<script>
function gce(EventLabel) {
dataLayer.push({'event':'gtmClickEvent', 'EventLabel':EventLabel});
}
</script>
東大特進コースのスタッフによる第一回東大本番レベル模試の所感です。
今回は数学【理系数学・文系数学】です。
受験生目線の所感です。復習の参考にしてください。
※理系数学に続き、文系数学があります。
■理系数学
総評 標準
単純な大問と計算や場合分けが多く取り組みにくい大問の差があるセットでした。前者の様な問題は否が応でも落としたくないところです。逆に後者のような問題ではどこまで喰らいついて手を動かすことができたかが明暗を分けるでしょう。150分間粘り続けられるスタミナも必要となったでしょう。
第1問
やや易
基本的な平面図形の問題です。
(1)は余弦定理を用いて計算するだけ。落としてはならない問題でしょう。ちなみにヘロンの公式という飛び道具を使って検算もできます。
(2)も一見取り組みやすく見えますが、半径が大きすぎるとそもそも交点が生まれないことを見落とさないようにしたいところです。そこさえクリアできれば計算するだけの設問でしょう。
第2問 やや易
合同式を利用する典型的な整数問題です。本番では完答したい大問です。
(1)は1-(1)に並んで落としてはならない問題でしょう。nの左端を除いた五桁の数字をカタマリとして見るところがポイントです。
(2)は(1)の誘導に気づけば、すぐに合同式の利用が思い浮かぶでしょう。ここで気を付けたいのはaを7で割った余りによって場合分けが生じることです。具体的には、aが7の倍数である時とそうでない時で答えが変わってきます。
第3問 標準
東大頻出の平面図形の軌跡に関する問題です。今一度典型的な解法(逆像法や順像法など)を確認しておきましょう。
(1)は逆像法を用いて軌跡を求める典型的な問題です。解答の①の式は求められた方が多いのではないでしょうか。問題は①がtの二次方程式である時と一次方程式である時の場合分けに気づけたかどうかでしょう。とっておきたい問題です。
(2)も(1)と解法自体はほとんど変わりませんが、計算が複雑になり、追加の場合分けも必要となるため丁寧に解き進める力が要求される問題です。
第4問 やや難
漸化式を求める誘導付きの確率漸化式の問題です。しかし六個の出目を全て追っていると計算が大変なことになるため工夫が必要となります。フローチャートを書くなどして慎重に流れを追うことが重要になるでしょう。
(1)は迷わず確率漸化式を使うのが良いでしょう。漸化式を使わず地道に計算してもできるにはできますが、計算が複雑になるため得策ではないと言えます。
(2)を見たとき、たぶん(1)が誘導になっていることはわかるけどいまいち意図が分からないなあ、と思った方が多いはずです。実際、東大入試ではこのような一見すると誘導には見えないけどある程度解き進めていくとその意図が見えてくるような誘導がよくあります。このような時は一度誘導のことを忘れて定石に立ち返るのが良いでしょう。すると、今回のように、ここで誘導を使うのかと発見できることも少なくないです。また、先述のように六個の出目を全て追っていると計算が大変になるので、性質の同じ出目ごとに纏めて扱うこともポイントです。
(3)は(2)が解けた人へのボーナス問題です。逆に(2)はできたのに(3)は出来なかったという人は要反省です。基本的な漸化式の解き方を復習しておきましょう。
第5問 標準
標準的な極限と微分法の問題です。但し、そのままだと計算が複雑になるため、対数微分法を用いたり、二つの文字を一つの文字に纏めたりすることができれば、大きな時間短縮に繋がります。
(1)は標準的な極限の問題ですが、この時期だと正答率はそんなに高くはないのではないでしょうか。極限は何となくでやってしまうと必ず失敗します。極限公式や挟み撃ちの原理をしっかり使って厳密に議論できるようになりましょう。今回の場合はabの大小による場合分けも必要になります。
