地理歴史 日本史A
全体概観
表・グラフ・資料が多く出題され、歴史に対する深い洞察力が求められた。
難易度 |
易化
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やや易化
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昨年並み
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やや難化
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難化
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全体的に満遍なく、グラフ・年表・史資料・図などをともなう問題が出された。日本史Bで出題された地図・系図はみられなかったが、提示された視覚資料から、教科書で学んだ基礎的な知識を正しく導き出す、共通テスト特有の特徴がみられたといっていいだろう。特に出題された表やグラフには「年号」が記載されており、時期と出来事を的確にリンクできたかどうかが、高得点確保のカギを握ったといえる。また、単純な語句の空欄補充問題が1問のみに減少していることからも、理解重視の傾向が顕著となったといえよう。
出題形式は、空欄補充問題・年代整序問題・正誤判定問題に集約され、センター試験も含め、昨年の大学入学共通テスト日本史Aと大きな変更はなかった。
出題範囲は幕末期から平成まで、近現代史の広範囲にわたっており、これまでの日本史Aの傾向が踏襲された。昨年みられなかった幕末期からの出題が、第2問・問1で復活した。平成史は直接的に解答になるものではなかったが、第4問・問7に「小泉純一郎」の用語がみられた。
出題分野は政治・外交・社会経済・文化と、これまでと同様に多方面にわたっており、近現代史に対する総合的な理解力が重視された。今年で開通から150年の節目をむかえる鉄道や、厚生労働省が強く提唱している、「働き方改革」を意識したと思われる社会経済の歴史が出されるなど、社会的関心を問う時事的な要素もみられた。
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2022 | 第1問 | 遺品整理の際の履歴書とパンフレット(会話文) | 7 | 7 | 22 |
第2問 | 幕末・明治期の日本とハワイ(会話文) | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 明治後期から昭和初期の社会と経済(会話文) | 7 | 7 | 22 | |
第4問 | 鉄道の歴史とその役割 | 7 | 7 | 22 | |
第5問 | 昭和期の政党政治と社会(会話文) | 7 | 7 | 22 | |
2021 第1日程 | 第1問 | 家族の会話と手紙(会話文) | 7 | 7 | 22 |
第2問 | 近代の女性 | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 国内政治と外交の歴史 | 7 | 7 | 22 | |
第4問 | 第二次世界大戦後の民主化政策 | 7 | 7 | 22 | |
第5問 | 社会福祉・社会保障と国内外の動き | 7 | 7 | 22 | |
2021 第2日程 | 第1問 | 歴史事件の史資料(会話文) | 7 | 7 | 22 |
第2問 | 井上馨と渋沢栄一 | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 憲法と感染症 | 7 | 7 | 22 | |
第4問 | 近現代の食文化・食生活 | 7 | 7 | 22 | |
第5問 | 近現代の人の移動と住環境の変遷 | 7 | 7 | 22 | |
2020年以前はセンター試験 | |||||
2020 | 第1問 | 日本における外国人(会話文) | 6 | 6 | 20 |
第2問 | 幕末から明治前期の民衆運動 | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 近代の都市 | 6 | 6 | 19 | |
第4問 | 近現代の風刺漫画 | 8 | 8 | 24 | |
第5問 | 近現代日本のエネルギー資源の調達と利用 | 8 | 8 | 25 | |
2019 | 第1問 | 歴史のなかで音楽が果たした役割(会話文) | 6 | 6 | 20 |
第2問 | 近世・近代における公家と華族 | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 明治の浮世絵師・小林清親 | 6 | 6 | 19 | |
第4問 | 近現代の日米関係 | 8 | 8 | 24 | |
第5問 | 近現代の港湾 | 8 | 8 | 25 | |
2018 | 第1問 | 紙幣に描かれた肖像・経済政策(会話文) | 6 | 6 | 20 |
第2問 | 幕末から明治維新にかけての軍制改革と西洋医学 | 4 | 4 | 12 | |
第3問 | 近世後期から近代における言論活動や表現活動 | 6 | 6 | 19 | |
第4問 | 石橋湛山 | 8 | 8 | 24 | |
第5問 | 近現代日本の流通業 | 8 | 8 | 25 |
【参考】過去の平均点の推移
2021(第1日程) | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
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49.57 | 44.59 | 50.6 | 46.2 | 37.5 | 40.8 | 45.6 |