる問題でした。

(3)それぞれの地形の形成過程も要チェックです。

 

第2問

設問A:標準

(1)中国とA S E A Nの工業化の時期は他の問題でも必要となる重要な知識なので大体の年代を把握しておきましょう。

(2)これは知識問題というより「仕向地主義」「原産地主義」の意味などをどこまで理解できたかが鍵となる問題でした。また表の欄外の記述にまで注意を向ける必要性も分かる問題だと思います、頭の片隅に置いておきましょう。

(3)「発効」の使い方が少し難しかったです。一帯一路構想は近年よく話題に上っているのでこの機会に一度押さえておくと良いですね。

(4) 地理的背景が思いつかなかった人も、解答を見てこんなことでいいのか!と思ったかもしれません。陸続きであることも地理的背景の重要な要素であることを覚えておきましょう。

設問B:標準

(1)イギリス系とアイルランド系との宗教の違いは基本的な知識です。政治的な理由はさまざま考えられますが、字数からあまり複雑なことは書けないと判断し、自由往来が合意の象徴であることなどが説明できれば良いでしょう。

(2)一見すると何を書くべきか方向性がブレそうですが、指定語句をヒントに解答を組み立てていきましょう。EU域内の移動の自由により南欧からの労働移民が多くいることはヨーロッパの移民問題でよく聞かれる内容です。それに伴う課題とともに確認しておきましょう。

 

3

設問A:標準

(1)表を落ち着いて読み取れることができれば正解できたと思います。ただ、の選択問題を間違えると後ろの問題にも影響してしまうため、選択問題といえども慎重に解きたいです。

(2)福岡市、名古屋市、仙台市が城下町として発展したのは地理の知識というより常識的な知識である気がします。日頃からさまざまなことにアンテナを張っておくと案外問題を解くのに役立つかもしれませんね。

(3)卸売販売額と(この問題には出てきませんでしたが)小売販売額に関する問題は都市の分野においては頻出問題です。あやふやな人は整理しなおしましょう。

(4)第2問設問B(2)に引き続き、指定語句がヒントになっています。福岡市が中国をはじめとするアジアの成長市場に近いことに気づけると正解にぐっと近づいたかもしれません。

設問B:標準

(1)中心駅の位置の加え、鉄道路線にも注目する必要があります。

(2)都市分野における典型問題です。CBD、郊外住宅地のそれぞれの特徴や問題について、もう少し長めの字数での説明を求められても答えられるようにしておくと安心です。

(3) 郊外化、ドーナツ化現象、インナーシティ問題、都心回帰現象...など人口の問題では必ずと言っていいほど問われるものは、意味も背景もそれぞれの関係もしっかり書けるようにしておきましょう。

(4) 字数が短いため必要な要素をもれなく簡潔にまとめなければなりません。

 

 

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東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。

今回は【理科】です。

受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。

 

■物理 

総評:標準

1問が力学、第2問が電磁気学、第3問が波動からの出題という2021年の入試と同じ範囲構成でした。まだ6月ということも考慮されているのか、範囲の中でも基礎的な部分を題材とする問題が主だった印象を強く受けました。その基礎的な部分がかたまっていない方も、焦ることなく今後の学習のなかで着実に実力をつけていければ大丈夫です。また、基礎的な部分はクリアできているけど解き進めるうえで正確な計算の実行が難しかったという方が少なくないと推測されます。求められる情報処理の量が多い理科という科目で正確性とスピードを両立するのは並大抵のことではないのは言うまでもないですが、徐々に数を重ねていくであろう演習を通して時間配分など戦略的なところも身につけていければいいと思います。

 

1問 やや易

小物体と台というよくある二体問題の設定だったのでスムーズに状況を把握できたはずです。等加速度運動が不安なく扱える状態であれば特に詰まることなく手が動いたのではないでしょうか。答えを算出してそれで満足するのではなく、θを90°に近づけたりMに近づけたりすることでさらに単純な運動になることを捉えそこでのなるべき値と一致するかという検算方法もぜひ試してみてください。

I

単純な力を把握し運動方程式を立て、誘導通り整理していけば空欄は難なく埋まることでしょう。

II 等加速度運動の式で淡々とこなしていってもいいですし、状況が把握できていれば運動量や力学的エネルギーの保存則を用いて立式することもできたでしょう。(4)にて軸の方向の傾きが何を意味しているのかというところに関しては少しつかみにくかったかもしれません。

 

2問 やや易~標準

点電荷による電場・電位を扱う電磁気の基本的な問題でした。まだ電位・電場をしっかり押さえられていない方には少し厳しかったかもしれませんが、基礎が固まっている方の目には誘導に従って近似を行い順に計算していく問題に映ったことでしょう。電磁気の内容を使わないような、距離の次元における近似の計算問題などもあったので、電磁気に不安があり手が進まなかった人もそういう問題を拾っていければ一定の点数が確保できたと言えます。

