Q.夜、なかなか寝付けなくて困っています。
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弘前大学 医学部 医学科卒。 東京慈恵会医科大学医学博士。「時差障害・交代制勤務障害」など本も出版。 米国Rush大学客員教授、米国Stanford大学客員教授の経験もあり、現在は法政大学文学部心理学科教授。専門領域は精神保健学、生理心理学、睡眠科学、時間生物学、精神医学。
「今日は眠れるだろうか?」などと睡眠に対して意識してしまうことが、逆に脳を覚醒させてしまい、眠れなくなってしまうんです。なかなか難しいことですが、よく言われるのは、捕まえようとすると逃げてしまう「青い鳥」の例です。寝よう寝ようと思わず、じっと何も考えずに、眠りが来る姿勢で待つということが大切ですね。「まあ、体を休めているからいいや。」くらいの気持ちで考えると良いと思います。
規則正しく生活しよう
規則正しく生活することは良い睡眠には大切です。例えばお風呂は湯船につかる、運動などの活動をする、夕飯を20時ごろまでに食べるなどです。中でも特に大事なことは、光の取り方です。朝の6-8時ごろの太陽の光は人間の体のリズムを整えてくれます。人間の体のリズムは25時間くらいあるのですが、太陽の光を浴びることで24時間にリセットできるのです。一方で、夜に強い光を浴びると脳の中で覚醒反応を起こしてしまいます。夜の光は体のリズムを遅らせ、次の日の寝るタイミングがどんどん遅れるということに繋がってしまいます。ですから、寝る前のSNSやベッドの中でのスマホの使用は厳禁ですよ。
寝不足といって寝坊するのは悪循環
眠れなかった人はしっかり寝てないと十全の力が出ないと言って、遅く起きることでカバーしようと考えることが多いんですよ。しかしこれはよくありません。朝起きるのが遅くなることで覚醒時間が減り、この次も寝にくくなってしまいます。だから少々眠くてもパッと起きて、規則正しく生活することが大事です。