(2)を見て微分法以外の発想を持つ人はそう居ないでしょう。そして、指数関数の微分をする際には対数微分法の発想を忘れずもつことが大事です。今回の場合、対数微分法を用いてもabが混ざって大小関係が見えづらいため、b/aをカタマリとみることで一気に見えやすくなります。さらに、今回は単調減少を示せればいいため、追うべきは微分係数の符号"だけ"だということも大切な考え方です。
第6問 難
苦手とする人の多い空間図形の問題です。さらに"垂直二等分面"などという聞き馴染みのない言葉が受験生の戦意を奪ったことでしょう。空間図形を図形のまま立体的に扱って
はドツボにはまるだけです。図形的な条件を代数的に書き換えて、式を連ねてゴリゴリやるしかないことも多いということも知っておきましょう(今回もそう)。この問題を最後まで解ききれた人は大いに自信を持っていいでしょう。
■文系数学
総評:標準
内容は全体として典型的な問題が多く、数学がある程度固まっている方にとっては易しく感じられたかもしれません。一方で基礎にまだ不安を残す方は、(1)は解けても(2)の途中で詰まってしまい、もどかしい思いをされたことでしょう。さらに形式面においても、東大型のテストを解く経験が未だ少なく、時間配分などで失敗された方も少なくないと思います。今回の模試では見通しの利く第1、4問を完答することに時間を費やすのがよかったかもしれません。
第1問 やや易
直線の通過領域の問題です。落ち着いて場合分けを行い、計算・図示すれば最後まで解ききれたかと思います。四つの大問の中では、とくにしっかり得点したい問題です。(1)で式が出た直線と円Cの中心で点と直線の距離公式を使えば、tの範囲が出ます。その範囲に従って実数解条件を考え、丁寧に場合分けを行えば(2)(3)はスムーズに解くことができるかと思います。
第2問 やや難
確率の問題です。いちど具体的な例で状況を把握して、操作の何が結果に関係するかを早めに掴んでしまいましょう。それを掴むことができたら、あとは計算を進めるだけになります。細かいところですがΣの上下の数、指数などの書き間違い・ズレに注意しましょう。逆に問題の状況が把握できない人には手の出にくい問題になったかと思います。「1が出る」「6が出る」「2~5が出る」というそれぞれの事象に分けて考えたいところでした。問題の状況に合致するのは「(n-m)回目にBが起こり、かつ(n-m-t)回目からn回目まですべてCが起こる」ときのみです。 (2)の題意にかなう状況は二つあります。(1)に似た状況と、そうではない状況の二つに場合分けが出来れば一本道です。
第3問 難
整数問題です。(1)を拾うだけなら楽かもしれません。ですが本番を想定すると、証明方法を思いつくのに時間を費やすくらいならむしろ、大問1,4の検算に時間を使うのが上策かもしれません。Aに属するnをn=105p+qで表したとき、f(n)=10q+pと表せることに気づけば、(1)は簡単でしょう。(2)を解くなら丁寧に場合分けをしましょう。(1)よりmod7においてf(n)と3nが合同であることから、a1~6、r、aの間に関係が見出せますので、7の倍数であるか否かをもとに場合分けを行いながら答えを導きます。
第4問 やや易
(1)は計算問題ですから、計算や場合分けのミスに注意しながら、確実に正答しましょう。この手の問題で混乱してしまう方は、場合分けのさい、絶対値の中身ではなく、∫の両端の数字を用いることに留意しましょう。図示などを取り入れつつ、面積と関連付けて考えるのも手です。原始関数を置くなどして解答用紙を整頓すれば計算ミスは防げます。(2)では定数を文字で置き換え、式を簡単にします。aの範囲に気を配りつつ計算すれば正答にたどり着けます。見直しを念入りに行い、得点を確保したいところです。い、得点を確保したいところです。
以上です。
<script>
function gce(EventLabel) {
dataLayer.push({'event':'gtmClickEvent', 'EventLabel':EventLabel});
}
</script>