I 1)は点電荷間のクーロン力を求める基本的な問題です。習った方は書けないといけません。対して(2)は単なる三角比の問題です。落とせません。(3)については、厳密に解くとある点(x,y)における電場を計算しその値が0となる条件を求めるわけですが、時間が無い方は、「y成分が生まれる余地のないx軸上と、2つの電荷から等距離でy成分が打ち消しあう場所つまりy軸上」という直感的な考え方で答えをさっと書いておくというのも試験中の1つの実戦的な手だと思います。(4)は近似計算、(5)は基本的な電位の重ね合わせです。

II 1)についてもクーロン力を各々求めその合力をベクトルの足し算で求めるというよくある問題です。√2が絡んできてミスしやすいかもしれませんが落ち着いて計算すれば必ず正答を導けるはずです。(2)については、実質が解けていなくても与えられている情報と計算だけで答えが導ける問題となっています。それを見極めるのが難しいのは重々承知していますが、に手が出なかったからと言っても自動的に諦めない方がいいという教訓として頭の片隅に置いていただければと思います。

 

 

3問 標準~やや難

波の位相を扱う問題です。使う内容は基本的な問題でかつ誘導も丁寧なのでひとつひとつ進んでいけばスムーズに解き進めることができる問題なのではないでしょうか。多少見た目がとっつきにくく、また受験生が残り時間少ない中焦りながら取り組みがちな第3問という観点を含めると、歯ごたえのある問題と感じた方も少なくないと予想されます。計算力も問われる小問もあり、完答するには時間が厳しかったと言ってさしつかえない問題だと思います。

I 誘導に従い立式していけば滑らかに解き進めていけたに違いありません。ところどころ次元の確認などをしておくと計算ミスも防ぎやすくなります。

II 見慣れない式が並びまたsinの中身も複雑だったので手をつけずにパスした方も少ないのではないかと推察します。三角関数の和積はやはり面倒という印象が強いのでなかなか攻めたくならない気持ちも共感できますが、足したり引いたりで位相の部分がうまく消えてくれそうだなと目星をつけることは言うほど大変ではないと思います。時間との勝負を迫られている受験生の方に言うのは心苦しいですが、地道に計算していくときっちり答えの形が導かれます。あとは与えられた近似に従い式を扱いやすい形にして、(3)にて振幅について考えます。試験時間中にここまでしっかりフォローすることができるととてもいいと思います。第2問の最終問題と似た形であることから、電荷と波動の関係について思いをはせてみると面白いかもしれません。

 

■化学 

総評:やや難

分量が多い上に難易度の高い問題も散見され、この時期完答することは難しいと思います。解きやすい問題を見極めて確実に拾い、時間のかかりそうな問題は後回しにして見直しやもう1教科に時間を割くべきかもしれません。

 

1  :標準 :難

Ⅰ ア やってしまいがちなミスとしては、[H2O]を落としてしまうことです。確かに水溶液中ではこの値はほぼ一定であるため、平衡定数に組み込んでしまえるのですが今回のように溶媒がないか、ないし有機溶媒中で起こる反応の場合は当然変数として取り扱う必要があります。

イ 省略

ウ 解答解説では省略されていますが、ここでエステル化反応の機構について触れておきます。受験に必要な知識ではないので、読み飛ばしてもらって構いません。

なお、文書作成環境の都合上構造式をR-C(O-)=O(カルボン酸イオン)のように表記します。また、便宜上アルコール由来の酸素に*を付します。

      カルボニル酸素へのプロトン付加

カルボニル基の酸素原子上には非共有電子対が存在し、プロトン供与体の存在下ではこの電子対をプロトンに供与してカチオンAが生成されます。

R-C(OH)=O + H+ → R-C(OH)=O+H

      カルボニル基へのアルコールの求核攻撃

カチオンAのカルボニルC=O結合中の電子は、正の形式電荷を帯びた酸素側に局在化しています。これにより電子不足となったカルボニル炭素に対し、アルコール性OHの酸素原子上非共有電子対が攻撃し、結合を生成、同時に局在化していたC=Oπ電子を酸素原子に移動させて正四面体型中間体Bを生成します。

R-C(OH)=O+H + R'-O*H → R-C(OH)2-O*+(R')H

      プロトンの交換と脱離

中間体Bに含まれる酸素原子のうち、アルコールに由来するものは正電荷を帯びています。そのため、プロトンを放出、続いてヒドロキシ基にプロトンが付加して優れた脱離基を形成します。これによってもう一方のヒドロキシ酸素上の非共有電子対がC-Oπ結合を形成しつつ水を追い出し、余ったプロトンを放出して反応が完了します。

R-C(OH)2-O*+(R')H → R-C(OH)(O+H2)-O*R' → R-C(O*R')=O+H + H2O

R-C(O*R')=O+H →R-C(O*R')=O + H+

このように、エステル化反応においてはプロトン供与体がいわば反応開始剤として機能します。よく用いられるプロトン供与体としては濃硫酸があげられますが、本問ではベンゼンスルホン酸を使用しています。

