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公開日 : 2021/01/23

Q.自分の性別を「中性」だと思っています。

自分の性別を「中性」だと思っています。そのため、書類やテストなどで性別を書かされることや、服装や髪型に「性別らしさ」を求められると戸惑ってしまいます。そうではありますが、自分のような人に対しての偏見があることも理解しているので、なかなか言い出すことができません。自分の性別を周りに告白した方がよいのでしょうか。また、「らしさ」を求められたときに、どう対応すべきでしょうか。教えていただきたいです。 (高3)
時間をかけて調べ、考えてみましょう

この方が回答してくださいました!

明治大学情報コミュニケーション学部 准教授
たなか ひろみ
田中 洋美 先生

ドイツで社会学、ジェンダー研究を学ぶ。博士(社会学)。現在はソーシャルメディア、AIなどデジタルメディア、デジタルテクノロジーにまつわる差異・格差の問題を研究。近著に「みる/みられるの政治学:視線・監視・ジェンダー」(『みる/みられるのメディア論』共著:ナカニシヤ出版)、「ジェンダーとメディア」(『クリティカル・ワード メディア論』共著:フィルムアート社)など。https://www.hiromitanaka.net/



周りに伝えるかどうかは焦らずじっくりと考えて決めましょう


 まずは相談してくれてありがとうと伝えたいです。つらい思いをされていると思いますが、この悩みを相談してくれたことで同じような境遇の人たちがこの記事を目にして救われる部分があるかもしれません。


  さて「中性」というアイデンティティを周りの人に伝えた方がいいのかについてですが、人によって反応が異なること、またせっかく伝えても受け入れられず傷ついてしまうケースもあるので、一概に伝えた方がいいとは言えません。ですから、自分が置かれた環境や周囲の人々、伝える相手をよく見て、焦らずにじっくりと考えて決めた方が良いと思います。戸惑いがおありとのことですので早めに伝えて理解してもらいたいと感じておられる可能性もありますが、時間がかかることは必ずしも悪いことではありません。打ち明けられる人にいつか出会えるだろうと思いながら、少し様子を見てはいかがでしょうか。 



 他国の状況を調べてみましょう


 海外に目を向けてみると「男」「女」以外に「X」や「不確定」等の性別カテゴリーを認めている国があります。日本ではまだそのような法律はありませんが、もしかしたら将来そうなる可能性はゼロではありません。法律制定だけでなく社会を変えるには、まず私たちがどういう社会にしたいのかを考えることが大切です。ですので、この相談をきっかけに、例えば海外の状況にも目を向け、日本にはない考えに触れ、様々な可能性を想像する力やあるべき社会の姿を構想する力を育めるようなことをしてみても良いかと思います。



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