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物理I
全体概観

磁気の出題は新課程で初。問題構成に変化はないが、昨年に比べて難化。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

大問数4つとそれぞれの出題順序・分野は、新課程初年度となった昨年と同様である。配点は波動で増加、力学・エネルギーで減少した。設問総数は24で、昨年の23から1つ増加した。このうち図や語句・短文を選ぶ問題が9問(昨年は8問)と昨年同様ほぼ全体の3分の1を占め、この傾向が定着しつつある。物理的な思考力を試そうとする方針が見て取れる。選択肢の数が8つ以上の設問が6題あり、これに苦しんだ受験生も多かったであろう。また本年度は新課程物理Iで導入された交流や電磁誘導などの磁気現象が初めて出題された。全体的に見ると受験生が苦手にする分野が含まれたこともあり、昨年より難化した。

【出題フレーム】

 

大問

出題範囲

設問数

マーク数

配点

2007

第1問

小問集合

6

7

31

第2問

電磁気

4

4

16

第3問

波動

5

5

21

第4問

力学・エネルギー

8

8

32

2006

第1問

小問集合

6

6

30

第2問

電気

4

4

18

第3問

波動

4

4

16

第4問

力学・エネルギー

9

9

36

2005

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

力と運動

5

5

20

第3問

熱とエネルギー

3

3

12

第4問

波動

6

6

24

第5問

電気

6

6

24

2004

第1問

小問集合

5

6

20

第2問

力と運動

5

6

24

第3問

熱とエネルギー

3

3

12

第4問

波動

5

5

20

第5問

電気

6

6

24



昨年の平均点
2006
73.42点

設問別分析
【第1問】小問集合
  

小問6つで構成され、実質的な設問は7つ。一昨年、昨年そして今年と配点が大きくなってきている。電磁気と力学が2問ずつ、波動とエネルギーが1問ずつと各分野バランスが取れており、それぞれに工夫されている。磁気や固有振動の問題は意外に引っかかる受験生が多かったのではないだろうか。


【第2問】電磁気
    

Aは抵抗と電流の関係を考察する問題。接続の仕方ごとに電流を調べるので意外と手間がかかる。Bの電磁誘導では向きや振り子の減衰する理由などを総合的に考察せねばならず、物理Uまで履修した受験生でも悩んだであろう。配点は16点と小さいが、全体の中ではかなり影響を与えそうである。


【第3問】波動
   

Aは2重スリットに関する基本的な問題。式を作ったり数値計算をしなくとも、与えられた条件内で素直に解けるはず。Bの水波の屈折は2001年本試験と同様の設定であり、大学入試センターが予告した「過去問再利用」とも考えられる。数値がきれいにならない点に悩んだ受験生がいたかもしれない。短文正誤問題は近年の傾向を踏襲している。


【第4問】力学・エネルギー   


Aは摩擦力と運動の基本的な問題。グラフ選択では「摩擦係数が異なる」ことと「停止する」ことが判断のポイントになる。Bのテーマである水圧は昨年も第1問で出題された。浮力・終端速度なども受験生に比較的なじみの薄いところであり、苦しんだであろう。Cの熱量の問題では計算の代わりに熱の出入り・流れを正確に把握する必要があり、考察力が試される。
新高3生へのアドバイス
センター試験の物理Tでは高等学校における基本的な内容がきちんと理解できているかどうかが問われます。したがって受験を来年に控えた新高3生の皆さんは、まず教科書の内容を習得することを目標にしてください。現行の学習課程は物理現象を式で書き下すだけでなく、実験などの探究活動を通して理解させようとする傾向が強く見られます。ですから高校でのそういった機会を大切に活用し、加えて基本的な問題集を解いていくことで基礎を確かなものにして欲しいと思います。
近年のセンター試験では図やグラフを利用させたり、短文の正誤を判断させたりといった問題が多く出る傾向にあります。これらへの対策として、普段から問題の答だけでなくそれに関係した考察をするクセをつけておきましょう。具体的には変数を変えて結果を吟味する、グラフを作ってみる、用語の約束を教科書で確認する、などといったことです。センター試験は題材が教科書に載るような有名な現象であることが多いので、こういった対策は非常に有効です。また、各分野は満遍なく出題されますから、ヤマをはったり苦手分野を残したりすることは避けなくてはいけません。さらには本番形式での模擬試験を通じて経験を積むことです。時間配分のコツをつかみ弱点を洗い出すには最適です。東進で実施する「センタープレ入試」を合格に向けて活用するとよいでしょう。
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