エ 本実験では側管にたまっている液体のうち、上層は有機層(トルエン)、下層は水層ですが、上層が水層という場合もあるので注意しましょう。

オ ウで触れた反応機構より、アルコール酸素は生成されたエステル中に存在しています。

 

Ⅱ この試験ではこの設問に手を付けられなくても問題ありません。もちろんできれば完答してほしいですが、2科目を150分で解くことを考えれば、この大問の優先度はかなり低いでしょう。とりわけク以降は難易度が高く、現段階では解けなかった受験者も多いものと思われます。

カ 省略

キ 省略

ク エステルの加水分解で生成した物質(カルボン酸とアルコール)が金属ナトリウムと反応しないというのは奇妙な状況ですが、本問はその状況がどういったものかを問うています。Fはカルボン酸ですから、Gはアルコールと予想されますが、分子式より酸素原子は1つしか含まれていないにも関わらずヨードホルム反応を示します。アルコールとしてエステル結合をつくりながら分解するとカルボニル化合物の性質を示す。ここからケト・エノール互変異性が思い浮かんだかどうかが本問のポイントでした。

ケ 1つ目のポイントは、過マンガン酸カリウムで酸化して二酸化炭素が得られるようなアルケンの部分構造が思いついたかどうか。もちろんこれにはシュウ酸が酸化をうけて二酸化炭素になるという知識が必要です。次のポイントは得られた二酸化炭素の物質量比から、シュウ酸酸化によるパターンしかありえないことに気付けたかどうか。最後にこれとI,Jから推測される部分構造を適切に組み立てることができたかどうか。ここにも前提知識として環におけるシス・トランス異性体の概念が必要となります。

これらすべてのポイント、知識をおさえていることを要求する問題だったのですが、時間配分も考えればここはスキップするのが正解かもしれません。

コ 昨年の入試にも出題された分子内ヘミアセタールを題材とした問題です。C6であるにも関わらず-CHOCH3-CH(OH)-構造をもち、なおかつ五員環または六員環をもつという不思議な条件から、解答解説にある糖の鎖状構造との類似性に思い至れたかどうかがカギとなります。

 

2問 :易 :やや易

Ⅰ 今回の化学で最も解きやすい大問ではないでしょうか。ここを確実にとっておくことが高得点につながるでしょう。

ア 省略

イ 問題文に与えられている式を応用しましょう。

ウ いわゆるVSEPR則の理解を問う問題です。とはいっても反発が大きいできるだけ離れようとすることから容易に解答に辿り着けます。

エ ベクトルの足し算です。

オ VSEPR則から分子の極性を推測する設問でした。なお硫黄原子に関しては、分子によってはオクテット則(八電子則)を満たさないような構造も存在することに注意しましょう。

 

Ⅱ 毎年のように出題される計算主体の大問です。計算が得意な受験者はここが得点源となります。Ⅰでも触れましたが解けそうな問題を見極めとりこぼしのないようにしましょう。

カ 数学です。答えを覚えていた人もいるのではないでしょうか。

キ 解答解説のように解いてもよいですが、オイラーの多面体定理を利用してもよいでしょう。

ク 各辺は2つの面に共有されていますから、すべての面について単結合、二重結合それぞれの数の和をとって、1/2をかければ解答が得られます。

ケ 面心立方格子中に含まれるフラーレン分子の数を丁寧に数えましょう。あとは少々面倒ではありますが単純計算です。

コ カリウム原子は単位格子の中央だけでなく、各辺の中点にも位置することに気を付けましょう。

 

3問 :標準 :やや易

Ⅰ 基本的な理論化学の問題です。平衡定数がらみということで、やや面倒な数値計算をもとめられますが、要求される知識自体はやさしいので、粘り強く計算をやりきりましょう。

ア 省略

イ 省略

ウ いわゆる緩衝溶液です。弱酸または弱塩基と、対応する中性塩の等物質量混合による緩衝溶液のpHまたはpOHはそれぞれ弱酸または弱塩基のpKapKbと一致することが知られています。

エ 亜鉛錯イオンの生成平衡は極めて大きく左に偏っていることに注意して鉄(Ⅲ)イオンの沈殿や亜鉛錯イオンの形成によるアンモニアやアンモニウムイオンの増減を丁寧に計算しましょう。

オ エで求めた水酸化物イオンの濃度を利用します。

カ オと同様にエで求めたアンモニアの濃度を(式2)に代入します。計算がかなり面倒なので時間配分には注意しましょう。

 

Ⅱ こちらも基本的な電気化学の問題です。こういった問題は多くの受験者が解けるため、差がつきにくい傾向にありますから、確実にとっておきたいところです。

キ 省略

ク 省略

ケ(陽極で溶け出した銅)=(陰極で析出した銅)-(溶液中から析出した銅)が成立します。これと陽極の質量の減少量、および陽極泥の質量から容易に計算できるでしょう。

コ 陽極泥はPbSO4であり、その物質量は電解液中のSO4-の減少量に等しいことから容易です。

サ (1)は有名事実です。(3)はイオン化傾向(金貸すな...)を覚えていれば選べたでしょう。銅は水素よりイオン化傾向が小さいので希硫酸には溶けないことには注意しましょう。

