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公開日 : 2021/03/13

Q.睡眠の悪循環から抜け出せない

私は、毎日一時間くらいかけて学校に行っていて、部活もしています。私の所属する部活は学校のなかでもかなりハードで、いつもくたくたなまま学校からそのまま塾に向かっています。そうすると帰るのはどうしても遅くなってしまって、朝もなかなか起きられず、授業中にも寝てしまいます。昔から、かなりの時間寝ないと昼にしんどくなるのは自覚しているのですが、帰宅部の人に比べると絶対に勉強時間が限られているので、焦ってどうしても睡眠時間を削ってしまいます。お昼に寝てしまうと体も重く感じて悪循環です。抜け出す方法はありますか。 (高2女子)
悪循環は、起きている時間の有効利用で断ち切る

この方が回答してくださいました!

江戸川大学 教授
ふくだ かずひこ
福田 一彦 先生

1983年早稲田大学第一文学部心理学専攻卒業、1983年早稲田大学文学研究科博士前期課程修了。1988年東邦大学にて医学博士号取得。現在、江戸川大学社会学部人間心理学科教授、同大学睡眠研究所長、同大学総合情報図書館長として、睡眠についての誤った考えや日課を改善する活動を行っている。



まとまった睡眠をとろう


 昼間に眠気を感じる、ということは睡眠不足の現れです。まずは夜にまとまった睡眠をとれないかどうか考えてみましょう。高校生の理想的な睡眠時間は8時間以上です。この数字を目指して睡眠をとりましょう。


 しかし、8時間も睡眠時間をとれる学生は多くないと思います。ですから、睡眠時間がどうしても足りない、という人は、以下のことを意識してみてください。



寝る時間と起きる時間を揃えよう


 どうしても睡眠時間を確保できない人は、最低限寝る時間と起きる時間を毎日揃えるようにしましょう。人間の体には睡眠覚醒リズムという24時間のきれいなリズムがあります。このリズムが崩れてしまうと眠気が強くなることがあります。


 これは土日も同じです。平日に睡眠時間が短くなり、その分自分の体のことを思って、土日にたくさん寝る、ということは逆効果です。寝溜めすることはできませんし、土日だけ睡眠の時間を変えてしまうと、毎週末に時差ぼけをしているような状態になります。これはソーシャルジェットラグと呼ばれ、近年問題になっています。


 規則的な生活にしても、馴染むのには1週間程度かかります。ですので、1~2週間規則的な睡眠リズムをとってみて、もしそれで体の調子が良くなれば、そのまま続けていくといいでしょう。



夜の照明はオレンジ色のものにしよう


 睡眠をとる前、スマートフォンなどでブルーライトを見ていませんか。ブルーライトは人間の生活リズムに影響を与えるので、これによっても生活リズムが崩れてしまいます。また、スマートフォンのような画面だけではなく、LED照明にもブルーライトが含まれています。寝る前の照明をオレンジ色のものにしてみても、眠りやすくなると思います。



お風呂は寝る1時間以上前に入ろう


 人間は体温が下がってからでないと睡眠をしにくいです。寝る直前にお風呂に入ってしまうと体温が上がるので、眠りづらくなってしまいます。お風呂や軽い運動など、体温を上げることは、睡眠をとる1時間以上前に終わらせるようにしましょう。


 睡眠は生涯に渡って大切なことなので、今のうちに規則的な睡眠リズムを確立しておきましょう。そうすることで、これからの生活がより豊かなものになるでしょう。皆さんが自分の力を十分に発揮でき、学校生活、また生涯に渡って活躍することを願っています。



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