Q.試験当日に食べると良いものはありますか?
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筑波大学医学専門学群・大学院医学研究科生化学専攻修了。博士(医学)。専門は代謝学、応用栄養学。食生活や身体活動などの観点から、生活習慣病の予防・治療について研究を行っている。所属学会;日本糖尿病学会、日本体力医学会、日本栄養・食糧学会など。著書として『臨床栄養学(新スタンダード栄養・食物シリーズ)』、『疾病の成り立ち(新スタンダード栄養・食物シリーズ)』(東京化学同人)などがある。
当日の体調をベストにするには日頃の体調管理が重要です。試験当日に特別に食べるべき食べ物はありませんが、摂取すると良い栄養素として糖質(炭水化物)が挙げられます。
脳は活動するためのエネルギーとして糖質を利用していて、同じ栄養素でも、蛋白質や脂肪は脳が活動するためのエネルギーにはなりません。頭にいく栄養が不足しないように、当日は糖質を多く含むものを食べると良いでしょう。
糖質を含む食事といっても、甘い物にたくさん含まれるブドウ糖や砂糖(ショ糖)は腸ですぐに吸収されてしまい、あっという間に使われてしまいます。
そのため長時間にわたる集中力が必要な試験当日は甘い食べ物より、ゆっくり消化を受けてゆっくり吸収される糖質である「でんぷん」を多く含む食事、例えば、ごはんやパン、麺類などが脳の持続的な活動に有利かもしれないですね。
バランスのいい食生活が大切
ただ、当然ですが糖質だけを摂っても、効率よく脳を動かすエネルギーにはなりません。糖質がエネルギーになるのに必要な酵素の働きを助けるビタミン類なども大切で、ビタミンを多く含む野菜やお肉もあわせて摂ることが栄養学的にも良いです。
試験当日だけでなく普段からしっかり炭水化物を摂り、ビタミンやタンパク質などもバランスよく体に取り入れることを意識してみてください。普段から健康的な食生活をすることが、いい体調で本番に臨むことに繋がります。
試験中に眠くならないためには
胃の中に食べ物があると、人の体は胃への血流を優先的に増やし、その代わりに脳にいく血流が少なくなるので、食後はどうしても眠くなります。
また食後は副交感神経という神経の活動が優位になり、それも眠くなる理由の一つです。 ご飯などは胃から送り出され消化されるまでに1時間くらいかかります。そのため試験が9時に始まるとしたら8時くらいには朝食を食べ終えておきましょう。
試験の休憩時間やお昼にたくさん食べすぎてしまうと上記の理由で眠くなりがちなので、昼食は軽めが望ましいです。
ただしエネルギー切れになってしまっては元も子もないですよね。なので、食べるものとしては脳のエネルギーになるものを摂りましょう。おにぎりやサンドイッチ、また間食であればおせんべいなどは手に入りやすいのでお勧めです。