 

 

■生物 標準

初回の本番レベル模試ということでやや易しめの問題だったと思います。基本問題と書いた問題は本番では解答したい問題です。できなかった方は、教科書をしっかり読んで内容を覚えていきましょう。記述問題は何をどう書けば良いのかわからなかった、という人も多いと思います。リード文や実験結果など問題冊子の情報だけで答えられるように出題されているので、トンチンカンな記述を書いてはいけないし、模範解答を参考に型を身につけてほしいです。夏秋に向けて今一度、丁寧に教科書の内容をさらっておきましょう。

 

第1問  標準

A基本問題。

B基本問題。

C基本問題。

D傍線部がそのまま答えになるが、いちおう自分の言葉で記述すべきです。

Eトンチンカンな記述を書いてしまいがちですが、素直に考察できること(TLRの輸送に関わる)を記述すれば良いです。

F基本問題。

G() 基本問題。()典型記述。「まとめて転写、別々に翻訳」

H一番の良問。丁寧に考察すれば解けます。最終的にはこのレベルの考察問題はサクサク解けてほしい。

I「低分子に分解して取り込みやすくしている」というのも間違いではないが、本問で期待している解答はそうではないです。「CMMは他の土壌細菌のもつ加水分解酵素では分解されない」という情報から考察される生存戦略上の利点を答えるべきです。

 

第2問 やや易

A基本問題。

B基本問題。

C今は知らなくてもよいレベルですが、教科書には書いてあるので最終的には覚えるべき知識だと思います。

D典型記述。「海綿状組織で光を散乱」

E図を見れば吸収波長が異なることが明らかであり、無理なく記述できます。

F落としたくない問題です。

G前問を念頭におけば、解ける問題です。

Hトンチンカンな記述を書いてしまいがちですが、素直に考察できること(すぐには光合成能を回復できない)を記述すればそれで良いです。

 

第3問 易

A今は知らなくてもよいレベルですが、教科書には書いてあるので最終的には覚えるべき知識です(この程度であれば入試でも出題されうると思われる)

B一つ一つ吟味すれば解けるはずです。

C()計算のみ。()木材のC/N比は幼虫の生育にとって窒素が不足しているという情報から記述できます。()基本問題。()計算のみ。()前々問を念頭におけば解ける問題です。

D一つ一つ吟味すれば解ける問題です。

E語句指定に従って素直に記述すれば良いです。

 

 

 

 

 

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東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。

今回は【国語】です。

受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。

 

■現代文

第一問 標準

引用が多用されている文章でした。「引用文中の表現は解答に残さない」という原則を守れたでしょうか?今回は引用文中の特殊な表現は少なかったですが、例えば「ノエマ」(17段落)や「来ることになるもの」(18段落)などを解答に使う際には言い換えた方が良いでしょう。

テーマとしては第四問で扱われそうなタイプの文章でしたが、「写真の本質」という本文全体に一貫するテーマや本文中に見られるいくつかの対比といった基本的な部分をきちんとおさえられたかがポイントになります。

()標準

「この世に存在しない」という「不在」と、その上で「写真にも写っていない」という「不在」をおさえ、バルトの驚きは後者に関するものであることをまずしっかり把握しましょう。その上で、「現前」というワードをある程度補って(それか問題文後半を踏まえて)説明することが求められています。

模範解答では具体例のまま書いていますが、ある程度一般化した解答も許容されると思います。

()やや易

まずは直後の二要素をおさえましょう。その上で「自身が存在する以前の母の写真」と「自身が母とともに存在する写真」との過去想起に関する対比を把握して解答を作成しましょう。比較的容易な問題です。

()やや易

稀にこのような、単純な「どういうことか」、「なぜか」ではない問題も出題されますので、問題文の要求は必ずしっかり確認するようにしましょう。

17段落の「バルトが『温室』の母の写真に見たものは〜」という記述を見るに、15~17段落で述べられているストゥディウムとプンクトゥムの対比を中心に述べれば良いとわかるでしょう。

また、12,13段落でこの写真が「本質的な写真」であるということが繰り返し述べられているので、そのことにも触れられると良いでしょう。

()標準

120字問題は「本文全体を踏まえて」といった付帯条件があることがほとんどですので、まずは問題文の要求をしっかり確認しましょう。とは言え、基本は傍線部付近を中心に解答を構成することが多いのですが、今回はむしろ傍線部はほぼ関係なく、本文全体から「写真の本質」について述べることが要求されています。

文章前半では「不在の現前」、そして後半では「プンクトゥム」が「写真の本質」として話の中心になっています。両者は共に、「今ここにないもの」の存在を確かに感じさせるというような文脈で語られている(これを「換喩的」と表現しているのだと思います)ので、そのような共通点を押さえつつ解答をまとめていくと良いでしょう。

