Q.どうしたら睡眠の時、鼻呼吸でいられるでしょうか。
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<略歴> 1986 岐阜大学医学部卒業 2008 岐阜メイツ睡眠クリニック 院長 2018 医療法人三遠メディメイツ睡眠医療部統括部長(併任) (豊橋、岐阜、岡崎、磐田) <現在> 公認心理師 国立精神神経医療研究センター 客員研究員 愛知医科大学睡眠科 客員研究員 日本睡眠学会:専門医, 評議員 教育委員(CBTセミナー作業部会) 認定委員(検査技師、心理士) <著書> ・睡眠時無呼吸症(朝倉書店)2013;分担執筆 ・内科医が診る不眠症(日本医事新報社)2014:分担執筆 ・外来精神科シリーズ、睡眠障害(中山書店)2015;分担執筆 ・睡眠学(朝倉書店)2020;分担執筆 ・不眠症に対する認知行動療法マニュアル(金剛出版)2020;分担執筆
そもそもなぜ鼻呼吸をするべきなのか
睡眠時は無意識で、特にレム睡眠時(多くは夢を見ている時間帯)は筋肉が緩みやすく、下顎が重力の影響で下がるために、どうしても口呼吸になってしまいます。口呼吸になると、下がった下顎が気道の通り道を塞ぎ、イビキや無呼吸症となり、睡眠の質が悪くなります。睡眠の質が悪くなって朝スッキリ起きられず、結果的に学校の成績が悪くなったり、乾燥により喉を痛めてインフルエンザや風邪をひきやすくなったりするなど、口呼吸にはさまざまな弊害があります。
反対に鼻呼吸では、空気が鼻を経由して出入りするので、空気に湿気が加えられ、喉の乾燥や痛みを防ぐことができます。また、適度に気道に圧力がかかり、肺胞の膨らみが維持されて、酸素の取り込みや二酸化炭素排出もしやすくなります。
”口テープ”を試してみよう
鼻呼吸にするためには、口呼吸をやめる必要があります。口呼吸をやめる方法としては、口テープを下顎と上顎の間に貼る方法が一般的です。口テープは薬局などで簡単に手に入れることができますよ。ちなみに、インディアンでは、母親が生まれた子どもが口呼吸をしているときに、紐で顎を縛って、鼻呼吸の習慣をつけさせるという風習があるそうです。その器具であるチン・ストラップというベルトも市販されています。まずは口テープを試してみて、どうしてもダメだったらベルトを使用してみましょう。