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公開日 : 2018/02/13

Q.家のことを考えると、大学進学を諦めるしかないでしょうか

僕は長男です。中学生の弟が2人いるので家のことを考えると大学進学は難しいかなと思います。でも大学にはできれば行きたいです。諦めるしかないでしょうか。 (高2男子)
お金を理由に諦めるのは間違い

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獨協大学 獨協大学 経済学部教授・経済アナリスト
もりなが たくろう
森永 卓郎 先生

1957年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等、三和総合研究所(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)の主席研究員を経て、獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。テレビ、雑誌、講演などで幅広く活躍中。主な著書に『雇用破壊』(角川新書)、『年収崩壊』『年収防衛』『「価値組」社会』『庶民は知らないデフレの真実』『庶民は知らないアベノリスクの真実』(いずれも角川SSC新書)、『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)など多数。



大学は行くべき 

 

 まず大前提として、私は大学には絶対に行ったほうがいいと思っています。なぜなら人生の選択肢が広がるからです。もちろん高卒でも立派な方はたくさんいらっしゃいます。ただ、現実問題として、いわゆるホワイトカラーの仕事に就こうと思ったら、少なくとも専門学校以上の学歴がないと就職そのものが厳しいのです。ですから、職人だとか、将来を決めている方はかまわないのですが、まだ将来について明確には決めかねていて多くの選択肢を残したいという方には大学進学を強く勧めています。



給付型奨学金が理想的 


   未来のために大学に行きたいけれど、お金がないという場合、一番理想的なのは給付型の奨学金をもらうことですね。私自身大学進学時に父の会社が倒産し、お金がなかったのですが、コカコーラの育英財団から奨学金をいただき、一円も学費を払うことなく卒業ができました。また、勉強を頑張れば、学費を免除してもらえる可能性があります。成績さえよければ、私立大学はもちろん、国公立大学でも学費免除のシステムがあります。ただこの制度の対象者は受験時点からトップクラスで合格する必要がありますので、自分の実力を持ってすればトップになれるレベルの大学を探すのも手でしょう。



貸与型奨学金という選択肢も 


 また貸与型奨学金を借りて、足りない分はバイトでまかなうことも可能です。これはごく普通のことで、私の大学では学費を全額親が払っている家庭のほうが少ないくらいです。ただバイトを重ねるとシフト等に左右され自由度は格段に下がります。けれどそれでも行きたい大学を諦めて高卒で就職するよりははるかに自由です。 



バイトだって工夫次第    


 また、バイトは講義の選び方に気をつけさえすれば授業と両立することが可能です。さらにバイトも上手く探せば効率がよいものが見つかるはずです。例えば最低賃金の高い地域のバイトや、一般に出回っていない求人情報を見つけ出すことで、うまくいけば一般的なバイトの倍近くを稼ぐことだってできるかもしれません。    



奨学金の危険性     


 ただし私は貸与型奨学金で多額のお金を借りてしまうことはお勧めできません。やはり理想は給付型だと思っています。今の社会は大学を卒業したところで、大して稼げないのが現状です。奨学金はたいていの場合ご両親が連帯保証人となっていますが、返済しきれず親子で自己破産なんていう悲惨な事例も後をたちません。先ほどから申しているように工夫さえすればお金は稼げますし、節約だってできます。借りるお金は最小限を心がけてください。 


    繰り返しますが、工夫すればお金はなんとかなるものです。もし大学に行きたい気持ちが少しでもあるのだとしたら、高校生のうちからお金を理由に進学を諦めてしまうのはまるっきり間違えていると思いますよ。 



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