模範解答は前者を「空間」における換喩、後者を「時間」における換喩として華麗にまとめていますが、実際には受験生はここまでおさえられなくても仕方がないと思います(ナポレオン自体時間的にも存在しないということがこの区別の把握をより一層困難にしているかと思います)

ただ、傍線部に「うしろ向き」や「予言」といった時間的要素を示唆するような表現が含まれていることや、14段落の「それは『時間』でもある。」といった記述を踏まえて、「時間的な『換喩』」の方はおさえられると良いでしょう。

() 標準

東大の漢字は大体これくらいのレベルです。漢字に不安のある方は少しずつトレーニングをするといいでしょう。

 

■古典 

第二問:やや易

「十訓抄」からの出題でした。読みやすい文章であったことに加え、設問自体も難解なものはなかったので、ここで点を稼ぎたいところです。内容説明・理由説明の問題では、問われている部分はどこかをしっかりと見極め、過不足ない解答を作成することが求められます。

以下、問題番号は文系用の問題に準拠します。

(一) 

典型的な現代語訳の問題です。(ア)では係助詞「か」が反語であることがわかるように現代語訳できると良いでしょう。(イ)では、「浮く」の現代の意味とは異なる古典的意味を抑えることが大切です。

(二)  やや易

内容説明問題です。目的も明示せよとのことでしたが、どこまで書いたらいいか迷った人も多いでしょう。今回は、「蜂たちが隠れるための」という簡潔な説明で十分でした。それ以外の部分はほぼ現代語訳と変わりないので、問題で聞かれている箇所を的確に探し出すことがポイントになってきます。

(三)  やや難

理由説明問題です。余吾大夫が現れた時に敵方が喜んだ理由が問われていますが、傍線部の現代語訳がわかるだけでは解けません。傍線部が含まれる文をしっかり読んで分析すると良いでしょう。ここでは、「これに侍り。」の『これ』が「ここ(場所)」という意味であることが重要です。この意味がわからないと、的確な解答を導くことは難しいでしょう。

(四)  標準

内容説明問題です。「物の数にあらず」いう表現は頻出であるので、わからなかった人はこれを機に絶対に覚えましょう。「特に数え上げるほどではない」という意味であることを理解した上で、適切な表現に自分なりに変えて解答を作成しましょう。

(五)  やや易

内容説明問題です。傍線部の直前が大きな手がかりになります。「死にたる蜂〜」から始まる段落の内容要約という面が大きいので、いかにコンパクトにまとめられるかが鍵になるでしょう。

 

第三問

漢文は『池北偶談』からの出題でした。

(一)  やや難

短い傍線部現代語訳の問題です。bは言い回しを少し工夫するとより自然な解答が作れるでしょう。cが少し難しかったと思われます。「劇」を「はげしい」という意味だと読み取ることがポイントでした。dに関しては、漢文で頻出の慣用表現であるので間違えてしまった人はこれを機会に覚えましょう。

(二)  やや難

理由説明問題です。どの部分を解答に盛り込めば良いのか迷った人も多いのではないでしょうか。解答の後半部分にある「報いて豊かにしてやるため」という部分は、少し想像力を働かせないと思い付かないかもしれません。理由説明問題は大抵傍線部の直前又は直後に答えがある場合が多いですが、この設問のように文章全体を頭に入れた上で回答する必要があるものも時にはあります。

(三)  標準

空欄補入問題です。東京大学が出題する漢文の空欄補入は、対比に注目することがポイントとなることが多いです。今回も例に漏れず、一つ前の隣家の者の病気を治したという話の最後にあった「果即日愈」に注目することができれば解けた問題です。

(四) 

理由説明問題です。まず「卒す」の意味がわかっていないと解答の方向性がずれてしまいます。これも頻出の意味であるのでわからなかった人はこれを機に覚えましょう。この問題では「宿業深長たり」がポイントなのですが、この意味を正しく把握できるかどうかが解答の完成度を左右します。古典ではよく「前世の因果応報」が話に出てくるので、それを意識しておくといいでしょう。

(五)  標準

理由説明問題ですが、本質的には現代語訳の問題とほぼ変わりません。傍線部の前後を精読し、問われた内容を解答欄に収まるようにまとめる技術が問われていると言っても良いでしょう。

 

 

■現代文 第四問 

総評:やや易

全ての設問で傍線部周辺を探せば答えにたどり着けるため、解き易い問題でした。

(一)〜(三)で失点した受験生は、よく復習して次に役立てましょう。

 

(一)易

「変化」とあるので、夢の変化の前と後のことを書けばよいでしょう。傍線部直近に根拠があるため、とても書きやすい基本問題です。これは落とさないようにしたいですね。

 

(二)易

「やっとわかった」とあるので、何がどうだとわかったのかを明示することを考えましょう。「何が」は傍線部の前の段落、「どう」は傍線部直後にあるので、これも解き易い問題です。書き損ねるとすれば、悪夢を「反復していた」ことや、それが結果としてもたらしていた効果についてですね。根拠をまんべんなく拾うということを日頃から意識しておきましょう。

