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公開日 : 2022/04/09

Q.周りから性同一性障害だとからかわれます。

私は男性ですが、女子と話していることが多いというだけで他の男子に性同一性障害だとからかわれます。私は性同一性障害ではありませんし、ただ仲が良いのが女子というだけでからかわれるのが悲しいです。 (中2男性)
偏見がないかどうかに気をつけ、今後も友人と仲良くしていきましょう

この方が回答してくださいました!

早稲田大学 准教授
もりやまのりたか
森山至貴 先生

1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻(相関社会科学コース)博士課程単位取得満期退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)、『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』がある。



自分の中に偏見がないかどうかを確認してみよう


 男性で女性と仲が良いということでからかわれるのは悲しいし、自分と同じ性別の人だけに友達を限定するのは大変つまらないことだなと思います。なので、遠慮なく仲の良い女性の友人とこれからも仲良くしてください、とまず言っておきたいです。


 「性同一性障害じゃないのに」という言葉の中に性同一性障害の人に対するあなた自身の偏見が含まれていないか、確認してみましょうというアドバイスを次にしたいと思います。「自分は性同一性障害みたいな変な人ではなくて、ただ友達が女性であるだけ」とあなたが考えているとしたら、その背後には性同一性障害に対する偏見があります。自分が生きたいように生きる、つまりこの場合だと女性の友人と仲良くするために、他の人を傷つけたり、他の人の性のあり方をおとしめたりする必要はありません。その点にだけは気をつけながら、仲の良い友人とこれからも一緒に楽しく過ごしてもらえればよいと思います。



 からかわれたときにできる対応  


 あなたが再び同じようにからかわれたときに、「私は性同一性障害ではない」とからかってきた相手にアピールすることは、あまりおすすめしません。相手があなたをからかうのは、「性同一性障害はからかってよいことである」というルールを共有しろとあなたに圧力をかけているからであって、本当にあなたが性同一性障害の人間だと思っているからではありません。


 この場合、「私は性同一性障害ではない」と反論をすると、「やっぱり、性同一性障害は否定したくなるような、からかわれて当然のことなんだ」と相手に勘違いさせてしまう可能性があります。あなたが性同一性障害の当事者ではないことはあなた自身がよく分かっていればいいのです。相手にそのことを理解してもらう必要はありません。なので、もし再びそういうことを言われた場合は、「だったらなんなの?」と真顔で聞き返してみましょう。相手が絶句したらしめたものです。そのように聞き返すことが難しければ取り合わなくてもかまいません。


 もしからかいがひどくなってきたら他の大人に相談するのもよいでしょう。あなたが次にからかわれたときに選べる手段は、おそらくこの3つくらいではないでしょうか。


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