国語
全体概観
昨年から設問数は変化なし、マーク数は2つ減った。 第1問の評論は二つの文章を読ませる複数テクスト型の出題であった。 第2問の小説は問1の語彙の問題がなくなった。問5(ⅰ)は生徒のノートに基づく空欄問題。共通テストの特徴的な問題といえる。 第3問の古文は本文が二つ。歴史物語『増鏡』と日記「とはずがたり」が出題された。歴史物語の出題は2年続けてであった。 第4問の漢文は七言律詩とその序文が出題された。
大問数 |
減少
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変化なし
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増加
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設問数 |
減少
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変化なし
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増加
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マーク数 |
減少
-2 |
変化なし
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増加
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難易度 |
易化
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やや易化
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昨年並み
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やや難化
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難化
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大問数4題、各大問の配点50点。大問数、設問数は変化なかったがマーク数は2つ減った。
第1問の評論では、「食べる」ことと生命の関係について論じた二種類の文章が【文章I】【文章Ⅱ】というかたちで出題された。問1の漢字問題では、新傾向の出題が見られた。問2、問3は【文章I】からの出題(傍線部問題)、問4、問5は【文章Ⅱ】からの出題(問4が傍線部問題、問5は表現に関する問題)であった。問6は【文章I】と【文章Ⅱ】の関係理解を問う新傾向の問題であった。
第2問の小説は、出典は戦後の内向の世代を代表する作家黒井千次の作品。引用箇所の字数は昨年よりやや少ない。設問数・マーク数ともに一つ減り、例年出題されていた語彙の設問が無くなり、その代わり内容に関する読解問題が増えている。問5の(ⅰ)は生徒の調べたノートをもとにした共通テストの特徴的な問題。この設問形式に不慣れな受験生にとっては解答するまでに時間がかかったかもしれない。難易度としては主人公の微妙な心理や言葉の用い方が問われており、やや難化した印象を受ける。
第3問の古文は、本文が二つ。二つの文の合計字数は昨年度より250字ほど多い1150字程度。同じ事柄を描く二つの文章の相違点を考えさせる問4は新傾向。マーク数は昨年度と変わらないが、設問数は四つで、問4が小問三つに分かれているのは新形式。本文が二つあることや、問4の教師や生徒の発言に関する問題の出題は、試行調査には見られたが、昨年度は出題がなかったもので、新形式と言える。読解は先に読むことになる『増鏡』のほうがやや難しく感じられるが、注や『とはずがたり』を参考にして読むと理解できるだろう。問1~問3では、基本的な古語や古典文法の知識が解答を導くポイントとなる。
第4問の漢文は七言律詩(2020年度センター試験、2021年度共通テスト初年に、ともに古詩が出題されており、詩は三年連続)とその序文との組み合わせの問題であった。語の意味、返り点の付け方と書き下し文の組み合わせなど、例年の定番の出題とともに、今年度も詩の押韻の問題があり、形式名の問題も久々に出題された。設問数としては7になったが、マーク数は昨年と同じ7であった。
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2022 | 第1問 | 論理的文章:檜垣立哉『食べることの哲学』(文章内に宮沢賢治「よだかの星」)、藤原辰史『食べるとはどういうことか』 | 6 | 11 | 50 |
第2問 | 文学的文章:黒井千次「庭の男」 ※設問中に飯田蛇笏、高浜年尾、夏目漱石の俳句 |
5 | 8 | 50 | |
第3問 | 古文:『増鏡』、『とはずがたり』 | 4 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:『揅経室集』阮元 | 7 | 9 | 50 | |
2021 第1日程 |
第1問 | 評論: 香川雅信『江戸の妖怪革命』 ※設問中に芥川龍之介「歯車」 |
5 | 12 | 50 |
第2問 | 小説:加能作次郎「羽織と時計」 ※設問中に宮島新三郎「師走文壇の一瞥」 |
6 | 9 | 50 | |
第3問 | 古文: 『栄花物語』 ※設問中に『千載和歌集』 |
5 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:欧陽脩『欧陽文忠公集』『韓非子』 | 6 | 9 | 50 | |
2021 第2日程 |
第1問 | 評論: 多木浩二『「もの」の詩学』 | 6 | 11 | 50 |
第2問 | 小説:津村記久子「サキの忘れ物」 | 6 | 9 | 50 | |
第3問 | 古文: 『山路の露』 | 5 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:曾鞏「墨池記」 ※設問中に『晋書』「王羲之伝」 |
7 | 9 | 50 | |
2020年以前はセンター試験 | |||||
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2020 | 第1問 | 評論:河野哲也『境界の現象学』 | 6 | 11 | 50 |
第2問 | 小説:原民喜「翳」 | 6 | 9 | 50 | |
第3問 | 古文:『小夜衣』 | 6 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:『文選』謝霊運の詩 | 6 | 7 | 50 | |
2019 | 第1問 | 評論:沼野充義『翻訳をめぐる七つの非実践的な断章』 | 6 | 11 | 50 |
第2問 | 小説:上林暁「花の精」(『星を撒いた街』) | 6 | 9 | 50 | |
第3問 | 古文:『玉水物語』 | 6 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:『杜詩詳註』 | 7 | 8 | 50 | |
2018 | 第1問 | 評論:有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ-集合的達成の心理学』 | 6 | 11 | 50 |
第2問 | 小説:井上荒野「キュウリいろいろ」 | 6 | 9 | 50 | |
第3問 | 古文:本居宣長『石上私淑言』 | 6 | 8 | 50 | |
第4問 | 漢文:李燾『続資治通鑑長編』 | 6 | 8 | 50 |
【参考】過去の平均点の推移
2021(第1日程) | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
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117.51 | 119.33 | 121.6 | 104.7 | 107.0 | 129.4 | 119.2 |