 

(三)やや易

PTSDがどのようなものかと、「私」がそれに当てはまっているということを書けばよいと明確に意識すれば、それぞれを具体化するのは難しくなかったでしょう。傍線部直後の、PTSDについてではない内容を長々と書かないように注意しましょう。

 

(四)標準

傍線部を含む最終2段落から根拠を拾うべきであることは明白であるから、そこから傍線部の理由となるように丁寧に要素を拾いましょう。ただし、「わかる」「表現」といった「」付きの言葉は、筆者が普通とは違う特別な意味をこめているため、そのまま解答中に記すことはせずに必ず言い換えるということに注意してください。

 

 

 

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東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。

今回は【英語】です。

受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。


第一回東大本番レベル模試所感② 【英語】

総評:標準

今回初めて東大型の問題を解いた人はその分量の多さに圧倒されたかもしれません。解く順番を工夫するなどの諸対策はこれからの演習を通して身に着けていきましょう。まだ6月、入試本番は半年以上先なので、時間が足りなくなってしまっても気負わず、普段の勉強で地道に英語の実力アップを図りましょう。

 

第1問

A:やや難

3つの段落からなる文章。第一段落で筆者の主張が述べられ、第二段落、第三段落ではそれをサポートする例が一つずつ挙げられています。80100字での要約なので、例も含めつつ第一段落の内容をまとめると上手に解答できたのではないでしょうか。登場する単語のレベルが少し高めな印象です。わからない単語が出てきても単語のパーツや文脈などから意味を推測して先に進みましょう。

 

B:標準

メディアと言葉についての文章です。一貫して話し言葉を褒め称えています。段落が時系列を行ったり来たりしますが、段落ごとにどの話をしているかを読み取って分かる選択肢からあてはめていきましょう。(イ)は古代文明のくだりや「再発見」からcのfireに答えが絞られます。

 

第2問

A:やや易

自由英作文の問題としては書きやすい部類の問題です。本問では、本当にそう言えるのか?と問われていますが、ここは素直に誘導に乗って「そう言える」とした方が良いでしょう。事実と意見の区別の大切さが登場する例も思いつきやすいので、ここは時間をかけずに書き切りましょう。

 

B:標準

一般に和文英訳は逐語訳にこだわり過ぎず、内容を過不足なく表現するという意識で書くことが大切です。逐語訳しようとするとどうしても不自然な英語になるからです。内容を英語に変換する作業のためにはまず日本語文を正しく理解することが必要です。今回は(ア)(イ)ともに内容を捉えやすかったと思います。ちなみに(ア)は直前の文章の言い換えなので、文脈を尊重して二重否定は残したままにしておきましょう。

 

 

第3問:やや難

リスニング。ABが連続する内容でした。問題文や選択肢を下読みし、聞き取るべき内容がいつ来るか予想しながら聞くことが重要です。

 

第4問

A:標準

ワクチン接種の発明者ジェンナーについての文章。有名な内容だったので既に知っていた人も多かったと思います。第4問(A)では、その文が何を言おうとしているか、ということを考えて、誤文が引き起こす違和感に気付けるようになりましょう。主述関係、よくある表現、関係詞、並列構造、倒置などがよく狙われるので、意識しておきましょう。

B:標準

子供とおとぎ話「巨人殺しのジャック」についての文章。子供にとっておとぎ話に出てくる「巨人」とは大人のことである、ということを読み取ることができればすんなりと内容が頭に入ってきたのではないでしょうか。(イ)には第三段落の最後の部分が対応してそのまま答えられます。

 

第5問:やや易

回想スタイルの小説です。文の内容も把握しやすく、問題もそこまで難しくなかったと思います。(D)(イ)は分かるものから順番に入れていきましょう。小説は登場人物や状況をイメージしながら読むと解きやすいと思います。最後の大問だからといって時間が足りずに手つかずになってしまうのは非常にもったいないので、そうなってしまった生徒は解く順番を入れ替えるなどして工夫してみましょう。

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東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。

今回は数学【理系数学・文系数学】です。

受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。

※理系数学に続き、文系数学があります。


■理系数学

総評 標準

 単純な大問と計算や場合分けが多く取り組みにくい大問の差があるセットでした。前者の様な問題は否が応でも落としたくないところです。逆に後者のような問題ではどこまで喰らいついて手を動かすことができたかが明暗を分けるでしょう。150分間粘り続けられるスタミナも必要となったでしょう。

 

第1問   やや易

 基本的な平面図形の問題です。

()は余弦定理を用いて計算するだけ。落としてはならない問題でしょう。ちなみにヘロンの公式という飛び道具を使って検算もできます。

 ()も一見取り組みやすく見えますが、半径が大きすぎるとそもそも交点が生まれないことを見落とさないようにしたいところです。そこさえクリアできれば計算するだけの設問でしょう。

 

