過度な心配性を治したいです。どうすればいいでしょうか? (高2男子)
心配性を武器に、挑戦を重ねよう
  
一般社団法人 認知行動療法研修開発センター 理事長
おおの ゆたか
大野 裕
先生

慶應義塾大学医学部卒業、同大学の精神神経学教室に入室。独立行政法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター顧問。現在、一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表。日本経済新聞にてコラム「こころの健康学」を連載中。著書に『こころが晴れるノート』(創元社)、『はじめての認知療法』(講談社現代新書)など多数。



心配は心の大切な機能


 まず、心配・不安は大事な心の働きです。人間は、何かを危ないと感じると不安を感じます。不安を感じないというのは危険でもあるのです。実際、脳炎などのために心配や不安を感じる脳の扁桃体が働かなくなっている人は、とてもいい人になります。相手の言うことを簡単に信じて、自分の個人的な情報も平気で話してしまうので、危険な目にあう可能性が高くなります。心配性というのは自分を守る大事な働きが機能している証拠なのですから、安心してください。 



できることから少しずつ、アイデアを沢山もらいましょう


 ポイントとなるのは、あなたが具体的に「何に困っているのか」です。過度な心配性によってどんなことが出来なくなってしまっているのかをまず考えてみましょう。そして、どう解決していくかの手立てを考え、できることから少しずつ試しましょう。


 ここで注意点が2つあります。1つ目は、「How」クエスチョンをすることです。原因を探る「Why」は良くありません。なぜなら、自分一人で考え込んでも理由はわからないし、わかっても解決策を見つけられないことが多いからです。原因探しよりも手立て探しの方がずっと役に立ちます。2つ目は、他の人にも相談して必要な手助けを受けるようにすることです。


 問題解決に近づくためには、できるだけ多くの解決策を考えるようにします。例えば、ある教科のテストで良い点数を取りたいのなら、具体的にどうしたら良いのかより多くの解決策を考えるようにします。教科書を勉強する、問題集を解く、過去問を解く、先生にテスト内容を質問するなど、手立ては沢山ありますね。友達などに相談することで新しいアイデアがわくかもしれません。自分一人で抱え込まないようにしてください。


 心配性の人もできることから少しずつ挑戦すれば、自分に自信がついてきます。



心配性が良い結果を生み出す


 不安を強く感じているときには、悪いことを過大評価して、自分の力や周りの人のことを過小評価していることがよくあります。そのようにして危険から身を守っているのですが、そうした考えが強くなると緊張して本来の自分の力を発揮できなくなります。


 ヤーキーズ・ドットソンと呼ばれる実験があります。ネズミにある作業をさせて、失敗したら電流を流し、どのような反応をするのかを観察するものです。電流が流れないと油断して失敗し、ほどほどの電流が流れると緊張するので失敗しません。しかし、強くなりすぎると緊張しすぎて失敗が増えました。つまり、ほどほどに心配することがよい結果を出すのに大切だとわかりますね。


 そこで大事なのは、きちんと現実に目を向けて、どの程度良くないことが起きるのか、そのためにどのような良くないことが起きるのかを確認することです。この試験で落ちたら大変なことになると思うと緊張しすぎてしまいます。そのときに、大変なこととは何かを冷静に考えてみることです。思ったほどひどいことにはならないものです。


 心配でも、諦めずに挑戦してみることも大切です。実際にやってみると、思いのほかうまくいくことがよくあります。そうした経験を積み重ねれば、それが自信になって、心配性が丁度良い働きをして、良い結果を生み出せるようになってきます。



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