Q.なぜかよくわからないけど辛い
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東京工業大学工学部機械工学科卒業、東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、博士(工学)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授・委員長。「幸せのメカニズム」「実線 ポジティブ心理学」など著書多数。
まずは気分転換してみよう
あなたの辛さがちょっと辛いよ、といったものであれば、当たり前のことかもしれませんが、「気分転換する」というのはどうでしょうか。例えば、「スポーツをする」、「お菓子を食べる」、「好きなことをする」、「人と話す」などといったことが挙げられます。
ちなみに、理由もなく急に辛くなるというのはうつ病の症状と似ています。とても耐えられないほど辛いときは、自分だけで抱え込まず、カウンセラーの方や、親など身近な大人に相談してみることをおすすめします。
自分が辛い理由を書き出してみよう
辛くなる理由がわかっていないということは、自分のことが良くわかっていないのかもしれません。幸せな人は、自分は今勉強したら辛い気持ちになるだろう、今先生に怒られたら辛くなるだろうといった想像が上手くできます。事前に身に降りかかる嫌なことを察知し、対処することができるのです。誰であれ、自分のことを完璧に理解している人はいませんが、自分の性格を大まかでも理解している方がいいでしょう。
自分のことを理解するために「メタ認知」をすることは良い方法です。「メタ認知」とは、楽しい、辛いといった感情を上から見る(=メタ)ことで、なぜ自分は辛いのだろうと冷静に自分の心を見ること(=認知)を言います。
例えば、書き出していくうちに勉強しても集中できないことを苦に思っていると気付いたとしましょう。まずは集中するためのさまざまな方法を考え、試してみます。それでも集中できなかったら、そもそも勉強しなければならないと思っていることが良くないと考えて、勉強するのをやめてしまうのです。
高校生ですと、先生や親に怒られることが怖くて手を抜けない人も多いのではないでしょうか。しかし、「メタ認知」が出来る人は全体像が把握できているので、「辛いから今日手を抜いても明日挽回できる」だとか、「この単元は遅れるけど後でやればいいや」のように、どれくらい手を抜いていいのかわかるのです。
幸せな人は、そのように「メタ認知」ができており、自分の問題を解決できるのです。書き出してみるだけでも、自分の気持ちが整理されますよ。
「やらない」ことは甘えではない
昔は怪我をしても頑張って走るような、いわゆる根性論が広まっていました。今は、辛いときはちゃんと休みますよね。心の状態が良い人と悪い人がいて、悪い人は休まず無理をすると心が壊れてしまい、回復するのに時間がかかってしまう、ということが認識されるようになったのです。そういった心のメカニズムをよく理解することは大切です。
人生は自分の思っているよりはるかに長いです。今していることが本当に今やらないといけないことではないかもしれません。それらからいったん離れることは全く問題ありません。上手に休むためには、「~しなければならない」という考え方をしないよう普段から心がけましょう。
今は辛くても、頑張れそうなところは踏ん張ったり、頑張れないなと思ったら気分転換したり適度に手を抜いたりして辛さを乗り越えていけば、いずれ必ず幸せになりますよ。