第2問 やや易

 合同式を利用する典型的な整数問題です。本番では完答したい大問です。 

()は1-()に並んで落としてはならない問題でしょう。nの左端を除いた五桁の数字をカタマリとして見るところがポイントです。

 ()()の誘導に気づけば、すぐに合同式の利用が思い浮かぶでしょう。ここで気を付けたいのはaを7で割った余りによって場合分けが生じることです。具体的には、aが7の倍数である時とそうでない時で答えが変わってきます。

 

第3問 標準

 東大頻出の平面図形の軌跡に関する問題です。今一度典型的な解法(逆像法や順像法など)を確認しておきましょう。

 ()は逆像法を用いて軌跡を求める典型的な問題です。解答の①の式は求められた方が多いのではないでしょうか。問題は①がtの二次方程式である時と一次方程式である時の場合分けに気づけたかどうかでしょう。とっておきたい問題です。

 ()()と解法自体はほとんど変わりませんが、計算が複雑になり、追加の場合分けも必要となるため丁寧に解き進める力が要求される問題です。

 

第4問 やや難

 漸化式を求める誘導付きの確率漸化式の問題です。しかし六個の出目を全て追っていると計算が大変なことになるため工夫が必要となります。フローチャートを書くなどして慎重に流れを追うことが重要になるでしょう。

 ()は迷わず確率漸化式を使うのが良いでしょう。漸化式を使わず地道に計算してもできるにはできますが、計算が複雑になるため得策ではないと言えます。

 ()を見たとき、たぶん()が誘導になっていることはわかるけどいまいち意図が分からないなあ、と思った方が多いはずです。実際、東大入試ではこのような一見すると誘導には見えないけどある程度解き進めていくとその意図が見えてくるような誘導がよくあります。このような時は一度誘導のことを忘れて定石に立ち返るのが良いでしょう。すると、今回のように、ここで誘導を使うのかと発見できることも少なくないです。また、先述のように六個の出目を全て追っていると計算が大変になるので、性質の同じ出目ごとに纏めて扱うこともポイントです。

 ()()が解けた人へのボーナス問題です。逆に()はできたのに()は出来なかったという人は要反省です。基本的な漸化式の解き方を復習しておきましょう。

 

第5問 標準

 標準的な極限と微分法の問題です。但し、そのままだと計算が複雑になるため、対数微分法を用いたり、二つの文字を一つの文字に纏めたりすることができれば、大きな時間短縮に繋がります。

 ()は標準的な極限の問題ですが、この時期だと正答率はそんなに高くはないのではないでしょうか。極限は何となくでやってしまうと必ず失敗します。極限公式や挟み撃ちの原理をしっかり使って厳密に議論できるようになりましょう。今回の場合はabの大小による場合分けも必要になります。

 ()を見て微分法以外の発想を持つ人はそう居ないでしょう。そして、指数関数の微分をする際には対数微分法の発想を忘れずもつことが大事です。今回の場合、対数微分法を用いてもabが混ざって大小関係が見えづらいため、b/aをカタマリとみることで一気に見えやすくなります。さらに、今回は単調減少を示せればいいため、追うべきは微分係数の符号"だけ"だということも大切な考え方です。

 

第6問 難

 苦手とする人の多い空間図形の問題です。さらに"垂直二等分面"などという聞き馴染みのない言葉が受験生の戦意を奪ったことでしょう。空間図形を図形のまま立体的に扱って
はドツボにはまるだけです。図形的な条件を代数的に書き換えて、式を連ねてゴリゴリやるしかないことも多いということも知っておきましょう(今回もそう)。この問題を最後まで解ききれた人は大いに自信を持っていいでしょう。

 

 

■文系数学 

総評:標準

 内容は全体として典型的な問題が多く、数学がある程度固まっている方にとっては易しく感じられたかもしれません。一方で基礎にまだ不安を残す方は、(1)は解けても(2)の途中で詰まってしまい、もどかしい思いをされたことでしょう。さらに形式面においても、東大型のテストを解く経験が未だ少なく、時間配分などで失敗された方も少なくないと思います。今回の模試では見通しの利く第1、4問を完答することに時間を費やすのがよかったかもしれません。

 

1問 やや易

直線の通過領域の問題です。落ち着いて場合分けを行い、計算・図示すれば最後まで解ききれたかと思います。四つの大問の中では、とくにしっかり得点したい問題です。(1)で式が出た直線と円Cの中心で点と直線の距離公式を使えば、tの範囲が出ます。その範囲に従って実数解条件を考え、丁寧に場合分けを行えば(2)(3)はスムーズに解くことができるかと思います。

 

2問 やや難

確率の問題です。いちど具体的な例で状況を把握して、操作の何が結果に関係するかを早めに掴んでしまいましょう。それを掴むことができたら、あとは計算を進めるだけになります。細かいところですがΣの上下の数、指数などの書き間違い・ズレに注意しましょう。逆に問題の状況が把握できない人には手の出にくい問題になったかと思います。「1が出る」「6が出る」「2~5が出る」というそれぞれの事象に分けて考えたいところでした。問題の状況に合致するのは「(n-m)回目にBが起こり、かつ(n-m-t)回目からn回目まですべてCが起こる」ときのみです。 (2)の題意にかなう状況は二つあります。(1)に似た状況と、そうではない状況の二つに場合分けが出来れば一本道です。

