Q.自分を信じられず、劣等感を感じたり、自暴自棄になります。
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大阪大学人間科学部卒業、京都大学大学院教育学研究科修士課程臨床教育学専攻修了、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程教育方法学専攻修了、奈良女子大学文学部助手、福島大学人間発達文化学類助教授・准教授、兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授を経て、現職。青年心理学,自己論、特に青年期の自己形成過程に関する研究を専門分野とし、青年期の自己形成過程を明らかにすべく、青年の自己意識や自己感情の問題に取り組む。
読ませていただきました。きっと、この文字数の何倍もの感情が、心の中に渦巻いているのではないかなと思います。でも、それらを「整理された」言葉にするとなると、この一文になるのだろうなと思いながら読みました。自分を信じられない。劣等感を感じる。つらいことですよね。
でも、自暴自棄にならないでください。今こうしている間にも、あなたの心臓は波打ち、あなたの生命を支えています。あなたが意識していないところ、あなたが想像もしないところで、健気に生きるための活動を続けているのも、あなたにほかならないのです。あなたの中にいる生命の声を聞いてあげてください。
本気で自分と向き合って
そして、自分を信じられない気持ちも、劣等感を感じる気持ちも、あなたが自分という存在に向き合っているからこそ感じてしまうものだと思います。さらにいうと、自分に対して期待しているからこそだと思います。それって、自分に向き合う力があることのように思うのですが、どう思いますか。ならばもう少しがんばって、自暴自棄になる前に、本気で自分に向き合ってみませんか。
今はおそらく、「こうでなければならない」とか「もっとこうありたいのに」ということが先にあって、その観点から自分を眺めるということをしているのではないかと思うのです。何か勝手に基準を作って、それに自分があてはまるかどうか、厳しく評価してしまっているということです。でも、その基準では測れないところもあなたにはたくさんあります。それはどんなことでしょうね。きっと今のあなたがとらえることができていないところです。
まだまだあなたは自分のことを知らない。あなたが自分のことを信じられなくてもあなたのことを信じている人はいるかもしれないし、あなたのことをうらやましく思っている人がいるかもしれない。自分はいったい何者なのか、それに本気で自分に向き合ってみると、違う風景が見えるのではないかと思います。
周りとの交流が自分を知るキッカケに
逆説的に感じるかもしれませんが、本気で自分に向き合うためには、他の人や身の回りの事柄にきちんと向き合うことが必要になります。自分がとらえることのできていない自分を知る手がかりは、自分の中からは出てこないですから。自分が信じられなくても、劣等感ばかりでも、人と接すること、物事に取り組むことをやめないでください。その中で、今はまだ知らないあなたに出会える機会もあると思います。
あなたはまだまだ変われる
そして、今のあなたは完成形ではないことも知っておいてください。これからもあなたはどんどん変わっていきます。今の自分が信じられなくても、劣等感を感じることばかりでも、今のあなたがずっと続くわけではない。今の自分が気に入らなくてもなんとかふんばって日々を送っていってください。未来は変わります。