 

第3問 難

整数問題です。(1)を拾うだけなら楽かもしれません。ですが本番を想定すると、証明方法を思いつくのに時間を費やすくらいならむしろ、大問1,4の検算に時間を使うのが上策かもしれません。Aに属するnn=105p+qで表したとき、f(n)=10q+pと表せることに気づけば、(1)は簡単でしょう。(2)を解くなら丁寧に場合分けをしましょう。(1)よりmod7においてf(n)3nが合同であることから、a1~6raの間に関係が見出せますので、7の倍数であるか否かをもとに場合分けを行いながら答えを導きます。

 

4問 やや易

(1)は計算問題ですから、計算や場合分けのミスに注意しながら、確実に正答しましょう。この手の問題で混乱してしまう方は、場合分けのさい、絶対値の中身ではなく、∫の両端の数字を用いることに留意しましょう。図示などを取り入れつつ、面積と関連付けて考えるのも手です。原始関数を置くなどして解答用紙を整頓すれば計算ミスは防げます。(2)では定数を文字で置き換え、式を簡単にします。aの範囲に気を配りつつ計算すれば正答にたどり着けます。見直しを念入りに行い、得点を確保したいところです。い、得点を確保したいところです。


以上です。

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東大に合格した先輩が有効に活用していた東大特進コースオリジナル教材を、【東大合格支援企画】として、ご提供いたします。

東大現役合格に向けて、奮ってご活用ください。

 

~東大合格支援企画 第一弾~

■東大漢文[重要単語300]  監修 三羽邦美先生

 


~東大合格支援企画 第二弾~

■東大古文重要古語ファイル 監修 栗原隆先生

※東大特進コース「東大古文」の教材の一部です。

 


■対象 東大特進コース 高3生東大志望者 東進基準達成者


※本企画は【東進基準】を満たしている方が対象です。万一、現段階で満たしていない方は、達成された翌月に配布いたします。

※【東進基準】について 90分授業を20コマ相当の学習

教材がなくなり、受付を終了しますので、お早めに手続きください。

近日中にメールにて申込方法をご案内します。

お楽しみに!

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緊急告知!

東進リスニングアプリ「東大二次試験対策」6月リリース決定!

東進生限定!今までにないアプリです。

 

昨年大好評だった東進リスニングアプリ「東大二次試験対策」がさらに進化して6月より順次新規コンテンツとしてリリースされます。「話者の国籍」「問題レベル」「音声スピード」の複数の設定に加え、より本番に近い雑音のある音声(音質)を再現。東大リスニング演習における先輩の要望に応えるアプリを実現しました。問題量も随時追加、今までにない30年分の圧倒的な演習が可能です。

東大リスニングを得点源にして、英語を得意科目にしましょう!

 

東進リスニングアプリ「東大二次試験対策」の特長と先輩の声をご紹介します。

 

★東進リスニングアプリ「東大二次試験対策」の特長

①スマートフォンアプリ対応

 ・アプリなのでCDと違い聞き直し等活用し易い。

・スマートフォンならではの発音の録音可能。

②問題ジャンル

 ・モノローグ 大問3-A、C対応 

 ・ダイアローグ 大問3-B対応

③問題レベル

 ・レベル3500-600語)=東大本番レベル

  基礎力養成用のレベルも選択可能

   レベル2300-400語)、レベル1(200-300語)

④国籍別トレーニング

 ・アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語の4ヶ国に対応。

⑤雑音有無の選択

 ・雑音アリのモード選択。より本番に近い状況でのトレーニング。

⑥最新の入試傾向に対応

 ・5択の選択肢で出題。

3段階のスピード切り替え

 ・遅い(120wpm)、普通(150wpm=本番レベル)、早い(200wpm=CNNレベル高負荷)の3スピードで、より負荷の高いトレーニング。

⑧圧倒的問題数

   第1弾は30大問(10年分相当)→最大30年分まで順次拡大予定。

 

★東大リスニングに対する先輩の声  ※合格体験記集より抜粋

先輩の要望に応えたアプリです。

 

先輩の声1「近年の傾向に合う選択肢が5 つの問題集はほとんどない。」

先輩の声2400 人程の大教室で全然聞こえない人もいたようです。」

先輩の声3「入試本番のリスニングはいろいろな地域の話者が話す」

先輩の声4「苛立たしいほどのイギリス英語で、ほとんど理解不可能でした。」

先輩の声5「本番のリスニング音声はかなり聞き取りにくいです。」

先輩の声6「リスニングは普段からハードモードで練習しておいた方が良い。」

 

申込方法等、詳細が決まり次第、改めてお知らせいたします。

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